出張や旅行などで地方へ行くと、どこでもコンビニが見つかり、便利なものです。特に大手コンビニチェーンだと、日本全国どこにいっても、いつもの味、いつもの商品が手に入るので、安心感がありますよね。
このように人々の生活に密着してきたコンビニですが、今その形態が変わろうとしています。
コンビニの店舗数は年々増え続けてきましたが、その裏で店を閉めるコンビニもチラホラ。
実際のところ、コンビニ経営はそれほど簡単なものではないようです。そんな中、新たなサービス展開でコンビニ市場の競争が激化しそうな様相に。今回は世間で話題となっているコンビニの新たな「あのサービス」に注目したいと思います。
ファミマ、2023年までに300店にコインランドリー設置
コンビニ大手の一つ、ファミリーマートがコインランドリー事業に乗り出しました。
コンビニ併設型のコインランドリーとして24時間営業、さらに洗濯料金も300円からとリーズナブル。また最近よく見かけるイートインスペースも設置しているので、「ついでに洗濯」または「ついでに買い物」など、新規顧客の獲得を目的とし、売り上げ増加を狙っています。
ファミリーマートといえば、東京都大田区に業界初の「24時間フィットネス」をオープンさせたことでも話題になりました。
こうした動きはファミリーマートだけではありません。セブンイレブンでもシェア自転車のサービスを展開することが決まり、街のコンビニの姿が変わり始めています。
コンビニ市場はすでに飽和状態?
コンビニ業界が異業種とコラボし、コンビニに付加価値をつけようとする背景には、すでに飽和状態とも言われているコンビニ業界の現状が。
日本のコンビニはインフラと化し、大手コンビニを中心に都会から田舎まで、あらゆるところで営業しています。これまで人々のライフスタイルにも上手くマッチし、生活の拠点としての機能も果たしてきました。
そんなコンビニの売り上げが、ここにきて減少しはじめ、業界全体に危機感が蔓延。コンビニ人気に陰りが出始めている理由の一つには、ネット通販業界の成長があります。
ネット注文で翌日には配達してくれるシステムは、単身や共働き家庭を中心に利用の拡大が目立ちます。便利なはずのコンビニは、ネット通販の陰に隠れて、もう便利ではなくなったのかもしれません。
異業種とのコラボ戦略で、コンビニ生き残りへ
コンビニ業界の厳しい現実を考えると、異業種との業務提携は、生き残りをかけた経営戦略に。
これまでコンビニ間での競争といえば、お弁当の種類や味、オリジナル商品の販売など、商品開発に力が注がれてきました。しかし今のコンビニ業界では、全く違ったサービスを提供することでの競争が激化しています。
今回ファミリーマートがはじめたコインランドリーは、お客のニーズを掴んだ戦略です。ひと昔前のコインランドリーといえば、家に洗濯機がない貧乏な単身者が通うといった、どこか暗いイメージが。
しかし最近では布団が丸洗いでき、大容量で一度に大量の洗濯ができるということで、家庭の主婦にも人気。
コインランドリー需要の高まりに注目した今回のファミリーマートの戦略は、様々な業界からも注目を集めています。
今後コンビニはどうなる?
今後コンビニと提携する業種は多岐にわたる可能性が。これからの高齢化社会を見据えて、介護福祉のサービス展開も進んでいきそうで、地域に密着した事業展開に期待が集まっている面もあります。
一方で、人口減少問題を考えると、コンビニの数自体はこれ以上増加する必要はないかもしれません。こうした競争激化の裏で、生き残れないコンビニの倒産リスクは上昇するかもしれません。
参考記事:財経新聞 2024年4月3日「ファミマ、コインランドリー併設店舗をオープン 「Famima Laundry」展開」