不動産投資を始めたいけど、マイホームを購入する時に住宅ローンが組めるか心配。
逆にマイホームの住宅ローンが残っているのに、不動産投資ローンが組めるのか。
このような不動産投資のお悩みは良くあるケースです。
そこで今回は不動産投資物件と居住用の物件の、2つの住宅ローンを組む方法を解説していきます。
不動産投資に興味があり、住宅購入も考えている方はぜひご覧ください。
目次
1. 投資物件の購入と住宅購入は条件次第で可能に!|ローンが組めるかが鍵
投資物件と居住用物件の両方を手にするには、住宅ローンを組めるかにかかっています。
住宅ローンさえ通る2つの物件の組み合わせであれば、両立することは可能。
住宅ローンは各金融機関の審査によって決まり、その条件もさまざまです。
金融機関の借り入れ上限内であればローンを組むことはできる
住宅ローンの審査の大半が、一般的には借主の年収で決まります。
おおよその借入目安として、年収の8倍程度、または年間返済比率が35%前後を借り入れ上限と言われています。
簡単に言うと、その借り入れ上限内であれば、2つでも3つでも住宅ローンを組むことが可能。
年間の収入を上げることで、住宅ローンの借り入れの上限額が上がります。
2. 不動産投資ローンと住宅ローンの違い|比較一覧表
不動産投資ローンと住宅ローンは、2つとも不動産を購入するためのローンです。
不動産購入費としてローンを組みますが、借り入れの目的が違うだけで条件が異なってきます。
不動産投資ローンの場合 | 住宅ローンの場合 | |
借入目的 | 不動産投資による収益を得る | 居住用として利用 |
返済原資 | 家賃収入 | 毎月の給与 |
融資額の目安 | 年収の10~20倍 | 年収の5~8倍 |
借入金利(変動) | 年1.5~4% | 年0.5~2% |
年齢 | 条件次第で70歳以上も可能 | 65~70歳未満 |
最長返済期間 | 35年 | 35年 |
融資審査 | 不動産投資の収益+個人の返済能力 | 個人の返済能力 |
借入名義 | 法人可 | 法人不可 |
①ローンの借り入れ目的
不動産投資ローンと住宅ローンの大きな違いである、「ローンの借り入れ目的」。
不動産投資ローンは、家賃収入など不動産を利用して収益を得ることが目的です。
住宅ローンは、自宅として住むための物件購入が目的となります。
②ローンの返済原資
借入目的が異なることから、ローンの返済原資にも違いがでてきます。
不動産投資ローンは、家賃収入などその投資で得る収益が支払い原資です。
住宅ローンは、不動産で収益は生まないので、毎月の給与から返済となります。
③融資金額・融資審査内容
不動産投資での融資金額は、おおよそ年収の10~20倍。
住宅ローンの場合は、おおよそ年収の5~8倍となることが多いです。
その差はというと、不動産投資の場合は年収に加えて、家賃収入が入ることが見込まれます。
そのため、投資物件の立地などから収益を得られそうかどうかも判断されます。
④融資金額に対する金利
借入額は不動産投資の方が有利ですが、金利はまた異なってきます。
不動産投資の場合は変動で年1.5~4%、住宅ローンの場合は変動で年0.5~2%が目安です。
不動産投資の場合は、空室リスクなどもあるため、住宅ローンよりも金利が高くなります。
不動産投資で金利1%台になるのは、都心部を中心とした優良物件であることが多いでしょう。
低金利が続いていますが、借り入れの条件によっても金利が左右されます。
⑤返済期間の長さ
返済期間については、不動産投資と住宅ローンでは大きく変わりません。
基本的には最長35年ローンです。
返済期間は、借主の年齢や物件の築年数によって判断されます。
建物の構造によって耐用年数があり、築年数が古いと耐用年数までの期間が短いため返済期間が短くなるケースがあります。
特にアパートのような木造構造は、耐用年数が長くないので、築年数が古い場合は注意しましょう。
⑥借入時の上限年齢の違い
借入時の上限年齢も、ローンの種類によって違いがあります。
不動産投資ローンは、家賃収入が支払い原資となるので、70歳以上の方でもローン審査が通ることがあります。
そのため不動産投資ローンは、相続税対策としても利用しやすい方法です。
しかし、住宅ローンの場合は65~70歳未満となり、年齢に応じて返済期間にも影響します。
⑦借入名義での違い
不動産投資の場合は、自分の居住用ではないので、法人名義での借り入れが可能です。
不動産経営となるので、法人化するケースも少なくありません。
反対に、住宅ローンは居住用となるので、法人での借入契約はできません。
3. 自宅と投資物件で先に購入するべきは「投資物件」!
