不動産売買を検討している場合、注意することは多くあり印紙税はよく話題に上がります。
「印紙税ってなんか高い買い物したときに貼られているよね?」という認識があるかもしれませんが、不動産売買において覚えておいて損はありません。
なぜならばちょっとしたテクニックを知っているだけで印紙代を節約することができるからです。
今回はそんな不動産にまつわる印紙代をテーマにまとめましたので是非ご一読ください。
目次
1. 不動産取引時に必要になる印紙税とは?
「印紙税」という言葉だけでしたら一度は聞いたことあるかもしれません。
印紙税の仕組みや支払う必要がある人、どんな場合に印紙税が発生するのかを見ていきましょう。
印紙税の仕組み
印紙税の仕組みは契約書や領収書、手形などを作成する際にかかる税金のこと。
全ての契約書や領収書の作成において印紙税がかかるわけではなく、ある一定の条件を得た人が支払う形になります。
また印紙税を支払うのは作成した人、つまり、領収書であれば領収書を作成した人、契約書であれば契約書を作成した人となるのです。
印紙税は収入印紙を購入した時点で納税ではなく、収入印紙に消印を入れた時点となります。
印紙税を支払う必要がある人
契約書や領収書などの印紙税がかかるのであれば、普段の生活でも印紙税を払っているのかというとそういうわけではありません。
印紙税を支払う際には一定の条件があります。
例えば領収書であれば5万円以上の場合、収入印紙を貼る必要が出てきます。
契約書も多くの場合は1万円以上から収入印紙を貼ることになっているのです。
詳細は別途一覧表としてまとめますが、不動産を売買するにあたり契約書を交わすことは多くなります。
その際に必要な知識として持っておくといいでしょう。
不動産売買で印紙税が発生する取引
不動産売買で印紙税が発生する取引は主に①不動産売買契約書②不動産交換契約書③不動産売渡証書の3つです。
これら3つはそのままの意味で売買する際・交換する際・売渡をする際に印紙税が発生することに。
また土地に関する契約書でも印紙税は発生し、土地賃貸借契約書、土地賃料変更契約書が該当します。
印紙税を支払わない場合の罰則
印紙税を支払わないということはたとえ少額であっても脱税をしていることになります。
脱税は大きな罪であり、社会からの信用を無くしますので注意しましょう。
2. 不動産売買における印紙税額一覧表
印紙税額の一覧表を作成しましたので確認しましょう。
領収書の場合
金額 | 印紙税額 |
5万円未満 | 非課税 |
5万円以上100万円以下 | 200円 |
100万円を超えており200万円以下の場合 | 400円 |
200万円を超えており300万円以下の場合 | 600円 |
300万円を超えており500万円以下の場合 | 1,000円 |
500万円を超えており1,000万円以下の場合 | 2,000円 |
1,000万円を超えており2,000万円以下の場合 | 4,000円 |
2,000万円を超えており3,000万円以下の場合 | 6,000円 |
3,000万円を超えており5,000万円以下の場合 | 10,000円 |
5,000万円を超えて1億円以下の場合 | 20,000円 |
1億円を超えており2億円以下の場合 | 40,000円 |
2億円を超えており3億円以下の場合 | 60,000円 |
3億円を超えており5億円以下の場合 | 10万円 |
5億円を越えており10億円以下の場合 | 15万円 |
10億円を超えた場合 | 20万円 |
不動産契約関連
金額 | 不動産売買契約書 | 工事請負契約書 | 金銭消費貸借契約書 |
1万円未満 | 非課税 | 非課税 | 非課税 |
10万円以下 | 200円 | 200円 | 200円 |
50万円以下 | 200円 | 200円 | 400円 |
100万円以下 | 500円 | 200円 | 1,000円 |
500万円以下 | 1,000円 | 200〜1,000円(※) | 2,000円 |
1,000万円以下 | 5,000円 | 5,000円 | 10,000円 |
5,000万円以下 | 10,000円 | 10,000円 | 20,000円 |
1億円以下 | 30,000円 | 30,000円 | 60,000円 |
5億円以下 | 60,000円 | 60,000円 | 100,000円 |
10億円以下 | 160,000円 | 160,000円 | 200,000円 |
50億円以下 | 320,000円 | 320,000円 | 400,000円 |
50億円を超えた場合 | 480,000円 | 480,000円 | 600,000円 |
金額が書かれていない場合 | 200円 | 200円 | 200円 |
※200万円以下の場合は200円、300万円以下のの場合は500円、300万円を超え500万円以下の場合は1,000円となる
参考:国税庁 印紙税額の一覧表(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/inshi/pdf/zeigaku_ichiran.pdf)
