不動産を売却する時に「いくらで自分の不動産が売れるのか?」というのは誰しも気になるところです。
査定を出したらできるだけ早く、高額で売却したいですよね。
そこで、今回は不動産売却の査定で損しないための6つの注意点と事前に準備しておきたい7つの事をご紹介します。
この記事から査定や売却のノウハウを理解してもらって、数ある査定サイトから自分に合ったものを見つけて頂ければと思います。
目次
1. 不動産査定って何?
不動産査定とは、不動産を売却する時に、いくらで売れるかを予想することです。
あくまで予想なので査定された額で売却できるとは限りません。
1-1. 不動産の価格査定はどうやってされるのか?
価格査定の方法には、
- 査定する物件と条件が同じような物件の売却価格を比較する「取引事例比較法」
- 物件を新築する時に必要になる価格から築年数に応じて原価償却する「原価法」
- 賃貸したときの収益から価格を計算する「収益還元法」
があります。
取引事例比較法
査定する不動産の周辺エリアで実際に取引された事例をもとに査定金額を算出。
この取引事例比較法が、査定金額をだす上で1番主要なものです。
この方法は「環境の変化」や「市場の動向」で変わることがあるので、ほとんど場合が時点調整をして行います。
原価法
不動産を再度建築した場合の価格を算出。後々、年数により低下する分を価格より引いて価格を算出。
原価法は、国土交通省にも方法がしっかりと明記してあります。
収益還元法
不動産を運用した際に、どれぐらい収益が将来でるのかを予想したものに現在の不動産価格を足して算出。
収益還元法も、国土交通省に方法が記載してあります。収益還元法には更に2種類あり、
- 直接還元法
- DCF法
です。直接還元法は、年間の利益を還元利回りで割って収益価格を求めます。
不動産の収益価格=年間の利益÷還元利回り
DCF法は、不動産の「保有期間に得る利益」と「期間終了時の売却で得る収益価格」を、現在の価格に足して算出します。
直接還元法よりも精度が高い分計算はとても複雑です。
1-2. 個人の住宅を売却する時は取引事例比較法や原価法を用いる
一般的に個人の住宅を売却する時は、取引事例比較法や原価法が利用されます。
では、公益財団法人不動産流通センターが「価格査定マニュアル」に定めている計算式をご紹介しましょう。各項目を入力すると自動的に計算するシステムです。
査定価格 |
比較物件の㎡単価×(査定物件の評点÷比較物件の評点)×査定物件の面積×流通性比率 |
計算式の「評点」とは立地などの条件に点数を付けて合計したものであり、「流通性比率」とは需要が多く売りやすければプラスに評価され、需要が少なく売りにくければマイナスに評価されます。
1-3. 不動産会社によって査定価格が違うのは何故?
査定価格が異なる理由は、不動産会社により比較する物件の選び方が異なるからです。
さらに、売主の仲介依頼を受けやすいように高めの価格を設定するケースもあります。
また、売主が早期売却を希望していれば低めの価格設定になることもあるのです。
2. 不動産売却で損をしない!査定時の注意点6つ
不動産査定とは、あくまで予想価格なので不動産会社が早く売却するために低く設定するかもしれません。
そこで、損をしないための6つの注意点をご紹介しましょう。
2-1. 必ず複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産会社によって査定価格はまちまちです。
たとえば、不動産会社により得意な物件や苦手な物件があります。
独自の流通経路などを持つ得意な物件であれば高く売れる可能性があります。したがって、査定は必ず複数の不動産会社に依頼しなければなりません。
2-2. 査定依頼時ははっきりと意見を伝える
不動産会社とは営利目的の企業です。
早く売るために相場よりも安値を付けることもあるでしょう。
したがって売却を丸投げすることは避けてください。
たとえば、事前に相場を確認することで、意見を伝えることもできます。
2-3. 差し迫った状況でない限り売却を焦らない
売り急ぎは、売却価格の低下につながるでしょう。
なぜなら、早く売るためには売出し価格を下げたり、値引き交渉に応じたりしなければならないからです。
2-4. 近隣の物件の価格を調べる
近隣にある同じような間取の物件がいくらくらいで売り出されているかを知ることは重要です。
相場観を持つことが損をしないためのポイントになります。
2-5. 最低限の不動産売却の知識は持っておく
不動産を高値で売却するためには、最低限の不動産知識が必要でしょう。
不動産取引は、一生に一度あるかないかの高額な取引です。事前に勉強しておいてください。
2-6. 売却は長期戦になると思っておく
不動産の売却は、長期戦になることを覚悟しておいてください。
売り急ぎは禁物です。半年から1年くらいを目安に取り組まなければなりません。
3. 査定前に準備又は確認しておきたい7つの事
