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不動産投資の損益分岐点とは?|仕組みや計算方法について詳しく解説!

これから不動産投資を始めたいと考えている人も、すでに物件を所有している人も、「損益分岐点」を知ることはとても大切なこと。

せっかく資金をつぎ込んで投資するのですから、上手に資産運用をしていくためには、その物件の損益分岐点がどこなのかを把握しておく必要があるのです。

この知識がないまま資産運用を続けてしまうと、今実際に行なっている投資の実像をつかむことができず、そのことから大きな失敗を呼び込んでしまうこともあり得ます。

逆に損益分岐点を知っておくことで、このリスクを回避できることにも繋がることでしょう。

不動産投資における損益分岐点とはどういったものなのか?

その仕組みや計算方法について考えてみようと思います。

1. そもそも損益分岐点って何?

黒字と赤字がちょうどゼロになる点を「損益分岐点」といいます。この点を超えれば黒字であり、逆に下回れば赤字となります。

仮に製造業を営む企業を想定してみましょう。

企業運営をしていく上で毎月価格の変わらない固定費と、仕入れなど値段の変わる変動費が「支出」として出ていきます。

そうして仕入れた材料を加工し、製品として販売したものは、「売り上げ」として入ってきます。

つまり、出ていったお金である支出と、入ってくるお金である売り上げがちょうどトントンになる点のことです。

損益分岐点は低い方がよい

不動産投資においては「ローン+諸経費」が先ほどの例の支出であり、「家賃収入」が売り上げに該当します。

そして不動産投資では、入居率の割合で損益分岐点を出すことが一般的となっており、%でその値が提示されます。

先ほども述べた通り、損益分岐点は赤字と黒字がトントンとなる点のことですから、この値が低ければそれだけ黒字を出しやすいことを意味します。

このことから、投資をする上で損益分岐点がどの程度のものなのかを把握しておくことはとても重要になります。

損益分岐点を下げる方法はあるのか?

『毎月の支出を減らすこと』『売り上げを増加させること』このどちらもが損益分岐点を下げることにつながります。

つまりより具体的にいうならば月々のローンを減らしたり、経費を下げたり、家賃を上げたりすることで損益分岐点を下げることができるのです。

一般的に、不動産投資の損益分岐点は80%であることが多いです。

これは、日本の空室率が19%である状況と符合します。

この数値を75%、70%と下げていくことができれば、それだけその物件は、黒字の出しやすい物件であるということができ、投資で利益を得やすくなります。

損益分岐点を超えなければ投資は失敗

せっかく手に入れた物件でも、空室が多くて当初見込んでいた家賃収入が落ち込むと、損益分岐点を下回ることになります。

つまり、ローンの返済などに充てるお金を自身で用意しなくてはならず、赤字の状態に入り込んでしまうのです。

そのような状況から脱却しようと、物件の売却を考えたとしましょう。

低い収入しか見込めない物件は高く売ることができません。

また、短期で売却すると、手元には莫大なローン残高が残ることになります。このような失敗をしないためにも、慎重に物件を選ぶようにしましょう。

2. 不動産投資の損益分岐点の仕組みについて

ここまでは、不動産投資の損益分岐点の基本的な内容について考えてきました。

物件を購入することは、マイナスからのスタートを意味します。

そのため、その物件が損益分岐点を超えた状態を維持できる見込みがないと、投資する意味がありません。

逆にいえば、この分岐点を上回っていれば、ローン返済や経費に充てるお金を差し引いても、自由にできるお金を手にすることができるのです。

そして、無事にローンを完済すれば、その物件の権利がすべて自分のものになる訳ですから、少しくらい空室率が高くともビクともしない資産となることでしょう。

損益分岐点を知る前に知っておきたい「利益幅相殺」について

不動産の販売価格には、デベロッパーに入る販売利益が上乗せされています。

つまり、その上乗せを引いたものが資産価値となるわけですから、販売価格=資産価値とはなりません。

仮に1,000万円で販売されている物件があるとしましょう。

上場しているデベロッパーの決算報告書をみてみると、約25%がデベロッパーの利益となっています。

つまり、原価は750万円で、デベロッパーの販売利益が250万円になるということ。

販売価格に対して不足する資産価値を、不動産所得によってまかなうことを「利益幅相殺」といいます。

利益幅相殺を知る上で必要な不動産の手取りについて

不動産を購入するとその運営にかかる諸経費や、不動産取得税や固定資産税などの税金がかかってきます。

実際に運用することで得られる家賃収入が「不動産収入」となり、そこから諸経費と税金を差し引いたものが「不動産手取り」となるのです。

ここで覚えておきたいのは、確定申告をおこなう最終的な数値は「不動産所得」であり、決して「不動産手取り」ではないということ。

また、不動産は経年によってその価値が落ちていくため、減価償却費用を計上できます。これにより、節税効果が望めることも覚えておきましょう。

利益幅相殺期間の計算方法

先に述べた通り、不動産販売価格にはデベロッパーが得る販売利益が上乗せされています。

この部分を不動産所得で埋め合わせるのにかかる期間を「利益幅相殺期間」といいます。

仮に3,000万円で不動産を購入したとし、そこから不動産所得が月に10万円得れるとしましょう。
そうするとデベロッパーの取り分である25%(750万円)を完済するのに6.25年かかることになります。

