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抵当権について分かりやすく簡単解説!|抵当権を設定する方法とは?

銀行でローンを組む際に、度々「抵当権」という言葉がでてきます。

「ミナミの帝王」や「ナニワ金融道」といった金融漫画にも頻繁に登場するこの言葉、「借金のカタ」というモヤッとした認識はあるけれど、なんだかややこしいものというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?

確かに「抵当権」の具体的な内容を理解せずにローンを組むことは、とてもリスキーなこと!

金融漫画のようなトラブルを引き起こす可能性もないとは言えません。

この記事では、

  • 抵当権とはそもそも何なのか?
  • 抵当権にはどんな特性があるのか?
  • 抵当権の設定方法とは?

といった、ローンを組む時に知っておいてほしい「抵当権」についての基本を詳しく解説していきます。

1. そもそも抵当権とはどんなもの?

抵当権とは、銀行がお金を貸して、お金を借りた人が返済できなくなった時に、お金の代わりに土地や建物で弁済を受ける権利のことをいいます。

もし、自分が人に3,000万円を貸す場合、返ってこなかった時の事を考えるととても心配ですよね。

いくらその人のことを信用していても、お金が戻ってこなかった時のための連帯保証人だったり、3,000万円相当の何か別の返済手段を保証して欲しいと思うのではないでしょうか。

銀行も同じで、できればお金を貸したいけれど、貸し倒れというリスクは軽減したい、という考えがあります。

なので、高額ローンを組む場合は、抵当権を設定しなければ銀行はお金を貸してくれません。

抵当は担保の中の1つにあたる

抵当権について知るには、「担保」という言葉を理解する必要があります。

担保とは、もし借りたお金を返済できない場合に備えて、代わりにそのお金に見合った価値のものを確保することです。

担保にはいくつか種類があり、抵当権も担保の一つになります。

代表的な担保の種類

  • 電気の修理屋さんが、修理代金と引き換えに直した電化製品を渡すこと・・・留置権
  • 質屋さんが高価な宝石と引き換えにお金を貸すこと・・・質権
  • 金融機関や大家さんが連帯保証人を担保にお金や部屋を貸すこと・・・人的担保
  • 金融機関が建物や土地を担保にお金を貸すこと・・・抵当権

抵当の特徴とは?

上記でも説明した質権や留置権の場合、質屋さんなら高価な宝石はお金が戻ってくるまでは質屋さんのものとなり、電気屋さんなら修理代金をもらえるまでは、直った電化製品は電気屋さんのものとなります。

しかし、建物や土地を担保にした場合、その土地や建物がお金を返済するまで銀行のものとなっていたら、その土地に家やマンションを建てたり、建物を利用しての賃貸経営をすることができません。

抵当の大きな特徴として、土地・建物の所有権を銀行側に引き渡さずに担保にすることができます。

しかし、抵当権は債務者にとって有利なことばかりではありません。抵当権には、設定する際に知っておくべき4つの特性があります。

  1. 抵当権は、債権とセットなので債務(借金の返済)が終わるまでは消滅しない
  2. 債権が別の人に渡った場合も、抵当権もセットで別の人に渡る
  3. 抵当権は全額返済を行った場合に、はじめて消失する
     借入金を半額返済したからといって、部分的に抵当権が消失されることはない。
  4. 担保としていた不動産が災害にあって無くなったり、価値が下がった場合、補填された保険金や補償金も担保として差し押さえることができる

この特性はあまり知られていませんが、債務者にとっては決して有利とはいえない内容。抵当権設定をする前に十分に理解しておくことが大切です。

抵当権はどんな時に活用されるのか?

抵当権の活用として一番身近なのがマイホームローンを組む時ではないでしょうか?

マイホームローンを組む時、多くの人は購入した自宅に抵当権を設定することになると思います。

そして購入者は、ローンを返済している間も、自宅に住むことができます。

もし、ローン返済が困難となった場合は、銀行に自宅を競売にかけられ債権回収に充てられることになります。

不動産投資や会社資金など高額のローンを組む場合も、所有している不動産を抵当権に設定することができます。

2. 抵当権の設定について

抵当権の設定とは、ローンを組む時に、債務者(ローンを組む人)所有の土地や建物を担保に設定することをいいます。

具体的にいうと、司法書士を介して「抵当権設定登記」を行うことです。

登記とは、不動産や会社の権利関係に関することを公示(社会に公開)すること。

不動産に関していえば、建物を新築したり、売却する時に不動産登記を行うことはよく知られていますが、抵当権を設定する場合にも登記を行います。

抵当権設定をすると登記簿に

  • 抵当権者(銀行名)
  • 債務者(抵当権設定者)
  • 登記の目的・原因
  • 借り入れ金額や利息
  • 損害金

といった内容が登記に記載されます。

通常、抵当権設定登記は、ローン実行日と同じ日に行うことになります。

抵当権設定をする時は、登録免許税と司法書士費用がかかります。登録免許税は、借入金額の0.4%、司法書士費用の相場はおよそ3~5万円くらいといわれています。

抵当権設定者とは?

抵当権設定には、抵当権者抵当権設定者といったよく似た言葉が出てきます。

分かりやすく説明すると

例)Aさんが不動産を担保に銀行でローンを組んだ場合
抵当権設定では、銀行(債権者)は抵当権者となり、Aさん(債務者)は抵当権設定者となります。

通常は債務者が抵当権設定者となりますが、債務者が担保の不動産を第三者に譲渡した場合は、抵当権ごと第三者に渡ることになります。

3. 何回でも抵当をつける事ができる

抵当権は、1つの担保に1つの抵当をつけるイメージがあるかもしれませんが、借り入れ金額よりも担保の価値が大きい場合は、何回もつけることができます。

抵当権が複数ついている場合、一番最初に返済しなければならない抵当権を「第1順位抵当権」といい、その次が「第2順位抵当権」と、優先的に返済すべき抵当権が順位づけられています。

この順位付けはどうやってするのかというと、抵当権設定登記を法務局で行った順番で決まる早いもの勝ちとなっています。

銀行ローンでは通常ありえませんが抵当権設定登記を行っていない場合、必然的に優先順位が下になっていきます。

4. 抵当権を設定する事で銀行でローンが組めるので、抵当権について良く理解しておこう!

抵当権を設定することで、多額の資金を必要とする不動産購入の際、お金を借り入れることができます。

しかし、抵当権は全額返済しなければ消失しなかったり、担保となる物が災害で損失した場合は、補填された保険金や補償金まで差し押さえることができたりと、債務者にとって不利な特性も持ち合わせております。

ローンで抵当権を設定する場合は、抵当権の特性・内容についてしっかり理解しておきましょう。
 

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