すでに土地を所有している人の中にはアパート経営を検討している人もいることでしょう。
好立地だと集客がしやすいですし、収益につながることから人気の不動産投資でもあります。
アパートの建築費用はかかりますが、新築物件のアパート賃貸オーナーとして新しい道が開けます。
アパート経営は建築費から収益などを計算し最終的にどのくらいの利益につながるかを計算することになります。これらの試算ですが正しく試算することで出口が見えてきて、経営としても成功につながるわけです。
経費の計算は想像以上に大変です。また立地や建物によっては予算よりも費用がかかることもあります。その点も踏まえて正しくじっくり計算することが必須となります。
ここではアパートの建築費や経営戦略について紹介していきます!
アパート本体の建築費一覧表|相場
アパートの建築費ですが構造によって単価が異なってきます。
安く上げるなら木造建築、頑丈に仕上げたいなら鉄筋など使い分けを検討する必要があります。ここではアパート本体の建築費一覧表を相場に基づいて紹介します。
構造別坪単価について
構造別坪単価(目安) | 坪単価 | 2階建(50坪) | 3階建(50坪) |
①木造建築 | 40~60万円 | 約4000万円 | 約6000万円 |
②軽量鉄骨 | 50~70万円 | 約4800万円 | 約7200万円 |
③重量鉄骨 | 60~80万円 | 約5600万円 | 約8400万円 |
④鉄筋コンクリート | 70~100万円 | 約6800万円 | 約10200万円 |
アパート建築費の計算式
上記表の坪単価を参考に実際の土地を想定してアパートの建築費を算出してみましょう
アパート建築費については「坪単価×延べ床面積」の計算式でおおよその見積もりを出すことが可能です。
- 延べ床面積=敷地面積×建ぺい率×階数
- 坪単価=構造別に積算することが可能です。(坪単価の金額は40万円から100万円と幅広くなっています)
アパート建築費用=敷地面積×建ぺい率×階数×構造別坪単価
考え方次第ですが例えば50年間の間に木造建築を2回建築するのと鉄筋コンクリートを1回建設するのと費用的にはそんなに遜色がない計算となります。
仮に50坪の敷地(建ぺい率80%)にアパートの2階建てを建設したとしましょう。構造別にみると下記となります。
- 木造建築 80坪(50坪×80%×2階)×40万円から60万円= 3,200万円から4,200万円
- 軽量鉄骨 80坪×50万円から70万円=4,000万円から5,600万円
- 重量鉄骨 80坪×60万円から80万円=4,800万円から6,400万円
- 鉄筋コンクリート 80坪×70万円から100万円=5,600万円から8,000万円
こうした状況から最安値で3,200万円、最高額で8,000万円と大きな開きがあることがわかることでしょう。
上記についてはあくまで参考の費用です。実際はそれ以上にかかる場合もありますし、ケースによっては安く済む場合もあります。
近年は消費税引き上げや物価上昇の影響もあり建築費も高くなっています。この傾向は少なくとも2023年までは続く見込みです。
本体以外の費用
アパートについては本体以外の費用についても見る必要があります。広告をなどではよくアパート1棟○○万円といった広告がありますが、その他の経費についても見積もる必要があります。
- ガス
- ベランダ
- 空調
- 排気水
これらの経費は必要経費ではありません。
例えば排水溝などすでに設備が整っているところであれば不要となります。郊外の敷地に土地を新しく整備するなど引き込みが必要な場合、費用が別途かかります。
なるべくなら経費を削りたいといった人が多いことでしょう。インフラの引き込み工事については基礎工事になる部分なのでどうしても必要となります。
この点は事前に把握しておくこと、また実際の経費を計算しておくことが大事です。別途工事費と付帯工事費にわけて紹介していきます。
別途工事費
まずは別途工事費についてです。
別途工事費ですが車庫や建設にあたり必要な土地改良工事などを示します。
車庫などは希望により建設となりますが土地改良工事は地盤が緩かったり、建設にあたりどうしても必要となる場合があります。
