超低金利時代にある今、これから不動産投資を始めようと考えておられる皆様!
どのように投資したらいいか、不動産は手堅いのは確かだが高額…といった悩みをお持ちの方。
この記事では、積立もできる不動産投資であるREIT(リート:不動産信託投資)を紹介します。
REITのメリットとデメリットを正しく知ることで、皆様の貴重な金融資産を無駄にせず、できるだけ高い利回りで増やす突破口になれば幸いです。
目次
1. 不動産投資は積立もできる?
土地や家屋などの不動産は、日本では戦後一貫して価値が上昇傾向にあります。
長期的には値上がりが確かに見込める、投資先としては非常に魅力的なものでしょう。
とはいえ、不動産は一生に一度の買い物といわれるくらいその金額が高く、余裕資金の投資先としては一般的にはなかなか手の届かないものでした。
そうした悩みを一挙に解決するのが、「REIT」。
これは、投資家から資金を集めてオフィスビルなどの不動産を購入し、そこから得られる賃貸収入や売却益を分配する投資商品です。
まずは、積立投資とは何?というところから説明しましょう。
【はじめに】積立投資とは何か?
そもそも積立投資とは商品名ではなく、株式や債券などの金融商品の詰め合わせである投資信託を毎月、または毎週一定金額買い続ける投資方法のことです。
分散投資なので「リスクを低くして一定のリターンを狙いたい」投資初心者に最適の運用方法といえます。
ただ少額の積み立てなので長期投資向けです。
そのメリットとデメリットを比較検討します。
積立投資のメリット
①少額から投資可能
株のように購入単位が決まっていないので、百円や千円単位でコツコツと無理なく始められます。
途中で増額や減額も自由にできるのが大きな特徴です。
②自動的な投資継続
毎回自分で注文する必要はないので、いわば天引き貯金に等しく、金額条件や買い忘れがなく煩雑な管理から解放されます。
買い時が分散するのでリスク分散にもなるでしょう。
③淡々と投資可能
定期的にそして継続的に投資されるので、その時々の相場に対する自分の感情や情報不足に左右されず、後に後悔しないよう長期的に見て安定的な投資ができます。
積立投資のデメリット
①手数料負担
販売手数料や運用コストの負担があります。投資機関によって水準が異なるため、事前の確認が必要です。
一見儲けたと思っても、手数料を差し引くと損ということがあります。
②短期リターンは困難で元本割れのリスクがある
長期投資での資産形成を目指す投資方法なので、短期間で収益を期待することは難しいです。
また元本が保証されているわけではないので注意が必要です。
③価格変動の要因分析の困難
さまざまな金融商品(例えるならお弁当のおかず)がミックスされたパッケージ商品(例えるなら幕の内弁当)なので、価格変動の理由がわかりにくいという側面があります。
自分で納得するのが難しいということです。
REITは不動産に関する積立投資の一つ
REITは少額の資金を積み立て、投資法人を通じて不動産投資するもので、間接的に不動産オーナーとなれる仕組みです。
次に、その仕組みと種類を解説します。
REITの仕組み|不動産投資信託
投資家から集めた資金で、オフィスビルなどの不動産を購入し、そこから得られる家賃収入や売却益を利益として分配する投資商品のことです。
REITは1960年代に米国で誕生し、日本では2001年に「J-REIT」として市場が創設されています。
REITにも種類がある
REITは投資対象によっていくつかのタイプに分かれ、それぞれに特徴があります。
①複合型 | オフィスビル・ホテル・商業施設など多様な不動産を投資対象とするものです。
投資先が多岐にわたるので、リスク分散できるというのが特徴です。 |
②住宅特化型・レジデンス型 | 住宅やマンションが投資対象です。
1つの物件規模が小さく数を多くすることで、リスク分散を図っているといえます。 |
③オフィスビル特化型 | 投資対象をオフィスビルにするもの。
景気動向や入居率変動に大きく左右される心配があります。 |
④ホテル・リゾート型 | 宿泊施設やリゾート施設に投資先とするものです。
投資対象の性質上、その業績に大きく左右されます。 |
⑤物流型・ロジスティック型 | 倉庫・物流関連施設を投資対象とするものです。
テナントの入れ替わりが少ないので、比較的安定的といえます。 物件規模が大きいのが特徴です。 |
REITの市場動向|東証REIT指数
REITは日本では2001年9月の創設です。
は現在61社で、流動性がある(中途で換金可能)ため日々変動しています。
その市場動向は東京証券取引所HP(https://www.jpx.co.jp/)で確認できます。
2. 押さえておきたいREITのメリット・デメリット
ではREITには他の投資信託積立や不動産直接投資と比べて、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
続いてそれを深堀りして紹介したいと思います。
REITのメリット
