最近では、資産を増やすために投資用の物件を購入する人も増えています。
不動産は高額なため一括で購入するのは難しく、ほとんどの人がローンを利用すると思います。
しかし、投資用物件の購入には住宅ローンは利用できません。
投資用物件を購入する為の方法として、アパートローンや不動産投資ローンを利用する人が多いのですが、もう一つの方法として「プロパーローン」というものがあります。
あまり聞き馴染みのない名前ですが、実はメリットがたくさんある商品です。
今回は、プロパーローンのことを知ってもらおうと思います。
プロパーローンがどんなローンか?という基本的なところからメリット・デメリット、おすすめの銀行までしっかりご紹介しましょう。
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目次
1. プロパーローンとはどんなローン?
プロパーローンをそのまま訳すと「独自の貸付」となりますが、各金融機関が独自のプランで貸し出しているローンのことをいいます。
プロパーローンは企業向けのローンの一つで、ほとんどの方が不動産購入目的で利用しています。
一般的に、自分の住む不動産を買う時は住宅ローンを契約することが多いと思いますが、投資用物件などの「自分が住む目的」でない物件の場合は、基本的に住宅ローンは利用できません。
通常の住宅ローンの代わりに利用できる商品として「プロパーローン」があります。
特殊な商品のためあまり宣伝されておらず、投資物件の購入者など限られた人向けにしか紹介していないので存在自体を知らない人が多いです。
プロパーローンの金利は、事業内容によって変わる
プロパーローンの金利相場は、一概に何%ぐらいということはできません。
個人の属性、不動産の収益性などの諸条件によって、プロパーローンの金利や返済期間・借入額が変わってくるからです。
アパートローンの金利相場は、利用する金融機関や諸条件によって大きく変わりますが、およそ3~5%。
残念ながら、ほとんどのプロパーローンは、アパートローンより金利が少し高く設定されている傾向にあるため、プロパーローンがお得になるとは限りません。
金利が高い理由としては、本来保証会社が背負っているローン回収のリスクを金融機関が自ら背負っているためです。
プロパーローンの審査方法
もちろん、プロパーローンでも本人の年収や勤務先・勤続年数・他の借り入れなどといった属性が、審査基準で重きを置いているのは、間違いありません。
また事業内容や計画内容を見て、事業性があると判断されれば、審査に通りやすくなるでしょう。
不動産投資の場合は、物件自体の収益性が高いとみなされたりすれば、アパートローンと同じく審査に通りやすくなります。
プロパーローンと住宅ローンとはどう違う?
プロパーローンと住宅ローンの違いは、主に保証人と金利です。
住宅ローンが保証会社を通して契約を行う理由は、リスクを軽減し、貸付金を回収できないという状況を防ぐ意味があります。
プロパーローンの場合は住宅ローンとは異なり、金融機関と直接契約を結ぶため保証会社への加入を必要とせず、保証金を支払わなくて済みます。
お金を貸し出す場合には、返済者が滞納や破産をしてしまうなど、貸したお金が回収できないリスクが発生します。
特に、住宅ローンなどの場合には、借入金額が高額になるため、いくらその物件を担保に入れたとしても、リスクが大きくなります。
金融機関側にとってリスクが大きいローンなので、審査がかなり厳しくなるでしょう。
また、住宅ローンは自身が居住する住居の建築を目的として貸し出しが行われるものに対して、
プロパーローンの場合には、使用用途が限定されていないため、収益物件を購入する際にも借り入れを行うことができます。
プロパーローンと不動産投資ローン(アパートローン)とはどう違う?
