ホテルの新規参入は外資系の時代?外資系ホテルの運営受託の実態とは

東京オリンピックでは訪日観光客の増加が見込めるため、ここぞとばかりに不動産の買い占めが行われ、オリンピック特需にあやかろうとする人が増えてきました。

そのオリンピック特需にあやかろうとするのは個人投資家だけでなく、大手企業もオリンピック特需をビジネスチャンスと捉えており、訪日観光客の増加に向けたホテルの建設ラッシュがピークを迎えています。

しかし、大手企業がホテル建設を行う一方で、その運営を行うのが日系のホテルではなく外資系のホテルが行うようになってきました。

なぜ、日本国内のホテルではなく外資系ホテルが運営受託を行うのでしょうか?

大手企業が建設し、外資系ホテルがホテルの運営受託を行う実態について見ていきましょう。

訪日観光客が年々増え続けている

日本を訪れる外国人観光客は年々増加しており、2017年には2800万人に迫る勢いで、政府が目標として掲げる2020年の4000万人も現実的なものになってきました。

大阪や東京などではシティーホテルの稼働率がほぼ満室状態であるなど、増え続ける訪日観光客の需要に対して十分な宿泊場所の供給を行うことができていません。

大手不動産からすれば、過剰供給によって空きが目立ち始めた賃貸運営やオフィスビルなどの運営と比較すると増え続ける訪日観光客に対するビジネスは息の長い安定したビジネスと言えるため、大手不動産としては何とかしてホテル事業に参入したいと考えていました。

そこで目を付けたのが、建設したホテルに対する外資系ホテルの誘致です。

訪日観光客向けのホテルには外資系のブランド力が必要

国内にホテルを展開している企業が多いにもかかわらず、外資系ホテルをわざわざ誘致したのには理由があります。

日本人観光客が滞在することの多い場所には、日系ホテルの進出も見られますが、圧倒的に海外でのブランド力が高いのは外資系ホテルです。

訪日観光客にとって日系ホテルよりも、外資系ホテルの方が馴染み深いため、外資系ホテルのブランド力を利用して集客率を高めることが狙いと言えます。

実際に建設が進む外資系ホテルの実態

米マリオット・インターナショナルは、2021年に積水ハウスと大阪で高級路線のホテルをオープンすることを発表しました。

米ヒルトンも東急不動産が2017年3月に取得した「旧軽井沢ホテル」を2018年春、英インターコンチネンタル・ホテルズ・グループも大和ハウス工業と箱根に2019年、米ハイアット・ホテルズも20年までに10ヶ所といったように、外資系ホテルの誘致がピークを迎えています。

今回の外資系ホテルの共通点として挙げられるのは、一般的なホテルではなく、各外資系ホテルの中の高級ブランドシリーズを日本で初展開するという点です。

マリオットは「Wホテル」として337室を構え(内50m室はスイートルーム)、インターコンチネンタルも「ホテルインディゴ」として約100の全客室に温泉風呂(うち80室にはバルコニーに露天風呂)を備え、ヒルトンも「キュリオ・コレクションbyヒルトン」となっています。

東京オリンピック後のホテル業界の衰退はないのか

東京オリンピックに向けて訪日観光客が増えることは想像できますが、東京オリンピックが終了した後の需要がなくなることはないのでしょうか?

「日本の観光産業が急成長するこの機会を世界的なホテルブランドとして逃すわけにはいかない」ーMarriott International アジア太平洋地域 プレジデント&マネージングディレクター クレイグ・S・スミス

と日本のホテル業界への参入の意気込みだけでなく「五輪の本当の恩恵は長期的な需要の創出。五輪後も日本の観光市場は成長する」と五輪後の需要についても語っています。

しかし、みずほ総合研究所がCBREのデータから試算したところ、2020年には8都道府県のホテルの供給量が需要を11万室上回ってしまうという結果がでました。

オリンピック後も日本の観光市場が成長し続けたとしても、ホテルの経営は稼働率次第であるため、需要と供給のバランスが崩れ供給が増えすぎてしまった場合は、空き部屋の増加によって経営が困難になることが予想されます。

経営が悪化しても外資系ホテルの影響は軽微

外資系ホテルは運営受託やフランチャイズとしてホテル運営に携わるため、ホテルの売り上げの一部を手数料という形で受け取ります。

日本の不動産会社は建設費用の負担だけでなく、日常のランニングコストの負担も発生するため、外資系ホテルと比較すると日本の不動産会社の方のリスクが圧倒的に高いことが分かるでしょう。

外資系ホテルのブランド力を利用したリスクの高い計画が吉と出るか凶と出るかは、2020年の東京オリンピックが終わった後の訪日観光客の動向に全てかかっていると言っても過言ではありません。

参照:外資ホテルは五輪後も強気 新設続々、リスクは日本側 運営受託やフランチャイズ、大手不動産会社が投資担う
2018/1/24 日本経済新聞 朝刊
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO25519250Q8A110C1TJ2001?channel=DF220420167277&style=1

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