株式や純金などに比べて、不動産投資は手続きや計算方法が複雑でとても難しいです。
特に、開業届や青色申告といった普段聞き慣れない単語が多く、知識がなければ損をする事があります。
開業届と青色申告を併用することで税金を減らせることもできるんですよ。
そこで今回は不動産投資において開業届を提出するメリットや開業届の提出方法をお伝えします。
1. 不動産投資で利益が出たら?|確定申告
不動産投資で利益が出たら確定申告をしなければいけません。
もし確定申告を忘れてしまった場合、無申告加算税が課せられ元々払わなければいけない税金以上の金額を納めなくてはいけなくなります。
また、無申告が故意であると税務署に認められた場合は、脱税扱いされてしまう可能性もありますので、利益が出た際には必ず年度末に確認しましょう。
年度末に一気に計算するととても大変なので定期的に計算して整理しておくことをおすすめします。
確定申告が必要な所得額は20万円以上
1月1日から12月までの所得が20万円を超えたら基本的に確定申告が必要です。計算方法は収入から経費を引いた金額が所得になります。
不動産投資以外にも実業以外で収入を得ている人はその収入も含めて計算しなければいけません。
場合によっては確定申告することで翌年に得をする可能性がありますので確定申告は必ず行いましょう。
2. 不動産投資で開業届を出すメリット|青色申告
不動産投資で開業届は必ず出さなければいけないものではありませんが、開業届を出し、青色申告で確定申告をすることで税制上の軽減措置を利用できます。
そこで今回は開業届を出して行うことができる青色申告のメリットをご紹介します。
青色申告とは|7つの特徴
青色申告とは、日々の取引を記帳することで正しい申告をすることで税金の面で有利になる事がありますが、白色申告と比べると複雑です。
①確定申告|白色申告との違い
青色申告と白色申告の違いは事業規模の大きさの違いによって異なります。
白色申告より青色申告の方が事業規模が大きいことになります。
自ら申請しなければ青色申告に変更できないので、申請がなかった場合は白色申告になってしまいます。
開業届ではマイナンバーが必要になります。
マイナンバーを登録する事により、どのくらい収入があるのかを確認できるのでしっかり確定申告をしましょう。
②特別控除額|65万円
白色申告では10万円分しか控除できませんが、青色申告の場合65万円分まで控除する事ができます。
ですので、もし青色申告に変更できる条件であれば青色申告に変更し控除額を増やして節税する事ができます。
③事業規模|小規模経営でもOK
事業が小規模でも青色申告を利用する事ができます。
ですが年間290万円以上の利益が出てしまった場合は個人事業税が掛かってしまいます。
④簿記方式|複式簿記
複式簿記では資産・負債・費用・収益などを記録します。
仕事のために5万円分の仕事道具を購入したとします。
現金的には5万円減っていますが、その一方で備品が5万円分増えたということなので、その備品が5万円分増えた事も記入しなければいけません。
お金の流れを正確に全て記録しなくてはいけないのです。
⑤領収書類|7年・5年保管
青色申告の場合、様々な書類を保管しなければいけません。帳簿や決済、現金に関する書類については7年間保管しなければいけません。
その他の書類に関しては5年間保管しなければいけません。
書類を保管しておくことで、何かトラブルが発生した時に証明として残す事ができます。
書類がかさばり管理が大変だとは思いますがしっかり管理して、うっかり大切な書類を破棄しないように気を付けましょう。
⑥赤字|3年繰越可能
黒字の場合は給与所得と合わせて税金を納めなくてはいけませんが、赤字の場合は給与所得から赤字分を引く事ができます。
赤字が出た場合は払いすぎた税金が後から戻って来る仕組みになっています。
赤字の繰り越しは最長3年間ですので、赤字になってしまった場合は繰り越せるように確定申告しましょう。
ですので、もし赤字になってしまってもしっかりと確定申告することをおすすめします。
⑦青色専従者|家族の給与が経費に
家族に給料を払う事でその分を経費として落とす事ができます。
家族を「青色専従者」にして給料を払うと経費としてカウントされるのです。
これはかなりの節税効果が期待できます。しかしこの「青色事業専従者給与」には開業届の提出が必要になります。
青色申告の申請方法|書類・期限
書類|青色申告承認申請書
青色申告は白色申告よりも詳細に帳簿付けしなければいけませんが、白色申告より節税効果が期待できます。
最近だと帳簿付けが自動化になったりと作業効率がよくなるシステムも存在しますのでもし青色申告する場合はそのようなシステムにも目を向けてみましょう。
入手先|税務署 or 国税庁HP
青色申告書の入手先は最寄りの税務署で手に入れることか、国税庁のHPからダウンロードする事ができます。
国税庁のHPからダウンロードした場合はパソコンで入力することもできます。
提出先|管轄の税務署