アパートローンは、不動産投資を行おうとしている個人向けに準備されたパッケージになります。
基本的には、不動産投資からの家賃収入を返済原資としていますが、確実に入ってくる給与所得からの返済も想定しているため、貸し出しの金額や審査は年収が基準。
空室による返済不可などの可能性を考慮し、購入する物件の収益性をメインで見られますが、物件が未収益時にも返済能力があるかどうかを金融機関は見ます。
プロパーローンは、アパートローンや住宅ローンのように不動産購入に限られていない点が大きく異なっています。
金融機関がが独自に行う貸し出しのため、貸し出し用途が限られていないのです。
事業用資金として貸し出されることが多いことから、住宅ローンのような個人向けではなく、事業者向けのローンになります。
事業用資金となると、返済が滞らないかどうか融資対象をしっかりと審査しなくてはならないため、審査期間が比較的長くなる傾向に。
アパートローンが個人を対象としたパッケージローンとするならば、プロパーローンはオーダーメイドで個々に合わせたローンと表現できます。
2. プロパーローンのメリット
プロパーローンを組むメリットはあるのでしょうか。
たくさんあるローンの特徴を知ってどのプランで借りるとお得になるか検討してみましょう。
保証会社を介す必要がないため、保証料分安く済む
プロパーローンの場合には、銀行と保証金が必要なくなり、保証金を用意せずに済むというメリットがあります。
35年間のローンで借り入れを行う場合の保証金は、100万円を借りるごとに20,620円の保証料が必要になるため、3,000万円の住宅ローンの借り入れを行った場合には、約60万円の保証料が発生することに。
借りる金額によって異なりますが、約60万円節約できたということに大きな意味があるでしょう。
借り入れ上限額が決まっていないため、物件以外の諸経費分も借り入れができる
プロパーローンには上限の設定がされておらず、物件価格を超えても借り入れを行うことができるため、諸経費を賄うことができます。
一方で住宅ローンで借り入れができる金額は、最大でも物件価格の100%まで。
そのため、住宅購入時の諸経費については住宅ローンで借り入れを行うことができず、自己資金で賄う必要が生じます。
自己負担をなるべく抑えることができることに意味があるので、プロパーローンの利点はとても大きいものになります。
審査が1度で済むので手間が省ける
保証会社を通さないということは審査は金融機関のみということです。
そのため人によっては苦労しているローン審査が、プロパーローンは1度だけなので手間が省けます。
保証会社における審査が必要ないため、金融機関のみに信用されれば良い
住宅ローンの場合には、リスク軽減の観点から保証会社を介した契約になります。
そのため、審査を行うのが、金融機関と保証会社による2重チェックに。
プロパーローンの場合は、金融機関との直接融資になるため、金融機関の融資審査だけ通ることを考えればよいのです。
3. プロパーローンのデメリット
次に、プロパーローンを利用するデメリットをご紹介します。
プロパーローンを取り扱っている銀行が少ない、問い合わせてみないと分からない
プロパーローンは独自の商品で取り扱い自体していない金融機関もあります。
利用したい場合は、近くの金融機関に片っ端から問い合わせていく他ないでしょう。
プロパーローンを扱っていても、支店では取り扱いしていない金融機関もありますので、家から離れた金融機関にわざわざ行くことになるかもしれません。
通常の住宅ローンと比較すると金利が高い
プロパーローンの金利は、アパートローンと比較した場合も高いことは先述しましたが、住宅ローンの金利と比較するとかなり高く感じます。
現在の住宅ローン金利は、目安として0.5%~1%と非常に低金利。
保険会社を通さないため、保証料が安くなった分金利優遇が少なくなり、通常の変動金利に加え1%程度加えた金利で借り入れを行うことになります。
これではせっかく保証料を抑えることができたのに意味がありません。
使用目的が住居の場合で、住宅ローンの審査が通らないときは、まずは比較的審査基準が緩く、金利もプロパーローンより低い「フラット35」などを検討してみても良いでしょう。
連帯保証人が絶対に必要
金融機関側が、債務者に貸し倒れされるリスクを少しでも軽減するために、連帯保証人を立てて、回収漏れが生じないようにします。
