サブプライムローンという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
リーマンショック時に何回か耳にした言葉ではありますが、その内容までは詳しく理解できていない人が多いのではないかと思います。
そこで、今回はリーマンショックの原因となったサブプライムローンについて分かりやすくご紹介します。
サブプライムローンは一見便利な制度ではありますが、落とし穴だらけの諸刃の剣です。
結果として、リーマンショックという世界的な金融危機の引き金を引いてしまったこの住宅ローンの一種、サブプライムローンの詳細を知ることは、今後の不動産投資やローンを組む際の教訓として生かすことができるので、ぜひ参考にしてください。
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目次
1. サブプライムローンについてわかりやすく解説
まずサブプライムローンの基本的なことについてご紹介します。
プライムローンとは
プライムローンとは一般的なローンで、信用力のある人が低金利で組めるローンのことです。
おそらく住宅ローンを利用している人のほとんどの人が、このプライムローンを利用しています。
公務員や会社員の方などは比較的に借りやすいと言われています。
一方、自営業の方は難しいと言われており、ローンを組むことができても金利が高くなる可能性があります。
サブプライムローンとは
サブプライムローンとはプライムローンを利用できなかった人向けの住宅ローンです。
つまり、信用力のない低所得者向けの高金利の住宅ローンのことを指します。
アメリカの住宅ブームを背景に、2004年頃から住宅ローン専門会社が続々と融資を増やしました。
サブプライムローンはプライムローンに比べて金利がとても高いことが特徴です。
金利が高いということは、返済金額がかなり高くなってしまいます。
もし返済できなくても家を売却すれば返済しなくても済むということで人気になりました。
プライムローンは会社員や公務員といった信用力のある人だけに貸していたのに対して、サブプライムローンは借金がある人やフリーターにも貸していたのです。
サブプライムローンは巧妙に隠されたリスクがある
信頼度が低くても住宅ローンを組むことができるサブプライムローンですが、様々な金融商品に組み込むことで世界中の投資家がサブプライムローンにお金を流しました。
しかし住宅バブルの崩落に伴い、サブプライムローンは不良債権化し、それに伴ってサブプライムローンが組み込まれている金融商品の信用も落ちたことで、危険とみなした世界中の投資家が投げ売りを始め、株価の下落につながりました。
サブプライムローンの仕組みについて
サブプライムローンの基準は
- 借入が所得の半分以上
- 過去1年間に約1ヶ月以上の滞納が2回以上
- 過去5年以内に破産したことがある
で、上記に当てはまる人はサブプライムローンを利用することができます。
これほど信用力が弱くても借入できるということは当時からしては最高のシステムで、返済できなくなっても家を売却すればいいのでリスクがないと言われていました。
こうした流れから住宅バブルが加速していったのです。
2. なぜ低所得者が借入する事が出来たのか?
お金を貸し出す上での一番のリスクは、借りた人が破産して返済ができなくなるということです。
そのため本来は信用力がないとお金を借りることができませんが、サブプライムローンは金利を高く設定することで、損失分を賄う仕組みでした。
この頃のアメリカの住宅価格は高騰を続けており、高金利のサブプライムローンを組んだ後で購入した家を担保にして低金利の住宅ローンに借り換えをすることができたため、低所得者でも住宅の購入ができたのです。
サブプライムローンは、ローンを組んだ最初の頃は普通のローンより金額が低いですが、数年後には返済額が急上昇するので返済だけで精一杯になってしまいます。
3. サブプライムローンの崩壊の要因
次にサブプライムローンが崩壊してしまった原因についてご紹介します。
サブプライムローンの危険性
不動産バブルが背景に合ってサブプライムローンはとにかく借りやすく、返済ができなくなっても担保である家を売却することでローンの金額を返済することができました。
ローンを貸す側も借りる側も軽い気持ちだったのです。
当時のアメリカは住宅ローンで儲けることしか頭になかった為とても適当でした。
この現象は日本のバブル期にとても似ています。当時の日本の銀行も「土地を担保にする」と口で言っただけで簡単にお金を貸していたほどです。
その結果、住宅価格が大暴落してアメリカのFRBが金利を調整してしまい、一気に崩れてしまいました。
不動産値下がりによる崩壊
