年金も当てにはならず、自分の生活は自分で守らなければならない時代が到来しつつあります。
このような社会において、少しでも老後の資金を蓄えたいと考える人も多いことでしょう。
投資と言っても、株式投資や投資信託・FX・仮想通貨・金・不動産投資などさまざま。
その中で不動産投資は比較的リスクが低いと言いますが、どのように始めたら良いのでしょうか?
この記事では、アパート投資かマンション投資か悩んでいる人のために、
それぞれのメリットデメリットを比較してアパート投資で失敗しない方法を解説します。
不動産投資に興味がある方は是非参考にご覧ください。
目次
1. 失敗しないアパート投資の実践的な方法7つ
不動産投資をするならアパートと考えている人でも、投資の方法や物件の選定・基本的な考え方などわからないことが多いのではないでしょうか。
まず次の7つの点について説明します。
①始める前に投資手法を決定しておく
アパートへの投資と一言で言っても、対象となる物件にはさまざまなものがあります。
建物で言えば新築および中古で分かれ、規模についてはファミリー向けの2DK以上や単身用の1DK以下の部屋、地域で言えば都心型および郊外型があります。
対象とする物件によって、購入金額や利回りの高さ・管理のしやすさ・融資の受けやすさ・売却しやすい物件・規模の拡大が可能か否かなど異なります。
また投資をしようと考えている人にも、
- 資金が十分ある人
- ほとんどを借入金に頼らなければならない人
- 物件管理に十分時間を掛けられる人
- サラリーマンのように時間が取れない人
- 大きな収入を得たい人
- 年金の補完となればよい人
などさまざま。
アパート投資をする際には自分の現状を考え、それにマッチした投資手法をあらかじめ決めておくことが大事です。
②大規模修繕の時期を確認する
アパートを購入した際には、入居者が住みたいと思う住空間を管理維持する必要があります。
そのためには10~15年に1回程度大規模修繕が必要です。
それを怠れば物件の魅力が低下し、退去者が多くなることでしょう。
初めは空室が出ても埋まるかもしれませんが、入居希望者が現れなくなれば家賃の値下げも検討しなければなりません。
そうなればローンの返済も難しくなり、せっかく手に入れた投資物件を手放さなければならないということも起こりかねます。
特に中古アパートを購入する際には、あらかじめ大規模修繕の時期を確認しておくことは重要なことです。
③アパート入居率・入居実績を把握する
首都圏のアパートの空室率は12~15%程度と言われていますが、地方などでは30%以上のところもあります。
空室率の高い物件は、入居者のニーズに合った間取りや設備でない場合が多く、魅力に欠けているのが原因。
安いからと言ってこのような物件を購入すると、入居者が現れず直ぐにリフォームせざるを得ないという事態になりかねません。
アパート経営で安定した収益を上げていくためには、事前によく入居率や入居実績を調査しておくことが必要です。
④シミュレーション計算を行う
不動産投資の目的は、中長期的に安定した利益を得ることです。
そのためにはまず対象エリアの家賃相場を調査し、どの程度の家賃収入を得られるのか把握しなければなりません。
また物件を購入したらその返済額が毎月いくらになるか、ほかに修繕費用や税金・保険料などの必要経費を勘案し、いくらキャッシュフローを得られるか中長期的にシミュレーションをすることが必要です。
シミュレーションには出口戦略も考え、いついくらで売却するかいつまで継続して持ち続けるのかということも。
また経済状況や災害などの変化により、入居者が激減することもあるので、自己資金を充実しておくなどの対策を取っておかねばなりません。
⑤広い地域から物件を探す
オーナーが住んでいる地域だけが、対象エリアとは限りません。
物件の選定にあたっては、幅広い地域をターゲットにすべきです。
一般的には地方の物件より都会の物件の方の需要が高いので、都市部の物件を探したほうが良いでしょう。
特に単身者向けの物件を購入したいと考えている人は、都心にアクセスしやすい駅から近い物件を選ぶことが大事。
⑥不動産投資に関する知識の蓄積を怠らない
不動産業界を取り巻く環境は、常に変化をしています。
不動産投資に成功するためには、環境の変化に対応することが大事で、そのためには不断の勉強が重要。
主な勉強方法としては次のようなものがあります。
セミナー
不動産投資会社では、無料や有料のセミナーを多数開催。
タイムリーな内容も多く、セミナー終了後には個別に相談に乗ってくれる場合もあります。
インターネット
最も手軽に簡単に手に入れることができ、情報も新鮮。
先輩大家の成功例や失敗例などの体験談はまさに生の声であり、きっと身につくことでしょう。
書籍
良い書籍を手にすれば、繰り返し読むことが可能。
しかし気を付けなければならないのは、情報が古くなりがちであるということです。
⑦アパート投資での判断基準を持つ
アパート投資で大事なことは、一貫した判断基準を持つことです。
特に物件の選定や利回りについては、自分の基準を決めておかねばなりません。
