「確定申告をしないといけないけれど、自分でやるのは面倒…」
このような悩みをお持ちではありませんか?
アパートを経営していくうえで避けることのできない「確定申告」。
確定申告は、手順や必要な書類も多く、簿記の知識が無いと少々ハードルが高いですよね。
しかし、会計ソフトを導入することで面倒な確定申告も簡単にできるようになります。
また経理の手間も軽減できるため、結果的に収益の向上にもつながります。
けれども、種類が多くてどの会計ソフトを選ぶべきか判断に迷いますよね。
そこでこの記事では、
- 簿記の基礎知識
- 帳簿の種類
- アパート経営に適している会計ソフト8選
以上の3点を中心にご紹介いたします。
会計ソフトを導入しようと考えている方はぜひとも参考にしてください。
目次
1. アパート経営に必要な帳簿の種類一覧
押さえておきたい簡易簿記と複式簿記
アパート経営を始めるにあたり、収支の流れを正確に把握することは大切です。
アパート経営を行う場合は、家賃収入や修繕費の支払いなどでお金の取引が発生します。
また、家賃収入に対しては税金がかかるため年度末に確定申告を行う必要があり、確定申告をスムーズに終わらせるため、また節税を行うためにも取引を帳簿に記録し収支の流れを正確に把握しましょう。
取引を記録するための帳簿は2種類存在します。それが「複式簿記」と「簡易簿記」です。この2つは帳簿の記帳方法つまり書き方です。帳簿の種類の前に書き方についてご紹介します。
簡易簿記
簡易簿記とは、通常の簿記を簡略化したもので本来の簿記は「発生主義」といい、現金の有無に関係なく何らかの取引があった場合に記帳することが原則となっています。
しかし、簡易簿記では「現金主義」を採用しており、現金の動きがあった場合にのみ記帳することが認められています。
複式簿記
複式簿記は、取引が発生した時にその取引をまず2つの要素に分解します。
その後仕分けを行い、取引を事前に設定されている科目で記録する方式です。複雑な取引を記録することで、「損益計算書」と「貸借対照表」を作ることにより収支を正確に記録することが可能です。
帳簿一覧
1.現金出納帳
現金出納帳とは、毎日の現金の取引(収入、支出)を記録する場合に使用します。
アパート経営の場合では、主に現金で家賃をもらった場合や備品などの経費を現金で購入した場合に記帳します。
2.売掛帳・買掛帳
売掛帳は掛売り(後払い)での売り上げがある場合、買掛帳は買掛での仕入れがある場合に記帳する帳簿です。大掛かりな工事を掛けで行った場合などに使用します。
3.経費帳
アパート経営に関わる経費は全てこの経費帳に記帳します。なお、現金で購入したものは現金出納帳にも、口座から引き落とした場合には預金帳にも同時に記載する必要があります。
4.固定資産台帳
建物や設備などの「取得費用」、「減価償却費」を記帳します。固定資産台帳に関しては初めのうちは税理士に相談しながら進めていくのが良いでしょう。
なお、事業として65万円分の青色申告控除を受けるためにはこの帳簿の他に「総勘定元帳」「仕訳帳」が必要になってきます。
5.仕訳帳
仕訳帳は、すべての取引の勘定科目を決めた上で複式簿記のルールに基づいて「借方」「貸方」に仕分けるための帳簿です。
取引一つに対してラベルを貼って、入ったお金と出たお金の金額を合わせるために仕分けて記帳するのが仕訳帳です。これには日付順に取引発生の年月日、勘定科目、金額などを記載することが決められています。
仕訳帳を作成すると、日付順に何の取引でいくら収入や支出があったのか、非常に明確になります。
6.総勘定元帳
先述の仕訳帳を元に作成するのが総勘定元帳です。この帳簿は全ての取引を勘定科目ごとに分けて記帳するための帳簿で、「売上」や「現金」といった仕訳帳でつけた勘定科目ごとに記帳するための帳簿なのです。
以前は簿記の知識がない場合少しハードルが高い帳簿の一つでしたが、会計ソフトを使用することで、簿記の知識がなくても総勘定元帳を作成することが出来るようになりました。
7.給与台帳
給与台帳はアパート経営を事業規模として行う場合に必要な帳簿です。
給与台帳とは、従業員の給与の支払い状況を記載した書類の事です。従業員を雇用しアパート経営を行う場合は必ず記帳しましょう。
2. アパート経営に必須な会計ソフト8選
無料で使える?クラウドで管理する会計ソフト
会計ソフトfreee
個人事業主や経理が初めての方にも非常に使いやすいソフトが、会計ソフトfreeeです。確定申告には勘定科目の記載や複数の帳簿を記帳しなければならない面倒さがあります。
しかし、freeeは経理が初めての方にも使いやすいいように質問に答えるだけで確定申告用の書類を完成させることが出来ます。電子申告(e-tax)対応のため作成した書類はそのまま送付できるため、税務署に並ぶ必要はありません。
無料版では30日間使用することが出来ます。その後、スターター・スタンダード・プレミアムの3種類の中から自分に合ったプランを選択することが可能です。
不動産オーナーの方も実際に使用されている方が多く、以下に導入事例を記載します。
freee は不動産オーナーに勧めてますね。
不動産オーナーは、メインの仕事を持っている人が多く、会計にあてる時間があまりないです。しかし、実際には支出が多く、例えば、掃除代だったり、エアコン取り付け費など会計に関してやることが多いです。
そういう方には、不動産投資用の銀行口座を持ってもらい freee で会計業務をやることを勧めています。こうすれば、時間がなくても投資用マンションにかかる経費を自動で freee に取り込むことができます。
引用元:freee公式HP
やよいの青色申告オンライン
元々弥生会計は会計ソフトとして長い歴史があり、確定申告に特化したものがやよいの青色申告オンラインです。
