現在は低金利なので、住宅ローンを借り換えたいというニーズは多いでしょう。
7~8年前の実質変動金利は低くても0.8%くらいでしたが、今は0.5%を切っている銀行も。
また、全期間固定金利も2%台半ばが、今は1%程度低い金利の銀行もあります。
しかし、借り換えには手数料なども必要なので、単に「金利が低いので借り換えた方が有利」とは限らないのです。
したがって、どのようなケースで借り換えるのが有利なのか、また借り換えるときの費用についても確認しておかなければなりません。
そこで、今回は住宅ローンを借り換えるときのメリットやデメリットについて解説します。
あらかじめ損をしないための条件を確認しておくのは大切なこと。
借り換えを検討している人はぜひ参考にしてください。
目次
1. そもそも住宅ローンの借り換えとは?
住宅ローンの借り換えとは、借り換え後の銀行から融資を受けて、借り換え前の銀行から受けている融資を返済することです。
借り換え後の銀行の金利が借り換え前の銀行の金利よりも低い場合に利用します。
ただし金利ばかりに注目してはいけません。
借り換えに必要な費用なども含めて、トータルで比べなければならないのです。
2. 住宅ローンの借り換えにはどんなデメリットがあるのか?
住宅ローンの借り換えは、金利が低くなるので行います。
しかし、メリットばかりとは限りません。
あらかじめデメリットがあることも把握しておきましょう。
費用が発生する
住宅ローンの借り換えにかかる諸費用の額は目安として、30~100万円ほどです。
そこで、借り換え後の銀行に支払わなければならない、おおよその費用を紹介しましょう。
費用の種類 | 支払額の目安 |
印紙税(契約書) | 借入額1,000万円以上で2万円・借入額5,000万円以上で6万円 |
保証料 | 借入額や返済期間により異なるが最大で「借入額×2%」程度 |
事務手数料 | 3~10万円もしくは借入額の1~2%程度 |
なお、借り換え前の銀行にも一括返済手数料(数万円)を支払うことになります。
また、抵当権の設定費用(借入額の0.1~0.4%程度)や抵当権の抹消費用(不動産1件につき1,000円)も必要です。
借り換えの手続きには時間がかかる
借り換えでは2つの銀行と交渉しなければならないので、一定の手間が必要です。
ケースバイケースですが、借り換え審査には2週間から1か月程度必要になります。あらかじめ、必要な書類を確認して準備しておくと時間が短縮できるでしょう。
金利のタイプを変更した場合、金利変動のリスクがある
金利タイプは、大きく分けて
- 「変動金利」
- 「全期間固定金利」
- 「一部期間固定金利」
の3つに分けられます。
「変動金利」は金利の変動により支払額が変わり、「全期間固定金利」は金利が同じです。
「一部期間固定金利」は決まった期間が固定で、その後に金利プランを組み直します。
変動金利が、一番金利が低いので固定金利などから変動金利への借り換えをするケースがありますが、変動なので金利が上昇するリスクもあるのです。
保証料が返金されない場合がある
借り換え時には保証料が返金されます。
しかし、保証料は期間に応じて減額されて返金されるので、あまり保証料の返金額はあてにしないほうが無難でしょう。
諸費用は、保証金が返金されないとして計算するほうが賢明です。
3. 住宅ローンの借り換えをするメリットとは?
住宅ローンの借り換えは、お得にならなければ実行する意味がありません。
そこで、どのようなメリットがあるのかを紹介します。
借り換えをすると返済額の総額が減る
住宅ローンを借り換える最大のメリットは、低金利の住宅ローンに借り換えることで、利子を含めた総支払額を減らせるということでしょう。
住宅ローンは長期にわたる返済なので、金利の低いローンに変更すれば支払い総額にすると大きなメリットになるのです。
住宅ローンの借り換えをすることで付帯サービスの内容が良くなる場合がある
住宅ローンには様々な付帯サービスがあります。
借り換えにより付帯サービスが有利になる場合もあるのです。
たとえば、最新の団体信用生命保険に切り替えることで、ガンと診断されただけで残債を補填するなど条件が良くなるケースがあります。
金利のタイプを変更することができる
変動金利を固定金利に変更したり、固定金利を変動金利に変更したり、現在選択している金利タイプを別の金利タイプに変更することができるのです。
自分にとって将来的に有利になると想定できる金利タイプを選べます。
借り換えは何度でもできる
借り換えは何度でもできるので、金利が下がり支払い総額でお得になるのであれば迷うことはないでしょう。
「もっと下がってから借り換えよう」と待つ必要はありません。
もっと下がれば、またその時に借り換えれば良いのです。
4. 住宅ローンの借り換えすべき人・向かない人
住宅ローンの借り換えをすべき人と向かない人の違いは、借り換えをすることで得をするか損をする人かということです。
借り換えをした方がいい人の条件について
借り換えをおすすめする人とは、
- 住宅ローンの残債の額が1,000万以上
- 返済期間の残りが10年以上
- 借り換えにより金利が1%以上低くなる
という条件の人です。
これら3つの条件に合致すれば、借り換えのメリットがあるといえます。
借り換えが向かない人について
残債の額・返済期間の残り・借り換えによる金利の差が上記の条件をクリアできなければ、損をしてしまうことがあるので注意してください。
また、損をしないとしても借り換えに必要な労力に見合うかどうかも判断材料になるでしょう。
5. 住宅ローンを借り換えするタイミングや目安について
現在のようなマイナス金利の時代では、住宅ローンの金利が非常に低い状態で推移しています。
したがって、固定金利などの高い金利で返済中の人は、借り換えにより支払い総額を大きく下げることができるかもしれません。
借り換えにより、支払い総額を百万円単で少なくすることも可能でしょう。
住宅ローンを借り換えるタイミングや目安でいうと「今」ということになります。
6. 住宅ローンの借り換えで失敗しないためにできることは?
住宅ローンの借り換えを成功させるためには、実際に数字を入れたシミュレーションにより確認することです。
またメリットが出る条件も押さえておきましょう。
住宅ローンを借り換える前にシミュレーションしよう
実際に借り換えするかどうかは、あらかじめシミュレーションすることで判断できます。
たとえば、2,800万円を借入期間35年・金利2.7%で融資を受け、
5年後に残高2,537万円を金利1.63%で借り換えたケースのシミュレーションです。
借り換え前の住宅ローン | 借り換え後の住宅ローン | |
固定金利 | 2.7% | 1.6% |
残高 | 約2,537万円 | 約2,537万円 |
利息 | 約1,531万円 | 約1,021万円 |
月々の返済額 | 約10.3万円 | 約8.9万円 |
諸費用の合計額 | – | 約80万円 |
総返済額 | 約4,331万円 | 約3,821万円 |
借り換えの諸費用を合わせたとしても500万円近くも差が出ていることが分かりますね。
住宅ローンの借り換えでメリットがでる条件とは?
住宅ローンの借り換えでメリットがでる条件としては、融資の残債よりも借入年数のほうに重きがあるといえます。
たとえば、借入期間が20年だと金利差が0.3%程度でメリットが生じるのですが、10年だと0.6%程度でなければメリットはありません。
もちろん、これらの数字はその他の条件によっても異なるので、あくまで参考程度にしてください。
7. 住宅ローンを借り換えする前に、事前のシミュレーションはしっかりと!
住宅ローンの借り換えには、費用の計算を忘れてはいけません。
事前にシミュレーションすることでメリットがあるのかどうかを確認しましょう。
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