最近は、海外からの訪日客が増えています。
マスコミでも旅行関連商品を扱う会社が中国人旅行客などの集客に力を入れている様子が報告されていますね。外国人旅行客によるプラスの経済効果は、今後も継続することが期待されるでしょう。
しかし、経済効果が高まるのは旅行業界だけではありません。不動産業界においても、不動産市況に大きな影響を与える可能性があります。外国人が物件の購入や借主になることで経済効果が高まるのです。
特に現在のような少子高齢化による人口減少の局面を向えた日本では、さまざまな面で外国人の手を借りる必要があるでしょう。社会問題化されている「空き屋問題」にしても外国人が居住することで解消の可能性があります。
国土交通省も外国人による不動産活用を推進しています。「インバウンド不動産マニュアル」という外国人用の不動産手続マニュアルの作成により不動産会社をバックアップするなど、不動産市場の活性化・海外への拡大を目指しているのです。
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目次
1. インバウンドとは
「インバウンド」とは外部から内部へ入るという意味であり、一般的には海外から日本への旅行などに使用する言葉になります。逆に内部から外部へ出ることが「アウトバウンド」です。現在、インバウンドが不動産業界や旅行業界に与える影響が注目されています。
特に、インバウンドが経済にもたらす影響は少なくないといわれています。中国人による爆買いなどは、マスコミでも盛んに放映されていましたね。しかし、経済効果は旅行による買物だけが対象ではありません。
不動産市場においても、インバウンドから受ける効果は多大なものになります。物件購入や賃貸だけではなく、外国人投資家による不動産投資としての役割も担っているのです。これは日本人投資家にとっても出口戦略としてのチャンスといえるでしょう。
2. インバウンドがもたらす日本への経済効果
高齢化が進む日本経済では、購買意欲の低下が心配されています。将来的な収入が期待できないと、消費よりも貯蓄に重きをおくのは仕方ないでしょう。しかし、貯蓄が優先されると経済は沈滞します。
そこで、外国人による国内における消費活動に期待するのです。
ポイントになるのがインバウンドによる経済効果でしょう。外国人が日本に興味を持つのは、円安により日本での買物などが割安になっているからです。インバウンドがもたらす経済効果は、2023年に開催される東京オリンピックの影響が大きいともいわれます。
不動産業界も同じく、不動産価格は上昇傾向にあるといわれています。注目しているのは外国人投資家人だけではないでしょう。特に旅行業界においては、経済効果が顕著に現れています。日本を訪れる外国人の消費額は5年連続で最高額を更新しています。
平成29年の調査では4兆円を超え、国別にすると、1兆6千億円を超える中国を筆頭に、台湾・韓国・香港・米国と続きます。
費目別にすると、買物代が最も多く、続いてホテルや旅館といった宿泊施設・飲食費・交通費となります。
3. インバウンド不動産|海外から影響を受ける不動産市況
現在では、外国人が日本の不動産に対して与える影響は、購入や賃貸を問わず、さまざまな取引が関係しています。では、個人・法人を問わず不動産投資としての可能性が見込めるインバウンドが影響する取り組みをご紹介しましょう。
3-1. 訪日外国人に人気な民泊事業
日本を訪れる外国人に人気があるのが「民泊サービス」でしょう。知事への届出により年間180日を上限に個人の住宅や投資用のマンションをホテルや旅館のように宿として利用できるサービスです。一般的に、インターネットが活用されます。
特に民泊のマッチングサイトである「Airbnb」の登場により、手軽に利用できるマッチングツールができたことも民泊ブームの原因でしょう。外国人にしてもホテルや旅館よりも安価に利用できたり、趣のある民家を利用できたりするというメリットがあります。
また、社会問題化されている「空き屋問題」解消の対策としても期待されています。なぜなら、日本人にとっては立地に恵まれないと思われる場所でも、外国人にとっては意外に魅力のある場所だと判断されるケースも少なくないからです。
3-2. 外資系ホテルの建設ラッシュ
日本を訪れる観光客に注目しているのは、大手外資系ホテルも同様です。外資系ホテルと日本の不動産大手がタッグを組んでホテルを建設するケースが増えてきています。日本の不動産会社がホテルを建築し外資系ホテルが運営するというスタイルです。
