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(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});マンションを所有している人は、必ずマンションの修繕費を払わなければならない時が来ます。
「毎月修繕積立金を払っているんだけど…」という人も、修繕費は設備が故障した際に別途必要になるものです。
自分の持っているマンションの室内で急に修繕が発生することもあるでしょう。
いくらぐらいかかるのか把握しておくことで、急な修繕にも備えることができるのではないでしょうか?
今回は、マンションにかかる修繕費とは何かや、目安、修繕費で困らないためのポイントをご紹介しましょう。
実は、修繕費の内容をしっかり認識することが、あなたのマンションの資産価値を維持するためのポイントになるのです。
Index
1. マンションの修繕費とは?|普通の修繕費と修繕積立金の違い
マンションの建物や室内は時の経過と共に老朽化したり、故障したりすることもありますが、故障や不具合を修繕するための費用は全て「修繕費」に当てはまります。
例えば、壁紙(クロス)が汚れたから貼り替える、給湯器が老朽化してきたので交換する…などです。
もちろんマンションの所有者は、室内設備を修繕する必要性が出てきたら、自己負担で修繕しなければなりません。
また、建物室内の修繕費とは別に、マンションの所有者は毎月マンションの管理組合に、「修繕積立金」として一定額を払うことに。
修繕積立金とは修繕費の一種で、屋根や外壁など、マンション共用部分の大規模修繕などを予定して、あらかじめ各部屋の所有者から毎月一定額を徴収し、積み立てる費用です。
該当する工事や周期は以下の通り。
修繕が必要な箇所 | 年数 |
屋根 | 10年を超えたあたりで補修や修理が必要になり、 25年前後で修理や撤去して新設することになる |
外壁 | 10年を超えたあたりでコンクリートやタイルの補修・塗装の塗り替えなどが必要になり、 35年前後で再塗装する必要がある |
給水ポンプや排水ポンプ | 10年以内に補修が必要になり、15年前後で取り替えなければならない |
バルコニーの修繕 | 4年程度で塗り替えが必要になり、10年を超えたあたりで防水加工をする必要がある |
貯水槽 | 25年前後で取り替えることになり、ガス管は30年前後で取り替える必要がある |
屋外の階段や通路 | 10年を超えたあたりで防水の修理が必要 |
修繕費と修繕積立金・管理費の違い
修繕費・修繕積立金・管理費の違いとしては、
- 修繕費がマンションで日常的に発生した不具合を回復させる費用
- 管理費はマンションの清掃・光熱費などの費用
- 修繕積立金が将来、共用部分を大規模修繕するための準備金
となります。
よって、一般的な修繕費と修繕積立金、管理費は全て用途が異なるものです。
管理費とは
マンション建物管理についての費用は、別途毎月一定額を支払う必要があり、「修繕積立金」と「管理費(共益費)」に分けられます。
管理費とは、エントランスやエレベーターといった居住者が共同で使用する「共用部分」を維持管理するための費用で、修繕費とは別です。
具体的には、共用部分の光熱費・清掃費・管理費などが該当。
ただし、マンションを賃貸している場合、修繕積立金はオーナー負担となりますが、管理費(共益費)は入居者に負担してもらうことができます。
2. マンションにかかる修繕費の相場を解説
マンションの修繕費の相場の目安は、次の式で計算します。
修繕費の相場の目安 |
専有面積あたりの修繕費×専有面積+加算額(機械式駐車場がある場合) |
国交省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によると、専有面積あたりの修繕費は、階数により次のような目安になります。
階数/建築延床面積 | 平均値 | 事例の3分の2が含有される幅 | |
15階未満 | 5,000㎡未満 | 218円/㎡・月 | 165円~250円/㎡・月 |
5,000~10,000㎡ | 202円/㎡・月 | 140円~265円/㎡・月 | |
10,000㎡以上 | 178円/㎡・月 | 135円~220円/㎡・月 | |
20階以上(超高層マンション) | 206円/㎡・月 | 170円~245円/㎡・月 |
なお、15階~19階のマンションの目安は、「15階未満」の目安と「20階以上」の間におさまるものと考えられます。
マンションの築年数別で見た修繕費の相場の目安
国土交通省の平成30年「マンション総合調査結果」によると、マンション全体の修繕積立金の相場は月額11,243円でした。
