街には様々な業種のフランチャイズ店があります。
実は不動産会社にもフランチャイズのシステムを活用している会社が少なくありません。
フランチャイズに加盟すれば、ネームバリューの強い看板を背負って商売ができるので成功への近道のような気がするでしょう。
しかし、フランチャイズに加入するためには、加盟料など様々な費用が必要だという話も耳にします。
はたして、出費以上のメリットを手に入れることができるのでしょうか?
そこで、今回は不動産のフランチャイズについて解説します。
フランチャイズの仕組みやメリット・デメリットを詳細に説明しますので、不動産で起業することについて興味のある人は参考にしてください。
目次
1. 不動産フランチャイズの仕組み
フランチャイズと聞くと、街のコンビニエンスストアなどをイメージする人が少なくないでしょう。
ところで、不動産業界にもフランチャイズのシステムが存在するのです。
そこで、不動産フランチャイズがどのような仕組みになっているのかをご紹介しましょう。
フランチャイズは有名店の力を借りて経営する方法
一般的にフランチャイズとは、加盟金(ロイヤリティ)を支払うことで、知名度のある店舗の看板を借りることです。
不動産屋も同じで、フランチャイズに加盟することで簡単に「ブランド力」「店舗運営のノウハウ」「集客力」などを手に入れることができます。
ただし、有名店の看板を借りているだけなのが本当のところなので、ただの街の不動産屋なのが実情。
不動産のフランチャイズに加盟するためには宅建が必要!
フランチャイズに加盟するにも加盟資格や加盟条件があります。
不動産のフランチャイズ本部は様々存在していて、本部によって細かい条件は変わってきますが、厳しい条件はほとんどありません。
しかしどの本部でも共通して必須なのが、「宅地建物取引業免許」いわゆる宅建を取得していることです。
宅建は国家資格であり不動産業を営むには必ず必要な資格と言われています。
不動産でフランチャイズをやりたいと考えている場合は宅建を取得する必要があるのです。
不動産のフランチャイズを始める費用
不動産のフランチャイズを始める費用としては、一般的に「加盟料」と「保証金」が必要になります。
加盟料とは、フランチャイズとして本部のネームバリューなどを利用するための費用です。
保証金とは、加盟店が本部にロイヤリティを支払うことができないケースなどに保証する意味で、あらかじめ本部に納めておく費用です。
運営が始まると予想外なところで経費がかかることがありますので、資金面は余裕を持って準備しておくことをお勧めします。
2. 不動産でフランチャイズに加盟するメリットとデメリット
不動産でフランチャイズに加盟することには、メリットとデメリットがあります。
では、それぞれについて詳しくご紹介しましょう。
メリット
有名店の看板が使用できる
大きなメリットの一つとして、有名店の看板が使用できるということでしょう。
ネームバリューが商売に大きく影響を与えます。なぜなら、消費者は有名店であれば安心できるという信頼感を持っているからです。
他の加盟店との繋がりができる
フランチャイズでは、他の加盟店と横の繋がりを持つことができます。
一般的に経営者とは孤独なものだと言われていますが、フランチャイズであれば他の加盟店と悩みを共有できることもあるでしょう。
フランチャイズに加盟することで情報や知識が得られる
フランチャイズ本部では、定期的に研修などを行っているのが一般的です。
不動産についての最新情報や運営についてのノウハウを得ることができます。
無料で受講できる研修が多いので、有効なシステムと言えるでしょう。
フランチャイズ本部が用意したシステムが利用できる
フランチャイズ本部が準備している独自のシステムを利用することができます。
本部では、業務効率化などに使える様々なシステムを作成しているので、フランチャイズに加盟することにより利用することができるのは大きなメリットです。
フランチャイズに加盟することで、本部が提携している企業のサービスがお得に受けられる
フランチャイズ本部と提携している外部企業のサービスをお得に受けることができます。
たとえば、外部企業の提携割引などがあれば、サービスを安く提供してもらえることもあるでしょう。
また、外部企業との交渉などもスムーズに進みます。
デメリット
フランチャイズに加盟すると加盟料やロイヤリティが発生する
フランチャイズに加盟するためには、加盟料やロイヤリティを支払わなければいけません。
フランチャイズにより、費用の額は異なりますが、少なくとも100万円以上は用意しておかなければいけないでしょう。
希望エリアでの出店を制限される可能性がある
フランチャイズでは、既に出店している加盟店の半径〇m以内は新規出店ができないなど、出店を制限される可能性があります。
加盟店同士の競合を避けるためのシステムです。
本部や他社の加盟店が問題を起こすと、自分の経営にも影響がでる
フランチャイズとは、知名度のある店舗の看板で営業をします。
