家族向けの広めの賃貸物件である「ファミリータイプ物件」。
ファミリータイプマンションで不動産投資をする投資家も多数います。
2LDKや3LDKが多く、間取りが広いためワンルームマンション投資より家賃が多くて投資効率が良いと言われる反面、ファミリータイプ物件は不動産投資に向かないとも言われますが、本当でしょうか?
今回はファミリータイプでの不動産投資を一人暮らしタイプのマンション(ワンルームや1Kなど)と比較、また、失敗しないために押さえておきたいポイントや、メリット・デメリットをご紹介します。
不動産投資に興味はあるけれど、物件選びで迷っている方は参考にしてください。
目次
1. ファミリータイプマンションでの不動産投資の特徴を一人暮らしタイプと比較
ファミリータイプとはその名の通り、一般に2LDK以上の夫婦と子供といった家族向けの賃貸物件のことです。
単身向けのワンルームや1Kなどの物件と違い、求められる設備や間取り、入居者層も大きく変わってくるので、不動産投資をする際のコツも単身者向け物件とは異なります。
それでは、単身者向け物件としてよく聞く「ワンルームマンション投資」と、「ファミリータイプマンション投資」との違いについて解説していきましょう。
部屋の間取りや広さに違いがある
ファミリータイプ物件は、3人以上で生活することが多く、広さと部屋数が求められ、2LDK~3DK以上、広さとしては50㎡以上が求められる傾向に。
単身者向け物件はワンルーム・1K・1DK、広くても1LDKなど、部屋数は求められず、コンパクトな造りになっています。
広さとしても30㎡以下の場合が多いです。
部屋に備え付けている設備に違いがある
単身者とファミリーでは部屋に求める設備にも違いがあります。
インターネット無料・宅配ボックス・エントランスのオートロックなど、ワンルームマンションやファミリータイプマンションに共通して人気の設備があります。
ファミリータイプマンションのみで求められる設備に、追い炊き機能やシステムキッチンなど家族の生活をサポートするような設備があるのに対して、
単身向け物件では24時間ゴミ出し可能・独立洗面台・浴室乾燥など、家を空けがちな単身者にとって便利な設備が重視されていることが分かります。
立地の条件に違いがある
不動産投資の成否を左右する「立地条件」も単身者とファミリーでは差があるので注意が必要。
ファミリータイプは学校や病院など近い、治安が良い立地(高齢者や子供向けに)が優先され、
単身者は治安よりも「通勤時間」などを考慮することが多いので、都心と駅に近い立地であることが重視される傾向があります。
不動産投資のポイントが違う
不動産投資目線で見ても、ファミリータイプ物件と単身者向け物件では異なります。例えば家賃。
ワンルームや1Kより2LDK以上の方が家賃が高くなります。
ただし、広さが倍になったとしても家賃が倍になる訳ではありません。
また、ワンルームでは入居者の入れ替わりが多く、ファミリーの方が長期で住む入居者が多いという差も。
また、退去時修繕にかかる金額はファミリータイプの方が大きくなります。
2. ファミリータイプの不動産投資で失敗しないために押さえておきたいポイント
ファミリータイプでの不動産投資で収益を上げることはできます。
実際に失敗しないための誰でも実践できるノウハウをご紹介しましょう。
間取りは~4LDKがおすすめ(2LDKや3LDKの賃貸需要が高い)
ニーズの高い物件選びも不動産投資成功のポイントの1つ。
ファミリータイプで不動産投資をする際の間取りは最大でも4LDKまでにしましょう。
あまり広すぎても、大人数家族に限定されてしまうため、入居率が低くなってしまいます。
夫婦に子供が1,2人という家族が多いため、2LDKや3LDKの人気が高いのです。
小学校の近くで治安の良いエリアを探す
まず、評判が良い小・中学校があるなど小中学校の学区を重視し、かつ治安が良いエリアを探しましょう。
ファミリータイプ物件は先述した通り、「駅近」よりも子供や高齢者にとって快適な物件が求められます。
子育て世代の親にとって、「治安」は住居を選ぶ上で最重要視しやすいポイントでしょう。
ファミリーに人気の設備を取り入れる
ファミリー世帯に合った、人気の設備を導入することも入居率のアップにつながります。
家族が快適に暮らせる設備があると入居率も上がり、付加価値をつけることで家賃も比較的高めに設定することができるでしょう。
ファミリー層に人気の設備ランキング
リフォームなどで設備を取り入れるにあたって、ランキングを参考にするのもおすすめです。
全国賃貸住宅新聞が2023年度に発表した、入居者に人気の設備ランキングでは、以下のような設備が人気。
- インターネット無料
- エントランスのオートロック
- 宅配ボックス
- 浴室換気乾燥機
- ホームセキュリティ
- 独立洗面台
- 24時間利用可能ゴミ置き場
- システムキッチン
- TVモニター付きインターフォン
- エレベーター
費用対効果を見越して、導入を検討してみましょう。
将来かかるであろう修繕費やリフォーム代も含めた計画を立てる
ファミリータイプマンションはワンルームマンションより間取りが広い分、修繕費やリフォーム代もワンルームマンションよりかさむ傾向にあります。
将来かかるであろう修繕費・リフォーム代を見越した収支計画を立てておきましょう。
収支計画に即して、修繕費を積み立てておくといざとなったときに慌てずに済みます。
3. ファミリータイプマンションで不動産投資をするメリット
ファミリータイプ物件で不動産投資をするメリットをご紹介します。
デメリットも続けてご紹介しますので、メリットデメリットを比較してみましょう。
長く入居して貰いやすいので、家賃収入が安定する
ファミリータイプは単身者向け物件と比べ、入居期間が長いという特徴があります。