スムーズな査定のためには、一定の準備や確認が費用です。査定に必要な7つのポイントをご紹介しましょう。
3-1. 書類の準備
査定するために必要になる書類を表にまとめました。
戸建の場合 |
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マンションの場合 |
|
3-2. リフォームはする必要がない
リフォームする必要はありません。なぜなら、施工費を売却代金に上乗せすることが難しいからです。
買主もリフォーム前の安い物件を購入して、自分の思うようにリフォームしたいでしょう。
3-3. 物件の修繕は原則しておく必要がある
壊れているものは修理しておくのが原則です。
壊れた状態であれば修理代が値引きの対象になるのはもちろんのこと、物件のイメージまでが悪くなります。
売れ残ったり、さらなる値引きが必要になったりするでしょう。
3-4. 修繕しない場合は告知書が必要
修繕しないのであれば、告知書で買主に伝えなければなりません。
購入後に買主が知らない不具合が見つかれば、売主が「瑕疵担保責任」を負うケースがあります。
また、不具合を免責する特約もありますが、隠していた不具合については免責されません。
3-5. ハウスクリーニングはする必要がない
ハウスクリーニングは、購入希望の内覧者向けだと考えてください。
査定時には必要ありません。なぜなら、部屋が綺麗かどうかは査定の対象ではないからです。
3-6. マンション査定前の確認事項
マンションを査定する前には、修繕積立金や管理費の滞納を確認しなければなりません。
なぜなら、滞納分があれば買主が支払うことになるからです。
したがって、滞納があれば値引きの対象になります。
3-7. 戸建査定前の確認事項
戸建であれば、敷地の境界線を明示しなければなりません。
隣地や道路との境界を示す書類を準備してください。
具体的には「確定測量図」や「筆界確認書」などです。
4. 査定後の注意点
査定された額は、あくまで予想額です。
たとえば、買い換えを予定しているのであれば、査定額よりも安く売却したという前提で計画を立てましょう。
余裕のある計画を立てるほうが無難です。
5. 不動産売却の流れについて
次に、売却までの流れを図にまとめたので見ていきましょう。
青い四角が売却までの流れで、
緑の四角は仲介を利用した場合に「不動産会社に査定依頼」と「売買契約書締結」の間に入る流れです。流れを知っておくことで、売却をスムーズに行うことができるので抑えておきましょう。
売却には「買取」と「仲介」どっちがいいの?
まず売却方法には「買取」と「仲介」の2種類があります。この2つの違いとしては、「売る相手」です。
- 「買取」:不動産買取専門業者や不動産会社が物件を直接買い取る。
- 「仲介」:仲介専門の不動産業者に依頼し、不動産を欲しい買主を探してもらう。
双方のメリットやデメリットとしては、
仲介 | 買取 | |
メリット | 買取業者が見つかる可能性が高い | ほぼ確実に売却ができる 売却までの期間が短い |
デメリット | 売却まで時間がかかる可能性が高い 売却先が見つからない可能性がある |
買取価格が仲介よりも安価(7~8割)になることが多い |
上記のようになります。
仲介は、顧客集客や宣伝のネットワークを頼りに、自分の売却条件にあった不動産会社を探してくれます。そのため、売却までに時間がかかってしまう場合があります。最悪の場合だと売却先が見つからない可能があるというのがデメリットです。
買取は、仲介に比べて売却益が70%~80%ぐらいというのが最大のデメリットとなります。
双方のどちらが良いとは一概に言えません。なぜなら、売りたいニーズによって異なるからです。
- 早く売りたいという方は「買取」
- なるべく高く売りたい方は「仲介」
ニーズとしては上記のような方がオススメになってくるでしょう。
不動産査定について詳しくは次の項目で説明していきます。
マンション売却の流れについて詳しくはこちらをご覧ください。
6. 不動産売却の査定方法|机上査定・訪問査定
不動産売却の査定方法は「机上査定」と「訪問査定」の2種類です。この2つがどのように違うのかというと、
- 机上査定:不動産会社が物件を見ないで価格を算出する査定。つまり、簡易的な査定方法です。
- 訪問査定:不動産の状況(部屋や接道状況など)を見てもらい価格を算出する査定。つまり、精密な査定方法です。
机上査定は時間がかからない分、信頼できる金額はでません。訪問査定は時間はかかりますが、可能性が高い金額を算出できます。
無料の査定サイトなどは大体「机上査定」に当てはまりますね。
訪問査定で見る項目は以下の通りです。
- 立地条件
- 接道状況
- 日当たり
- インフラの状況
- 間取り
- 建物の状況
- 住宅設備
上記の項目を見て精密に査定していきます。
「有料」と「無料」の不動産査定の違いとは?