連帯保証人を立てることができない場合には、プロパーローンは利用できません。
金融機関の独自審査になるため、審査が厳しい場合がある
銀行が直接融資を行う場合も、銀行側には貸し出すリスクがあるため、独自に厳しい審査を設けている場合があります。
三井住友銀行・りそな銀行・ろうきんなどの一部金融機関でしか、プロパーローンを行っていないというデメリットがあります。
4. プロパーローンを組む時の注意点
プロパーローンが自分に合っていると思ったあなたも、ローンを組む際に知っておきたい注意点がありますので事前に抑えておいてください。
審査基準がわからない
プロパーローンは金融機関ごとにオリジナルなプランの為、審査基準が異なります。
借入者の収入やクレジットカードの過去の返済状況なども見られますが、具体的な審査基準は非公開なので分かりません。
過去に返済を滞納しているお金がある人は、審査が通らない可能性もあります。
保証金がかからなくてもお得とは限らない
アパートローンや住宅ローンでは保証会社を通さなければいけないのに対し、保証会社を通さなくても良いのがプロパーローンの魅力でもあります。
実際にシミュレーションをしてみると、金利の関係でプロパーローンの方が他のローンよりも高くなってしまう場合もあるので、必ずしもお得とは言えません。
まずは、具体的な返済プランをシミュレーションしてから、資金調達の計画を立てるようにしましょう。
早めの借り換えを検討した上で借入した方が良い
プロパーローンは借りやすさのメリットはありますが、高い金利を払い続けなければいけないデメリットもあります。
そのため、長期での返済プランの場合は、他のローンへの借り換えも視野に入れておくことをおすすめします。
タイミングとしては、返済状況がリセットされると言われている、おおよそ5年が目安となります。
借り換えを検討される方は、目安としてその借り換えが本当に得なのか、一度シミュレーションをしてみてください。
② (現ローン元本の残額)×1%
③ ①-②=「借り換えした方が得となる金額」
①~③の計算をして、「借り換えした方が得となる金額」を下回る場合には、プランまたはタイミングがあまり良くないということに。
なぜならば、安い金利のプランに替えても手続きの費用の方がかかってしまう可能性がある為です。
5. プロパーローンを取り扱っているおすすめ金融機関
プロパーローンは金利が高いと紹介しましたが、中でもおすすめなのが「フラット35」です。
フラット35は、他のプロパーローンと比べて金利が約-0.5%抑えられます。しかも、固定金利なので金融情勢が悪化しても金利は上がりません。
さらに固定金利なのでわかりやすく、返済プランも立てやすいでしょう。
フラット35の金利が安い理由としては、そもそも国策でできた商品だからです。
ローンの原資は銀行ではなく、住宅金融支援機構のため銀行はリスクを負いません。
さらに保証金だけでなく、繰り上げ返済の手数料もかからないので、前倒しで返済ができるのも魅力のひとつです。
住信SBIネット銀行
三井住友信託銀行とSBIホールディングスの大手2社が出資しているので、信頼度も高い銀行となります。
住信SBIネット銀行が提供するフラット35のプランであれば、金利1.35%という他社ローンと比較しても安い金利でローンを組むことができます。
また、手数料無料のオプションとして、全ての病気や怪我が対象となる『全疾病保障』を追加できるのも魅力的です。
ARUHI
住宅ローン専門金融機関のARUHIは、知名度こそ低いですが、金利水準の低さで8年連続ナンバーワンの実力をもつフラット35のスペシャリストです。
サービスとして来店での相談も受け付けているので(要事前予約)、ネットバンクは心配という方は、一度ホームページに訪れてみてはいかがでしょうか。
参照:ARUHIホームページ
6. プロパーローンのメリットデメリットを知って有効活用しよう
プロパーローンは資金調達の一つの方法としては有効的ですが、金利のことを考えるとメリットが少なく不動産収入を圧迫してしまう恐れもあります。
そのため、タイミングを見て他のローンへの借り換えも検討しましょう。
不動産ローンは、金額も大きいため1%でも金利を抑えられれば数十万円、大きければ百万単位を浮かせることもできます。
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