老後の生活について考えたことがありますか?
「今の生活でいっぱいいっぱいなのに、将来のことなんて考えられない」という人も少なくありません。
しかし、老後は誰にでも必ずおとずれます。避けては通れない道なのです。
人生100年時代と言われている今、たとえば、65歳で定年を迎えて100歳まで年金収入だけで生活するとしたら、老後資金の貯えは必要ないのでしょうか?
生涯現役で頑張るという元気な人もいるかもしれません。
しかし、高齢になってからの35年間には何があるか分かりませんし、100歳まで現役を続けるのは現実的ではないでしょう。
やはり、あらかじめ必要になるであろうおおよその老後資金の金額を試算しておくのが無難なのではないでしょうか?
もしも、高齢になってから年金だけでは足りないことに気が付いてもどうしようもありません。
実は、老後に向けた対策を講じるためには少しでも早く取り組むことがポイントになるのです。
そこで、今回は老後資金について夫婦と独身の2パターンをシミュレーションで解説してみます。
目次
1. 【2024年】老後資金はいくら必要?|目安額をシミュレーション
厚生労働省のデータでは、サラリーマン世帯の年金が夫婦で1カ月に約22.1万円だとされています。
そして、1カ月に必要な支出は人により異なるのですが、総務省のデータでは平均して約26.5万円です。
したがって、年金だけでは毎月4.4万円程度足りません。
たとえば、老後30年間生活するとして、「4.4万円×12カ月×30年=1,584万円」の計算になります。
これは、あくまで健康でトラブルなく生活するという前提なので、病気や思わぬ出費などを含めて2,000万円から3,000万円は必要でしょう。
さらに、公的年金の被保険者の種類や家族構成によっても必要な老後資金は異なります。そこで、もう少し具体的に確認していきましょう。
サラリーマンと自営業者に分けて、夫婦の場合に必要になる額と独身の場合に必要になる額を計算してみます。
夫婦の場合
サラリーマンの場合、夫婦共働きとして1カ月の年金の額が約29.4万円、片方だけなら約22.1万円です。
共働きであれば、月に約26.5万円の支出があっても、3万円程度残りますが、片方だけだと「26.5万円-22.1万円=4.4万円」と毎月4.4万円程度足りません。
「4.4万円×12カ月×30年=1,584万円」と30年で1,600万円程度の額が不足します。
自営業の場合はさらに不足する?!
自営業者の場合、満額の年金を受給したとしても、1人で1カ月に約6.4万円です。
夫婦ともに満額を受給したとして合算しても月に約12.8万円にしかなりません。毎月「26.5万円-12.8万円=13.7万円」が足りなくなります。
「13.7万円×12カ月×30年=4,932万円」と30年で5,000万円程度の額が不足するのです。
独身の場合
サラリーマンで独身の場合、年金の額は1カ月に約14.7万円です。
月の支出が平均して、約15.4万円なので、1カ月に「15.4万円-14.7万円=0.7万円」が足りなくなります。
30年で計算すると「0.7万円×12カ月×30年=252万円」が不足するのです。
自営業者で独身の場合だと年金を満額受給したとして約6.4万円なので、「15.4万円-6.4万円=9.0万円」となり、毎月9万円程度足りません。
30年で計算すると「9.0万円×12カ月×30年=3,240万円」が不足します。
2. ゆとりのある生活を送りたいなら|老後資金はいくらあれば安心?
上記の試算は、あくまで平均的な生活を前提として計算しています。
そこで、「公益財団法人生命保険文化センター」の調査結果から、ゆとりのある生活を送るためには、老後資金がいくらくらい必要なのかを確認してみましょう。
調査によると、夫婦2人で、ゆとりある老後生活を送れる1カ月の生活費は平均すると34.9万円とされています。
この金額を30年間に換算すると「34.9万円×12カ月×30年=12,564万円」です。
ゆとりある生活のためには、1億円を超える老後資金が必要になるのです。
3. 65歳以降も働く場合は|在職老齢年金のしくみに注意!
老後に仕事をすると年金が支給停止されることがあります。
65歳未満で在職し厚生年金の被保険者であれば、標準報酬相当額に応じて年金額が支給停止されます。
なお、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の月額の合計が28万円に達するまで年金は全額支給されます。
65歳以上70歳未満で厚生年金保険の被保険者であれば、65歳から支給される老齢厚生年金が総報酬月額相当額に応じて支給停止されます。
70歳以降も厚生年金適用事業所に勤めていれば厚生年金保険の被保険者でなくても支給停止される場合があるので注意が必要です。
参考:日本年金機構
4. 今からできる|老後資産を増やす5つの方法
豊かな老後生活を送るためには1億円を超える資産が必要で、それなりの生活でも2,000万円から3,000万円は必要になりそうです。
はたして、現在の給与を貯蓄するだけで必要な老後資金を貯えることができるのでしょうか?
