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原状回復とリフォーム・リノベーションの違いとは?|具体例やリフォームの見極めポイントを解説

あなたが不動産を所有していて、賃貸に出しているなら、入居者が退去したタイミングで必要になるのが、「原状回復」。

ただ、状況によっては「リフォーム・リノベーション」を加えた方が良い場合もあります。

 

果たして、原状回復とリフォーム・リノベーションにはどのような違いがあるのでしょうか?

当記事では原状回復を控えている、もしくは今後必要になる不動産オーナー向けに、リフォーム・リノベーションとの違いや、具体例、

原状回復だけでなくリフォームをすべきかどうかの見極めポイントを解説します。

1. 原状回復とリフォーム・リノベーションの違いを徹底解説!

原状回復とリフォーム・リノベーションの違いを徹底解説!

原状回復とリフォーム・リノベーション、内部をキレイにする工事であることは変わりありませんが、実は似ているようで全く違う工事なのです。

それぞれの違いを解説しましょう。

原状回復は「元通りの状態に戻すための工事」

原状回復は、入居者が入る前の状態、つまり元通りに戻すこと。

原状回復の義務は、基本的に賃貸借契約を解除する際に、入居者が負うこととなると民法で定められています。

故意につけた傷はもちろんですが、不注意でつけてしまった傷や、手入れを怠ったことによるひどい汚れ(油汚れ・カビ・サビなど)は入居者負担です。

ただし、通常通り使用されている上で着いた傷や経年劣化にしたものはオーナーの負担となる点には注意が必要です。

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リフォーム・リノベーションは「物件をグレードアップするための工事」

一方でリフォーム・リノベーションは元に戻すだけでなく、物件の設備や物件自体の価値を高めるためにグレードアップすること

不動産オーナーの判断により、設備のグレードアップを図るため、もちろんリフォーム費用はオーナー負担になります。

リフォーム・リノベーションの違い

リフォーム・リノベーションは法律で明確な定義が定められているわけではありません。

明確にするならば、リフォームは破損、老朽化した設備の交換によって新築のように内部設備をキレイにすること。

リノベーションはリフォームより大規模で、例えば、間取りを変更する、キッチンの場所を変えるなど設備に大幅な変更を加える工事を指します。

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2. マンションの原状回復工事とリフォーム工事の具体例と費用相場を解説

マンションの原状回復工事とリフォーム工事の具体例と費用相場を解説

実際にどんな工事が原状回復に該当するのか、リフォーム・リノベーションに該当するのか、一部の具体例を用いて費用相場を簡単に解説します。

特に原状回復については入居者負担、オーナー負担の協会が分かりづらいため、トラブルを防ぐためにも、困った場合は国土交通省が定めた「原状回復ガイドライン」を参考にしましょう。

費用相場は、その物のグレードや部屋の間取り・業者・地域などによって大きく異なることがあるので参考程度にご覧ください。

原状回復に該当する工事

原状回復とは、元の状態に戻すことは前述しました。

原状回復に該当する工事は、部屋のクリーニング・クロスやフローリング貼り替え・エアコンや給湯器などの設備の交換などが該当します。

ただし、フローリング貼り換えや設備の交換は、

室内のクリーニング(ハウスクリーニング)

ハウスクリーニングは、部屋を元通りきれいにする過程なので、基本的には原状回復工事に含まれます。

ハウスクリーニングの費用相場
  • ワンルーム/1K:約1.5~3万円
  • 1DK/1LDK:約3~4万円
  • 2K/2DK/2LDK:約3~7万円
  • 3K/3DK/3LDK:約5~9万円

特約によりますがハウスクリーニング料金は、敷金から入居者に一部負担してもらうこともできます。

ハウスクリーニングの見積もりは、場所別に明確に出してもらうと後々トラブルになりにくいでしょう。

クロス(壁紙)の貼り換え

クロスの性能を変えずに、従来通りに貼り替える作業も原状回復に含まれます。

クロスは普通に使用していたとしても、日焼けで黄ばんだり、テレビや冷蔵庫などの家電を置いたことにより、黒ずみができたりするもの。

また入居者の過失で、子供が落書きしたり、ペットによるひっかき傷ができることも。

ただし、傷がつきにくいクロスにしたり、色を変えたりとクロスの性能をアップすることはリフォームに当てはまります。

クロス貼り換えの費用相場
  • ~30㎡:約4万円
  • ~40㎡:約4.5万円
  • ~43㎡:約5万円
  • ~48㎡:約5.5万円
  • ~51㎡:約6万円
  • ~54㎡:約7万円