物件選定であれば新築なのか中古なのか、エリアは都会か郊外か、ターゲットは単身者か家族など。
利回りについては、表面利回りか実質利回りかどちらを重視するのか、何%の利益を取るのかなど。
他には売却の時期などアパート投資でのさまざまな局面を予想し、決めておく必要があります。
そのために不動産投資についての勉強を怠らず、投資家としての判断能力を養わなければなりません。
2. アパート投資とマンション投資の違い
集合住宅への投資というと、アパートとマンションがあり、マンションには一棟マンションと区分マンションがあります。
この記事では、アパートと区分マンションについての違いについて解説しましょう。
投資金額
アパートとマンション投資金額を比較すると、アパートの方が部屋数もあるので多額の資金を必要とします。
アパートでは通常4,000万以上の資金が必要ですが、マンションであれば1,000万円以下で購入できる物件もあります。
物件を購入するときには、ほとんどを借入金で賄うフルローンという方法もありますが、
築年数が経過している建物はローン期間も短いのでよく検討して選定しなければなりません。
物件の資産価値
物件の資産価値には、売却した場合にいくらで売れるかという売却価値と、いくらの家賃収入を得られるのかという収益価値があります。
アパートの建物が劣化しても土地の価値が下がることはなく、立地条件が良ければ上がることもあります。
したがって、アパートはマンションと比べて売却価値は高いと言えます。
また家賃総額という点から見れば、アパートは部屋数が多いので多くの収入が期待できます。
一方マンションは区分所有なので、土地の資産価値はあまりないと言っていいでしょう。
また建物が老朽化すると売却が難しく、建て替えをするには所有者の4/5の賛成が必要なのも難点。
しかしマンションは㎡あたりの単価を低く抑えられているので、通常収益価値は高くなります。
利回り
利回りとは、投資金額に対する収益を一年間平均で表したものです。
マンションの利回りは一般的に4.5%~6.5%程度、一方アパートは6.5%~8.5%程度とされています。
しかしアパートの利回りが高くなる条件としては、木造・都心から遠い・土地価格が安い・物件が古いなどがあり、逆に言えばリスクが高めとも言えます。
したがって都心部のマンションは流動性が高いので空室も少なく利益を得やすく、
郊外のアパートは利回りが高い反面、投資が難しいということを考えておかねばなりません。
物件の耐久性
マンションの造りは一般的に鉄筋コンクリートまたは鉄筋鉄骨造で、アパートは木造・プレハブ・軽量鉄骨構造です。
マンションは鉄骨をメインに使っているので、強度に優れ燃えにくいのが特徴です。
一方木造の造りのアパートは、軽量なので耐震性には優れているが、燃えやすいのが欠点。
税法上の耐用年数ではマンションは47年ですが、木造は22年となっておりマンションの方が圧倒的に長くなっています。
ランニングコスト
不動産物件を購入すると、物件を維持管理していく費用が必要。
主な費用としては、税金や入居者の管理費用・建物の管理費用などがあり、一般的には戸数が多い分アパートの方が費用が掛かります。
アパート投資において代表的なランニングコストをご紹介しましょう。
入居者に関する管理費
不動産管理会社への費用・入居者募集・契約更新・退去手続き・契約・家賃回収・クレーム人件費などがあり、アパートは個数場多いので多くの費用を必要とします。
不動産管理会社を利用して管理する場合には通常家賃収入の5%程度必要ですが、マンションの場合には一戸だけなので自分で管理することも可能。
建物に関する管理費
修繕費・警備・防犯・清掃・防災など・エレベーター点検費用などがあり、管理が行き届いている分マンション方が余分に費用が掛かります。
またマンションの場合には、通常の修繕費のほかに大規模修繕費の積立が必要。
固定資産税・都市計画税
固定資産税は利益の有無にかかわらず、保有しているだけでかかる税金。
固定資産税は固定資産税評価額の1.4%(物件価格の50~60%)、都市計画税は固定資産税評価額の0.3%かかります。
不動産物件は軽減措置がありますが、特に3階建て以上のマンションで耐火住宅であればさらに優遇措置を受けることが可能。
出口戦略
不動産投資では、最終的に物件をどうするかという出口戦略が重要です。
出口戦略を考えておかないと、家賃収入では利益を得られても売却できないという事態も起こり得ます。
アパートの一棟投資は、売却金額が大きくなるので一般的に時間はかかります。
ただしいくら物件が老朽化しても、土地の価値は残るので売却は可能。
マンションの場合には、金額が小さいので売却までの時間はアパートほどかかりません。
しかしあまりに老朽化したマンションは、土地の価値はほとんどプラスできないので売却できないという事態も起こり得ます。
したがって、マンションは老朽化する前に早めに売却することが重要です。
アパート投資とマンション投資の比較表
アパートとマンションの投資を比較すると次のようになります。
アパート | 区分マンション | |
投資金額 | 多額の資金が必要 | 少額の資金で投資が可能 |
