不動産は数ある投資商品の中でも高額であることから、「不動産投資ではどれほどの元手を用意すれば良いのか見当がつかない」という人は多いのではないでしょうか。
しかしそんなイメージに反して、最近では自己資金ゼロで不動産投資を始める人が多いのも実情。
そこで今回は、不動産投資で必要な元手と自己資金ゼロで始める不動産投資のメリット・リスクについて解説していきます。
不動産投資に興味がある方、これから不動産投資を始める予定のある方は是非とも参考にしてください。
目次
1. 不動産投資で必要な元手は物件価格の約2~3割
不動産投資ローンを組む場合、元手(自己資金)の目安は物件価格のおよそ2~3割というのが一般的。
ただこれはあくまでも目安であり、借主の年収や勤務先などの個人属性や投資物件の評価によって金融機関が求める自己資金の金額は変動します。
自己資金ゼロのフルローンを組んで不動産投資を始める人も多く、自己資金がないから不動産投資ができないということは決してありません。
不動産投資が少額から始められる理由|レバレッジ
不動産投資が少額から始められる理由は、不動産投資最大の強みが「レバレッジ効果」にあるからです。
不動産投資におけるレバレッジ効果とは、手元の資金を最小限に抑え金融機関から借り入れを行い、購入した不動産を賃貸に貸し出し少ない元手から多くの賃料収入を得る方法。
「テコの原理」とも呼ばれるレバレッジ効果を、わかりやすく図でご紹介します。
このように同じ自己資金でも、レバレッジ効果を利用した投資とレバレッジ効果を利用しない投資では収益に2.5倍もの差が出るのです。
2. 元手なしでも不動産投資はできる!メリットやリスクを解説
元手なしでも、フルローンを利用すれば不動産投資は可能です。
フルローンとはその名の通り、購入する物件の価格全額の融資を受けること。
本来であれば物件価格の2~3割の頭金が必要なところ、フルローンを組むことで用意すべき資金は不動産取得税や登記費用・ローン保証料・仲介手数料などの初期費用のみとなります。
この初期費用は、大体物件価格の1割程度です。
それでは、自己資金ゼロで不動産投資をするメリットやリスクを解説しましょう。
自己資金ゼロのメリット
自己資金ゼロで行う不動産投資のメリットは、前項でもご紹介した通りより大きなレバレッジ効果を得られることにあります。
では、そもそも自己資金を使わずに不動産投資を始めるメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。
現金を手元に残せる
自己資金ゼロで不動産投資を始めることで、現金を手元に残しておくことができます。
不動産投資では地震や火事などの災害、家賃滞納など、突発的なリスクによって収入が途切れてしまう可能性は常に考慮しておかなければいけません。
このような突発的なトラブルに見舞われても、手元に現金があればその間の返済資金に充てることができます。
自己資金ゼロのリスク
自己資金ゼロで始める不動産投資にはメリットがある一方、リスクもはらんでいます。
このリスクもしっかりと理解してから、フルローンを検討することが大切です。
利回りに対して金利が高くなることも
自己資金ゼロのフルローンでは、通常の金利よりも高く設定されてしまうという特徴があるため、利回りに対して金利が高くなることがあります。
金利が高すぎる結果、毎月の家賃収入からローン返済額を差し引くとほとんど手元に収益が残らなかったり、さらには赤字になってしまったりというのはよくあるケース。
せっかく自己資金ゼロで融資が受けられても、これでは不動産投資をする意味がありませんよね。
したがって自己資金ゼロで不動産投資を始める場合には、利回りと金利の差を確認するようにしましょう。
利回りと金利の差が1~2%程度しかない場合、フルローンを利用した運用は非常に厳しいものになると予想されます。
返済に困る可能性がある
自己資金ゼロで不動産投資を始める人の中には、貯金などの余裕資金が全くないという人もいるでしょう。
余裕資金を全く持たない状態で不動産投資を行うと、運用過程や本業において不測の事態が起きて想定した収入が得られない場合、ローンの返済ができなくなる可能性があります。
このようなリスクを避けるためにも、ローン返済額の半年分程度の自己資金は手元に残しておくようにしましょう。
3. 不動産投資を少額の元手で始めるならオススメは?