フローリングの貼り換え

フローリングの貼り換えもクロスの貼り換えと同様で、原状回復に当てはまりますが、性能をアップするとリフォームに当てはまります。

家具の設置による凹み・日焼けや雨漏りによってフローリングが痛んだ場合などはオーナー負担となり、

キャスターを引きずった傷や、手入れを怠ってできてしまったカビなどで、フローリング貼り換える場合などは入居者負担に。

 

なお、フローリングのワックスがけも原状回復に当てはまりますが、オーナー負担。

フローリングのワックスをフロアコーティングに変えたりすると、「リフォーム」になります。

フローリング貼り換えの費用相場
  • 4畳:7~10万円
  • 6畳 9~18万円
  • 8畳 10~20万円

エアコンや給湯器など設備の故障による交換

エアコンや給湯器などの設備が老朽化していたり、故障している場合の交換も原状回復です。

交換する際により良い性能のものにすると、リフォームになります。

エアコン・給湯器交換の費用相場
  • エアコン交換:4~20万円(部屋の広さにより幅広い)
  • 給湯器交換:10~60万円

リフォームに該当する工事

リフォームは、設備をグレードの高いものに帰る・間取りを変えるなど、設備に大きな変更を加える工事を指します。

風呂・トイレ・コンロなどを、現状よりグレードの高いものに交換する

  • 風呂釜に追い炊き機能を追加する
  • トイレをウォッシュレット付きにする
  • コンロをIHに交換する

など入居者のために、今までの設備の性能より良いものを取り入れたり交換したりすると、原状回復の域を超えているため、リフォームになります。

風呂・トイレ・コンロ交換の費用相場
  • コンロ一式交換:10~20万
  • 風呂交換:5~50万
  • トイレ交換:5~60万

3. 原状回復だけでなくリフォームを入れた方がいい?!見極めポイントを解説

原状回復だけでなくリフォームを入れた方がいい?!見極めポイントを解説

現状回復とリフォームの違いは分かりましたが、現状回復をして物件を元に戻すだけでなく、リフォームを加える必要があるか否かは、どのように判断したらよいのでしょうか?

設備が老朽化しており、入居者ニーズに合っていない場合

例えば3点式ユニットバスなど、時代や入居者のニーズに合っていない物件は、風呂トイレ別にする、

和式トイレは洋式に交換するなど、入居者ニーズや時代に合わせるために設備をリフォームすることは必要です。

入居者ニーズが合っていないと、空室がなかなか埋まらない原因にもなります。

リフォームを入れることで、空室が改善でき、対費用効果が見込める場合

リフォーム・リノベーションを入れることで、空室も改善でき、賃料を上げることができる場合があります。

間取りから変えるような大幅なリフォームだと、費用も掛かりますが、築古物件でもそれなりの家賃で入居者をつけることができるでしょう。

 

空室が全く埋まらない家賃15万円の物件に20万円ほどかけて原状回復したとしても、ローンの支払いでお金が出ていくばかりです。

例えば水回りやキッチンなどの設備を100万円かけてリフォームをすると、差額は80万円となりますが、

すぐに入居者がついて、月々15万円キャッシュフローが改善したら半年ほどで元が取れることに。

リフォームは原状回復工事より費用はかかりますが、空室改善が見込めるならリフォームをすべき。

現状の物件が空室の場合は、何が問題なのかを見直し、改善点を見つけるところからスタートしましょう。

4. 原状回復だけかリフォームを加えるかは入居者ニーズに合わせて見極めよう

原状回復とリフォームは似て非なるものです。

原状回復は、次の入居者を入れるために、単純に元の状態に戻すための作業ですが、空室期間が長引いたり、キャッシュフローを改善するためにリフォーム・リノベーションを入れた方が良い場合もあります。

ただ、リフォームをするべきかどうかという判断はなかなか難しいですよね。

MIRAIMOではリフォームでお困りの方、不動産管理面でお困りの方のサポートを承っております。

無料で個別相談をすることができますので、お気軽にご相談ください。

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