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不動産特定共同事業法って何?|平成29年度改正内容も簡単に解説

不動産特定共同事業ってご存知ですか?

一般的に不動産投資といえば、不動産を購入するだけのまとまった資金がなければできないと考える人が少なくありません。

しかし、不動産特定共同事業を利用すれば、小口に分けて投資することができるのです。

 

つまり、1人で購入するのは厳しいが、100人で購入すれば、それほど厳しくないという考え方です。その代わり、収益が100分の1になるのは仕方ないところですね。

いずれにしても、不動産投資に興味のある人なら利用してみたい制度でしょう。

その、不動特定共同事業を規制している法律が平成29年に改正されました。

法改正により投資家にとって、ますます利用しやすいシステムになったといえます。規制緩和がキーポイントです。

今回は不動産特定共同事業法について解説、法改正による不動産投資の今後を考察していきます。

目次

1. そもそも不動産特定共同事業法って何?

まず不動産特定共同事業とは、投資家などから小口の資金を集め、その資金をもとに不動産投資をする仕組みです。収益が得られると投資された金額に応じて分配されます。

 

そして、平成6年に制定された不動産特定共同事業法で

  • 不動産の適正な利用
  • 投機的取引の抑制に配慮
  • 広告や勧誘の規制・制限
  • 契約は書面で行う

などを規定することで明確な運用ができるようにしたのです。

不動産特定共同事業を運営するためには、国土交通大臣や都道府県知事の許可が必要であり、高めのハードルのため、大手不動産会社が運営の中心になっていたのが現実です。

2. H29年度の不動産特定共同事業法の改正内容について

平成29年3月に不動産特定共同事業法の改正案が閣議決定されました。改正内容のポイントをご紹介します。

2-1. 小規模特定共同事業の創設について

不動産特定共同事業を実施するためには許可が必要ですが、厳しい要件のため参加できる事業者が限定されていました。

そこで、参加できる事業者の間口を広げるために小規模不動産特定共同事業が設けられることになったのです。

2-2. クラウドファンディングに対応した環境整備について

現在、資金集めの方法として、クラウドファンディングが普及しています。クラウドファンディングとはネットで資金を集めプロジェクトを行うことを言いますが、まだ法的な整備がされていないのが現状です。

そこで、不動産特定共同事業法の改正により法的に整備されることになりました。

2-3. 良質な不動産ストックの形成を推進するための規制の見直し

特例などを設けることで、不動産特定共同事業の規制を緩和し、一般の投資家も事業に参加しやすくなりました。

投資家が増えることで、不動産ストックへの投資が進み良質な物件が形成されます。当然、取引も増え契約件数も増加するでしょう。

3. 今回、不動産特定共同事業法は何故改正されたのか?

そもそも、不動産特定共同事業法は、平成6年6月に制定されています。

なぜ、今回法改正がなされたのでしょう?法改正のポイントをご紹介します。

3-1. 不動産市場の活性化が目的

空き屋問題などで沈滞化している地方の不動産市場を活性化するのが目的です。

現在の不動産特定共同事業法では、大手不動産会社のみの参入のため、業務の中心が大都市圏の物件になり、地方の小規模な物件については手付かずの状態だといえます。

途方の老朽化した空き屋の再生を命題として規制緩和に踏み切りました。

高い要件のため事業に参加できない中小企業からの事業参加の期待もあり、要件を緩和することで地方の物件を活性化するのが狙いです。

3-2. 改正された事によってどんな効果が得られるのか?

法改正の効果としては、目標として、地方の中小企業が参入することで、投資される資金により空き屋を再生することができます。

今まで放置されていた物件に投資することで、不動産市場が活性化することが期待できるでしょう。

3-3. 不動産特定共同事業が改正される前はどんな状況だったのか?

法改正前には、不動産特定共同事業法により、国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要なため事実上狭き門とされていました。

一般的には、厳しい条件をクリアできる大手不動産会社により運営されることになります。

ところが、法改正後は特例事業として、例外的に不動産特定共同事業の許可が必要でなく主務大臣への届出で運営できるようになりました。大手不動産会社の独占的な事業ではなくなったのです。

4. 今回新たに環境整備されたクラウドファンディングについて

クラウドファンディングの環境が整備されました。

クラウドファンディングの創設により、今後、不動産特定共同事業の運営がどのような変化をもたらすのでしょうか?

4-1. クラウドファウンディングにはどんな意味があるのか?

そもそも、クラウドファンディングというのはインターネットを通じて多くの人から出資を募り、その資金を活用してイベントを企画したり商品を開発したりなどというプロジェクトを行うことを言います。

たとえば、自分が行いたい事業・投資をするために資金調達として、その事業に賛同してくれる人にインターネットで呼びかけるようなイメージですね。

4-2. クラウドファウンディングが創設されてどう変わるのか?