具体的には、米マリオット・インターナショナルと積水ハウス、米ヒルトンと東急不動産などがマッチングによるホテル建設が予定されています。ホテルが建設されるのは、オリンピック景気だけではなく、その後の成長も見込んでいるのです。
しかし、現在ホテルを運営している国内の会社では、ブランド力で劣るといわれています。そこで、大手の外資系ホテルによるブランド力で、運営面での強化を目指しているのでしょう。
3-3. 外国人労働者の受け入れ
外国人労働者の需要が増えています。今後、国内の高齢化が進めば外国人労働者の必要性は、ますます増加するでしょう。政府も外国人労働者の受け入れを推進しています。
しかし、需要が増えるのは国内の労働力人口の減少のためだけではありません。
外国人旅行客が増えれば、ポイントになるのが「言葉」でしょう。日本では、他国に比べ言葉でのサービス体制が整っていませんね。英語が普及しているとはいい難いからです。そこで、サービス業などの適材適所に外国人労働者を配置する必要があります。
外国人労働者が増えるということは、それだけ外国人労働者の住居が必要になります。ここにインバウンドとしての不動産投資のチャンスがあるのです。特に外国人の場合、紹介や口コミによる入居が多いため空室のリスクも少なくなるでしょう。
3-4. 外国人との不動産契約|インバウンド投資
外国人が日本国内で不動産投資をする理由は、円安のため外国人投資家にとって投資額がおさえられることや日本の安定した政治や経済のためリスクを負うことが少ないと見込めるからでしょう。さらに、東京オリンピックの開催という目玉もありますね。
また「外国人土地法」により、外国人が土地を購入するには制限が設けられているのですが、実際には運用されていません。したがって、今後も外国人がインバウンド投資として不動産を購入することは少なくないでしょう。
日本の投資家も売却などの出口戦略としては、大いに期待できるところです。特に中国では、不動産に所有権がないため資産にはなりません。そこで、日本の不動産を買い付けにくるのです。外国人投資家についての対応が今後の不動産投資のポイントになります。
4. インバウンド需要に対して課題が大きく残る不動産業界
不動産業界にインバウンド需要の可能性が高まるなか、他業種に比べると不動産業界がスムーズに対応できているとはいえません。その原因や、どのような対策が講じられているのかをご紹介しましょう。
4-1. 言語の壁
言葉の壁が大きな障害となっています。国内の不動産会社には中小企業が多いため、外国語に強い社員をそろえられない会社が多いのです。したがって、外国人に対する積極的な対応が期待できないといえます。
不動産取引の法律や習慣は国により異なります。言葉が通じないと詳細な説明ができないために曖昧になることがあるでしょう。意思の疎通がはかれないために後日トラブルにつながる可能性があるのです。
プロであるはずの不動産会社が積極的になれないのに、売主や貸主が積極的になれるはずもありません。言葉の壁がインバウンド需要の窓口を狭めているのです。大切なのは、不動産業界全体として外国人に対する対応力を強めることでしょう。
4-2. 国土交通省の作成するマニュアル|インバウンド不動産マニュアル
不動産業界が外国人に対する対応力を高めるためのポイントとして、国土交通省では「インバウンド不動産マニュアル」を提唱しています。外国人が物件を購入する場合や、賃貸する場合の手続をスムーズにするためのマニュアルです。
インバウンド不動産取引マニュアルの内容としては「日本と海外の不動産取引の違い」「本人確認の仕方」「不動産の引渡し方法」「不動産管理の方法」「不動産取引のポイント」について説明しています。
たとえば、日本と海外の不動産取引の法律や習慣の違いに着目して、外国人との不動産取引の場合に注意しなければならないポイントを説明します。実際の使用に適したマニュアル形式の説明書です。
5. インバウンドは今後の不動産投資のカギ
インバウンドが、不動産業界に及ぼす影響は少なくありません。大切なのは、今後のインバウンドによる需要を不動産活用にどのように活かすかです。不動産業界全体としての対策や個人投資家としての対策が必要になるでしょう。
たとえば、賃貸マンションやアパート経営をしている投資家であれば、外国人の入居を検討することも対策になるでしょう。また、民泊による不動産投資を検討することも、これからの課題になるのではないでしょうか?
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