念願叶って、素敵な投資用物件が購入できました! さて、みなさんはその後の管理をどう考えていますか?
長い付き合いになる大切な物件。できれば良い状態を維持したいですね。
でも、管理委託も無料ではないし….必要以上にお金をかけたくない。
管理業者に委託する場合、家賃収入の5%前後を委託料として支払わなければいけません。
はたして「不動産管理」にそこまでの価値があるのでしょうか?
この記事では、不動産管理業者に委託できる業務内容を中心に、物件は自己管理できるのかどうかを検証していきます。
読み終わったとき、きっと管理業務に対するイメージが変わりますよ。
1. 不動産管理業の仕事とは|資格は必要?
大切な物件を扱う管理業者は、どのような仕事をしているのでしょうか?
「トラブルがなければ、特に仕事はないのではないか?」
筆者は、自身が経験するまでそう思っていました。
しかし、それは大きな間違いだったのです。
不動産管理業には必須の資格はナシ!
様々な仕事がある不動産業ですが、
- 賃貸業
- 賃貸管理業(不動産管理業)
この二つは免許が必要である宅建業ではないため、特別な資格や免許はいりません。
そのため投資用物件を管理する会社が、宅建免許を持っていなかったとしても違法ではないのです。
不動産業の宅建業(宅地建物取引業)とは?
- 自らが行う宅地や建物の売買や交換
- 売買や交換、賃借をするときの代理や媒介
これらの業務をするを行う業者は、宅建業の免許を受けなければければならないと法律で決まっています。
分譲マンションの場合は管理業務主任者が必要
ただ、分譲マンション(一室ずつ違う所有者がいる一棟の建物)の場合は、
マンション管理業者登録が必要となり、専任の管理業務主任者を置かなければなりません。
管理業務主任者は、所有者個人ではなく、所有者全員で構成される管理組合から委託を受けて業務を行います。
マンション管理業者の主となる業務(基幹業務)
- 管理組合の会計の収入及び支出の調定
- 出納
- マンション(専有部分は除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整
※ マンションの管理の適正化の推進に関する法律(第2条第1項第6号)より
このように、管理組合から集めた管理費・修繕積立金等の管理、光熱費等の出納業務など、
管理組合の財産を扱うことになるため、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」で厳しく縛られています。
オーナーが直接契約することはありませんが、マンション共用部分すべての管理を任せている管理業者は、しっかりしたところがいいですね。
補足ですが、竣工当初から依頼していた管理会社を変える管理組合が増えています。会社を変えるだけで管理費が2~3割安くなるケースも。
オーナー(区分所有)になった場合は自動的に組合員になりますので、共用部分の管理にも目を向けると面白いかもしれません。
任意登録制度|賃貸住宅管理業者登録制度
賃貸管理業者は、オーナーと入居者の調整が主な仕事です。
マンション管理業者のように、多数の所有者(管理組合員)の意見を調整したり、他人の財産を扱うような煩雑さがないため、
数年前までは統一ルールや法整備などもありませんでした。
不動産投資の形も変わってきており段々複雑になっていくのに、業者によってやり方が違う賃貸管理業界。
危機感を抱いた国は、平成23年に国土交通省管轄で「賃貸住宅管理業者登録制度」が創設しました。
賃貸住宅管理業登録制度とは、賃貸住宅管理業務に関して、一定のルールを設けることでオーナーと入居者双方の利益保護を目的としています。
この賃貸住宅管理登録制度、現在は任意登録であり、業者すべてに義務付けられているものではありません。
もちろん登録を受けていない業者でも、誠実に業務を行っている会社はたくさんあります。
しかし初めて管理を任せる場合は、登録されている管理業者の方が安心できますよね。
そんなときは、賃貸住宅管理業務検索システムを利用しましょう。商号や名称ですぐに検索できるのでとても便利ですよ。
賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士とは、賃貸管理業務を行う専門資格として認定された公的資格です。
賃貸不動産経営管理士の仕事とは?