住宅と土地の価格が大暴落したことで、サブプライムローンを利用していた人は家を売っても安値でしか売れないため、ローンが残ってしまいました。
その結果自己破産や滞納をする返済不能者が続出してしまったのです。
これによってサブプライムローンを融資したローン会社は貸し出したお金を回収することができず不良債権を大量に抱え込むことになり、この不良債権化されてしまったサブプライムローン証券が組み込まれた金融商品を取り扱っていた銀行は続々と倒産していきました。
証券化と拡散が要因の1つ
サブプライムローンはとても人気でしたが、その反面とてもリスクのあるものなので、投資家には債権として販売していました。
サブプライムローンは信用のある企業によってかなり高い評価を与えられていたので、世界中の投資家が安心して購入してしまっていたのです。
その結果がリーマンショックに繋がっています。
4. サブプライムローンの破綻によって起きた出来事
サブプライムローンの破綻により様々な出来事が生じました。
リーマンショック
リーマンショックとは、アメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことを発端として世界的な不景気を引き起こした現象のことを指します。
アメリカで発生したものですが日本にも影響が及び、日本も長らく不景気でした。
リーマンショックは土地代の下落という住宅バブルの崩壊をきっかけに、サブプライムローンだけにとどまらずプライムローンやカードローン関連など多くの金融資産の価格暴落を引き起こし、それらに関わっていた銀行などに大きな負債を与えました。
それにより、アメリカではドルの価値が下がってしまい不景気に突入してしまったのです。
リーマンショックについては以下の記事で詳しく解説しています。
大手保険会社のAIGの損失を出す
先ほどもお伝えした通り、サブプライムローンは証券化されて投資家に販売されていたのですが、この証券にはリスクがあった為、保険をかけていました。
この保険商品を販売していたのが、AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)というアメリカ最大の大手保険会社です。
保証内容は購入した金融商品が債務不履行になった場合元本を保証するというものであったため、経営危機に陥っていたAIGがこのまま倒産すれば、この保険に加入している経営難の金融機関は最後の砦を失うことになり世界的な経済パニックになるとして、FRBは約9兆円の緊急支援を行い破綻は免れました。
FRB…The Federal Reserve Boardの略で、アメリカの銀行に関する最高意思決定機関のこと。日本で言う日銀のようなものです。
世界の株安が始まった
こうした世界的に大きな問題が多発すれば世界中の投資家は安全な国に資産をつぎ込みます。その結果、急速なドル安が進み各国の輸出産業に大きなダメージを与えるようになりました。
こうしたことから世界経済のバランスが悪くなってしまい、リーマンショックとは関係のない国も巻き込まれてしまったのです。
このような問題は投資家の心理が大きく反映されるため、結果としてその不安が株の大暴落という思いもよらぬ出来事を引き起こしてしまったと言えます。
5. サブプライムによる日本の影響
日本にも大きな影響がやってきました。
日本の大手メガバンクであるみずほや三菱UFJなどもサブプライムローン関係の金融商品を購入していたので損失を出してしまい、その結果株価が下がってしまい日経平均も下がってしまいました。
さらに当時は日本円は安定通貨として大量に購入されていたため、円高を招いてしまい、輸出産業で儲けていた日本企業は大きな赤字を出してしまったのです。
日本は立ち直るのに時間がかかってしまい、他の国と比べてかなり出遅れてしまいました。
6. サブプライムローンの原因を知ることでリスクヘッジに!
リーマンショックと日本のバブルは少し似ています。
しかしリーマンショックはアメリカという、世界経済の中心である国で興った不況であったため、世界中の景気が悪くなってしまいました。
このサブプライムローンが引き起こしたリーマンショックという過去の世界的金融危機から私たちが得られる教訓は、爆発的に人気と価格の上がった金融商品は注意しなければいけないということです。
もしその金融商品にお金を使いたいのであれば全資産の一部にとどめましょう。
目先のお金に釣られてしまい失敗してしまった人は、自己破産するしか方法はありません。
投資にはリスクは付き物ですので、リスクヘッジとして資産をうまく分散させ、もしまたこのような金融恐慌が発生してもなるべくダメージを受けないようなポートフォリオを作る必要があるでしょう。
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