東京オリンピックの開催もあり、都心に需要が集中しているタワーマンション。
住む際に資金や入居準備をする方が多いですが、実は事前に把握しておきたいことがあります。それは、建物自体の耐震性です。
近年この日本では地震のニュースが多く、自然災害としてトップクラスに被害を及ぼすこともあり、住まいとして安全かどうかを心配する人が多いです。
今回はタワーマンションの耐震性の解説と地震対策の現状について紹介します。
1. タワーマンションの耐震性は大丈夫なのか?
1-1. 地震はいつくるかわからないからこそ皆不安に思うポイント
日本は地震大国と呼ばれています。
太平洋プレートやフィリピン海プレートが地下で巻き込まれているため、様々な要因で元に戻る力が放出し地震が発生します。
いつ地震が発生するか、研究機関や専門家が調べていても正確な状況はつかめないことが不安に思う要因の一つとなっています。
また、地震は定期的な周期で発生しているといわれています。
特に南海トラフ地震は過去100年前後の周期で発生しているといわれていますが、記録としての最近は1946年の和歌山県南方沖の昭和南海地震となっています。
東日本大震災もあり地震の周期にも影響があるのではとされています。生活していて突如発生する地震だからこそ、日々不安を抱えながら過ごすことになります。
1-2. 耐震と制震と免震の違いについて知ろう
地震が年間2025件と多い国だからこそ、建物に施される地震対策の3つを把握しておくことが大切です。
耐震とは
耐震は建物を支える柱などの強度を高め、地震の影響で揺れても壊れにくくすることです。
人間が手で押したぐらいで建物は壊れませんが、強大なエネルギーが短時間で建物に影響を与えます。強大なエネルギーを受けても問題ないレベルの強度を施すことが耐震の特徴です。
長周期振動と呼ばれる振動地点はタワーマンションから距離がありますが、建物自体が大きく揺れることで地震自体のエネルギーを長時間持続する現象があります。
地震における高層ビルの問題で深刻な状況になりやすいです。高層マンションなどの耐震構造では、長周期振動からの影響をどう防ぐかがポイントとなっています。
制震とは
制震は地震の揺れから来る力を吸収させ、揺れを大きく伝えてしまうことを防ぐ役割があります。
建物は地上から高いほど、上部の揺れは大きくなるため、高層に行くほどに被害が大きくなってしまいます。
そのため、タワーマンションなどでは、建物内部に揺れを制御させるおもりなどを利用し、揺れに逆らった力を加え、相殺させる方法をとることが一般的です。
建物自体の強度を上げても揺れないようにはできないので、装置を利用し揺れ自体を抑える方法が対策として有効です。
免震とは
免震とは地面の揺れを建物に伝えにくくするため、基礎の部分とタワーマンションとの間に、ボール状やロール状の装置を配置しています。
耐震・制震は地震の揺れの影響を受けてから力を発揮しますが、免震は揺れそのものの影響から逃れる構造になっています。
建物が揺れにくくなるため、地震の2次被害で多い家具家電の転倒や、ヒビ割れなどを防げます。
1-3. タワーマンションの耐震性は何を採用されているのか?
3つの仕組みを説明しましたが、多くのタワーマンションでは耐震に重きを置いた対策を実施しています。
タワーマンションでは地震以外にも高層ビルに多い突風の対策も必要になります。
横から受ける風は地上から高くなるほど強く、また風を受ける壁面積が広いため揺れが起きやすく地震以外の危険性も考慮が必要になります。
そのため、建物が揺れても壊れにくくする仕組みの耐震性を組み込んだタワーマンションが多くなりました。
1-4. タワーマンションを購入する場合は必ず耐震性の確認が必要になる
住宅は高額商品のため、購入の際には事前の確認事項の把握が必須です。
高額な買い物だからこそ表面状では確認しづらい地震対策の詳細を理解した上で購入を決める必要があります。
不動産会社に問い合わせることで、必要情報の開示や建築途中の建物であれば、見学会などで内部状況を確認できます。
今後長期間住む家をチェックしないことはないと思いますが、建物の構造を把握することで購入後のトラブルを防ぐことができます。
保険加入をおすすめする理由
地震の多い地域でタワーマンションを購入する際には、地震保険の加入をおすすめします。
タワーマンションは地上から高いこともあり、外部環境の影響を受ける可能性があります。特に地震はいつ起きるか予測がつきません。
購入した次の日に地震が発生という可能性もゼロではありません。そのため、購入した住居を守るためにも保険への加入をおすすめします。
2. 高層マンションの地震対策の現状
2-1. 最新の高層マンションの建築基準は免震と耐震が基準になっている
建築時に耐震関係の基準がなければ住まいとして成立しません。
そのため基準を設けてますがタワーマンションでは耐震と免震を取り入れる建物が多いです。
地震自体に耐えるために地中に杭を打ち建物を支える技術や、地震の揺れを減らすために建物に緩衝装置を取り付け横揺れを減らす技術が建築をする際の基準になります。
2-2. 部屋が頑丈でも家具が倒れる可能性がある
高層マンションでは、地震の揺れが高層になるほど大きくなります。揺れる幅が大きいことが原因の一つです。
部屋自体が壊れないような構造でも建物全体が揺れてしまえば、家具家電に影響します。高層マンションでは、地震防止のストッパーや耐震用のつっかえ棒などで揺れても動かないようにすることで倒れる危険性を減らせます。
阪神淡路大震災では、地震発生が早朝のため、寝ているところに上から家具などが降ってきてけがをしてしまうケースが多かったようです。安全に暮らすために事前の配慮が必要です。
2-3. 高層マンションは長周期地震動には向いていない?
