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不動産投資において脱税にならないために|脱税と判断されるパターンや実例を紹介

不動産投資は、節税にもなるということで始める人も多いことでしょう。

しかし、家賃収入を少なく申告したり、経費を意図的に増やすなどの行為は脱税になります。

脱税をすると、過小申告課税などのペナルティを受けるだけでなく、最悪の場合には逮捕されることも。

この記事では、不動産投資における脱税と節税の違いと、脱税をしたときにどんなペナルティがあるのかなどについて解説をします。

1. 不動産投資における脱税と節税の違い

不動産投資における脱税と節税の違い不動産投資における節税とは、法律の許す範囲内で減価償却費や修繕費などの経費を計上し税金を減らすことを言います。

一方脱税は、家賃収入を少なく見せたり、架空の経費をあげるなど違法行為をして税金を少なくする行為のこと。

節税か脱税かがはっきりしていない部分は「租税回避行為」といい、裁判になると脱税行為となってしまうこともあるので注意しましょう。

2. 不動産投資において脱税と判断されるパターン

不動産投資において脱税と判断されるパターン不動産所得とは、家賃収入等から交際費や交通費・事務用品費用・セミナー参加代などの経費を差し引いたものを言います。

一般的に、年末調整をした給与所得者は、20万円以下の不動産所得であれば確定申告の必要はありません。

しかし、20万円以上の不動産所得がある場合には、申告を行わなければ脱税となります。

それでは、どのような場合に脱税と判断されるのでしょうか。

不動産投資で脱税と判断されるパターンをいくつか説明をします。

不動産登記の名義変更忘れ

不動産の名義を変えると、法務局への登記をおこなわなければなりません。

その不動産が贈与であった場合には贈与税がかかり、申告を怠ると脱税となります。

税務署は登記簿を時々チェックしており、ばれた場合には贈与税のほかに延滞税や重加算税がかかることになるのです。

不動産収入の無申告

給与所得者が不動産投資を行う場合には、20万円以上の所得は申告をしないと脱税になります。

不動産は登記をされているので、税務署は家賃収入をを得ているという情報を掴みやすいといえるでしょう。

経費の水増し計上

不動産投資での脱税の手口には、家賃収入の無申告や過少申告の他に、経費を水増しして計上する方法もあります。

経費の水増しとは、白紙の領収書をもらい自分で記入したり、他の数字に書き換えたりして課税を免れる違法行為です。

経費の虚偽申告

経費の虚偽申告とは、実際にはなかった経費をあったものとしてうその申告をすることです。

「友達とプレーをしたのに得意先とゴルフをした」「家族で食事をしたのに得意先の接待に利用した」等々、うその申告をする例がこれに当たります。

経費の計上方法の間違い

経費の計上の選択を間違えて申告するケースもあります。

例えば交際費と会議費は間違いやすく、一般的には交際費は、得意先などの接待に使った費用で、会議費は社内や取引先などの打ち合わせで使った費用です。

法人の場合には、交際費は上限が定められているので、会議費として計上する場合には脱税にならないか注意しなければなりません。

関連記事不動産投資で経費を使った節税は有効?|計上できる経費・できない経費を解説

2023.02.23

3. 不動産投資で脱税がばれるのはどんな時?

不動産投資で脱税がばれるのはどんな時?脱税はばれないと思っていても、税務署により簡単に見抜かれ不正が指摘されてしまうことは多くあります。

次に不動産投資で、どんな時に脱税がばれるのか解説をします。

法人に物件を貸しているとき

法人に物件を貸している場合には、脱税がばれる可能性が高いでしょう。

法人に対しては、時折税務調査が行われますが、不動産は登記されているので、

その法人が借りている物件は誰が所有しているのかすぐわかってしまいます。

家賃収入があるはずなのに申告されていなければ、すぐ脱税がばれてしまうのです。

不動産管理会社に調査が入ったとき

不動産管理会社に税務調査が行われた場合には、物件の管理を依頼している所有者にも調査が及ぶことがあります。

不動産管理会社の帳簿に、管理費が記載されていれば、それをだれが支払ったかがわかり、おかしな部分があれば支払元に税務調査が行われることになるでしょう。

税務調査の結果、不動産物件の所有者が家賃所得を申告していなければ脱税はすぐばれることになります。

不動産会社からの調査

不動産会社へ税務調査が入り、帳簿に記載されている仲介手数料などから物件所有者の脱税がばれることもあります。

4. 不動産投資における脱税|実例を紹介

不動産投資における脱税|実例を紹介不動産投資の脱税の手口は、不動産収入を少なくするか、経費を増やすかです。

一番多い脱税の方法は、「賃貸収入を少なくする」「確定申告を行わない」といったケースです。

不動産投資における脱税の手口を、一例をあげて紹介します。

 

