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木造物件での不動産投資は儲かる?|RC造と比較したメリットやリスクを紹介!

不動産投資では、物件の構造によって運用に違いが生じるのをご存知ですか?

木造とRC(鉄筋コンクリート造)では耐用年数が異なり、運用できる期間に違いが生じるのが一般的です。

また、購入価格にも差があります。

 

木造物件であれば購入価格が安くなりますが、木造物件での不動産投資は儲かるのでしょうか。

今回は、木造物件における不動産投資のメリットやリスク、木造での不動産投資で失敗しないためのポイントなどをご紹介します。

1. 木造物件での不動産投資のメリット・デメリット|RC造と比較

木造物件は主にアパート!木造アパートでの不動産投資の特徴

木造物件の不動産投資対象は、大半がアパートになります。

木造アパートとは壁や梁・柱・床などの主要な構造部に木材を使った建物のことで、構造上小規模な造りであることが特徴。

 

木造アパートのほとんどが低層住宅で、木造は軽いうえに強度があることから加工が容易なため、賃貸住宅で多く採用されています。

RC物件の場合には部屋単位の投資である一方、木造アパートへの投資ではアパート一棟を所有する投資形態が主流です。

 

まずは木造物件で不動産投資をするメリットやリスクをRC物件と比較して解説します。

木造物件のメリット4つ|RCとの比較

木造物件への投資には、以下の4つのメリットがあります。RC造と比較して見ていきましょう。

安く購入できる

木造物件はRC造物件よりも安く購入できます。

不動産投資を検討する時は予算の設定から始めるのが一般的ですが、物件価格が安い木造であれば月々のローン返済額が削減できるのです。

 

木造物件の具体的な建築費用は、1坪が50万円前後だと言われています。

一方RC造であれば80万円前後は必要になり、中には100万円を超える場合も。

予算から判断すると、木造のほうが利用しやすいと言えます。

減価償却できる1回の金額が多い

減価償却費は、所得税を計算する時に費用として計上できます。

(減価償却については「木造不動産投資の耐用年数・減価償却について知っておこう」で後述します。)

したがって、減価償却費が多いほど節税効果が高くなるのです。

 

減価償却費は耐用年数により異なり、耐用年数が短いと短期間で償却するため1回の減価償却費は増えます。

耐用年数は、木造で22年、RC造で47年

 

たとえば同じ金額を減価償却するとして、22年で償却するのと47年で償却するのでは22年の方が1回分の減価償却費は多くなりますよね。

したがって、木造の方が当面の節税効果は高くなるのです。

維持費があまり掛からない

木造で不動産投資をする場合、RC造よりも少ない維持費で済みます。

なぜなら、木造は修繕する時に手を加えやすい簡潔な構造になっているからです。

 

RC造は基本的にコンクリートで固める構造なので、手を加えるのが難しくなります。

不動産投資のポイントは、修繕などにより長く物件の状態を維持すること。

 

そのために、定期的に維持費を支出しなければなりません。

したがって木造では維持費を抑えることができることは、運用上大きなメリットになります。

また売却の際にかかる解体費用や運用継続の場合のリフォーム費用も、木造のほうがRC造よりも安いです。

固定資産税が安い

固定資産税が安いのも、木造のメリットです。

固定資産税は固定資産税評価額に一定の税率を掛けて計算し、この固定資産税評価額は一般的に実勢価格の6~7割です。

 

