不動産を売却して利益が出た場合には、個人の収入の所得とは別に、確定申告が必要です。
一般的なサラリーマンの場合は、確定申告ではなく企業で年末調整をすることが多いので、税金の申告に慣れてない方が多いと思います。
不動産売却で利益が出た場合にが、「分離課税」という方法で税金の申告が必要です。
この記事では不動産投資における分離課税の特徴やメリットなどを解説していきます。
これから不動産投資を始める方や、不動産投資を始めたばかりで確定申告を控えている方は是非ご覧ください。
目次
1. 不動産投資に関わる分離課税とは?
不動産投資における分離課税とは簡単に言うと、
不動産を売却した利益(譲渡所得)を不動産投資で得た家賃収入や給与所得など、他の所得と一緒にせずに、「分離」させて税額を計算し課す方法です。
そもそも分離課税とは「譲渡益課税」のこと
分離課税とは、株式や不動産を譲渡した際に発生した利益に掛かる課税のこと。
「譲渡益課税」と言われ、別名で「キャピタルゲイン課税」とも呼ばれています。
分離課税は不動産の譲渡による利益以外にも、株式の譲渡所得・山林所得・退職所得がこれに分類。
総合課税との違い
総合課税は原則として合算されて課税されますが、それに対して分離課税は、他の所得と分離して課税されます。
分離課税のメリット
こうして見ると、総合課税の方は手間が省けて良いように見えますが、分離課税には総合課税には無い大きなメリットがあります。
それは「損益通算」できるということ。
損益通算とは、損失(赤字)と利益(黒字)を相殺することを言います。
相殺することで、譲渡益課税を少なくしたり、ゼロにしたりすることが可能です。
退職金や株式も所有している高所得の方には特に大きなメリットが。
不動産投資における分離課税とは「譲渡所得税」のこと
不動産投資による分離課税は、上述の通り土地や建物などの譲渡の際に発生した「譲渡所得税」のことを指します。
譲渡所得に関しての特徴や計算方法などを、覚えていきましょう。
譲渡所得税とは
土地・建物・株式等・ゴルフ会員権・書画・骨とう。
これらの資産を譲渡・売却した際に生じる所得を「譲渡所得」と言います。
生活用動産(家具・自動車・衣類など)は、同じ資産の譲渡でも非課税ですが、上記のものは税金がかかることに。
その中でも、土地・建物・株式等は「分離課税」、ゴルフ会員権・書画・骨とうは「総合課税」となります。
これらの譲渡所得には、所得税や住民税がかかります。
これらの総称が「譲渡所得税」です。
家賃収入は分離課税になる?
間違えやすいのですが、家賃収入は「不動産所得」になるので総合課税になります。
月極駐車場も同じなので、駐車場を所有している方はご注意ください。
譲渡所得の計算方法
譲渡所得税の計算方法は、長期譲渡所得20%と短期譲渡所得39%で税率が2つに分かれますが、基本的な計算方法は同じ。
まずは「課税譲渡所得金額」の算出が必要となります。
計算方法は
課税譲渡所得金額=譲渡価格-(取得費※1+譲渡費用※2)-特別控除※3
そして課税譲渡所得金額が算出できたら
課税譲渡所得金額×税率20%または39%
となります。
※1 取得費…譲渡所得を得た不動産を購入するのに掛かった費用。仲介手数料や登記費用・住宅ローン利子・リフォーム費・設備なども含まれる取得費とすることができる。
※2 譲渡費用…不動産を売却した際に発生した費用。仲介手数料や印紙税など、売却手続きに掛かる費用が含まれる。
※3 特別控除…国で定められた譲渡所得の計算から差し引ける金額。
- 公共事業などの影響で不動産を売却した場合・・・5,000万円
- 自己居住用財産を売却した場合・・・3,000万円
- 特定土地区画整理事業などのために土地を売却した場合・・・2,000万円
- 特定住宅造成事業などにより土地を売却した場合・・・1,500万円
- 農地保有の合理化などのために土地を売却した場合・・・800万円
2. 不動産所得を得た時の確定申告方法を解説!
確定申告はまず申告書の作成と、必要書類の準備が必要です。
記入書類は最寄りの税務署でもらう、または国税庁ホームページよりプリントアウトが可能。
申告書の記入と必要書類準備ができたら、税務署に直接提出か郵送での提出になります。
確定申告の必要書類について解説|第三表を忘れずに
確定申告をする際の申告表はAとBの2種類があり、給与所得・雑所得・配当所得・一時所得以外は、申告書B第一表、第二表を使用します。
ただし今回は分離課税があるので、分離課税用の「申告書第三表」が必要です。忘れずに準備しましょう。
申告書以外に費用な書類は、
- 源泉徴収票
- 費用経費の領収書
- 決算書/収支内訳書
- 各種控除の証明書
- 登記簿謄本または住民票
になります。
確定申告書類の書き方
申告書に必要事項を記入し、最終的に税額を記入して終了。
パソコンの場合は金額を入力すると、自動計算で税額が算出されます。
それでは、具体的な申告書の書き方を説明しましょう。
①譲渡所得の内訳表を作成
土地や建物を譲渡した場合の譲渡所得金額の計算や、措置法等による特例の適用を受ける場合の計算に使用。
以下のURLから譲渡所得内訳書を取得できます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/02/pdf/a029.pdf
②第三表に記入する
譲渡所得の内訳書から、収入金額や所得金額等を転記していきます。最後の税金の計算も忘れないようにしてください。
③確定申告書Bを作成
第一表の収入金額と所得金額、第二表を埋めていきます。
第一表の「所得から差し引かれる金額」には、「給与所得の源泉徴収票」が必要になってくるのでご準備下さい。
最後に第一表の税金の計算・その他を記載して完成となります。
「これらの計算が面倒くさい」と思ったら、確定申告書等作成コーナー(通称e-tax)が便利です。ぜひご利用下さい。
自動で全て計算してくれるので、短時間で確定申告が出来ます。詳しくは下記URLをご覧ください。
参考:国税庁 確定申告書等作成コーナー https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl
一緒に提出すべき書類
土地や建物等の譲渡所得がある場合は
- 譲渡所得計算明細書
- 経費が分かる書類(印紙など)
- 売買契約書(コピー)や登記簿謄本
なども必要です。
3. 迷った時にはプロの力を借りるのもオススメ!
不動産投資で家賃収入を得た時は「総合課税」、売却益を得た時は「分離課税」になると覚えておきましょう。
家賃収入や売却益を得たら、解説した方法を基にしっかり確定申告をしてください。
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