ここでは不動産投資を少額の元手で始める場合におすすめの投資商品と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
物件に投資するなら
少額の元手で物件に投資をするなら、以下の2つがおすすめです。
①区分マンション
区分マンションは物件価格が比較的安く、中には数百万円で購入できるものもあります。
アパートやマンションの一棟投資に比べ受ける融資額も少額で済むため、多額の返済を強いられることなく安定した運用が期待できるでしょう。
また立地条件や良く賃貸需要が見込める物件であれば、十分な収益を手にすることができます。
②築古物件
築古物件は、ほかの物件に比べ安い価格で販売されていることが多いです。
築古物件を格安で購入しリフォームを施せば、安定して入居者を確保できる賃貸物件に生まれ変わる可能性があります。
ただしその際には、その物件の立地条件や賃貸需要に関する調査は必須。
またリフォームや修繕にかかる費用なども確認しておきましょう。
③地方の物件
地方の物件は都心部の物件に比べ、販売価格が安いのが魅力。
数百万円単位で購入できる物件も多く、フルローンを組んでも安定した収支を維持できるためおすすめです。
ただし地方エリアの物件を選ぶ際には、そのエリアに賃貸需要があるのかどうかをまずはチェックするようにしましょう。
また車移動が主流のエリアであれば駐車場がついている物件なのかどうかなど、その地方の人たちの生活を考慮した物件選びが重要です。
④競売物件
競売物件とは、債務を返済することができなくなった所有者の物件を裁判所が差し押さえて競売にかけている物件のこと。
競売物件は一般的な相場価格よりも3~4割程度安く販売されていて、手ごろな価格で購入できるのが魅力です。
ただし競売物件では売主がいないため、引き渡しの手続きをしてくれる人がいなかったり、
居住者がいる場合には購入者が立ち退き交渉を行わなければならなかったりと通常の物件売買にはない特殊な対応が必要。
したがって競売物件を購入する場合には、これらの手続きに関してあらかじめ勉強しておかなければいけません。
物件以外に投資するなら
不動産投資の商品は、実際の物件だけではありません。
物件以外で不動産投資を行う際の、おすすめの商品をご紹介します。
①J-REIT
J-REITとは「不動産投資信託」と呼ばれる金融商品で、オフィスビルやマンションなどに対して投資家を集い、賃料で得た運用益を分配するというものです。
数万円単位の少額から投資ができ証券取引所を通して売買を行うため、流動性が高いのが特徴。
ただ株式と同じように日々価格変動があり、分配される運用益も一定ではありません。
そのため不動産投資といういうよりは、株式投資と性質が近い投資商品と言えます。
②クラウドファンディング
クラウドファンディングとはインターネットを通して複数の人から資金調達を行い、その資金を利用して事業を行ったり商品を開発したりすること。
数万から投資ができ、調達した資金を元手とした事業や商品開発が成功すれば、提供した資金の額に応じて利益が分配されます。
不動産投資のクラウドファンディングでは不動産投資会社がインターネットを通じて資金調達を行い運用・分配を行いますが、クラウドファンディングの場合金融機関の仲介はありません。
金融機関による審査がないことから、物件の種類が豊富・手続きに費用と手間がかからないという魅力があります。
しかしその反面、不動産投資のクラウドファンディングは非常に人気で募集終了の物件が多かったり、人気から手数料の引き上げがあったりという側面があるため注意が必要です。
③不動産小口化商品
不動産小口化商品とは、その名の通り投資物件を複数の投資家で共同所有し(小口化)、その物件の運用過程で得た家賃収入や物件の売却益を投資家たちに分配するというもの。
少額から投資ができ、それならJ-REITとほとんど同じなのでは?と疑問に思うところですが、両者は大きく異なります。
その代表的なものとして挙げられるのが、J-REITでは投資を行っても物件を所有していることにはならない一方、不動産小口化商品では投資した物件に対して所有権があるという点。
投資した口数分の所有権を持てるため、当然減価償却の対象となるほか相続税対策としても有効です。
しかしこのような通常の実物物件への不動産投資と変わらないメリットがある一方、
- 不動産小口化商品の商品数が少ない
- 融資を受けての投資ができずレバレッジ効果は得られない
というデメリットもあります。
4. 不動産投資のメリットは少額の元手で始められるところ
不動産投資のメリットは、少額の元手で始められるところにあります。
少ない自己資金で投資効率を高め、大きなレバレッジ効果を得られるのが不動産投資の最大の強み。
また実物不動産への投資のほかにもJ-REITやクラウドファンディングなど、数万円単位の少額の投資資金で行える新しい形の不動産投資も脚光を浴びています。
しかし自己資金が少なくてもできるからと、不動産投資に関する勉強を怠ることは禁物。
知識を身に着けた上でしっかりと資金計画を立て、不動産投資を始めましょう。
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