木造であればRCよりも経年劣化が早いので納税額が安くなります。

建物は時の経過により老朽化していくもの。つまり、毎年物件の価値が減少していくということです。

築20年程度の物件の運用で比べてみると、木造はRC造の25~30%の納税額になります。

木造物件で不動産投資をするリスク5つ|RCとの比較

メリットだけであれば迷わず木造を選択すれば良いのですが、リスクもあります。

同じくRC造と比較して確認していきましょう。

老朽化が早い

耐用年数からも判断できるように、木造はRC造に比べて、構造上もろく、老朽化が早いです。

鉄やコンクリートとは異なり強度が弱く、湿気やシロアリの被害を受けやすいとうデメリットがあります。

長期間使用するためには、修繕費用が必要になるケースが多いでしょう。

耐久性・耐火性が低い

木造は基本的に主要構造部を木で造るため、耐久性や耐火性では鉄やコンクリートで造られたRC造に劣ります。

したがって、木造の場合地震や火災などの災害リスクを負う可能性は高くなるのです。

気密性・防音性が低い

木造はRCのようにコンクリートで壁を仕切っていないため、気密性や防音性が劣ります。

冷暖房の効きが悪かったり、周囲の音が聞こえたりするのです。

入居する物件を選択する時に木造を避ける人もいるので注意が必要でしょう。

融資期間が短い

不動産投資では融資が必要不可欠といっても過言ではありませんが、金融機関が融資する時には、物件を担保に取ります。

これは、返済が滞った時に物件を売却して回収資金にあてるため。

物件自体の寿命が短ければ、融資期間も短くなります。

なぜなら、老朽化した物件であれば売ることが難しいからです。

2. 木造物件での不動産投資で失敗しないために押さえておきたいポイント

木造物件での不動産投資で失敗しないために押さえておきたいポイント

物件の構造を木造にするかRC造にするかを選択できる人ばかりではないでしょう。

予算からして木造でないと無理という人も少なくないはずです。

そこで、木造物件で不動産投資をする時に失敗しないためのポイントをご紹介します。

木造物件の購入費用を知る

木造アパートを購入するには、物件価格以外にもさまざまな費用がかかるため、まずは購入にかかる諸費用を把握しておく必要があります。

5,000万円の中古の木造アパートを購入する場合を例として、一体いくらの費用がかかるのか見ていきましょう。

登記費用

5,000万円の中古アパートを購入した場合、30万円~60万円程度

登記費用とは、不動産購入時に発生する不動産の所有権を保全するための登記にかかる費用のこと。

不動産投資ローンを利用する場合には、さらに抵当権の登記も必要です。

これらの登記を行う際には「登録免許税」という税金を納めることになり、納税額は以下の計算式で算出されます。

  • 売買による所有権移転登記 → 固定資産課税台帳の価格(固定資産税評価額) × (土地部分:1.5% + 建物部分:2%) ※1,000円未満の端数は切り捨て
  • 抵当権設定登記 → 債権金額(ローンの借入額) × 0.4% ※1,000円未満の端数は切り捨て

※売買による所有権移転登記の土地の売買にかかる税率は、

  • 平成31年4月1日~令和3年3月31日まで 1.5%
  • 令和3年4月1日~            2%

登記の手続きを司法書士に依頼する場合、さらに司法書士手数料もかかります。

仲介手数料

5,000万円の中古アパートを購入した場合、最大で約168万円

不動産会社を仲介して物件を購入する場合、仲介手数料を支払います。

売買契約の仲介手数料は宅地建物取引業法で上限額が定められており、計算式は以下の通りです。

物件の売買価格 計算式
200万円以下の部分 対象金額の5%+消費税
200万円~400万円以下の部分 対象金額の4%+消費税
400万円を超える部分 対象金額の3%+消費税

売買価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円+消費税」で求めることができます。

ただしこれはあくまでも上限額であって、実際の仲介手数料の定価ではありません。

不動産会社の中には他社との差別化を図るため、仲介手数料を割引したり無料にしたりするところもあります。

固定資産税・都市計画税

5,000万円の中古アパートを購入した場合、総額で年間10~25万円
土地や建物を所有する場合、固定資産税と都市計画税を納めなければなりません。
都市計画税とは、都内などの都市計画区域の市街化区域内に土地や建物を所有している場合に支払う税金のことです。

不動産取得税

5,000万円の中古アパートを購入した場合、約40~70万円
不動産取得税とは、土地や建物を購入したときや贈与した場合に都道府県に納める地方税のこと。
不動産を購入後6か月から1年半くらいの間に各都道府県から届く「納税通知書」で納付します。
不動産取得税の計算式は、以下の通りです。

土地・建物の不動産取得税=固定資産税評価額×4%(標準税率)