高層マンションに住む際には、「長周期地震動」という単語を理解しておく必要があります。
内容は地震の震源地がタワーマンションから距離があったとしても、建物自体が大きく揺れること可能性がある現象です。
地震自体のエネルギーが大きければ大きいほど長時間揺れが持続します。この現象が高層ビルでは高い位置ほど揺れを大きくするため深刻な問題になりやすいです。
耐震構造を備えていても、未だ多くのタワーマンションでは長周期地震動を想定して建設していない建物が多いです。最近建設されたからとはいえ、対策がされているかは不動産業者に確認をしておくことが重要です。
2-4. 新しい建物でも完全に安心とは言えない
新築で建てられたからといえ地震対策が万全とは言えません。地震対策自体が費用が掛かります。
もともとタワーマンションは立地もよく利便性にも優れた土地を利用しているため金額が高くなりやすいです。
その上、建物自体の耐震設備を取り入れるとなるとコストが膨大になります。
耐震性の軽視はしていませんが、設備が限られる可能性があるため事前に不動産会社に確認することが重要です。
2-5. 小さな地震でもタワーマンションでは大きな揺れになる場合も
地上付近ではほとんど揺れを感じない場合でも高層ビルやタワーマンションでは大きな揺れに感じます。
理由は、地震の振動が建物の揺れと連動し、共振作用でより大きな揺れを生み出してしまうことです。体感では感じないレベルの揺れでも、建物には大きな影響を与えるため、高層マンションなどに住む際は注意が必要なポイントになります。
2-6. 1週間分の飲料水は用意しておく必要がある
タワーマンションの問題点として移動手段が限られることが挙げられます。タワーマンションで自室まで行く際には、エレベーター、階段の手段を利用します。ですが、地震や故障などの問題が発生した場合には、通路が断たれる可能性があります。
通路が復旧するまでの間の生活を維持するための補給準備をしておくことで不測の事態に対応できます。空きの2ℓペットボトルに水を入れ、保管しておくだけでも十分効果があります。
1週間分の飲料水は保管しておくことをおすすめします。
2-7. 高層難民にならないようにするためには自分で備えておく必要がある
不測の事態ではパニックになりますが、タワーマンションだからこそ事前準備と避難経路の確認をしておくことが大切です。
自身で選び購入した物件なので様々な感情が湧き上がります。
ですが、第一に考えるべきは自身や家族の安全です。復旧までの時間も変化がありますし、問題が起こってからの対策は遅いため、何よりも前もっての対策や保険をかけておくことがタワーマンションで生活するうえで大切です。
3. タワーマンションを購入する場合は耐震性がどうなっているのかを要確認!
高価な買い物となる住居の購入。設計時や建築時に確認がしやすい戸建と違い、マンションは建築されてから確認する人がほとんどです。
一度立ててしまうと内部を見学することは容易でないため、事前に不動産会社や建築会社と連絡を取り耐震性や建築構造の確認をすることが大切です。
確認不足で耐震環境が適切でなかった場合に、後から把握しても手遅れの可能性もあります。事前にチェックをすることで住環境をより良いものにすることができます。
そして、耐震性について知っておくことは収益物件を選ぶ際にも重要なこと。耐震性の高い建物を選ぶことで多くの入居者が安心して住んでくれることでしょう。
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