①少額の積立金から始められる
不動産投資に借入金はつきものですが、REITは投資資金で賄います。
またマンションのさまざまな業務の一切を運用会社に委託しているので、維持や管理の手間も費用もかかりません。
②利回りが比較的高い
2014年時点の利回りを東証のデータに基づいて計算したところ、株式(加重平均利回り)1.80%、新発10年物国債0.53%に対し、REIT(加重平均予想分配利回り)は3.44%との報告があります。
さらに、REITは「不動産投資を目的とする特別な法人」であることから、利益の9割を分配すれば法人税が免除されることも、利回りが比較的高い理由の1つになっていると考えられます。
③インフレに強い
不動産の賃貸料や資産価格などは、物価に連動する傾向が強いです。
そのためインフレ時に、REIT分配金の原資である賃貸料などが上昇し、分配金の増加要因となります。
④分散投資でリスクを軽減できる
多種多様な不動産物件に投資しているため、「空室リスク」が分散していることから、実物投資や一括投資に比べて安定した分配金が期待できます。
⑤積み立てNISA、ジュニアNISAの対象である
NISA(少額投資非課税制度)を活用すれば、20%(+復興特別所得税0.315%)が非課税となります。
19歳までに適用されるのがジュニアNISAです。相続などの利用、子供のための教育資金の準備にも活用できます。
REITのデメリット
①価格変動リスクがある
取引価格が常に変動しているので、元本割れのリスクがあります。
これは株式投資と同様であり、流動性の高さと裏表の関係にあるといえるでしょう。
②倒産・上場廃止リスクがある
REITを運用する投資ファンドが倒産し投資法人としての登録が取り消されると、株式と同様に上場廃止となり、証券取引所での売買ができなくなります。
③物件を所有できない
不動産へ直接投資する場合は状況に応じてその物件に住むことができますが、REITはあくまでも間接投資であり、金融資産となるので不動産所有はできず、したがって居住もできません。
より詳しくREITのことが知りたい人は以下の記事を参考にしてみてください。
3. まずはどこに気をつけるべき?ファンドを選ぶ3つのポイント
実際にREITを始めるにあたって、ファンドを選ぶ必要がありますが、その際気をつけるべきポイントを3つにまとめてみました。
①アクティブファンドよりインデックスファンド
アクティブファンドとは、ファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が投資し、指標となるインデックス(株式指標)を上回ることを目指して資産運用するものです。これはハイリスク・ハイリターン型です。
それに対しインデックスファンドとは、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)に連動した資産運用する投資信託です。
透明性のある指標で運用目標と成果が「見える化」されているものです。
ここ数年の実績では、アクティブファンドの中でその利回りがインデックスファンドを上回るのは3割程度なので、インデックスファンドの方が最終利回りが高くなっています。
②資産形成を狙うなら再投資型
REITの種類は投資対象による分類のほかに、分配金を毎月受け取ることができる中高年に人気の「分配型」と、分配金をさらに再投資する「再投資型」に分けられます。
前者は確かに日常の生活費の足しになりますが、後者は運用益の再投資により複利で元利合計が増えていきます。
長期的な資産形成を狙うなら断然「再投資型」ということになります。
③手数料をチェックして安く抑える
REITには、
- 購入時の「販売手数料」
- 保有時の「信託報酬」
- 解約時の「信託財産留保額」
の3種類の手数料が必要です。
これらは積立投資の運用に関係なく発生する費用なので、運用益からできるだけ多くのお金を手元に残すには、販売手数料がかからない「ノーロード投資信託」を選ぶことが重要です。
4. 少額から投資できるREITは資産形成に役立つ!
ここまで見てきたように、REITは少額なので積立投資をすることも可能で、非常に敷居が低い投資法といえましょう。また投資対象が不動産なので安心です。
さらに株式に比べ価格変動が少ない一方で、債券より利回りが高いことから、REITはミドルリスク・ミドルリターンの金融商品に位置づけられると言っていいでしょう。
確かに50年以上の歴史を誇る米国と異なり、歴史の浅い日本では未だに銘柄数も時価総額も比べ物にならないくらい少なく発展途上です。
しかし創設時から着実に増加しているのも事実です。
とはいえ、REITを始める前に知っておきたいことは多々あります。失敗しないためにも、情報収集されることが非常に大切です。
また、REIT以外にも少額で不動産投資をする方法はあります。以下の記事を参考にしてください。
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