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外壁塗装はナゼ必要?いつ行う?|メリットと気をつけたいポイントについて解説

賃貸経営は、原状回復リフォームやメンテナンスといった費用が掛かりますが、その中でも大きな費用が掛かるのが大規模修繕費用。

アパートやマンションなどの物件は築年数が経過するとどうしても経年劣化してしまうので10年~15年に一度は外壁塗装や屋上防水、給排水管設備工事など大規模修繕が必要になります。

中でも外壁塗装は重要で、外壁にひびが入ったり塗装が剥げてしまい、建物が傷んで古ぼけて見えるようだと資産価値は下がり、空室リスクも高まることに。

又、外壁塗装には外観をきれいに見せるという面もありますが、建物を保護して耐久性を高めたり、防水効果を向上させる効果もあります。

しかし、いざ外壁塗装の見積もりを取ってみると費用が高く、計画的に準備しておかなかったためにいざという時にお金が足りず外壁塗装が出来ないとなると大変です。

では、外壁塗装はどのタイミングで行えばいいのでしょうか。

今回は、外壁塗装を行うメリットと気を付けたいポイントについてお話しします。

1. 外壁塗装は必要?|収益性との関係

空室リスク対策では部屋のリフォームやリノベーションは効果的ですが、外壁塗装などの大規模修繕は何故必要なのでしょうか。

部屋探しをする際には、室内の設備や美しさだけでなく、建物の第一印象を決める外観の美しさもポイントと言えます。

とは言え、外壁塗装の必要性は感じても、建物の大規模修繕費の中でも外壁塗装の費用は高額であり、出来れば工事は先延ばししたいところ。

しかし、外壁塗装には、建物の美観を維持できるだけでなく、空室リスク対策や資産価値の向上など賃貸経営におけるメリットがあるので計画的に行ったほうがいいでしょう。

ここでは、外壁塗装による美観維持が収益性にどのように影響するのかについて詳しく解説します。

外壁塗装の費用|修繕費の中では高額なもの

アパート、マンションを運営していると10年~15年といった周期で大規模修繕が必要となるので、修繕費の積み立てを行っています。

大規模修繕には、外装塗装の他に、屋上やベランダなどの防水工事や給水管の取替え、清掃、鉄部の塗装などがありますが、その中でも外装塗装が一番高額。

建物の規模にもよりますが、建物全体の外壁塗装を行う場合は数百万円以上掛かり、規模が大きいと一千万円を越えるケースもあります。

外壁塗装の費用については以下の記事を参考にしてください。

関連記事外壁塗装の相場を場所別に解説|見積もりの前に適正価格を知っておこう!

2023.09.23

美観維持が収益性に繋がる理由2つ

美観維持が必要な理由は、所有する物件の収益性を向上させる効果があるから。

最近の部屋探しでは、物件のポータルサイトで簡単に建物の写真を見ることが出来、グーグルマップを使って現地を確認したりする人も多いので、見た目が悪い物件は避けられる傾向にあります。

逆に言うと、外観がきれいであれば物件を選んでもらえる可能性が高まるということですね。

外壁塗装で美観維持することは、入居率を上げ、物件の評価を上げることに繋がります。

①入居率UP|空室リスク対策に

部屋の内装をきれいに仕上げるのも重要ですが、建物の外観が汚れていたり、コケやカビが生えていると見た目だけでなく、衛生面でも心配。

建物の第一印象は、建物の外観で決まると言っても過言ではなく、外観をきれいにしておくだけで内覧時の決定率は大きくUPします。

又、入居者目線として、住んでいる建物が汚いと引越ししたいと考える人が増える傾向にあり、定期的に外壁塗装を行って美観を維持することは大きな空室リスク対策となります。

②資産価値向上|評価額が高くなる可能性も

収益物件の価格は、収益還元の観点から家賃の金額によって決まるので家賃が上がれば資産価値は向上します。

そのため、外壁塗装を行って美観維持することで、家賃の下落を抑え、入居率を上げることは非常に重要。

又、外壁塗装を行うことで、建物自体の資産価値が向上すると考えられ、物件の評価額が高くなる可能性もあります。

2. 美観維持以外にもある|外壁塗装の重要性とメリット3つ

外壁塗装には、美観維持をすることで室内にお金を掛けてリフォームする以上の空室リスク対策効果や資産価値の向上といったメリットがありますが、美観維持以外にも建物のメンテナンスという意味で非常に重要。