今述べたのは現金による一括購入の場合です。

ローンを組んでの不動産購入になると、費用として金利が加算され、不動産所得が減ることになります。

そのため、利益幅相殺期間がさらに伸びることを覚えておきましょう。

損益分岐点の計算方法

不動産所得の総計が、デベロッパーの得る「不動産販売利益」と同等になる点が損益分岐点ではありません。

なぜなら、不動産の資産価値は時間の経過と共に減少していくからです。

したがって、不動産販売価格から、不動産販売利益と「資産価値下落額」を差し引いたものが損益分岐点となります。

ここで覚えておきたいのは、資産価値の下落幅は時間の経過とともに緩やかになり、やがて不動産所得よりも緩やかになるということです。

これにより、下落幅を不動産所得でまかなえるようになるため、ある地点で損益分岐点を迎えることができるのです。

損益分岐点を算出するには

年月を経るに従って下落していく資産価値に対して、不動産手取りの累積額がイコールで結ばれる点が損益分岐点です。

不動産を現金一括で購入した場合借り入れ利息の返済がなく、ローンで購入した場合に比べて早い段階で損益分岐点を迎えることができます。

一方、ローンを組んで購入した場合は、利息の返済があるために不動産手取りが減ることに。

そのため、損益分岐点を迎えるまでに、より時間がかかってしまいます。

3. 不動産投資で成功するために抑えておきたいポイント

所有している不動産の資産価値が下落すると、即座に『損をしている』と反応する人は、不動産投資に関する知識を十分に理解できていないといえるでしょう。

先ほども述べた通り価値が下がることを“想定内”のこととして、不動産所得をどのように上げていき、いかにして損益分岐点を超える状態に持っていくかという視点が大切です。

そのためには、必然的に自身が購入した物件と、長い目で付き合わなければなりません。

じっくりと腰をすえて、状況に合わせて最適な投資を行っていく気持ちがなければ、成功は遠のいていきます。

長く保有できる、将来性がある物件を購入すること

購入した物件から、将来に至るまで継続的に家賃収入が得られるかどうかは、不動産を選ぶ上でとても大切になってきます。

たとえその物件の資産価値が目減りしても、入居したいというニーズ自体が落ちなければ不動産所得は蓄積されていくため、所有期間を長くするほど、結果的に黒字額が増えるのです。

不動産の購入はマイナスからのスタートであることは、すでに述べました。

それだけに、短期的な収支に囚われやすいのですが、我慢が必要であることを覚えておきましょう。

さてそれでは長く保有でき、将来的にも利益を得ることのできる物件は、どのようにして探せば良いのでしょうか。

①信頼性がある会社から物件を購入する

企業規模の大小は問わず、顧客の立場に立って大切な資産運用を行ってくれる不動産業者を探すようにしましょう。

時には大規模な修繕工事を施して、物件の資産価値を保つことに務め、賃貸管理に豊富なノウハウを持っている企業こそが、頼りになる存在です。

そのような、信頼のおける業者が取り扱っている物件を購入することが、成功へのファーストステップになるでしょう。

②災害に優れた物件を購入する

日本に限らず、世界のどこでも自然災害は必ず発生するものです。

そのため、被災しても心配のない不動産を選ぶようにしましょう。

地盤のもろさや河川の増水など、災害は様々な条件が重なって発生するものです。

耐震性などをはじめとした、信頼のおける物件を見極めなくてはなりません。

③先を見越した将来性のある立地を選ぶ

購入した物件のあるエリアが、新たな都市開発によって活性化し、その価値が高まるなどということはよくあることです。

今現在の価値にこだわることも、ある程度は必要ですが、将来的に伸びそうなポテンシャルを秘めた物件を探すようにしましょう。

不動産投資の物件選びについては以下の記事を参考にしてください。

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2023.01.29

4. 不動産投資をする上で、損益分岐点をよく把握した上で不動産を売却しよう!

以上、不動産の運用において、損益分岐点がいかに重要なのかを考えてきました。

購入した物件の損益分岐点がどこにあるのかということを知っておかなくては、効率的かつ効果的な資産運用をすることができません。

損益分岐点は諸経費や家賃をどのように設定すれば、どのくらいの期間で黒字額に転じるかといった作戦を練るために、欠かせない指標といえます。

したがって、不動産投資の基本の知識として必ず把握しておきましょう。

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