そもそもこの2つがどのように違うのかというと、
- 有料:不動産鑑定評価基準に則って行う評価のこと。(不動産鑑定士)
- 無料:過去の取引実績と景況をもとに算出した評価のこと。(不動産会社がほとんど)
不動産鑑定士:不動産の鑑定評価に関する法律に基づき制定された国家資格で、不動産の経済価値に関する高度専門家です。
大まかに言うと「専門家」か「経験則に則った評価法」かです。
では実際「どういう場合にどちらを使えばいいか?」を以下で説明していきます。
有料はどういう人が利用するのか
有料が使われるシーンは3つあって、
- 関係会社間の不動産取引
- 遺産相続で揉めた
- 賃料や立退料で揉めた
があります。トラブルや訴訟が起こりうる(起こった)場合や、会社での取引は有料の不動産鑑定士による査定依頼をしましょう。
無料はどういう人が利用するのか
先程、無料査定は不動産会社がほとんどと書きましたがその理由としては「営業の一環」として行っているからです。
最終的には仲介手数料を目的としてます。つまり、営業を含んでいるので無料査定しているのです。
個人の居住用財産を売却しようと考えている方は無料査定で十分でしょう。
ただし、無料査定を利用する上で抑えておいて欲しいポイントがあります。
- 査定額と売却額は同じではない
- 高い査定額を出すではなく「高く売ること」が目的ということを忘れない
- 営業電話がかかってくる可能性があるので注意
この上記3点は無料査定の際に注意しておいて欲しいポイントになります。
難しいことではないのですが、査定依頼しているとどうしても「高い査定額」に目が行きがちな傾向にあります。しかし、目的はあくまでも「高く売ること」(実際に売れる価格)なのでそこを見失わないようしましょう。
一括査定などで比較して相場や、高い査定額を出してくれる会社を知ることも大切ですが、
そこで知った不動産会社のこともよく調べた上で(口コミを見る、実際に話を聞いて対応を見るなど)売却を頼む会社を決定することが重要です。
上記の内容を踏まえた上で自分に合った不動産会社を見つけて頂ければ嬉しいです。
7. 不動産査定オススメサイトやアプリ5選
早速、不動産査定するのにおすすめの無料サイト・また最近ではアプリケーションも出てきたので、ピックアップしたものを5つご紹介していきます。
①住友不動産販売
http://www.stepon.co.jp/uri/satei/
全国268店舗の規模で机上査定や訪問査定に対応します。売却を決めていなくて「とりあえず売却可能額を知りたい」という場合でもOKです。
ご所有エリアの売却相場も検索することもできます。
②RE-Guide
http://www.re-guide.jp/assess/
物件の簡単な情報を1分ほどで入力すると、対応可能な会社に物件情報を一括送信⇒各不動産会社から査定結果が届くという、「一括無料査定サイト」です。
RE-Guide独自の審査を通過した大手不動産会社が多数算入しています。
③LIFULL HOME’S
全国1,707社の不動産情報から信頼できる会社に査定依頼ができる一括査定サイトです。
物件情報のみの登録なので営業電話の心配もありません。
売却に際しての基礎知識のコラムなどもあります。
また、「匿名査定」もできるので安心ですね。
④イエイ
300万人以上の利用実績を持つ国内最大級の一括査定サイトです。
- 300万人以上の利用実績
- 10年以上の運営実績
- 1000社以上の取引実績
があります。
特に、しつこい勧誘などのクレームが多い会社があれば、イエイ側が提携契約を解除してくれるので安心して利用できます。
⑤TAS-MAP
トヨタグループの株式会社タスの不動産評価アプリケーションです。
- 全国対応
- 設備投資不要
- 不動産担保評価の効率化
- 経費の削減
- スピード評価
簡単に早くできる「時短」というセールスポイントが売りとされています。
月々の基本料+サービス利用料の従量課金制です。
8. 簡単・最短・高額は夢ではない
この記事から、査定や売却のノウハウは得られましたでしょうか?
不動産売却は個人で大家業を営んでいる場合、そう頻繁に行うものではありません。
しかし、一括査定サイトで比較したり、きちんと会社のリサーチを入れるなどきちんとコツを抑えておけば、簡単・最短・高額で売却することは苦ではなくなります。
現在の所有物件の売却でお困りの方は一度MIRAIMOまでお問い合わせください。個別相談も対応可能です。