諸注意として不動産売買契約書と工事請負契約書については印紙税が軽減されていますが、2023年3月31日までであり、一部の印紙税が上がってしまうのでご注意ください。
3. 不動産売買において印紙税がかからないパターン
下記のパターンは印紙税がかかりませんので覚えておくと良いでしょう。
- 5万円未満の領収書を発行した場合
- 質権や抵当権の設定した契約書を作成した場合
- 譲渡に関する契約書を作成した場合
- 建物賃貸借契約書もしくは使用賃借に関わる契約書
- 媒介契約書や売買委託契約書など委任に関する契約書を作成した場合
以上になります。無駄に印紙を貼ってしまうことのないよう注意しましょう。
4. 不動産売買における印紙税の軽減税率
印紙税には軽減の措置がされており、不動産投資をする上でも覚えて損することはありません。
どんな取引の場合に軽減されるのか?具体的にどれくらい軽減されるのかを見ていきましょう。
不動産売買で軽減税率が適用される取引
軽減税率が適用されるのは不動産壌土契約書(契約金額が10万円を超えるもの)と建設工事請負契約書の2つになります。
軽減税率の適用は2023年3月31日までであり、それまでに作成された契約書であれば軽減税率が適用されます。
軽減される印紙税の税率
印紙税は契約金額により軽減される税率が違います。
- 1億円以下の場合は50%
- 1億円を超えており5億円以下の場合は40%
- 5億円を超える場合は20%
です。
多くの場合は4割以上の軽減がされることからも有効に使っていきたいですね。
軽減される印紙税の計算方法
軽減される印紙税の計算方法ですが、本来の印紙税に軽減率をかけるだけで計算できます。
例えば1億1千万円の契約金額の場合、通常であれば10万円かかりますが40%軽減されるので印紙税は6万円に。
この場合の計算式は10万円×0.4=4万円が軽減される税率になるので、本来10万円かかるものが6万円になるということです。
5. 不動産売買における印紙税の節税対策
不動産において節税の知識があるとないとでは結果が全然違ってきます。
印紙税に関しても節税する方法があるので見ていきましょう。
契約書の原本を1つだけ作成する
同一の契約書でも2通作成した場合はそれぞれに印紙代が発生してしまいます。
それを避けるためにも契約書の原本は1通のみ作成し、コピーをするのです。
この場合、原本にのみ印紙を貼ることになるので印紙代を節約することが可能に。
コピーの契約書は改ざんの恐れがあるので、大切な契約書の場合は原本を手元に置くようにしましょう。
課税されるものと非課税のものを分けて申告する
課税されるものと非課税のものを一緒にして領収書を作成するとその分印紙代がかかってしまいます。
それぞれに分けて申告することで印紙代を節約することが可能です。
例えば自宅の売却をした場合の代金は印紙代はかかりません。
逆に投資用の物件を売却した際は印紙代がかかるため、申告する際に分けて申告することで印紙税を最小限に抑えることができるのです。
また、自宅用と投資用併用の物件の場合はそれぞれの内訳金額を明記することで分けて申告することができます。
日本国外で契約書を作成する
印紙税は日本の税法であり、海外では適用されません。
それを利用して契約書の締結を国外で行うことで印紙代を節約することができます。
高額の不動産を取り扱う際に有利なテクニックです。
注意点として
- 調印をした場所が記載されているか?
- 契約をしている現場の写真や日付を残しておく
上記が重要です。
本当に国外で契約したのかわかるようにするためにも覚えておくと良いでしょう。
消費税を別に記載する
消費税自体には印紙税は適用されませんので消費税を別に記載することで節約することができます。
例えば1億円の契約書を2つ作成したとします。
①金額が1億800万円(内消費税など800万円を含む)②1億800万円(税込)
この2つの場合1の印紙代が3万円になるのに対し、2は6万円かかってしまいます。
なぜかと言うと契約上で消費税を別に記載、つまり「区分記載」をしていないからです。
消費税を納める事業者ならば覚えておきたいテクニックでしょう。
6. 印紙税は事前に確認を!知っていることで節税出来る場合がある
印紙税は思ったよりもかかるものもあるので、注意する必要があることがわかりました。
また、不動産の購入は思いのほか、知識や経験が重要になる場面が多数です。
MIRAIMOでは無料オンライン相談を行っており、不動産投資のさまざまなテーマに関する相談を承っています。
不動産に関わる不明点や不安点があれば誠実に対応しますのでお気軽にご質問ください。
現在の日本の状況として投資は行うべきものになりつつあります。
不動産の購入は不安があるかもしれませんが一歩を踏み出すことで新しい道も開けるのでご活用ください。
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