資産価値 | 建物が劣化しても土地の価値は残る | 区分所有なので土地の価値は期待できない |
利回り | 6.5%~8.5%程度期待できるがリスクは大 | 4.5%~6.5%程度だがリスクは小 |
耐久性 | 燃えやすいのが欠点で、税法上の耐用年数は22年 | 堅牢であり税法上の耐用年数は47年 |
ランニングコスト | 戸数が多いのでランニングコストがかかる | 一戸だけなのでランニングコストはあまりかからない |
出口戦略 | 金額が大きいので売却に時間を要する | 金額が小さいので比較的早く売却可能 |
3. アパート投資のメリット
次にアパート投資を区分マンション投資と比較しメリットを解説します。
家賃収入がゼロになる可能性が低い
マンションへの投資の場合は、一室なので満室か空室かのどちらかです。
したがって、空室リスクは高く家賃収入がゼロになる可能性も。
区分マンションの空室リスクを低減するためには、物件を複数持つことです。
その際、異なる立地や交通の便・ターゲットなどのマンションに投資すればリスクを分散することが可能になります。
アパート一棟投資は、きちんと経営をしていれば全室が空室になるということはまず考えられません。
したがって、家賃収入がなくなるということはあり得ないでしょう。
建物が老朽化しても不動産資産が残る
アパートの場合には、建物がいくら老朽化しても、土地の価値は残るので売却が可能です。
またマンションは堅牢なので、多少老朽化しても賃貸を継続することはできるでしょう。
しかしマンションはあまりに老朽化すると、賃貸するのも売却するにも困難に。
したがって早めに出口戦略を立てておくことが必要です。
マンション投資より運営の自由度が高い
区分マンションの場合は自分の所有する部分については、原則自由にリフォームやリノベーションすることが可能です。
しかし共有部分については、自分だけの意思で勝手に変えることはできません。
建物の外壁や共有部分の汚れなどは手を付けることはできず、特に建て替えをする場合には区分所有者の4/5の賛同が必要。
一方アパート投資の場合には一棟丸ごと自分の所有なので、法律に違反しない限り、自分の意思で自由に決めることができます。
金融機関のローンが受けやすい
マンションの場合には一室だけなので、空室が出た場合には家賃収入が0になることも。
一方アパートは何室も貸すので、空室のリスクが低く金融機関への返済が滞る可能性は低いといえます。
また建物が老朽化しても土地の価値は残るので、売却益によるローン返済が可能なので金融機関の融資を受けやすい理由です。
マンション投資よりリスク分散がしやすい
アパートの場合には、通常4~8程度の居室があります。
したがって空室が出ても他の部屋からの家賃収入があるので、リスク分散が可能です。
4. アパート投資のデメリットやリスク
次に区分マンション投資と比較したアパート投資のデメリットについて説明します。
初期投資費用が高額になりやすい
不動産を購入した時は物件の頭金の他に、仲介手数料・登録免許税・印紙代・不動産取得税などが必要です。
アパートは物件の費用が高いので、初期費用も膨らむことに。
一方マンションの購入費用はアパートほどかからないので、初期費用も少なくなります。
修繕コストが高額になりやすい
区分マンションの共有部分は管理組合が対応するので、修繕費用は所有する居室に限られます。
しかしアパートの修繕は外壁やバルコニーなど広範囲にわたり、給水ポンプや階段などの鉄部の錆防止が必要な場合も。
また給湯器やエアコン・上下水道・電気などの設備の管理は各戸必要なので、修繕費用はアパートの方が高額になります。
マンション投資より節税効果が低い
不動産物件を購入した年には、登録免許税や不動産取得税を経費とすることができます。
マンションへの投資では、大規模修繕積立金や水道・光熱費・管理費などについても経費計上が可能。
したがって、相対的にアパートの節税効果は低いと言えます。
5. アパート投資に向いている人の特徴
それではどんな人がアパート投資に向いているのでしょうか。
入居者の気持ちを理解できる人
アパートにはさまざまな人が入居するので、当然それぞれの考え方や生き方など違います。
アパート投資に向いている人とは、入居者の立場に立っていかに住みやすい住環境を作れるかです。
設備が壊れたら直ちに修理の手配をし、トラブルがあればすぐ駆けつけるなど入居者の気持ちを理解できなければ成功することはできないでしょう。
リスクについて十分考えることが出来る人
アパート経営には、空室リスク・災害リスク・資産価値下落リスク・金利上昇リスクなどさまざまなリスクがあります。
これらのリスクはいつ発生するかわからないので、あらかじめリスクに備え対応しておくことが重要です。
6. アパート投資とマンション投資の特徴を理解した上で投資をしよう
ここまで説明したように、アパート投資とマンション投資にはメリットやデメリットがあります。
それぞれの特徴をつかみ、どちらが自分に向いているか知ることが大事です。
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