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住宅ローンとアパートローン(不動産投資ローン)8つの違い|併用や借り換えについても解説

不動産を購入する時の住宅ローンについては、ご存知の方も多いでしょう。

しかし、自宅の賃貸やアパート経営をお考えの方は、住宅ローンではなく「アパートローン」(不動産投資ローン)を使うことになります。

賃貸に出すために不動産を購入する場合、住宅ローンは組めないのです。

 

住宅ローンとアパートローンにはどのような違いがあるのか分からない方は多いでしょう。

そこで今回は、

  • 住宅ローンとアパートローン(不動産投資ローン)の違い
  • 住宅ローンとアパートローンは併用できるのか
  • 住宅ローンからアパートローンへの借り換えはできるのか

についてご紹介します。

1. 住宅ローンとアパートローン(不動産投資ローン)8つの違いを解説

住宅ローンとアパートローン(不動産投資ローン)8つの違いを解説

住宅ローンは、住宅の購入や住宅を新築・改築する費用の貸付を受けることを目的として金融機関から受ける融資。

一般的に金利も低く、長期にわたって支払い期間を設けてくれるため、返済のしやすいローンといえます。

アパートローン(不動産投資ローン)とは、不動産投資などで賃貸に出す目的のため、アパートや賃貸マンションを購入したり、建築したりするときに金融機関から受ける融資

 

住宅ローンとアパートローンは似て非なるものです。具体的なローンの違いを確認していきましょう。

アパートローンと住宅ローンの比較一覧表

アパートローンと住宅ローンの8つの違いを比較した表です。

比較項目 アパートローン 住宅ローン
①借入の目的 他人に貸して家賃収入を得る 自宅として住む
②返済金の出どころ 入居者からの家賃収入 借主の給与所得
③融資してもらえる額 年収の10倍~20倍程度 年収の5倍~8倍程度
④借入する金利の高さ 約1.5%~4.5%/年 約0.5%~2.0%/年
⑤ローンの年齢制限 明確な年齢制限はない 定年(65歳~70歳前後)
⑥ローンの返済期間 25年~35年 25年~35年
⑦融資の審査内容 属性、購入物件の収益性 属性
⑧法人名義での契約 可能 不可能

上表をもとに、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

①そもそも借入の目的が違う

原則として、住宅ローンの融資目的は、借入した本人が住むために購入したり、建築したりする物件です

賃貸目的のアパートや別荘などのセカンドハウスとして、住宅ローンを利用することはできません。

 

一方でアパートローンの融資目的は、賃貸することで収益をあげるアパートや賃貸マンションのような収益物件。

一般的に融資対象は、土地所有者に対して、アパートの建築費用を融資するケースが多いといえます。

しかし、対象物件については金融機関により、さまざまな取り扱いがされているので確認が必要でしょう。

②借入金利が違う

  • アパートローン:金利は1.5%~4.5%ほど
  • 住宅ローン:金利は0.5%~2.0%ほど

金利の高さはリスクの高さに比例しています。

アパートローンは空室などにより家賃収入が少なくなると貸し倒れてしまうリスクがあるため金利が高いのに対して、住宅ローンは給与から支払われ貸し倒れリスクが少ないため金利が低く設定されています。

 

リスクの大きいアパート経営などでは金利が跳ね上がることもあり、借り入れの際には注意が必要です。

このことから、借り入れる際には自身の投資物件の収益性が安定していることをなるべく伝えるようにしましょう。

③融資してもらえる額の大きさが違う

ローンを組む時に融資してもらえる額の大きさも、次のように異なります。

  • アパートローン:年収の10倍~20倍ほどで、融資額の上限が大きい
  • 住宅ローン:年収に対して5倍~6倍が多く、高くても7倍~8倍程度

住宅ローンに比べてアパートローンの融資額は高いのが特徴的。

 

例えば年収の約15倍ほどまで融資してもらえた場合、年収500万円前後で8,000万円の都内新築アパート1棟を借り入れることができます。

さらに、融資に力を入れている不動産投資会社から物件を借り入れる場合や、資産状況が潤っている場合であれば、より安くローンを組めることがあります。

④返済のお金の出どころが違う

借入の目的が違うため、ローンを返済するお金の出どころ(返済原資)にも明確な違いがあります。

  • アパートローン:入居者から得た「家賃収入」
  • 住宅ローン:借主の毎月の「給与所得」

住宅ローンの返済原資は「給与」からなので基本的には安定していますが、アパートローンでは空室が発生してしまうリスクがあり、安定的な家賃収入を必ず得られるとは限りません。

