資産運用を検討している人であれば、「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
この2つはどちらも資産運用で得られる収益のことを指しますが、両者には大きな違いがあります。
それは「収益の上げ方」。
そこで今回は不動産投資におけるインカムゲインとは何か?からキャピタルゲインとの違い、インカムゲインのメリット・デメリットを解説していきます。
不動産投資に興味がある方は知っておくべき内容です。
目次
1. インカムゲインと不動産投資|キャピタルゲインとの違いとは
それでは早速インカムゲインとは何か?から、不動産投資におけるインカムゲインとキャピタルゲインとの違いについて解説していきます。
そもそもインカムゲインとは
インカムゲインとは、資産(不動産・株式・債権・預金など)を持つことで得られる利子や配当などの収益のことです。
身近な実例を挙げると、銀行に預けた預金には利子が発生して預金額が増えますよね。(100万円預けて100円/年~1,000円/年)
この利子は、預金を自身で保有し続けることで継続的に得られる収益です。
それぞれの資産におけるインカムゲインは、
- 不動産→家賃収入
- 株式→配当金
- 債権・預金→利子
があたります。
キャピタルゲインとは
キャピタルゲインとは、債権や株式、不動産などの資産の購入価格と売却価格の差による収益のこと。
資産を保有している間に資産価値が上昇することで、キャピタルゲインは生まれます。
簡単な表現で言えば、資産を安く買い所有した資産の価値が上がった時に売る。そこで入手した差額がキャピタルゲインとなるのです。
不動産投資におけるインカムゲインとは
不動産投資におけるインカムゲインとは、「家賃収入」を指します。
家賃は、物件を保有し賃貸することで、継続的に得ることができるもの。
毎月決まった金額が手元に入ってくる上、家賃は価格変動が緩やかなので比較的収入が安定しています。
ここで不動産投資のインカムゲインの収益性を、ほかの資産と比較して見てみましょう。
種類 | リターン(自己資産に対して) | リターン周期(頻度) |
不動産投資
(家賃収入) |
中~大
(2~20%) |
毎月 |
株式投資
(配当金) |
小~中
(4.5%程度) |
半年~毎1年 |
定期預金
(利子) |
極小
(0.01~0.2%程度) |
半年毎 |
個人向け国債
(利子) |
極小
(変動10年国債で0.31%) |
半年毎 |
不動産投資におけるキャピタルゲインとは
一方不動産投資におけるキャピタルゲインとは、「不動産の売買差益」のこと。
転売益や売却益という言葉で呼ばれることもあり、購入した物件を保有し値上がりしたタイミングでほかの投資家に売却して利益を得ます。
バブル期は不動産価値の上昇が激しく、このキャピタルゲインを目当てとした売買が多く行われました。
しかし現在では地価の低迷が続いていて、余程の好立地でなければ大幅なキャピタルゲインは期待できません。
インカムゲインに掛かる税金とは
収益が出れば、当然税金が発生します。
インカムゲインに掛かる税金は、以下の通りです。
種類 | 税率(課税所得に対して) |
不動産投資 | 5~45%
総合課税の対象となるため、個人の所得税率による 年間の不動産所得が20万円以下の場合は申告不要 |
株式投資・定期預金・個人向け国債 | 20.315% |
この表を見ると、投資に対する税金は目に見えて高いと思えるでしょう。
しかし不動産投資の場合ランニングコストを運用経費として計上できるので、課税される不動産所得がその分低くなります。
インカムゲインの課税所得(不動産所得)=不動産総収入ー運用経費
キャピタルゲインは分離課税
一方キャピタルゲイン(売却益)に対する税金は、ほかの所得と区別して計算する「分離課税」の対象となります。
不動産投資の場合、所有していた期間によって税率が決められています。
- 不動産を売った年の1月1日現在で、その不動産の所有期間が5年以下⇒短期譲渡所得
- 不動産を売った年の1月1日現在で、その不動産の所有期間が5年を超える⇒長期譲渡所得
「不動産を所有してから6回お正月を迎えたら長期譲渡、まだ迎えていなかったら短期譲渡」と覚えておきましょう。
種類 | 税率(課税譲渡所得に対して) |
不動産投資 | 短期:39.63%
長期:20.315% |
株式投資・定期預金・個人向け国債 | 20.315% |
キャピタルゲインの課税所得(譲渡所得)=譲渡収入ー(取得費+譲渡費用)
2. 不動産投資におけるインカムゲインのメリット・デメリット
