アパートの賃貸借契約の期間は2年間になっているところが多いと思います。
2年契約と聞くと、携帯電話などの契約を思い出す方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
2年間の契約期間に縛られ、途中で解約したらどこも違約金が発生しますよね。
これがもしアパートになれば、かなり高い違約金が発生しそうで、何だか不安になりませんか。
アパートの大家からすると、できるだけ長く住んでもらいたいもの。
もし1年未満の短期で退去されると、原状回復で大家の負担も発生してしまいます。
しかし入居者にも事情があり、短期間で退去しなければならないことだってあるでしょう。
今回はどんな時に違約金が発生するのか、さらに契約書で気を付けるポイントはどこにあるのかをご説明したいと思います。
目次
1. 2年契約の期間内にアパートを退去したら違約金はかかる?
アパートの契約では「2年契約」というのをよく見かけます。
言葉だけ聞くと、2年間は住まなければならないので、2年以内の退去はできないような印象を受ける人も多いのではないでしょうか?
しかし実際はそんなことはなく、一般的には2年契約の期間内で退去しても違約金はかかりません。
そもそも「2年契約」というのは、大家ではなく入居者にとってメリットとなるように作られたもの。
「2年契約」とした場合、大家はこの2年の間は「出て行ってください」といった退去のお願いをすることができないのです。
つまり入居者は2年間は大家からの不当な退去指示を受けることなく安心して住み続けることができるという意味合いがあるのです。
「特約」をチェック!1年未満の退去で違約金がかかる場合も
さきほど、一般的には「2年契約」の途中で退去しても、入居者は違約金を払う必要がないと説明しました。
しかしこれは契約書にその旨の記載がない場合のこと。
契約書に署名捺印している限り「特約」は有効なので、裁判で争っても勝ち目が少ないのが現状です。
宅建業法では、お客は不動産の知識が少ないということを前提にし、宅地建物取引業者である不動産会社に、重要事項の説明を義務付けています。
つまり仲介する不動産会社の担当者は、契約しようとするお客に対して、違約金などの特約があれば、しっかり口頭でも説明をしなければならないわけです。
ところが、お客が後から「聞いてない」ということも。言った言わないといってトラブルになることもよくあります。契約時の様子を録音でもしていない限り、担当者が説明したか否かは確認できませんが、そんな人はほとんどいませんよね。
そういうトラブルが起こった時は双方で交渉することもありますが、契約書等に署名捺印してしまっているので、入居者には不利かもしれません。
2. 違約金が発生する場合の相場はいくら?
それでは特約がある場合、アパートの違約金は一体どの位かかるのでしょうか。
これは不動産会社や大家によって違いますが、一般的なのは家賃1か月分。しかし多いところでは家賃3ヵ月分もかかるところもあるんですよ。
これはあくまでも違約金で、なかにはこれに加えて敷金を返金しないというところも。
もし敷金を3か月分入れていれば、違約金とあわせて家賃4~6か月分も払わなくてはならないことに。
また引っ越しというのは何かとお金がかかるもの。入居時には敷金・礼金・手数料といった初期費用を支払い、さらに引っ越しに伴う運送費用やお部屋のインテリア用品など、かなりの出費になります。
その後2年以内に引っ越しするとまた運送費用もかかり、さらに違約金となると、短期間に相当なお金が出ていくことに。
解約のタイミングというのはよく考えなければなりませんね。
3. 違約金が設定されている意味を知る
アパートの違約金は契約ごとに異なるもので、契約書の「特約」に明記されている場合に違約金がかかることがあります。
実は「特約」がある契約と、ない契約では契約内容に違いがあることが多いのです。
「特約」で1年未満退去での違約金がかかると書かれてある契約では、敷金礼金ゼロとなっている物件が多いのです。その代わり「特約」をつくって短期解約は避けてほしいという大家の願いが込められています。もし敷金礼金ゼロの物件ですぐに退去されると、大家は大赤字。
次の入居者を募集するためハウスクリーニングや修繕などが必要になり、費用負担を強いられるからです。
アパートの違約金は、入居者にとってデメリットのように見えますが、実は入居時の費用がかからないというメリットも受けていることがあるので、そう考えるとそれほど悪いものでもありません。
人によっては大きなメリットとなるかもしれませんよ。
4. 違約金は払わないといけないのか
契約書に書かれていてサインをしているならもちろん払う義務がある
アパートの契約書の特約に、1年未満の短期解約で違約金が発生することが明記されている場合、入居者はこれに従わなければなりません。
契約時には、賃貸借契約書と重要事項説明書への署名捺印が必要ですが、この時に不動産会社の担当者からも説明を受けているはずです。そのため後から「知りませんでした」と言ってもなかなか通りません。
それでは契約書に書かれている以上、必ず違約金を払わなければならないのかというと、そこは交渉の余地がないわけではありません。
たとえばどうしてもやむを得ない家庭の事情があったり、会社から予期せぬ転勤をいわれることもありますよね。
入居者本人は住み続けたかったけれど、本人の意思に反する理由で引っ越しすることになれば、不動産会社に相談する余地はあるでしょう。
もちろん必ず聞いてもらえるとは言えませんが、もしかしたら事情を汲み取ってくれる可能性もゼロではありません。ダメもとでチャレンジしてみましょう。
また退去予告は、通常1か月前までに連絡することになっています。これは最低限の期限なので、もし早めにわかっていれば早く伝えると、大家は助かるもの。そういったことも違約金に配慮してくれるかもしれませんね。
5. アパートに違約金がかかるかは契約書を見るべし
アパートの違約金の有無は、契約内容によって変わってきます。
賃貸借契約書や重要事項説明書で短期解約での違約金の発生について明記されていれば、基本的にはそれに従う必要があります。
しかし契約書等に記載がないのに違約金を請求された場合は、全く払う必要はありません。
大切なことは、契約書で何が書かれているのかを理解することです。不動産屋の担当者は契約書等の内容を口頭で説明してくれますが、自分でもしっかり読んで、わからないことはその場で質問するようにして、後でトラブルとならないように注意しましょう。
あなたが不動産オーナー側になった時も、全て契約書が鍵となります。違約金を特約に盛り込む場合は明記、またしっかりと口頭で説明しましょう。
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