≪専門業務≫
- 貸主に対する賃貸住宅管理に係る重要事項の説明及び書面への記名・押印
- 貸主に対する賃貸住宅の管理受託契約書の記名・押印
2024年より、賃貸住宅管理業務を行う事業所には必ず賃貸不動産経営管理士、もしくは6年以上の不動産管理実務者を配置しなければならなくなりました。
また、登録業者に義務付けられている重要事項の説明は、不動産経営管理士が実施することも同時に定められています。
2. 不動産管理業務の内容や範囲
では実際に不動産管理業務について解説していきましょう。
大きく
- 入居者対応
- 入居者募集
- 建物管理
- 賃貸経営
4つの業務に分けられます。実際に不動産管理業者に管理を任せるときのために参考にしてみてください。
①入居者への対応業務
入居者対応は、オーナーが持っている不動産に入居する方々に対応する業務です。
家賃の回収(集金代行)・滞納の催促
不動産オーナーにとって収入の要になる家賃。
毎月家賃や管理費を入居者から回収し、滞納された場合は督促を行うなどの業務を行います。
ただ、回収や督促は専門の業者が増えていることもあり、管理会社が行わない場合も。
クレーム対応
入居者からのクレーム対応も管理会社の仕事。
一番多いのは水漏れや部屋や共用部設備の不具合や故障、他にも入居者同士のトラブルを解決します。
その後業者に修繕依頼などを行うのも管理会社です。
クレーム対応のスピードや丁寧さは入居者の満足度(退去してしまうか、入居し続けてくれるか)の要因ともなるので重要でしょう。
事故や火災など保険が係る場合の対応
火災保険が適用される天災や人災による建物の損壊などが起きた場合は、
管理会社が部屋の検証・書類の準備と提出などをすることになります。
退去時の立ち会い・原状回復費用の請求
入居者が退去する際に管理業者が立ち合い、室内の状況を確認するとともに、原状回復費用の負担割合を決定します。
入居者とのトラブルが起きやすいのもこの部分なので、慎重に対応してもらう必要があるでしょう。
賃貸借契約の更新手続き
通常2年ごとにある、入居者との賃貸借契約の更新手続き業務です。
入居者が解約予告できる期間の前に余裕を持って契約更新の案内を行う必要があります。
②入居者の募集業務
空室が生まれて、そのまま放置していてはオーナーは家賃収入を得ることができなくなります。
そこで、新たな入居者募集をするのも管理業務の一環です。
募集広告などの宣伝
まずは様々な媒体を使い、入居者付のための広告をします。
例えばチラシやフリーペーパー・様々なサイトへの掲載・不動産仲介会社に対して入居者付けを依頼するといった方法が。
入居希望者への対応(内見)
内見のリクエストが来た際に入居希望者に内見の案内をします。
- 現地のポストなどに鍵を置いておく(現地対応)
- 管理会社で鍵を持っておき、取りに来てもらう(鍵取り)
- 管理会社で直接鍵を開けに行く(立ち会い)
の3種類があり、現地対応や鍵取りは仲介会社などで案内してくれる場合も。
賃貸契約・保険契約の締結
入居希望者から入居申し込みを受けたら、入居審査を行います。
入居希望者の収入や家賃などから、滞納リスクが低いかどうかを判断し、審査に通すかを決定。(審査はオーナーが行う場合もあります。)
審査に通過してから賃貸借契約や火災保険の契約締結を行い、入居が確定します。
鍵の受け渡し
部屋の引き渡しの日に、鍵の受け渡しが行われます。
③建物に関する業務
建物の保全も管理会社の仕事。
建物自体の質はオーナーの家賃収入に直結するものなのでこちらも重要な業務です。
修繕工事やリフォームの代理実施
建物の調査を行い、外壁や屋上工事など修繕が必要そうな箇所を確認。
オーナーと費用や工事部分を相談し、工事業者にリフォームや修繕工事を依頼します。
定期点検や掃除
上記の通り建物の点検・共用部の消火器の使用期限の確認・共用部の電灯が切れていないか・雑草が生えていないか
など建物の状態を細かく確認。
必要に応じた対応や清掃を行います。
④運営に関する業務|運営方針の提案
管理業者はただ家賃を送金すれば良いというわけではなく、
オーナーの利益を最大限にするために運営業務のサポートやアドバイス・報告などを行うのも管理業の一環です。
管理業者がオーナーに対してどういった条件で入居者募集をすればよいのか、
また、入居者付けのためにどの程度のリフォームを施せば良いのかの提案などをして、運営方針を決定します。
このように不動産には様々な管理が必要で、自主管理をしようとするとかなり手が折れる内容となっています。
そのため、会社勤めをしながらでも不動産投資を行える管理委託がオススメです。
自主管理と管理委託の比較やメリットデメリットはこちらの記事を参考にしてください。
3. 不動産の管理は委託するのがおすすめ!
不動産会社を始めると深くお付き合いすることになる管理会社。
今回はその管理業務の内容について解説しました。
自分の収益に直結する業務を任せるため、管理会社選びは非常に重要なことが分かりますね。
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