みずほフィナンシャル・グループの都市銀行であるみずほ銀行は、三菱UFJ銀行と三井住友銀行と並んで三大メガバンクと呼ばれていますが、他の2行が財閥系の銀行であるのに対して唯一非財閥系の銀行。
財閥系であればグループ企業に取引が偏る傾向にありますが、みずほ銀行は全上場企業のうち約7割の企業と幅広い取引をしています。
みずほ銀行では様々な企業への融資がメインではありますが、当然ながら不動産投資ローンの取扱いも盛んに行われています。
ホームページに記載されている条件だと年収制限も低くて取組みやすそうですが、実際にはサラリーマン大家さんだと取組みしてもらえるケースは少なく、ある程度の資産家でないとハードルは高い傾向にあります。
しかしメガバンクだけあって、融資を受けることが出来れば金利は非常に低く設定されており、不動産投資を有利に進めることが出来ます。
今回はみずほ銀行の不動産投資ローンの概要と特徴について解説します。
目次
1. みずほ銀行の不動産投資ローンの概要
金融機関で不動産投資ローンを利用する際、各金融機関によって条件は大きく異なります。
融資条件には、年齢、年収や資金の用途の制限があり、条件をクリアしないと融資を受けることはできません。
では、みずほ銀行の融資条件はどういった内容になっているのでしょうか。
融資金額・融資期間・金利はもちろん、保証人の有無、事務手数料や団信の加入義務があるかも気になるところ。
ここでは、みずほ銀行の不動産投資ローンの概要についてお話しします。
①用途
みずほ銀行のアパートローンは、
- 賃貸用住宅の土地・建物の取得資金
- 増改築・改装資金
- 底地買取資金および外構工事資金
- 火災保険料
- 担保関連費用
- 設計料
- 解体工事費用
- 近隣対策費
- 印紙税
- 仲介手数料
- 付帯工事費用
- 水道加入金
などの用途にできます。
収益不動産に関する購入資金や改装資金だけでなく、火災保険料や仲介手数料など取得費用も含まれるなど、オーバーローンも想定した内容。
②利用できる方
満20歳以上で安定した収入があり、前年度税込年収200万円以上の方
③融資額・期間
融資額は、50万円以上5億円以内(1万円単位)。
実際には、物件価格の7割~8割程度しか融資は出ないので、自己資金が2割~3割程度必要。
期間は、1年以上35年以内(1年単位)ですが、最長期間は建物の耐用年数内。
実際には、RCの場合でも耐用年数40年がベースになるので融資期間は想定よりも短いケースが多いです。
④金利タイプ・返済方式
金利タイプは、
- 連動金利方式
- 固定金利選択方式
- 全期間固定金利方式
のいずれかを選ぶことができます。
返済方法については、毎月元利均等返済で、借入金額の50%であればボーナス月に増額返済が可能。
⑤担保・保証人
連帯保証人として、事業承継見込みの法定相続人(未成年者を除く)が1名以上必要です。
融資予定の不動産に対して、原則として借入金額の110%の金額を第一順位の根抵当権にて設定登記して担保とします。
⑥事務手数料などの諸費用
融資に対する事務手数料については特にホームページに記載はありません。
諸費用としては、印紙税、根抵当権設定に必要な登録免許税および司法書士あて報酬等が必要です。
繰り上げ返済時や返済条件変更時には事務手数料を支払わないといけません。
⑦保険|火災保険・団体信用生命保険
火災保険については、建物に長期火災保険を掛ける必要があり、場合によってはその保険金請求権等に質権を設定されるケースも。
団体信用生命保険については、原則加入しなくても大丈夫ですが、アパートローンの金利に0.3%の金利が上乗せすることで加入できます。
2. みずほ銀行のアパートローンの特徴
他の不動産投資ローンと比較すると、みずほ銀行のアパートローンは全国展開している、金利が低いなど多くのメリットがあります。
しかし、物件の評価基準が厳しく、属性によっては融資が受けにくいといった話もよく耳にします。
みずほ銀行でアパートローンを受けるためには、どういった特徴があるかを把握しておくことが重要。
次は、みずほ銀行のアパートローンの特徴についてお話しします。
①エリアは全国展開
みずほ銀行は全国47都道府県のすべてに支店があり、その数は465支店(2023年6月30日現在)。
融資対象エリアは支店の周辺となりますので、全国どこでもみずほ銀行のアパートローンに申し込むことが可能です。
②金利が低い
みずほ銀行の金利は、都市銀行ということもあり、地方銀行や信用金庫と比べて低く変動金利で1%台。
ただし、金利については顧客の属性によって変わり、地主や資産家の場合は変動金利1%以下で提示されるケースも。
③物件の評価基準は厳格
みずほ銀行の物件の評価は、積算法と収益還元法を使って行われています。
物件の評価については、鑑定会社の評価が基準。
物件の耐用年数内となっていますが、RCでも耐用年数の47年ではなく40年で評価するなど非常に厳格で、他の銀行と比較して評価が低いケースが多いです。
④新規法人でもOK
アパートやマンションなど大型の不動産を購入する際は、新たに資産管理法人を設立して購入するケースも多いはず。
その点、みずほ銀行では新規法人も審査の対象となり、融資を受けることが可能です。
⑤融資を受けやすい属性がある
融資条件には年収200万円以上とありますが、実際に融資打診をしてもほとんどが門前払い。
融資担当としては、1,000万円を融資するのも、1憶円を融資するのも手間はほとんど変わりません。
そのため、特に案件の多い都市銀行では、大きな融資が出ない属性の人は最初から取り組んでくれないというわけです。
みずほ銀行では、サラリーマンの場合は最低年収1,000万円あれば融資を受けやすい印象があります。
又、物件価格の2割以上の株式や不動産などの資産があるとプラス材料に。
3. フルローンは厳しい?|融資基準にあった物件を選ぼう!
みずほ銀行の不動産投資ローンについては、間口は広く設定されていますが、年収1,000万円以上で資産がある程度ないと中々取り組んでくれません。
又、物件の評価基準も厳しく、融資金額は物件価格の7割~8割程度とフルローンは厳しいのが現状です。
ただし、物件の評価が出れば融資金額も増えるので、築年数の浅いRC物件など評価の出やすい物件であれば取り組んでもらいやすいケースも。
みずほ銀行でアパートローンを申し込む際には、やはりみずほ銀行の融資基準にあった物件を選ぶことが重要。
しかし、実際に申し込むに当たっては、みずほ銀行でのローン取り組み実績のある不動産会社などの専門家に相談する方が良いでしょう。
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