安定した家賃収入が期待できないような物件の場合には、融資評価が下がってしまう可能性もあります。

⑤ローンを借入できる年齢制限が違う

  • アパートローン:明確な年齢制限はない
  • 住宅ローン:定年(65歳~70歳前後)

住宅ローンは給与からの支払いであるため定年に至ってからでは返済の見込みが立たず、65~70歳前後という借入の年齢制限が設けられています。

一方、アパートローンは返済の資金が家賃収入なので、物件や資産状況がよければ70歳を超えていても融資がつくこともあります。

不動産投資であれば年齢関係なく運営ができる可能性があるのです。

⑥ローンの返済期間が耐用年数によって変わる場合がある

アパートローンと住宅ローンの返済期間に大きな違いはなく、両者ともおよそ25年~35年の返済期間が平均的。

 

しかしアパートローンの場合は、マンションの耐用年数によって返済期間が変わることがあります。

たとえばマンションの場合、耐用年数が約47年ですので、築15年の中古マンションでも返済期間は約35年となりますが、

木造物件の場合は耐用年数が22年ほどなので、新築で返済期間が約30年になることも。

 

条件によって返済期間が異なる可能性がありますので、しっかり確認しましょう。

⑦融資の審査内容が違う

ローンの融資を受ける場合には審査がありますが、不動産投資ローンと住宅ローンには審査内容にも違いがあります。

  • アパートローン:年収・勤続年数・資産状況・借り入れ状況などの「属性」・「どんな物件を購入するか」
  • 住宅ローン:年収・勤続年数・資産状況・借り入れ状況などの「属性」

住宅ローンでは基本的に「属性」のみを基準にして審査が行われますので会社での地位や年収を確認します。

一方アパートローンでは「どんな物件を購入するか」という点も見られます。

 

たとえば年収などの属性があまりよくなくても、都内の一等地にある新築ワンルームマンションなら融資が下りることもあるのです。

審査基準は各金融機関で異なるので1つがダメでも、他の金融機関なら審査に通る可能性があります。

さまざまな金融機関の条件を見てみるのもいいでしょう。

⑧法人名義で契約ができるか、できないかの違いがある

アパートローンは賃貸事業ですので、事業を行う「法人」が契約主になることもできますが、住宅ローンはあくまで住むことを目的とするため、契約は「個人」名義となります。

2. 住宅ローンとアパートローンの併用はできるの?

住宅ローンとアパートローンの併用はできるの?

結論から申し上げますと、住宅ローンとアパートローンの併用は可能です。

なぜ併用ができるのかや、併用する際のポイントをご紹介しましょう。

住宅ローンがあってもアパートローンは組める

住宅ローン返済中の人でも、アパートローンを組んで不動産投資を始めることができます。

先述の通り返済の原資が違いますし、アパートローンは審査基準にも「物件の収益性」が入ってくるため、収益性のある物件を購入すればアパートローンと住宅ローンの併用は十分可能です。

併用は可能だが、金利や借入期間に注意

住宅ローンとアパートローンの併用は可能ですが、住宅ローンと比べるとアパートローンには、さまざまなデメリットがある点には注意が必要です。

一般的にアパートローンの金利は、住宅ローンの金利よりも高く設定されています。

なぜなら、生活するための住宅と事業のためのアパートでは、「生活するための住宅を取得しやすくしている」というのもうなずけるところでしょう。

 

さらに、借入期間も住宅ローンが35年などの長期にわたるのに対して、アパートローンのほうが短くなります。

アパートローンの抱えるさまざまなデメリットを考えると、融資を受けるためには、できる限り自己資金を多く準備することや借入額を少なくすることをおすすめします。

アパートローンを組んだ後に住宅ローンを組む方が審査に通りやすくなる

アパートローンと住宅ローンを組む順番は、個人の条件によりますが、「年収がある程度高い」「自己資金が物件価格の10%以上はある」という人は、アパートローンを先に組む方がおすすめ。

不動産投資を始めると、家賃収入からローン返済分などの諸経費を引いた残りを「収入」とみなしてくれる金融機関が多いためです。

 

不動産投資において、順調に家賃収入を得続けていけば、金融機関も「この人ならしっかりお金を返してくれる」と、住宅ローンや追加のアパートローンを組むことも可能に。

不動産投資ローンを組んでいても住宅ローンを組める金融機関はある?