建物の外壁塗装の下には木やコンクリートなど外壁基材があり、塗装が剥げることでこれらの外壁素材が傷みやすくなります。

そこで、外壁塗装をすれば劣化を食い止め、耐久性を高めることが出来るだけでなく、さらに機能性を付加した塗料を使えば防水性や遮熱性を高めることも可能です。

ここでは、外壁塗装の重要性と3つのメリットについてお話しします。

①劣化を食い止めて寿命を伸ばす

外壁塗装の役割は、風や雨から建物の外壁基材を守ることですが、長年雨や風にさらされると経年劣化で外壁に亀裂が入ったり塗装が剥げてしまいます。

そのままの状態で放置しておくと、外壁基材が傷んで劣化し、建物の寿命を縮めることに。

外壁基材の劣化を食い止め、建物の寿命を伸ばすためにも外壁塗装は重要です。

②建物を保護して耐久性を高める

外壁塗装を行って塗膜を張ることで、日光の紫外線や雨、風などの日常的な自然の影響や台風、地震といった大型の災害から建物を保護してくれるので耐久性も高まります。

しかし、経年劣化によって塗膜が剥がれたり、ひびが入ると建物が傷み、思わぬ修繕費用が発生することもありますので外壁塗装は早めの対応が不可欠。

塗料の塗替えで防水性も維持

塗料は水がしみ込みにくく、雨に対しても防水効果を発揮してくれます。

外壁塗装が剥がれたり、ひびが入るとそこから水がしみ込み、壁だけでなく柱や梁など建物自体が傷んでしまうので、剥がれやひびは細目に補修することが重要ですね。

③塗料を選べば機能性も向上する

最近の外壁用の塗料は、防水性だけでなく、遮熱性や断熱性を高めるなど付加価値のついた機能性塗料が数多くあります。

他には、光触媒などが含まれる塗料だと汚れが付着しにくくなる防汚性に長けていたり、カビやコケが発生しにくい防カビ・コケ性を備えた塗料があったりと、外壁塗装を長持ちさせるような機能性塗料は多種多様です。

機能性塗料は、通常の塗料と比べて値段は高いですが、建物の耐久性を高めてくれる効果もあり、長い目で見るとお得だったという場合もあります。

3. 外壁塗装の時期|劣化の度合いで判断する

では、どの程度塗装が劣化すれば、外壁塗装が必要となるのでしょうか。

お部屋のリフォームは退去するごとに原状回復しなければいけませんが、一方で外壁塗装の機能が衰え始める目安は8年程度と言われています。

しかし、これは建物の立地や周辺の環境などに影響されることも多く、それぞれの建物の劣化の度合いによって時期は異なり、単純に期間で判断するのは非常にリスクが高いと言えます。

ここでは、劣化の度合いを判断する塗替えのサインについてご紹介します。

塗装の機能が衰え始める目安は8年

外壁塗装など大規模修繕の目安は10年~15年と言われていますが、根拠のある年数ではなく実際の年数は建物によってそれぞれ違います。

上述の通り、一般的に塗装の機能が衰え始める目安が8年と言われていますが、資金的な部分も考えるとあまり短期間で外壁塗装を行うこともできないので、キリの良いところで10年くらいを目安にするケースが多いですね。

しかし、細かく見ていくと塗装する目安は部位や素材によっても変わります。

部位や素材でも変わってくる

外壁にも色々な部位があり、使われている素材も建物によって違います。

例えば、サイディングボードの外壁の場合だとボードの継ぎ目である目地にシーリング材が詰められており、このシーリング材は紫外線や雨などで劣化が進み耐用年数は3年~5年です。

他にも、壁と屋根、壁と基礎の仕切りになっている水切りや1階の外壁と2階の外壁を区切る仕切りに幕板などがありますが、こういった部位は外壁塗装と合わせて施工することが多いですね。

又、外壁には水とセメントと砂を混ぜ合わせた素材のモルタルやサイディングボードや軽量気泡コンクリート建材であるALCなどが使われており、それぞれ耐用年数によって外壁工事の目安の年数は変わります。

