不動産投資をする際には、誰もが何らかの基準を用いているでしょう。
収益をあげるためには、あらかじめ戦略を練らなければいけません。目標を達成するための計画を立てなければならないのです。
そのためには根拠になる数字が必要になるでしょう。
表面利回りや実質利回りというコトバを耳にしたことはありませんか?
投資戦略を立てるためのポイントになる計算で、目標達成のための目安になるといわれます。
しかし、キャッシュフローとしては、さらに実践的な計算方法があるのです。
そこで、今回は投資の収益性に的を絞った「ROI」(Return On Investment)つまり、投資収益率を求める上で目安になる計算方法を紹介しましょう。
なぜなら、より詳細な収益率を求めるため、計算に用いるのが必要経費だけではなく、融資返済額までを含んだ計算になるからです。
目次
1. 不動産投資における「ROI」とは?
「ROI」とは、「投資収益率」や「投資利益率」の意味で、「Return on Investment」を略したものです。
では、不動産投資において、どのように利用されているのでしょうか?
ROI=投資収益率の指標
不動産投資では、利回りの計算が欠かせないといわれます。
広告などに掲載される「表面利回り(年間家賃収入÷物件価格×100)」や
経費などを差し引いて計算した「実質利回り((年間家賃収入-経費)÷物件価格×100)」については、ご存知の方も多いでしょう。
しかし、「実質利回り」であっても家賃収入からローン返済分は引かれていません。
「ROI」とは、経費のみならずローン返済額まで差し引くことにより、投資収益率の指標とされているのです。
不動産投資におけるROIの例
不動産投資では、自己資金だけではなく融資によるレバレッジ効果で収益を増やすことができます。
そこで、3,000万円の物件を全額自己資金で購入する場合と6,000万円の物件を自己資金3,000万円で残りを融資利用で購入する場合をROIで計算してみましょう。
どちらの物件も利回りは10%で経費は収益の20%です。また、融資利用時の返済額は60万円だとします。
全額自己資金で購入 |
(300万円-60万円(経費))÷3,000万円×100=8% |
融資を利用して購入 |
(600万円-60万円(経費)-60万円(ローン返済分))÷3,000万円×100=16% |
融資を利用することで、レバレッジ効果により自己資金のみで購入するよりも投資効率が高くなるのが理解できるでしょう。
CCRとはどこが違う?
CCRとは、自己資金に対する収益率に着目した指標です。投資した自己資金の回収率を知ることができます。
たとえば、20%であれば、1年で投資した資金の20%が回収できるので、5年で全額回収できるという計算です。
ROIのように融資分を含めた収益率ではなく、自己資金の回収のみにポイントを絞った計算方法だといえます。
2. ROIを用いるメリットとデメリット
投資収益率の指標とされるROIですが、利用されているメリットについて紹介しましょう。また、デメリットはないのでしょうか?
ROIを用いるメリット|シミュレーションの精度が高い
ROIを利用することで、融資によるレバレッジ効果の確認ができます。
自己資金が多くなくても融資により高い収益をあげることができるのです。
また、投資による収益率が高い精度で計算できるので、効率よく収益を得られる物件を選択することもできるでしょう。
ROIを用いるデメリット|リスクを組み込めない
ROIの計算では、収益や金利の変動にまで対応することは難しいでしょう。
また、レバレッジ効果を高めるために融資額を増やしすぎると、空室など不測の事態が生じれば返済リスクを負うことになるかもしれません。
3. 高ければOK? ROIは物件購入を即決できる目安になる?
ROIが高ければ収益率の高い物件だといえます。では、購入を即決できる物件の目安だといえるのでしょうか?
ROIが高い=良い物件とは限らない
ROIの数値が高くなるのは、計算の分母である「物件価格」や「自己資金」の額が少ないケースです。
したがって、築古の物件であれば物件価格は安くなるでしょう。
そして、融資の額が多ければ自己資金は少なくなります。
しかし、価格が安くて自己資金が少ない物件が必ずしも投資効率の高い物件だとはいえません。
たとえば、古くて賃貸需要が無ければ投資物件としては成り立たないでしょう。
4. 不動産投資でROIを活用しよう|実例シミュレーション
不動産投資でROIを活用するため、実例を用いて概算をシミュレーションしてみましょう。
融資返済額を含んでいるので、より詳細な収益率を計算できます。なお、計算式は以下の通りです。
計算式 |
ROI=年間キャッシュフロー÷投資総額×100 |
例)物件価格1,000万円・家賃100万円(年間)の区分マンション
物件データ |
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計算式 |
(100万円-20万円(経費)-40万円(返済額))÷1,000万円×100=4% |
例)物件価格5,000万円・家賃500万円(年間)のアパート一棟
物件データ |
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計算式 |
(500万円-100万円(経費)-250万円(返済額)))÷5,000万円×100=3% |
融資返済額を含めて計算しているので、キャッシュフローとしてのより実践的な収益率を知ることができるのです。
5. ROIは不動産投資に欠かせない指標の一つ
不動産投資においてROIは精度の高いシミュレーションができる指標の一つだといえます。
しかし、ただ単に古くて価格の安い物件が該当することもあるので過信は禁物でしょう。
地域の賃貸需要にマッチしているかどうかの判断を忘れてはいけません。
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