別途工事費はどういった場面の費用が該当するのでしょうか。下記にまとめてみました。
- 外溝工事
- 土地改良工事
- 解体工事費
- 車庫
- 壁(門など)
- 物置
付帯工事費
付帯工事費については下記が該当します。
- ガス工事
- ベランダ工事(電気など)
- 空調全般
- 給排水溝工事
- オプション工事(内装・外装)
ガス工事と給排水溝工事ですが場所によって引き込まれていないケースもあります。
特に郊外はそういった場所もまだ多数あります。その場合、工事費として300万円以上かかることも少なくないためじっくり検討することが大事です。
アパート建築費から考える出口戦略と事業計画
アパート経営は、アパートの新築をしてから部屋を貸し出し、収益を得るなど、運営には一通りの流れがあります。
そして、最終的には不動産投資の終わりを考えなければなりません。所有している物件をどうするかを考えるのです。
いくつかパターンを考えてみましょう。
・例えば30年所持など長期所持で経営を考えるパターン。特段問題なければ維持を続け収入を得られるといったことで問題ありません。
しかし、初期投資で資金を抑えたがため、数年で建物の劣化や資産価値が下がる。周辺環境が大幅に変わるなどあれば空室リスクの高い物件を所持することになりかねません。
・もう1つは何年か経営したのち手放すといった方法です。収益の回収ができた時点で手放すケースもあれば、築10年などの中古物件として価値があるうちに手放す方法もあることでしょう。継続して不動産投資を考え、新たに新築アパートの経営を始めることも念頭に入れてもいいかもしれません。
こうした作戦を出口戦略といった言い方をします。最終目標はどこに定めるのか?といった点が重視されます。
この2つの考え方ですが30年など長期の場合、長期に見合った建設及び運営が必要となります。10年めどの場合はまずは10年を目安に建設及び運営を検討します。
近年の建築費の市場動向
近年の傾向として不動産業界は「物価上昇」の傾向にあります。
アベノミクスや2023年の東京オリンピック開催の影響で景気が上向きなこともあり、人材(人件費)しかり、資材なども高騰しています。
また海外からも日本の不動産需要は高まっており、不動産価格もやや上昇気味です。この傾向は2023年の東京オリンピックまでは続くことが予想されます。
景気が上向きなこと、そして住宅ローン向けの金融も緩和されている状況なので現段階で消費者も不動産購入意欲が高まっている状況と言えます。
しかしながら2023年以降、不動産の需要は低下することも懸念されています。そうなると建設費もおのずと原価ダウンが予想されます。
建設するなら2023年以降が建設費が安くなる可能性があると推測しますが、需要を考えると首都圏はまさしく2022年、2023年が一つの目安となることでしょう。
自分の運用方針とあわせて上記状況を踏まえて検討してみてください。
アパート事業計画について
不動産投資は比較的固い投資で長期にわたり行うケースがほとんどです。特に好立地に土地を所有している人は運営のチャンスと言えます。
短期での投資ももちろん可能ですが、その場合でも5年や10年は見る必要があります。例えばアパート運営ならアパートを建設し、その後5年や10年など中古物件として価値がある時期に手放すといった手段です。
また特段手放さずにずっと所有している場合は、20年や30年など長期で運営を継続する方法を検討する必要があります。長期にわたりリフォームして建物を維持させるといった方法もありますし、ある程度の年数が経過したら新築物件を建設するといった手段もあるわけです。
いずれにしても大事なのはアパートを建設することではなく、建設から「出口」までの戦略を立てることが大事です。
今回は建設費の捻出から出口戦略を紹介してきました。出口戦略が見えない状態での運営は絶対に避けることが経営の基本でもあります。予算についてはシビアにそして慎重に検討することが大事です。今回の記事をぜひ参考にしていただければ幸いです。
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