留学生は住まい探しに苦労する?賃貸住宅の入居拒否の実態とは

参照:外国人の入居、後押し…不動産業が多言語対応ー毎日新聞2018年1月19日 12時09分(最終更新 1月19日 15時46分)
https://mainichi.jp/articles/20180119/k00/00e/040/247000c

日本の住宅事情は、賃貸住宅の割合が住宅全体の4割程度を占めるようになり、賃貸住宅の需要が高まりを見せています。

需要の高まりによって賃貸住宅が乱立状態となった結果、空き家数も年々増加しており、総務省の調査によると平成25年時点での空き家数は約820万戸と総住宅数の約13.5%を占めるようになりました。

年々空き家率が右肩上がりに増えていっているにもかかわらず、留学生などの日本で暮らそうとする外国人たちが入居拒否によって住まい探しに日々奮闘しているという実態をご存知でしょうか?

外国人の入居拒否の実態について見ていきましょう。

留学生が入居拒否される主な理由

法務省の行った委託調査によると、過去5年間の間に住まい探しを行った外国人の39%が「外国人であることを理由に入居を断られた」と回答しています。

なぜ留学生なども含めた外国人の入居拒否が発生してしまうのでしょうか?

不動産会社がグローバル化に対応していない

まずは不動産会社が外国人に対して入居拒否を行う場合です。

不動産会社が外国人に対して入居拒否を行う理由として、不動産会社の規模が小さく語学に精通した人材が在籍していないことが挙げられるでしょう。

窓口が多言語対応できていないだけではなく、契約書の表記も多言語対応できておらず、日本語の理解力が乏しい場合には契約までは行えたとしても契約書の内容が理解できないため、後々トラブルが生じてしまうことが多くあります。

2017年の不動産業統計では、従業員数が4人以下である事業者の割合が全体の86%を占めるようになっており、少数精鋭の事務所では言葉の問題や後々のトラブルへの対応が行えないことから、最初から外国人に対して入居を拒否しているのでしょう。

文化の違いによるトラブルの発生

次にオーナーが外国人に対して入居拒否を行う場合です。

日本語の理解力が乏しい場合には、契約書の内容が理解できず、自分の価値観を基準に賃貸住宅を利用することになります。

そのような場合には、文化の違いによるトラブルが発生しやすく、特にごみの問題や騒音問題などによって近隣住民との間のトラブルが後を絶ちません。

オーナーとしては近隣住民との間でトラブルが生じ、退去者が続出してしまうことを懸念し、最初から入居拒否の姿勢を貫いているオーナーも数多く存在しています。

それだけでなく、転貸借が禁止されているにもかかわらず転貸借を行ったり、部屋の改造を行ったりなど後々の運用に支障が生じてしまうようなトラブルにも発展しかねないため、入居拒否はトラブルを事前に避けるための苦渋の決断とも言えるでしょう。

外国人の入居拒否は人権侵害

留学生などの外国人に対して入居拒否を行った場合には問題になるのでしょうか?

大阪地裁が1993年に「外国人に対する入居拒否は人権侵害に該当する」という判決を出し、家主に損害賠償を請求するまでに発展しましたが、このような人権侵害を認めたケースは1件だけでなく複数あります。

入居拒否という対応をとるのではなく、双方が安心して契約を行い、トラブルを未然に防ぐことができるような環境づくりを推進していくことが今後必要になってくるでしょう。

留学生30万人計画に備える

現在、政府は2020年をめどに留学生を30万人受け入れるという「留学生30万人計画」を目標に掲げています。

法務局によって発表された2016年末における日本の在留外国人の数は約238万人で、前年度より6.7%増加しているという統計結果から考えると、今後外国人に対する居住環境の需要は増加することになるでしょう。

日本社会は少子高齢化によって今後益々賃貸住宅の空き家が目立つようになるため、不動産会社だけでなく賃貸住宅のオーナーも対応に迫られるようになります。

居住環境の需要が増えることが予想されるにもかかわらず、賃貸住宅事業が外国人に対して入居拒否を貫いていてはせっかくのチャンスを自ら失ってしまうことになるでしょう。

まずは、不動産会社が語学に精通した人材の確保や契約書の多言語化など、グローバル化する社会に対応できるようにし、並行してオーナーへの働きかけを行うことで、空き家対策だけでなく外国人の利用者に対してもWIN-WINの関係を築くことができます。

リノベーションなどによって需要を高めたり民泊に進出したりするのも手段の1つですが、まずは需要が確実にある外国人に対する居住環境を整えることが安定的な賃貸住宅の運営につながるのではないでしょうか?

留学生30万人計画や外国人労働者などが安心して住まいを確保できる環境づくりが、今の賃貸住宅には求められています。

参照:外国人の入居、後押し…不動産業が多言語対応ー毎日新聞2018年1月19日 12時09分(最終更新 1月19日 15時46分)
https://mainichi.jp/articles/20180119/k00/00e/040/247000c

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