したがって、本部や他の加盟店が問題を起こすと、自身の経営にもマイナスの影響が出る可能性があるのです。
同じ看板で営業しているリスクと言えるでしょう。
フランチャイズ本部の独自のルールがあり、やりたいようにできない場合がある
フランチャイズには、本部が定めた様々な独自のルールがあります。
フランチャイズのマニュアルに沿った営業方針を強制されることもあるでしょう。
それぞれの加盟店のやりたいような独自の営業方針で運営できない場合があるのです。
3. 不動産のフランチャイズを利用するのに向いている人
フランチャイズを利用するのに向いている人とは、定められた枠の中で自分を活かすことができる人です。
フランチャイズに加盟して成功するかしないかは、フランチャイズ本部が提供するシステムを効率的に利用できるかどうかだと言えるでしょう。
フランチャイズ本部は、加盟店が成功するための最短コースをマニュアル化しているはずなので、本部を信頼するということも大きなポイントになるのです。
4. 不動産賃貸仲介事業者名一覧と、フランチャイズ店の割合を比較
全国にある不動産会社、主要9事業者の賃貸仲介店舗数を元にフランチャイズ店の割合を紹介します。(2023年10月時点)
事業者名 | 直営店 | フランチャイズ店(全店舗数におけるFC店の割合) |
アパマンショップ | 89店 | 993店(約91%) |
エイブル | 430店 | 375店(約46%) |
レオパレス21 | 189店 | 106店(約34%) |
東建コーポレーション(ホームメイト) | 227店 | 377店(約62%) |
スターツグループ(ピタットハウス) | 121店 | 561店(約78%) |
センチュリー21・ジャパン | 0店 | 965店(100%) |
ミニミニグループ | 231店 | 235店(約50%) |
LIXILイーアールエージャパン | 0店 | 505店(100%) |
大東建託 | 239店 | 0店(0%) |
データ参照:矢野経済研究所
多くの不動産賃貸仲介業の事業者が、フランチャイズ展開に力を入れており、フランチャイズ店舗数は年々増加傾向にあります。
5. 不動産屋のフランチャイズによって、物件数に違いはあるのか?
結論から言うと、不動産会社によって物件数に違いはありません。
「有名店の看板を持っているのだから、聞き慣れない知名度の低い地元の不動産屋よりかは、物件数が多いのではないか」と思う人は少なくないでしょう。
しかし、現在は国土交通大臣指定の「不動産流通機構(レインズ)」という不動産情報交換のためのネットワークシステムがあり、ほぼ全ての物件情報がネット上で共有されているのです。
6. 不動産のフランチャイズを選ぶ時のポイント3つ
一口に不動産フランチャイズと言っても、その数は少なくありません。
はたして、どのフランチャイズを選択すれば、スムーズに運営することができるのでしょうか?
そこで、不動産のフランチャイズを選ぶときの3つのポイントを紹介します。
①フランチャイズの本部が使用しているシステム
不動産フランチャイズの本部が使用しているITシステムの性能の高さがポイントになります。
なぜなら、物件管理システムはもちろんのこと、その他業務支援ソフトなどが充実しているとスムーズな運用が可能になるからです。
②加盟する不動産会社のイメージ
フランチャイズに加盟するためには、不動産会社のイメージも大切です。
たとえば、テレビCMなどで繰り返し耳にする馴染んだ名称であれば、お客さんも安心して利用してくれるでしょう。
③信頼できる不動産会社を選ぶ必要がある
フランチャイズ店、直営店ともにどちらが良いというのではなく、信頼できるかどうかを重視して不動産屋を選ぶことをおすすめします。
日本には広告に嘘の好条件の物件を出しお客さんを来店させるおとり広告と呼ばれる営業手法が存在します。
おとり広告は宅建業法で禁止されているのですが、多くの不動産屋が採用しており、
誰もが知っている有名店や大手フランチャイズ店も例外ではありません。
7. 不動産フランチャイズだから儲かるとは限らない
まず言えることは、不動産フランチャイズに加盟したからといって儲かるとは限りません。
フランチャイズに加盟することで高いネームバリューを背負って経営ができます。
さらに、フランチャイズ独自のシステムを利用することで効率的に業務を行うことができるでしょう。
しかし、それらのメリットを活かすことができなければ期待する成果を得ることは難しいと言えます。
つまり、フランチャイズのメリットに様々な努力を加算することで成功にたどり着くのです。
8. 不動産フランチャイズが必ずしも良いわけではない!会社選びは重要
「おとり広告」を使っている会社では、正直信頼できるかと聞かれたら、まっとうな経営をしている会社と比べたら信頼はできませんよね。
不動産会社によってはセミナーを開催して、事前に自社がどんな会社であるのかを伝える取り組みをしている会社も存在します。
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