住宅金融支援機構の「フラット35」であれば金利を低くおさえて住宅ローンを組むことができます。

ただ、フラット35ではその名の通り35年間固定金利で払い続ける必要がありますので、長い目で見ると変動金利や10年固定金利などよりは高く払うことにはなります。

 

また、土地と家の不動産業者が違うときには土地を先に決済してつなぎ融資(金利3%)を受ける必要があったり、取り扱い金融機関によっては手数料も違うため念入りに確認するようにしてください。

 

多少のデメリットはあるものの、「フラット35」であれば、他の銀行とは違い不動産収入が上がってさえいれば住宅ローンを組めるので、同時にローンを組みたい方にとっては安心といえるでしょう。

3. 住宅ローンからアパートローンへの借り換えについて

住宅ローンからアパートローンへの借り換えについて

住宅ローンからアパートローンへの借り換えを考えるタイミングとは、当初は住宅ローンとして借入した物件を何らかの理由で賃貸にするような場合です。

 

ただ、住宅ローンの目的は、借主本人が住むという条件のもとでの借入で、契約時に交わす書面にも使途が明記されているでしょう。

つまり、本人が住宅として使用する目的で、金融機関から借入すると約束しています。

 

借入の使途が異なっていた場合、極端にいうと、法的に詐欺罪と判断されるかもしれません。

うっかりしていたではすまない場合もありえます。

住宅ローンからアパートローンへの借り換えは、「できる、できない」というよりも、状況によっては「しなければならない」と考えたほうが無難でしょう。

自分の持ち家を賃貸したい場合は借り換えをする必要がある

たとえば、自宅を賃貸に出したい場合や、持ち家相続などで自宅以外の住宅を取得した場合など、「自宅として購入した物件」を賃貸に出したい人は少なくないのでは?

つまり上記の場合に住宅ローンからアパートローンへの借り換えの必要が生じてきます。

 

金融機関に対して、「契約書に記載した内容に変更が生じるのですが、どのようにすればよいのでしょうか?」と金融機関に報告する必要があります。

アパートローンへ借り換えする注意点を押さえておこう

アパートローンの場合、住宅ローンよりも金利が高かったり、借入期間が短かったりします。

そのため、住宅ローンのままでいるほうがお得だと考える方が少なくありません。

 

しかし、黙ったまま契約違反の状態を続けることにも、デメリットが多いのです。

金融機関の知るところとなったときのことを考えると、正直に申し出るほうが無難でしょう。

金融機関も無断で契約内容を変更されたのであれば、そのままにしておくことはできません。

なぜなら、無断での使途変更は、契約違反となるからです。

 

金融機関では信用を重んじます。したがって、契約違反した人を放っておくことで後日問題になることに備えて処理を進める傾向に。

しかし、金融機関にしても不要なトラブルは避けたいはずです。

正直に申し出ることで柔軟な対策を講じてくれるでしょう。

逆にアパートローンから住宅ローンへの借り換えはできない

投資物件に自分で住むという場合、アパートローンから低金利の住宅ローンへ借り換えをしたいという人もいるかもしれません。

しかし、アパートローンから住宅ローンへの借り換えはできません。

投資用物件に自分が住むことは可能ですが、自分が住むことになったとしても、住宅ローンより高金利で払い続けていく必要があります。

4. 住宅ローンとアパートローンは併用可能!計画的に利用しよう

住宅ローンの返済中でも、アパートローンを利用することはできます。

なぜなら、金融機関が融資を判断する返済原資が異なるからです。

そして、生活に密着した住宅ローンと不動産投資としてのアパートローンとでは融資目的も異なります。

しかし、アパートローンを利用するときには、収益によるプラスの要素だけではなく、管理費用や税金によるマイナスの要素も含めた総合的な事業計画が必要です。

投資である以上、さまざまなリスクがあるということを忘れてはいけません。

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