単身者は賃貸の2年更新を機に入退去が頻繁になりやすいですが、ファミリーは子供が学校に在学中は転校を避けるため、同じ物件に住み続けることが多いです。
入居期間中は家賃収入が途絶えることはありませんし、家賃が下落することもないので、長く住んでもらえることは魅力的なポイント。
また長く住み続けてもらえるということは、入退去時のクリーニング代や修繕費を含めた原状回復費用も必要なくなり、安定した経営を行うことができます。
入居者の属性が比較的上がりやすい
ファミリータイプ物件は家賃が高いので審査が厳しくなります。
また家族連れということもあり、入居者の属性(収入や勤務先などで決められる)が高くなる傾向に。
入居者の属性が高いということは、家賃収入がなくなる「滞納リスク」も防ぐことができるのです。
駅近等の立地ではない場合でも集客できる
ワンルームなど単身者向け物件は駅近が好まれる傾向にありますが、上述した通りファミリータイプだと学校や病院、治安の良さが優先されます。
必ず駅近でなくとも、そのエリアの需要に合っていれば入居者を獲得することができます。
需要と供給のバランスが良いので安定した経営がしやすい
近年の不動産投資の流行や相続対策などでアパートやマンションを建築する人が増えており、特にアパートやワンルームマンションは供給過剰になりつつあります。
一方でファミリータイプ物件はまだ供給数が少なく、需要も安定しているため、空室リスクが低くなるでしょう。
不動産投資においては「需要と供給のバランス」が取れていることも非常に重要な要素です。
4. ファミリータイプの不動産投資のデメリット
メリットだけでなく、デメリットにも目を向けて比較検討しましょう。
また、デメリットやリスクはカバーできる対策もあるため、併せてご紹介します。
実質利回りが低くなりがち
ワンルームマンションと比べ、ファミリーマンションは実質利回りが低くなりがちに。
例えばいくら広いからと言って、例えばワンルーム家賃相場が約6.2万円の練馬区で、3LDKの不動産投資をする場合、およそ家賃相場は14万円となります。
ワンルーム3部屋分の面積があっても、ワンルーム3室分の18.6万円を家賃にできるわけではありません。
また部屋が広い分、税金や修繕のコストが高くなるといった理由で利回りが低い傾向にあるのです。
部屋の広さがいるので投資物件の購入価格が高い
ファミリータイプ物件はワンルームと比べ、広さがあるのでもちろん購入価格も高くなります。
エリア・金額など、キャッシュフローを考え、より慎重に投資計画を練る必要があるでしょう。
入居期間が予測しづらい
ファミリー世帯は長く入居してくれる場合が多いですが、転勤やマイホームの購入を機に退去が発生することが多い層です。
単身者向けだと「2年契約更新の時期だから」「卒業や就職の時期だから」退去が発生するだろうと大まかに予測することができますが、ファミリータイプマンションは入退去の見通しが立ちづらく、不動産投資の計画を立てるのも若干難しくなるでしょう。
管理費や修繕・リフォーム費用が高額になりやすい
先述した通り、ファミリータイプマンションの不動産投資は、管理修繕費・リフォーム費用などが、ワンルームマンションより高額になります。
エアコンや給湯器の故障など、修繕費は突発的に発生することもあるため、いざとなったときに慌てずに済むように積み立てておくことが大切です。
5. ファミリータイプ物件での不動産投資の失敗事例
失敗から目を逸らすのではなく、失敗談を参考にすれば成功への道が見えてきます。
ファミリータイプで実際に起こった不動産投資の失敗事例から、成功ポイントを読み解いていきましょう。
空室リスクと修繕積立金の増額による赤字経営
某県の住宅地のファミリータイプマンションで不動産投資を始めたXさん。
しかし、少子高齢化が進んだその地域で入居者が中々つきませんでした。
やっとのことで入居者がついたと思うと、3年後には入居者であるご夫婦のお子様が進学で1人暮らしを始めることに。
残された入居者夫婦は、部屋が広すぎるということで退去してしまいました。
また追い打ちをかけるように修繕積立金が値上がりし、Xさんのマンション投資は失敗に終わってしまったのです。
修繕積立金の値上がりについては契約時に確認し、値上がりすることも見越した収支計画を立てることが必要です。
また、その地域の人口分布や、賃貸需要をよく調べてから投資を決め、空室リスクを最小限まで下げましょう。
タワーマンション等の大きなマンション投資は修繕費用が多くかかる
Zさんは高級物件が魅力的だし、入居者も絶えないだろうと思い、タワーマンションの2LDKの物件で不動産投資を始めました。
予想通り、入居者はすぐに入りました。
しかし、数か月後にエアコンの不具合があり、ビルトインタイプだったので修繕費も高額でした。
無事に工事が終わって安心したのもつかの間、2年経った時に入居者が退去してしまったので内部のクリーニングや細かい修繕を行うことに。
修繕費も非常に高額で、結局収支がマイナスになってしまったのです。
タワーマンションなどの高級マンションは入居者からの人気も高いですが、もちろん物件価格が高ければ修繕費も一般の賃貸物件と比べて高額です。
修繕費は多めに見積もって、投資計画を立てましょう。
6. ファミリータイプ物件の不動産投資での成功には需要の見極めが必要
ファミリータイプはワンルーム投資より高い家賃収入を得られる一方、修繕費が高くなりがちというデメリットがあることが分かりました。
ファミリー需要がある立地を選び、しっかりと投資計画を立ててから不動産投資をすればファミリータイプでも不動産投資を成功させることができます。
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数々の物件を取り扱っているため、良物件を見つけたい方は是非ご相談ください。