サラリーマンであるAさんはアパートを経営しており、6室ある部屋がすべて満室で順調。

彼は給与収入が600万円ほどあり、別に家賃でも年間600万円ほどの収入がありました。

Aさんは、給与以外の所得が30万円ほどあるので、確定申告をしなければなりません。

しかし彼は税金を払いたくないし、ばれることもないだろうと考え、家賃所得を申告しませんでした。

ところが不動産管理会社に税務調査が入り、不動産管理費からアパートの所在がばれてしまう事態に。

彼は5年間にわたって所得を申告していなかったので、遡って税金を納めさらにペナルティの税金を納める羽目に陥ってしまったのです…。

不動産投資は、他の職業よりも税務署による収入が把握されやすい事業なのできちんと申告をしなければなりません。

5. 脱税によるペナルティ|追加で税を払うはめになる

脱税によるペナルティ|追加で税を払うはめになる確定申告を行わずばれた場合には、通常の所得税を違反時に遡って納めなければならず、またそれとは別にペナルティを課されることになります。

次に脱税をした場合には、どのようなペナルティがあるのか解説をします。

過少申告加算税

実際の所得より少ない金額を確定申告した場合には、過少申告加算税が課せられます。

ただし、税務署からの調査の前に自主的に修正申告を行えば、過少申告加算税は課せられません。

税務署からの事前通知の後に納税する場合には、50万円までは5%、50万円超える部分については10%の過少申告加算税がかかります。

また税務調査の結果修正することになった時には、50万円までは10%、50万円超える部分については15%の過少申告加算税を支払わなければなりません。

まとめると下表のようになります。

修正申告タイミング 50万円以内 50万円超
税務調査以前 ペナルティなし ペナルティなし
税務調査連絡後 過少申告加算税5% 過少申告加算税10%
税務調査の結果修正 過少申告加算税10% 過少申告加算税15%

税務調査の結果修正することになった例で、

申告税額が30万円で、修正で70万円の税金を払った場合の過少申告加算税は

50万円 ×10% +(70万円 − 50万円)×15% =8万円の税額となります。

重加算税

意図的に脱税した場合には、最も重い重加算税がかかることになります。

家賃収入の無申告・架空の経費・領収書の偽造などの仮装や隠ぺいを行った場合には重加算税として35%~40%もの高い税率が課されることに。

もともと支払わなければならない税金が300万円あるとすれば、重加算税の35%105万円を加え合計405万円を支払わなければなりません。

犯罪となれば金銭的な面で打撃を受けるだけでなく、マスコミで報道されれば社会的な信用を失うこととなります。

延滞税

定められた期日までに税金を納めなかった場合には、納付期限の翌日から納付した期日までの日数に応じて延滞税が自動的に加算されます。

納付期限から2カ月以内ならば年7.3%ですが、2カ月を超える期間については、年14.6%の延滞税を納めなければなりません。

さらに過少申告課税や重加算税が加わった場合には、大きな負担になることでしょう。

不納付加算税

サラリーマンの所得税は源泉所得税と言い、勤務先が計算し納付まで行ってくれます。

この源泉所得税を納付期限までに納付しなかった場合には、不納付加算税が課税されます。

納期限より1日おくれると、納付すべき税額の10%が課税されます。

なお、不納付加算税とは別に、延滞税も支払わなければなりません。

6. 脱税はバレる!目先の利益よりも長い目での利益を出そう

不動産投資で、儲けた利益はなるべく多く確保したいですよね。

節税は良いですが、脱税をすると、多額のペナルティを取られるばかりでなく社会的立場を失う可能性もあります。

目先だけの利益にこだわらず、長い目で利益を取れる仕組みを作りましょう。

 

確定申告のやり方や計上できる経費については以下の記事を参考にしてくださいね。

関連記事家賃収入を得たら確定申告をしよう!|初心者大家にも分かりやすい手順・必要書類の全まとめ

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