不動産投資物件と居住用物件の2つを手にするには、投資物件を先に購入することがポイントです。
投資物件でローンを組んでいる場合、居住用物件を購入する際の借り入れ上限額に不安を感じる方が多いでしょう。
しかし、この順番を間違えると2つの物件の両立が難しくなります。
その理由をご紹介していきましょう。
家賃収入を収入とみなしてくれる場合がある
不動産投資は、ローンの返済を家賃収入で賄うことができます。
給与からの支払いに負担はなく、家賃収入があることで年収も上がっている可能性があるでしょう。
年収が上がっていれば、ローンの上限額も上げることができるので、2つ目の物件購入がしやすくなります。
自宅を先に購入すると融資枠が少なくなりやすい
住宅を先に購入する場合は、不動産投資のように年収が上がっているわけではなく、給与のみで借入限度額が決定。
借入限度額が4,000万円だった場合には、その中で2つの物件の借り入れをやりくりすることになります。
パターン別にみる融資の受けやすさ
2つの物件を購入する場合、不動産投資物件から購入することをおすすめします。
それぞれのパターンに合わせて、事例をご紹介します。
投資用物件を購入してから自宅を購入するパターン
1,000万円の投資物件を先に購入しましたが、こちらの返済は家賃収入でまかなっています。
新しく住宅ローンを組みたい場合は、給与が返済原資となるため、投資物件の1,000万円は影響ありません。
また不動産投資で収益がでている場合は、年収アップも見込めるため、借入限度額が上がるケースもあります。
自宅を購入してから投資用物件を購入するパターン
自宅を先に購入してしまった場合、融資限度額が4,000万円の内、3,500万円の住宅ローンを組んでしまうと、残りが500万円となります。
1,000万円くらいのコンパクト物件の投資でも、頭金を500万円用意することが必要です。
4. 不動産投資ローンがあるときに住宅ローンを借りる方法
不動産投資ローンを、先に組むことが有利だということがわかりました。
では、具体的に住宅ローンを借りるまでの流れをご紹介していきます。
家賃収入を収入に組み込んでくれる金融機関を探す
一番大きなポイントは、不動産投資の家賃収入を収入として組み込んでくれる金融機関が良いでしょう。
住宅を購入する際の不動産業社に相談しても良いですが、個人で探さなければいけないケースもあります。
不動産投資ローンを借りている金融機関
不動産投資ローンを借りている金融機関で、住宅ローンも行っていると一番スムーズでしょう。
すでに不動産投資で返済をしているため、信頼関係がある場合もあります。
家賃収入を収入として加算してくれるケースもあるため、有効的な方法とひとつです。
住宅金融支援機構のフラット35
返済金利が変わらないことで人気のフラット35は、家賃収入を収入として加算してくれるため自宅の住宅ローンも通りやすくなります。
家賃収入よりも少ない金額で支払える物件の購入
家賃設定はそのエリアの相場があるので、大幅に崩れることはありません。
その家賃収入よりも少ない金額で、ローンの支払いができると毎月の家賃収入の中で利益が出ているということなります。
不動産投資ローン残高の繰り上げ返済
不動産投資ローンを繰り上げ返済することで、住宅ローンが組める状況が変わってきます。
ローン残高が減ることで、住宅ローンの借入額も増やせるケースがあるのです。
5. 不動産投資ローンと住宅ローンを併用するときの注意ポイント
不動産投資ローンと住宅ローンの両方を利用する時に、注意しておきたいポイントがあります。
不動産投資を始めたけど、自宅を購入するときに知らなかったとならないようにデメリットも覚えておきましょう。
金融機関からの借り入れ上限金額を事前に確認する
金融機関の中では、誰がどこでいくら借りているという情報があり、個人の借り入れ限度額も上限があるので、その中で物件を買える条件が決まってしまいます。
事前に確認して、物件の購入を進めましょう。
ローンを組んでいることで不利になる場合がある
何もローンを組んでおらず自宅を購入する人と比べ、ローンを組んでいる人がさらにローンを組む場合は厳しく審査されます。
特に自宅を先に購入し、不動産投資物件を購入する場合には、条件が不利になるケースも。
金利が高く設定される場合がある
不動産投資ローンは、金利と住宅ローンで金利が違います。
不動産投資ローンは年1.5~4%、住宅ローンでは年0.5~2%。
ローン併用ということで、高めの金利となる場合もあるので、注意が必要です。
6. 不動産投資も住宅購入も考えるなら一度相談を
不動産投資ローンと住宅ローンの比較や特徴、注意点を解説してきました。
投資物件と居住用物件を購入したい場合には、投資物件から購入することをおすすめします。
住宅から購入してしまうと、借り入れ上限額から居住用物件の購入費を差し引いた金額しか投資物件に利用することができません。
投資物件から購入すれば、家賃収入も収入として加算されるので、年収アップの状態で審査してもらえる可能性があります。
2つのローンを併用する注意点は、審査が厳しくなる場合や金利が上がってしまうこともあるので、覚えておきましょう。
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住宅購入もしたいが、不動産投資にも興味があるという方はお気軽にご相談ください。