※ただし、特例により2024年3月31日まで「土地および住宅3%、住宅以外の家屋4%」に標準税率が軽減されます。

印紙税

5,000万円の中古アパートを購入した場合、1万円
印紙税とは、印紙税法で定められた課税文書に対して課税される国税。
不動産取引では、不動産売買契約書や建物の建築請負契約書、土地賃貸借契約書などがこの課税文書に該当。
印紙税の税額は契約書の記載金額によって決められていて、印紙税の納付は印紙を契約書に貼りそれを消印することで完了します。

投資に必要な利回りについて知る

木造アパート投資に限らず、不動産投資全般において非常に重要なのが「利回り」。

利回りとは不動産の購入費用に対する年間の家賃収入の割合を示す指標のことで、表面利回りと実質利回りの2つがあります。

  • 表面利回り(%) = 年間家賃収入 ÷ 不動産の購入価格 × 100
  • 実質利回り(%) = (年間家賃収入 = 年間の経費) ÷ 不動産の購入価格 × 100

 

広告などでは、木造アパートとRC物件を比較すると木造アパートの方が収入が大きく利回りも高いとされています。

その理由として挙げられるのは、以下の2点です。

  1. RC物件への投資では基本的に投資先は一部屋だが、木造アパート投資ではアパート一棟所有が主流で部屋数が多い分収入も多くなる
  2. 広告に記載されている利回りは表面利回りで満室時の想定になるため、部屋数が多い木造アパート投資の利回りは高くなる

広告に記載されている表面利回りでは、空室時の収入減少や運営にかかる諸経費は考慮されていません。

つまり収入の大きさや利回りだけを見て、木造アパート投資が有利と判断することは早計で非常に危険と言えます。

関連記事不動産投資では利回り何%あれば儲かる?|正しく理解して利益を出すための考え方

2023.09.10

出口戦略を練っておく

不動産投資の出口戦略とは、一般的に投資物件の売却のことになります。

実は、不動産投資においては出口戦略がとても重要なのです。

出口戦略に失敗すれば、その投資自体が失敗したのと同じだと言われています。

 

特に木造の場合、RC造のように長期の運用ができないため、あらかじめ売却の目安を設定しておかなければなりません。

老朽化が進んだ物件であれば、リフォーム費用などの支出がかさみ購入のメリットがなくなり、売れなくなるのです。

出口戦略としては、売り時を逃してはいけません。

物件選びは建物割合をチェック

建物割合とは、土地付き建物を売買する時の土地と建物の価格の割合。

たとえば一戸建ての住宅を3,000万円で売買する時に、土地の価格が2,000万円で建物の価格が1,000万円というように分けることです。

 

土地建物の合計金額が同じであれば、建物割合が大きいほど購入する側が有利になります。

なぜなら、減価償却の対象になるのは建物だけだからです。

したがって、建物割合が大きいほど減価償却費が高くなるため節税効果が高くなります。

空室リスク対策を万全に行う

木造・RC造にかかわらず、不動産投資をする上で空室リスクは避けなければなりません。

空室になれば家賃収入が断たれるので、運用上最大のリスクといえます。

 

空室リスクを避けるためには、立地を選ぶことがポイントです。人の集まる需要のある場所を選択してください。

木造の場合、リフォームやメンテナンスをして入居意識を高めることが大切でしょう。

賃貸の場合、物件を選択する時に構造よりも外観重視の人が意外に多いです。

「きれい」な物件であれば需要は高まります。

3. 木造不動産投資の耐用年数・減価償却について知っておこう

木造不動産投資の耐用年数・減価償却について知っておこう

不動産投資で、大きな節税効果をもたらしてくれる減価償却費。

前項でもご紹介しましたが、ここでは木造物件の減価償却をもっと掘り下げて見ていきましょう。

木造アパートの減価償却と耐用年数

減価償却とは、不動産の購入費用を初年度経費として一度で計上せず耐用年数で割って経費計上していくこと。

減価償却の方法は、以下の2種類。

  • 定額法:毎年一定の額を計上する
  • 定率法:一定の割合を計上する

 