現在、上場企業に勤め、終身雇用が約束されていれば、ある程度の生活は可能かもしれません。
しかし、ほとんどの人が中小企業に勤務しているのが現実です。給与を貯蓄する以外の方法を講じなければならないでしょう。
【はじめに】基本は預貯金+アルファ
やはり、貯えるという心がけが大切です。
いくら資産があっても無駄遣いしてしまっては老後のための資金を貯えることはできません。
基本的な考え方は、預貯金プラスアルファーです。現状の収入における貯えに加え、どのような備え方があるのかをご紹介しましょう。
①iDeco(確定拠出年金)
iDecoとは、個人型確定拠出年金のことであり、確定拠出年金法に基づく資産運用方法です。
60歳までに月々一定の掛け金を積み立て、投資信託や定期預金として運用し、60歳以降に年金や一資金として受け取ることができます。
iDecoのメリット・デメリット
メリット |
公的年金をフォローするための制度なので税金面で優遇されています。 積立時、運用時、受取時と、それぞれのシーンで税金の軽減措置が講じられているお得な制度です。 |
デメリット |
原則として、60歳になるまでは引き出すことができません。また途中解約も原則として認められていません。 一般的な預貯金とは異なるので、節税効果のためと過多な積立をしないよう注意しましょう。 |
②NISA
NISAとは、「小額投資非課税制度」であり、投資で得た利益を非課税にするという制度です。
毎年120万円の非課税枠が与えられ、枠の有効期間は5年です。
しかし、余った非課税枠を翌年に繰り越すことはできません。
NISAのメリット・デメリット
メリット |
金融商品で運用益を得た場合、一般的には約20%の税金を支払わなければならないのですがNISA口座を利用することで非課税になります。 |
デメリット |
損失が出ている場合でも税金を支払わなければならないことがあります。損益通産ができないというデメリットもあります。 |
③個人向け国債
国債とは、国が発行する「国庫債権」のことで、国が投資家から資金調達する方法です。
半年に1回、国の設定した金利を受け取ることができ、満期になると元本を受け取ることができます。
国債のうち個人投資家が購入できるものが個人向け国債です。
国債のメリット・デメリット
メリット |
国が発行しているので破綻するリスクが少なく、一般の金融機関の定期預金の金利よりも高い金利になります。小額投資ができるところもメリットです。 |
デメリット |
購入期間が決まっており、募集期間内でないと購入できません。最低1年間は解約できず、1年経過後の解約でも中途換金調整額により利子が少なくなることがあります。 |
④株式投資
株式投資とは、企業が発行する株式を売買することで配当金や売却益を得る投資方法です。
大きな利益を得る可能性がある一方で、大きな損失を受ける可能性もあるので、ハイリスク・ハイリターンの商品といわれています。
株式投資のメリット・デメリット
メリット |
取得時の金額と売却時の金額の差である売却益を得ることができます。 保有株数に応じた配当金を得ることができるのもメリットです。 また株式を購入すると決議権が与えられるため、株主総会などの意思決定に参加することができます。 |
デメリット |
銘柄にもよるのですが、初期投資額が高くなります。 株価は常に変動しているので、株式売買時の決定は投資初心者には難しいといえるでしょう。 |
⑤不動産投資
不動産投資とは、一般的に賃貸マンションやアパートを経営して、家賃収入を得るという投資方法です。
また、購入した不動産を購入時よりも値上がりした時点で売却することで売却益を得ることもできます。
不動産投資のメリット・デメリット
メリット |
長期間安定した家賃収入を得ることができ、年金をフォローするために運用している人が少なくありません。 所得税や相続税の節税対策としても利用することができます。 |
デメリット |
空室や建物の老朽リスクを負います。 銀行ローンを利用していれば、金利変動による返済額の増加や不動産なので売却による換金に時間が必要になるデメリットもあります。 |
5. 公的年金だけでは不安|自分に合った資産運用方法を見つけよう!
公的年金だけで老後の生活を送るのは不安があるという人が少なくないでしょう。
なぜなら、今後は少子高齢化の影響で年金の受給額が少なくなるといわれているからです。
少しでも早く何らかの対策を講じるに越したことはないのです。
老後のために節約して貯えるというよりも、老後も引き続き収入を得るという考え方が必要ではないでしょうか?
老後も収入を得るという考え方であれば、効果的に安定した家賃収入を得ることができる不動産投資は非常に魅力ある資産運用方法のひとつと言えるでしょう。
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資産運用に少しでも興味がある程度でもOKなので不動産投資のノウハウを知りたいという人は活用してください。