ここからは、不動産投資におけるインカムゲインのメリット・デメリットを解説していきます。
インカムゲインのメリット
バブル期には不動産価値が激しく上昇していたため、キャピタルゲインを目的とした不動産投資が主流でした。
しかし地価の大幅な上昇が見込めない現在では、インカムゲインを目的とした不動産投資がおすすめです。
そんなインカムゲインのメリットを、3つのポイントに分けて見ていきましょう。
①定期的な収入が見込める
不動産投資におけるインカムゲイン「家賃収入」は、その物件に入居者がいるかぎり毎月継続して入ってきます。
また物件運営を管理業者に委託してしまえば、自分が動くことなく自動的に収入を得られるのです。
一方キャピタルゲイン目的の運用では、相当な知識や時間、資金を投入しないと収入を増やしていくことはできません。
リスクも大きく、精神的なストレスが常について回ることになります。
②安定性が高い
不動産投資の家賃収入は、安定性が高いのが特徴です。
これは、家賃が価格変動しにくい性質を持っていることによります。
家賃は景気に左右されることなく緩やかな推移をたどっていて、この現象は都市部に限らず全国共通の動きです。
このグラフを見ると、2014年頃から緩やかに家賃が上昇しているのが見て取れます。
家賃は築年数によって徐々に下がるものですが、物価が上昇するインフレになればその分家賃を上げることも可能です。
③相続税対策になる
相続税は、資産を相続する時の時価に対して課税されます。
現金を相続する場合その時価=評価額は100%ですが、不動産の場合には
- 建物の評価額=固定資産税評価額(建物費用の50~60%程度)
- 土地の評価額=路線価方式・倍率方式で算出(地価公示価格の70~80%程度)
となり、相続税の節税につながります。
さらに不動産投資で建物を賃貸している場合、
- 建物の評価額=固定資産評価額から30%控除
- 土地の評価額=上記で算出された評価額から20%控除
となり、得られる節税効果は絶大です。
インカムゲインのデメリット
一見メリットしかないように見えるインカムゲインですが、デメリットもあります。
ここでは、インカムゲインのデメリットを見ていきましょう。
①大きな利益は狙いにくい
不動産投資では毎月得られる家賃収入のうち、管理費や各種税金、ローンの返済費などの運営コストを差し引いた残りが手元に入ってくる収益となります。
そのためリスクはあるもののリターンも大きいキャピタルゲインとは違い、大きな利益は狙いにくいのがデメリットです。
②空室リスクや家賃下落リスクがある
常に満室という状態であれば問題ありませんが、当然入居者の退去はあります。
空室の間には家賃収入は入ってきません。
そのため退去したら、早急に次の入居者を確保する必要があります。
また空室期間が長引けば、入居者を確保するために家賃を下げることも考えなければなりません。
このことから、空室と家賃下落は連動したリスクと言えるでしょう。
築年数が経てば設備も古くなり、おのずと入居付けが厳しくなります。
入居者が住みたいと思える住環境づくりを徹底しなければ、安定したインカムゲインを得ることは難しいのです。
③修繕費など運営コストが掛かる
不動産投資では、物件を運営していくためにコストがかかります。
代表的な運営コストは、以下の通りです。
経費 | 相場 |
管理費 | 管理会社に物件管理を委託している場合は、家賃収入の5%程度 |
修繕費 | 現状回復リフォームとして、家賃収入の7%程度 |
入居者募集費 | 賃貸契約成立時に家賃1か月分 |
固定資産税・都市計画税 | 不動産価格の1%程度 |
その他 | エレベーターの保守メンテナンス費・・1台ごとに月3万円程度
機械駐車場のメンテナンス費・・1台3万円程度 |
運営コストが家賃収入に占める割合は、一般的には中古マンションで25%、新築マンションで12~15%と言われています。
不動産投資は、運営コスト(ランニングコスト)を加味したうえで行う必要があるのです。
3. インカムゲインを上手に利用して投資を成功させよう!
不動産投資で得られる家賃収入は、長期的に継続して得られる収益です。
また相続税対策になる点や家賃の価格変動がなく収入が安定している点も、インカムゲイン目的の不動産投資の魅力。
空室リスクなどのデメリットもありますが、対抗策を打ち回避すれば継続して収益を手にすることができます。
インカムゲインを上手に利用して、不動産投資を成功させましょう!
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