新築の木造アパートを購入した場合は通常の木造物件の耐用年数22年で割って経費計上しますが、中古の場合には簡便法という方法で耐用年数を算出します。

●築年数が耐用年数を超えている場合   耐用年数 × 20%

●築年数が耐用年数を超えていない場合 (耐用年数-経過年数) + 経過年数 × 20%

 

たとえば築20年の中古の木造アパートを購入した場合、耐用年数は以下の通りです。

(22ー20) + 20 × 20% = 6年

耐用年数によって減価償却費も変わるため、物件購入の際には耐用年数と減価償却費をあらかじめ確認しておきましょう。

ローンの返済に関わってくる耐用年数

大半の人が利用する不動産投資ローンの融資期間は、耐用年数を基準に設定されます。

金融機関は融資を提供する際、不動産に抵当権を設定しますよね。

これは万が一借主がローンの返済をできなくなった場合、その不動産を売却して残債務の回収資金に充てるため。

耐用年数を超えるような物件では、売却しても十分な資金回収が望めない可能性があります。

このことから、金融機関は不動産の耐用年数を越えない範囲で融資期間を設定することがほとんどです。

新築のRC造の耐用年数が47年である一方、新築の木造アパートの耐用年数は22年。

中古では、さらに耐用年数は短くなります。

したがってRC造よりも木造アパートの方が融資期間が短く、月々の返済負担は重くなる傾向にあるのです。

耐用年数の計算方法

耐用年数の計算方法は、以下の通りです。

条件 計算式
築年数が法定耐用年数の一部を経過している 耐用年数=(法定耐用年数ー経過年数)+経過年数×0.2
築年数が法定耐用年数のすべてを経過している 耐用年数=法定耐用年数×0.2

条件文で示される「一部」「すべて」とは、「法定耐用年数以内」「法定耐用年数を超える」ということ。

つまり木造では築年数が法定耐用年数22年以内なら上段の式、築年数23年以上は下段の式で計算します。

関連記事不動産投資における減価償却の仕組みを解説|節税のワケはここにあった!

2023.08.15

4. 木造アパート経営するなら新築と築古どちらがよい?

木造アパートで不動産投資をするなら新築と中古どちらが良い?

新築と築古のどちらがよいのかを判断するため、築年数と木造アパート経営の関係性を分かりやすく以下の表でご紹介します。

投資条件 新築 築浅 築古
利回り
融資条件
収支
運営コスト

表からもわかるように、築年数が浅ければ浅いほど投資条件は良くなります。

初めて不動産投資をするという人は、賃貸運営コストも少なく収支、融資条件ともに良好な新築・築浅アパートがおすすめです。

融資の条件には築年数が関係する

先述したように、融資条件には築年数が大きく影響します。

金融機関によって融資条件はさまざまではありますが、共通しているのは「築古よりも新築の方が融資期間は長い」ということ。

 

返済期間が長くなれば月々の返済負担も軽くなり、経営収支は良好になります。

したがって、木造アパートで不動産投資をするなら築年数が浅い方が有利なのです。

収入と支出について

不動産投資ローンの返済負担の軽減においても優位な新築ですが、収入と支出の大小においても新築に軍配が上がります。

理由は、以下の通りです。

  • 同条件下では、中古より新築の方が家賃は高い
  • 新築の方が、空室率は低い傾向にある
  • 新築の場合数年間は修繕費・メンテナンス費はほとんどかからないが、築古では建物が劣化し修繕費・メンテナンス費が増加する
  • 築古の場合、入居者誘致に手間や費用がかかる

5. 木造不動産投資はメリットデメリットを比較して慎重に検討しよう

木造での不動産投資は、価格・減価償却・維持費・固定資産税などについてはメリットがある反面、老朽化・耐久性・耐火性・気密性・防音性・融資期間などについてはデメリットがあります。

木造アパート・区分マンションに限らず新築・築古でもそれぞれ特徴は異なるため、自分に合った条件の物件を選んで投資することが大切です。

 

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