モルタル壁は8年~10年、サイディングボードは窯業系7年~8年、金属系10年~15年、木質系8年~12年、樹脂系10年~20年、ALCは10年~15年が目安。

塗替えサイン|セルフチェック項目5つ

外壁は部位や使う素材によっても塗替えの目安は違いますが、それぞれの建物の立地や環境によっても塗替え時期は変わります。

そのため、自分自身で外壁の状況を確認し、外壁塗装をいつ行うかを検討する必要があります。

では、外壁塗装を行うタイミングはどのように判断すればいいのでしょうか。

ここでは、外壁塗装をセルフチェックする為のポイントについてお話しします。

①壁にひび割れがある

外壁は、紫外線や雨を受けると経年劣化し塗膜が薄くなっていきます。

薄くなった塗膜は、徐々にひび割れが起こり、そこから雨水が染み込み建物を劣化させることに。

ひび割れには、ヘアクラックと言われる細い線のようなひび割れから目でも確認ができる大きなひび割れがありますが、将来的には大きなひび割れに発展する可能性があるので早目の対策が重要。

壁に塗膜のひび割れが目立つようなら塗替えのタイミングと言えます。

②塗装に色褪せ・剥げ・膨らみがある

紫外線や雨による劣化は、ひび割れだけでなく色褪せしたり色が剥げたり、場合によっては膨らみが出ることも。

塗装の色褪せや色が剥げる程度であれば、すぐに外壁塗装をする必要はありませんがひび割れまで進行すると検討が必要でしょう。

又、塗装の膨らみは、塗装の内側から熱によって水分が蒸発し、塗装面が押し上げられることによって起こります。

膨らみは、放置しておくと最終的にはひび割れや剥がれに繋がりますので、塗替えを検討する必要があるでしょう。

③コケやカビが発生している

外壁でも日当たりが悪い部分や水が貯まりやすい部分などは、コケやカビが発生することがあります。

コケやカビは、放置しておくと塗装の劣化に繋がりますので、定期的に洗浄を行うなどの対応が必要です。

④サビや腐食がある

金属系のサイディングボードの場合は、サビや腐食が起こることがあります。

サビや腐食の原因としては、防水機能の低下、別の部分のサビが何らかの原因で外壁に移るといったことが考えらます。

又、下地処理が行われていない、防サビ剤を使用していないといった工事の不手際のケースも。

サビや腐食は被害が広がる可能性がありますので、早目の対応が不可欠です。

⑤触れると白い粉がつく

外壁に白い粉が付くことをチョーキングと言い、これは塗料の耐久性が落ちて、塗料が粉状になってしまうことで起こります。

劣化現象の中でもチョーキングは初期段階で起こり、チョーキングを放置しておくと塗装の色褪せやひび割れの原因に。

外壁にチョーキングが出始めたら、外壁の塗替えを検討する時期に来ていると言えます。

チョーキングかどうかは、水をかけて変色するかどうかで見極めることが可能です。

4. 外壁塗装する時に気をつけたいポイント5つ

外壁リフォーム工事を行う周期も重要ですが、実は一年の中でも外壁塗装に向く季節と向かない季節があるのです。

例えば、塗装に使う塗料は、気温や湿度によって乾燥の速度に差が出るため、雨の多い梅雨や雪の多いエリアでは、工事が予定通り進まないといったリスクがあります。

そのため、外壁塗装に向かない季節は工事が少なく、安い価格で工事をしてくれる場合もあります。

とは言え、安かろう悪かろうでは、やり直しが必要になるなど結局損をすることになってしますので、施工業者選びは慎重に行わなけばなりません。

では、外装塗装をする時には具体的にどういった点に気を付ければ良いのでしょうか。

①外壁塗装に向く季節|湿度と気温に気をつける

塗料は、気温が5℃以下湿度85%以上といった状況では乾燥しにくく、もし乾かないうちに塗り重ねたり塗料に雨水が混ざってしまうと、後々剥がれたり膨らみが出ることもあるので、湿度と気温には十分に気をつける必要があります。

したがって、塗装をきちんと行う為には雨の多い梅雨や気温の低い冬はあまり向いていません。

一方で、気温や湿度の安定する春や秋の季節は外壁塗装に向く季節と言えます。

ですが、条件さえ満たしていれば、基本的には季節を問わず外装塗装はできますので、自身の資金面や修繕のタイミングなどを考慮したうえで施工業者と相談してベストな時期を選びましょう。

