土地・マンション・戸建てなどの不動産を購入する際、多額のお金を支払ったり沢山の手続きがあり購入するだけでも何かと大変です。
みなさんは不動産にかかる税金については、どのくらいご存知ですか? 実は不動産物件にかかる税金は4種類もあるんですよ。
税金が4種類もある事を知らなかった為、後で請求を見て驚いた話をよく聞きます。
不動産物件を購入する際は、どのくらい税金がかかるのかを把握しておく必要があります。
実は、不動産会社が税金の金額を把握していない事が多いからです。
そのような時に備えて自分で調べておく必要があります。
「固定資産税評価額」から税金4種類はすべて割り出すことが出来るので誰にでも税額の計算が可能です。
今回は、固定資産税評価額から税金を調べる方法をご紹介しますので、参考にしてみて下さい。
目次
1. 固定資産税と固定資産税評価額
固定資産税とは|固定資産に賦課される地方税
固定資産税とは、土地・家屋・償却資産を所有しているとかかる税金の事で、土地・家屋・償却資産がある市町村に納付する地方税です。
固定資産税の税率は1.4%となっておりこの税率は、ほとんどの市町村が採用しています。
固定資産税の納税は年4期に分けられ、平成30年度東京都の納税時期は5月・7月・12月・2月となっており、これは市町村によって異なっています。
固定資産税の課税が決定する時期
固定資産税の課税が決定されるのが、その年の1月1日です。
納税者は、固定資産課税台帳に1月1日の時点で登録されている人が対象となります。
先程出てきた固定資産課税台帳とは、固定資産税の課税の対象となった土地などが記されていて納税者本人や納税者家族また、納税者の代理人が一定期間だけ市町村の役所などで所有する資産のみ見る事が出来ます。
固定資産税評価額とは|固定資産の客観的な評価
固定資産税評価額とは、総務省が定める固定資産評価基準を基に固定資産を客観的に時価価格で登録したものです。
この固定資産税評価額は、あくまで基準であり最高値や最安値を示したものではないです。
2. 固定資産税評価額の調べ方3つ
①固定資産税の課税明細書を見る
固定資産税評価額は市町村から送られてくる納税通知書の中に、固定資産税評価額が書かれているので簡単に確認することが出来ます。
②固定資産課税台帳を閲覧する
もし納税通知書が手元にない場合は、市町村にある固定資産税台帳を閲覧すれば、固定資産税評価額を簡単に確認する事が出来ます。
閲覧出来る人は、固定資産税の納税義務者や借地人などに限定されます。閲覧する時に手数料が少しかかる場合の自治体が多いです。
【用語】縦覧・閲覧
縦覧とは
自分の建物や土地の他に、他人の固定資産税評価額も見る事が出来る制度です。
人によってはプライバシーの侵害と思う方も多いかもしれませんが、所有者の住所や名前は載っていないので心配はありません。
縦覧を見る事で自分の不動産の固定資産税評価額と他人と比較する事ができ、公平な評価であるかを調べる事が出来るので、とても大切です。
閲覧とは
自分の建物や土地の固定資産税評価額などが記載された固定資産課税台帳を、いつでも見る事が出来る制度です。
閲覧は縦覧とは違って無料ではなく、確認するには手数料として300円から400円程度かかります。
ただし縦覧と違って他人の固定資産税評価額は見る事が出来ません。
③固定資産評価証明書を取得する
固定資産税評価額を調べたいのに役所へ行く時間が無いという人は、郵送で固定資産税評価証明書を取り寄せる事も可能です。
その場合は、インターネットで申請書をダウンロードして、記載されている必要書類や手数料分の為替を同封して送れば、後日郵送してもらう事が出来ます。
3. 固定資産税評価額の計算方法
家屋の評価額の計算方法|再建築価格方式
家屋の評価額を求める場合は、固定資産評価基準を基に計算します。
評価対象の家屋を新たに建築した際にかかる費用(再建築費)を求め、経過年数や建物の状態によって減価(経年減点補正率)を考慮して価格を求めます。
計算方法は次の通りになります。
【用語】再建築評点数・経年減点補正率
再建築評点数とは
固定資産税評価基準に定められた、天井・屋根・柱・床などに使用した資材を点数にして積み上げて計算されたもので、評価の対象となった家屋を新築する為に必要とされる建築費となります。
経年減点補正とは
建築年数の経過によって生ずる減価等を補正する割合です。
建物の構造・種類によって補正率が異なります。
土地の評価額の計算方法|路線価方式
土地の評価額を求める場合、1月1日時点における地価公示価格を調べ、70%を乗じて計算を行います。
市街地に土地がある場合は、路線価がほとんど同じとなります。
【用語】路線価・奥行価格補正率
路線価とは
路線(道路)に面する土地の価格の事で、国税局が決定します。
路線価は公示価格のおよそ8割程度です。贈与税や相続税の計算にも活用されます。
奥行価格補正率とは
奥行きが長く用途が難しい土地に対して評価を下げる為の補正率です。
4. 固定資産税評価額を利用して計算できる税金4つ
①固定資産税の計算方法
【用語】課税標準額
税額計算を算出する際に使われ課税標準額に税率をかけると税額を求める事が出来ます。