クラウドファウンディングは、今回の法改正のメインとして位置づけられています。地方に点在する空き屋などを解消するためには資金が必要です。

しかし、アイデアはあっても資金がないために動かないのが現実でしょう。

そこで、資金を集めやすい環境を創設したのです。

全国の投資家が興味を持てば、今まで手付かずであった空き屋でも、優れた再生のアイデアがあれば共感を得ることができるでしょう。

資金が集まれば、空き屋の再生が現実となるのです。

4-3. 不動産を再生する上でクラウドファウンディングが重要になってくる

不動産を再生するための魅力的なアイデアがあれば、クラウドファウンディングという手段で資金を集めることができます。現在、地方では不動産を再生するための熱意が高いとはいえません。

しかし、クラウドファウンディングを利用することで、アイデアひとつで再生可能となれば、地方が魅力的な不動産市場となるのです。不動産投資家にとっても魅力ある投資先となるでしょう。

5. 小規模不動産特定共同事業ができた事により、今後不動産市場はどうなっていくのか?

法改正により追加された小規模不動産特定共同事業は、不動産市場に今後どのような影響を与えるのでしょうか?

加入するための条件や地域活性化のための可能性をご紹介しましょう。

5-1. 小規模不動産特定共同事業に加入する条件について

小規模不動産特定共同事業とは、地方の中小企業が不動産特定共同事業のシステムに参入しやすくするために参加要件を緩和したものです。応募により審査を通れば事業者として認められます。

小規模不動産特定共同事業における主な要件表

小規模不動産特定共同事業者
事業者になるための手続 主務大臣または都道府県知事による登録
資本金 1,000万円以上
純資産 純資産≧(資本金または出資の額×90/100)
免許 宅地建物取引業
投資家から受けることのできる出資の合計額 1億円以下
投資家一人当たりの出資額 100万円以下(特例投資家については1億円以下)

詳しくは、国土交通省で作成された「小規模不動産特定共同事業パンフレット」に必要な事項が記載されています。

参照URL:国土交通省・小規模不動産特定共同事業パンフレット

5-2. 資金の調達がしやすくなり不動産の再生事業が行われ、地域が活性化する

小規模不動産特定共同事業者になると資金調達の道が開かれるため、地方の中小企業により不動産が再生されるでしょう。

法改正の目的である地方の空き屋問題の解消につながる可能性が高まります。

人が離れていく過疎地の空き屋問題が解消されると、空き屋だけではなく地域の活性化にもつながるでしょう。地域の活性化により不動産価格も上昇するかもしれません。投資家であればチェックする価値がありそうですね。

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2024.03.06

6. 今後、不動産特定共同事業法は改正により不動産投資はどうなっていくのか?

不動産特定共同事業法が改正されたことで、不動産市場の活性化が見込めそうです。

投資家に向けて、法改正が今後の不動産投資に与える影響をご紹介しましょう。

6-1. 不動産投資家の投資の幅が広がる

法改正された不動産特定共同事業により、不動産の小口投資の窓口が広がることになります。

小口の資金を集めて投資資金とし、収益を投資額に応じて分配する手法は、そもそも不動産投資信託などで運営されていました。

代表的な商品としては「REIT」があります。小口投資としては、お馴染みでしょう。

そして、さらに不動産特定共同事業が加わりました。投資家としては選択肢が増えるのは喜ばしいことですね。

6-2. 不動産を再生する事で周辺地域一帯の不動産の価値を上げて活性化させる

たとえば、閉鎖しかけている商店街を再生により活性化することができれば村おこしにも役立ちます。

商業施設の再生は、地域にとって大きな恵をもたらすでしょう。人が増えて賑わえば、周辺地域の不動産の値上がりにもつながります。

6-3. 今まで使用されていなかった空き家や空き店舗の価格が上昇する可能性もある

不動産特定共同事業法の改正により、空き屋や空き店舗にスポットライトが当たります。

現在、地方には、まったく手を付けずに放置されている空き屋や店舗が少なくありません。その放置された物件に対して新たな投資物件としての役割が与えられるのです。

7. 不動産特定共同事業法の緩和により今後ますます不動産市場は活性化されていく!

不動産特定共同事業法が改正されたことで、今後、地方の中小企業が事業に参入するケースが増えるでしょう。

優れたアイデアがあれば、クラウドファウンディングを利用した資金調達により地域を活性化できるとういうプロジェクトが利用できるのです。

社会問題化している空き屋問題の解消方法として期待されているのはもちろんのこと、投資家にとっては、新たなチャンスを手に入れることができるツールかもしれません。

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