やよいの青色申告オンラインは確定申告期間のサポートが非常に手厚いのが特徴です。また弥生会計の経験者であれば比較的とっつきやすい面があります。
多少freeeやMFクラウドと比べると会計の知識が必要なため、弥生会計経験者や経理業務を行っていた方にオススメと言えます。
会員登録を行うと1年間無料で基本機能は使用することが可能です。白色申告に関しては永年無料で使用できるため、簡単な申告ならばこちらの方がいいかもしれません。
最初の印象としては、すごく使いやすいということです。操作はとても簡単で、初めからそんなに迷うことなくできました。 また、入力に迷ったときも、親切な案内が表示されるので、すごく分かりやすかったです。例えば、科目を調べようと思ったらガイドみたいなのが出てくるので、それに沿って入力するだけに済みます。本当に親切な作りになっていると思います。 それと、私はいつもノートパソコンを利用していて、公共無線LANサービスを利用することも多いのですが、このサービスはクラウドを使っているので、どこでもすぐに入力でき、データのチェックもできます。これは大変便利だと思います。
引用元:やよいの青色申告オンライン
MFクラウド
MFクラウドは半自動仕分けのため、後からの調整が非常に簡単に出来ることや手入力でも処理が早いことが特徴です。
MFクラウドは、完全に自動で仕訳をしてくれません。そのため、会計知識が全くない方だと少しハードルが高いです。
しかし、簿記の知識があればかなり素早く処理できるようになります。freeeでて入力を行う場合には少しコツのいる処理をしないといけませんが、MFクラウドは手入力が前提のためスピーディーに処理できます。
無料版は30日間で年間50件まで仕訳をすることができ、メールでのサポートも対応しています。
実際に使い始めると、MFクラウド会計・確定申告は簿記の知識がある人にとっては、より使いやすいと感じました。また、私は現在の個人事務所を将来的には事業拡大し法人化したいと思っているのですが、他のクラウド会計ソフトに比べてMFクラウド会計・確定申告の方が事業拡大していっても適切な会計処理が行え、必要な機能も揃っており、経営状況が明確化しやすいため合っていると考えています。
MFクラウド会計・確定申告を使い始めた後の変化としては、パソコンの前に座る時間が減りました。個別に入力する明細はパソコンの前で入力するしかないのですが、銀行口座の取引明細やクレジットカードの利用履歴を自動的に取得して仕訳されたものについては、移動時間や寝る前にタブレットを開いて承認するだけなので、時間の使い方が大きく変わったと感じています。
引用元:MFクラウド公式HP
TATERU確定申告
TATERU確定申告は不動産・民泊×IoT事業を中心とした株式会社TATERUが開発した不動産オーナー向けのクラウド会計ソフトです。
TATERU確定申告は本業を持つサラリーマン大家に向けての会計ソフトであることもあり、自動仕分けに加えて日々の収支なども確認することが出来ます。
同社のサービスであるTATERUApartmentを使用しているユーザーは無料ですべての機能を使用することが可能です。
サービスは充実・アパート経営不動産経営に特化した会計ソフト
富士山賃貸ESTA
富士山賃貸ESTAは誕生から25年愛用されているソフトで、最大の特徴は賃貸管理ソフトで入力したデータが自動的に会計ソフトに仕訳される点です。
この機能により、入出金管理の内容を会計データに転記する必要がなく、難しいデータのやり取りが不要になります。不動産業に特化したソフトのため入居者管理や入金状況も簡単に確認することが出来ます。
料金は、本体の使用料金は6万円でサポートを含めた年間保守料が2万円の計8万円ほどです。
参考:富士山EFシリーズ
賃貸名人
賃貸名人は不動産業における煩雑で管理が非常に大変な書類を一括データ管理を行うことが可能で、物件の更新情報も自動的にリストアップすることができます。
また修繕やクレームの対応履歴も残すことができるため、誰がどのような対応を行ったかが明確になり、担当者の記憶に依存することなく管理を行えるのが特徴です。
料金はサポート料込みで19万8千円~となっています。
参照:賃貸名人
賃貸革命10
賃貸革命10の特徴は、情報を登録して管理できるだけでなく、チラシやポータルサイトへの掲載など二次活用も可能でそれらの情報を活用し、様々な賃貸物件の書類作成も可能です。
こちらの料金は専門のアドバイザーがヒアリングを行った後に価格が決定するため専門のお問い合わせフォームから価格を問い合わせる必要があります。
参照:賃貸革命10
無料で使えるソフトをVectorで検索する
賃貸管理ソフトやクラウド会計ソフトを使用せずにもう少し簡易的なものでいいという方もいらっしゃると思います。
そのような方におすすめなのが、エクセルでも使える不動産向け会計ソフトです。
vectorというフリーソフトメインの検索エンジンを活用することで、エクセルでも使用可能な無料のソフトを入手することが可能です。
参照:Vector
3. 会計ソフトは自分にベストなものを見つけよう!
会計ソフトの特徴は様々なものがあり、それぞれに得意分野やメリットが存在します。そのため、自分自身に最も必要なものを基準に会計ソフトを選ぶといいでしょう。
会計ソフトを導入して帳簿が楽に付けられるようになれば、手間も減少し家賃収入は増えます。理想の不動産運営のためにも会計ソフトを導入することをおすすめします。
帳簿をつけたら確定申告をしましょう。不動産投資の確定申告については以下の記事を参考にしてください。
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