コストカット|向かない季節を利用する

外壁塗装に向く季節は工事の量も多く、業者としては稼ぎ時なので、経営の面で考えると向かない季節を利用して安く工事してもらうのも一つの方法。

特に、雨の多い梅雨の時期はねらい目と言えます。

この際に注意が必要なのは、梅雨の時期でも問題なく、外装塗装を行える知識と経験を持った業者に依頼することです。

いくら安くても、経験の浅い業者に依頼すると施工不良を起こしやすく、塗装のやり直しなど余計な費用が発生することに。

②色の選び方|色見本より実例を

外壁塗装の色を選ぶ際には色見本帳を参考にしますが、色見本帳と実際に塗った時の色が大きく変わることがあります。

色目にもよりますが、色見本よりも実際の色は明るく出る傾向にあるので、色見本帳はあくまで参考程度とし、業者に実例の写真や画像などで見せてもらうと良いでしょう。

又、業者さんにイメージを伝えてお任せするという方法も有効です。

2色使いで印象が変わる

せっかくお金を掛けて外壁塗装をするのですから、周囲にも工事を行ったという印象を与えたいものです。

同じ色や同系色1色だと遠目からはわかりにくいので、出来れば違った色で塗り直すのが良いでしょう。

更に、2色使いにすると印象を大きく変えることが出来ます。

例えば、同系色の場合だとまとまりやすく立体感が出ますし、上手に違う色を組み合わせればオシャレな建物に生まれ変わらせることも。

だからと言って、紅白などのあまりにも奇抜な色使いは、周囲とのトラブルを招くこともありますので、インパクトも必要ですが周囲との調和も考えて色選びをする必要があります。

③必要な日数|スケジュールを調整する

塗装工事は規模にもよりますが、当然1日、2日では終わらず10日~14日ほど掛かります。

その間、足場を組んだり、シートを被せたりするので入居者にも事前に案内が必要になりますので、出来るだけ入居に負担が掛からないようにスケジュール調整が必要です。

④施工業者の選び方|ずさんな見積り書には注意

外壁塗装は施工業者の技術によって、劣化のスピードは大きく変わります。

そのため、施工業者選びは重要ですが、実際の仕事ぶりを確認するのは難しく、キチンとした工事をしてくれる業者かどうかを判断するのは難しいかもしれません。

しかし、塗装一式といった内容のずさんな見積書を作ってくる業者には注意が必要。

なぜならば外壁の素材や部位によっても塗装の金額は変わるからです。

そのため、部位ごとにきちんと見積もりを出してくれる施工業者の方が仕事も細かくしてくれる可能性が高いので、施工業者を選ぶ際は見積もりの内容も十分に確認することが大事。

適した時期なども相談できる

外壁塗装が必要な時期を判断できない場合は、施工業者などのプロに相談すると外壁診断チェックを行ってくれるケースがあります。

施工業者は、外壁診断チェックを行うことで現在の状態を分析し、外壁工事に適した時期を割り出してくれるので工事の時期を計画しやすくなります。

又、事前に外壁診断してもらうことで、外壁塗装工事を依頼する場合にも、適切な工事を提案してくれるというメリットがあります。

⑤足場が必要な修繕作業はまとめて行う

外壁塗装の費用の中でも大きな割合を占めるのが足場の組立てです。

そのため、足場を組む際には外壁塗装を行うだけでなく、屋根の修理や給排水管の取替えなど足場を使う工事はまとめて行う方が効率的でしょう。

5. 外壁塗装は資産価値を維持する方法の一つ

大規模修繕の中でも、一番費用が掛かる工事が外壁塗装です。

やはり、出来るだけ後回しにしたいと考えてしまいますが、外壁塗装の劣化を放置しておくと、ひび割れが起こり、カビやコケが生えるなど見た目の印象が悪くなってしまいます。

見た目の印象が悪くなると、入居者が退去する確率は上がり、新たな入居者の確保も難しくなることから、空室リスクが大きく高まることになり、資産価値の低下を引き起こしてしまいます。

空室リスク対策、資産価値の維持・向上の方法として、外壁塗装は欠かせません。

そのため、外壁塗装は、劣化の状況を見ながら計画的に行い、どういった色にするのか、どの時期に行えば安く済むかなど費用対効果も考えながら進めていく必要があります。

少子高齢化により人口の減少で厳しくなると言われている賃貸経営ですが、資産価値を維持する有効な方法の一つとして外壁塗装を活用しましょう。

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