軽減措置|住宅用地の特例など
建築年数の経過に減価が生じるので、税額も年々下り安くなります。
しかし、減価率は下限が2割までしか下がらないので注意が必要です。
②都市計画税の計算方法
都市計画税とは、都市計画法によって土地と建物に対してかかる税金です。
簡単に言えば、計画事業に使う資金に充てられると考えてください。
税率は都市によって異なりますが、上限は0.3%になっています。
軽減措置|住宅用地の特例など
都市計画税の減税を行う際、市町村によっては住宅用地で200平方メートル以下の場合、課税標準額は価格の3分の1の額となります。
軽減処置は、減税される範囲や期間が異なるのでお住まいの市町村のHPを見て参考にして下さい。
③不動産取得税の計算方法
不動産取得税とは、不動産物件(家や土地など)を購入する際や、建物の増改築あるいは新築を行った時にかかる税金です。
不動産取得税は固定資産税と違い、取得時に1度だけ払うものとなっています。
不動産取得税の税率は平成33年まで、住宅は3%、住宅以外は4%です。
軽減措置|宅地の課税標準の特例など
軽減措置として、不動産取得税申告書があります。
不動産取得税申告書を使用条件として、住宅や土地を取得した日から60日以内に、必要な書類を添えて、土地・家屋の所在地の管轄である都道府県税事務所に届けます。
その後不動産取得税の納税通知書が届くので、あとは税金を納めるだけです。
④登録免許税の計算方法
抵当権の登記:債権額(住宅ローンの借入額)× 所定の税率
家や土地などを購入しても権利は販売側にあるので権利を購入者に移行し登記する時に登録免許税がかかります。
登記を行わないと所有権の主張が認められません。
登記は法務局で行われる為、登録免許税は国税となります。
税率は登記内容によっては違うので注意が必要です。
軽減措置|新築住宅の保存登記の特例など
軽減措置を受ける方法に、住宅用家屋証明という証明書を利用する方法があります。
適用条件は様々あり、床面積が50平方メートル以上ないと適用されない条件や建物の区分で条件が変わるので、各市町村のHPを参考にしてみてください。
5. 固定資産税評価額をもっと理解するポイント4つ
①固定資産税評価額と課税標準額の違い
【ポイント】特例の適用で金額に差が出る事がある
特例がいくつかある為、固定資産税評価額と課税標準額が違う場合があり、課税標準額が固定資産税評価額よりも安くなります。
特例が認められる理由は、土地価格が高騰し税金負担が増える事を防ぐ為であり、1/6から最高1/10まで抑えられる事があります。
②区分マンションの固定資産税評価額の考え方
【ポイント】階数には左右されない
マンションの造りが鉄筋コンクリートの場合は、丈夫なので中古でも新築でも固定資産税額はそこまで変わりません。
また部屋が同じ広さの場合、どの部屋でも固定資産税額は同様になるので再下階、最上階と階層が違っていても同じ金額となります。
③建物の固定資産税評価額が減額しないことがある
建物の固定資産税評価額は建築費を基準にしています。
新築時の建物に必要な費用が固定資産税評価額となり、年数が経つにつれて減額されます。
考えてみると、建物の固定資産税は年々安くなっていると感じますが、新築時の建築費より現在の方が資材物価が上昇していた場合、建物の固定資産税評価額が当時より高くなる場合もあります。
これはお気の毒だという事で、前回よりも高くなった固定資産税評価額を、国が免除してくれます。
しかしこのように、前回と同額という事は起こり得るので注意が必要です。
④固定資産税評価額に納得出来ない場合は申し立てが出来る
固定資産税評価額に不服がある場合、不服申し立てを市町村に行う事が可能です。
「調べていた額と違いすぎる」とか「予想していたよりも多い」と不審に思う事などがあれば、納税通知書が届いてから60日以内に不服申立てを行ってください。
その期間を過ぎると固定資産税評価額が確定してしまい、間違っていても変更して
もらえません。
市町村の税金の中で固定資産税は大きな財源の一つです。
しかし、この固定資産税評価額は、手計算で職員の人が処理されているので、意外ミスが多いです。
計算間違いや書類の見落としなどのケアレスミスが多々あるようなので、役所だからと安心せず自分の目でも確かめましょう。
6. 固定資産税は自分でも計算できる|まずは評価額を出してみよう
物件を購入すると、印紙代・登記費用・仲介手数料など沢山の費用がかかります。
最初に、こうした費用は払えば終わりですが、固定資産税は毎年払わないといけません。
固定資産税は土地の場所や建物構造・形状によって大きく変わります。
特にマンションの場合は、管理費・駐車場料・修繕積立金など住宅ローン以外の支払いが毎月あります。
さらに固定資産税の支払いが加わると、月額の住宅にかかる費用がかなり高くなる事が分かるはずです。
いざという時に慌てないように、固定資産税評価額をしっかり調べて、固定資産税がどのくらいなのかを把握しておきましょう。
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