提出先はどこでもいいのではなく、指定された場所に提出しなければいけません。
住民票もしくは事業先の住所を管轄する税務署に提出することになる可能性が高いので確認しておきましょう。
提出期限|開業時期により違う
提出期限は2つの場合があり、1月1日から1月15日までに開業した場合はその年の3月15日までに提出しなければいけません。
1月16日以降に開業した場合は、開業から2ヶ月以内に提出することが義務付けられています。
3. 開業届の書き方 出し方
次に開業届の書き方について書いていきます。
開業の申請方法|書類・期限
書類|開業届
開業届とは開業時に必ず提出しなければいけない書類になります。
なるべく早く用意していつでも提出できるように準備しておきましょう。
入手先|税務署 or 国税庁HP
開業届も青色申告書と同様に、最寄りの税務署か国税庁のHPからダウンロードする事ができます。
提出先|管轄の税務署
こちらも同じく指定された税務署に提出しなければいけません。
提出期限|開業日から1ヶ月以内
提出期限は青色申告とは違い1ヶ月以内に提出しなければいけません。開業時は忙しく大変かもしれませんが、開業届はなるべく早く提出するようにしましょう。
開業届の書き方
①税務署名|管轄の税務署
その地区を所轄する税務署の名前を書かなくてはいけません。
基本的に住民票に記されている地区に納税しなくてはいけないので、提出先の税務署の変更などはできません。
②提出日|開業日でOK
提出日に関しては厳しい規則があるのではなく開業日から1ヶ月以内と詳しくは決まっていません。ですので開業日でも開業日から1ヶ月後の日にちでも構いません。
③納税地|住所地や居住地から選択
納税地の選択は住所地・居所地・開業先の住所から選択をして記入しましょう。
④氏名・生年月日|印鑑は指定なし
氏名と生年月日を記入後、氏名の右側に印鑑を押さなくてはいけません。印鑑の指定は特に無く、個人の印鑑や屋号の印鑑でも構いません。
ですので、特別に新しく印鑑を用意する必要はありません。
⑤個人番号|マイナンバーが必要
マイナンバーを記入しなければいけない項目がありますので、個人番号を記入しましょう。
⑥職業|分かりやすく
職業記入欄は分かりやすく書く程度で構いません。例えば「建築士」や「デザイナー」、「フリーランス」などでも構いません。
一定の基準を越えると職種によっては個人事業税の課税対象になりますので確認しておきましょう。
⑦屋号|必須ではない
屋号を書く欄は強制ではありませんが、記入した方が良い場合もあります。
例えば何か店舗を持つ時などは必須になります。
⑧提出区分|新規に〇
提出区分は新規の所に丸をつけましょう。
この記事を読んでいる多くの方は初めて書いている人が多いと思いますので、新規で構いません。
⑨所得の種類|不動産投資
事業所得に丸をつけて構いませんが、不動産投資の場合は不動産所得に丸をつけましょう。
所得欄を間違えてしまうと、所得によっては総合課税や分離課税が課せられてしまう複雑な仕組みであり後の対処が大変になりますので、収入が何によるものなのかをしっかり確認してから記入しましょう。
⑩開業日|取り決めはなし
開業日は基本的に1ヶ月以内になりますので、決まりはありません。
開業日を分かりやすい日にちに設定したり場合によっては早めることで節税効果を高めることができます。
⑪届出書の提出の有無|青色申告の申請書
開業届とともに青色申告を提出する場合はチェックを入れなければいけません。
⑫事業概要|簡潔かつ具体的に
事業内容を1文で簡潔に書きましょう。
例えば「デザイナー」や「コンビニ経営」でも構いません。
⑬給与関連|青色専従者
従業員がいる場合は給料やボーナスまで記載しなければいけません。
⑭源泉所得税|納税義務がある場合
納期の特例の書類を提出することで、本来は毎月支払わなくてはいけない税金を半年に一回にまとめることができます。
4. 開業届を提出して青色申告のメリットを得よう!
開業届を提出し白色申告から青色申告に変更することによってかなりの節税効果を得ることができます。青色申告書は白色申告書とは違い記録しなければいけない情報がたくさんあり大変ですが青色申告に変更して税金を控除しましょう。
最近はパソコンで入力する事ができ、申告書の作成が簡単になっています。パソコンで入力することにより、書き間違いや記入に掛ける時間を省く事ができます。
また、開業にあたっては事業者専用のクレジットカードがあり、ポイントを溜めながら経費などを支払う事ができます。クラウド会計ソフトと連動させる事で経費の計算を省く事ができるので、効率よく申告書を記入する事ができます。
開業時や不動産投資を始める際には、たくさんの書類を用意する必要があったりと大変なイメージがありますが、最近だと簡単な入力で作成できたりと自動化されていますので、難しく考える必要はありません。
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