一方で築年数で見た修繕積立金の月額相場は以下の通り。
築年数 | 修繕積立金月額/1戸あたり |
昭和44年以前 | 26,356円 |
~昭和49年 | 9,903円 |
~昭和54年 | 12,052円 |
~昭和59年 | 11,077円 |
~平成元年 | 11,413円 |
・ ・ ・ |
|
平成22年~平成26年 | 9,244円 |
平成27年以降 | 6,654円 |
上図を見て分かる通り、傾向としては新しくなるほど修繕費の金額が安くなるのです。
しかし、必ずしも古ければ高いとは限りません。
なぜなら、分譲業者が販売促進のために、修繕費を想定される額よりも安く設定していることがあるからです。
マンションの戸数別で見た修繕費の相場の目安
戸数別に修繕積立金の相場を見ると、20戸以下のマンションが一番相場が高く、14,722円でした。
修繕費を負担する人数が少なすぎることが要因でしょう。
21戸~300戸規模のマンションの相場は、およそ10,000~12,000円ほどです。
しかし、301~500戸規模の大きなマンションでは設備の質が高いため、13,566円となっています。
3. マンションの修繕費・修繕積立金で困らないための注意ポイント
マンションの修繕費は突発的に発生するもので、そのうち修繕積立金は毎月必ず払わなければいけない費用です。
必要な時に必要な金額が手元にないのでは困りますね。
そこで、マンションの修繕費で困らないためのポイントを5つ解説します。
①マンションの修繕費は中古よりも新築の方が安い
修繕積立金は新築マンションの方が中古マンションの方が安い傾向にあります。
新築マンションの場合は分譲業者が販売しやすくするために、修繕費を予定される額よりも下げることが少なくありません。
販売価格を下げると分譲業者のデメリットになるのですが、修繕費を下げてもデメリットがないからです。
②年数が経つにすれて値上がりする可能性がある
修繕費は、基本的に現在の価格で見積もるので、値上がりなどの将来のリスクにより足りなくなることがあります。
また、販売時に低目に設定していれば足りなくなるのは当然のことでしょう。
したがって、年数が経つにつれて値上がりする可能性があります。
先述のとおり、新築マンションの修繕積立金は安いですが、将来値上がりすることも加味しておく必要があります。
③マンションのローン以外にも修繕費や管理費を考えて返済の計画をたてる
マンションを購入した時には、住宅ローン(もしくは不動産投資ローン)の返済に気を取られ、修繕費・修繕積立金・管理費などの支出があることを忘れがちです。
特に修繕費は突発的に発生するため、余裕を持った返済計画を立て、少しずつ積み立てておく必要が。
また、修繕積立金と管理費は毎月必ず支払わないといけない費用なので、あらかじめ返済計画の一部としておく必要があります。
お金がなくて修繕費が払えない!ということがないようにしましょう。
④マンションの修繕積立金は返還されない
マンションを売却しても修繕積立金は返却されないということは覚えておきましょう。
自分が住んでいる(もしくは賃貸に出している)間に、一回も大規模修繕が行われなかった場合も同様です。
なぜなら、修繕費とは居住者のためではなく、建物のために貯えられているため。
ルールが記載されている管理規約にも返済しないと記載されているのが一般的でしょう。
⑤修繕費や管理費を滞納した状態で売却した場合
中古マンションを購入するときには、修繕費などの滞納のチェックが欠かせません。
法律では、売却したマンションの滞納された修繕費や管理費は買主が引き継ぐことになるからです。
特に競売物件であれば滞納の可能性が高いでしょう。
4. 近年問題になってきているマンションの大規模修繕費の不足問題
国土交通省の「マンション総合調査結果」によると、長期修繕計画上と実際の修繕積立金額で「不足している」と答えた管理組合は全体の約35%にも上ります。
修繕費が不足している原因とは?
消費税増税の影響で工事費用が値上がりすることもあれば、相次ぐ自然災害や東京オリンピックの影響で人手不足のために、工事をする人の人件費が上がることもあります。
人件費の値上げも工事費用値上げの要因になっているのです。
修繕費の値上げにより滞納する人が出てくる
修繕費が値上がりすりと、積立金を増やして対応することになります。
また、一時金というかたちで徴収することもあるでしょう。
いずれにしても、居住者にとっては予定外の出費になるので滞納する人が出てくるため、結果修繕積立金の不足となるのです。
5. マンションの修繕費は定期的に積立しよう
修繕費が不足すると必要な修繕ができないため、マンションの資産価値が急激に低下します。
また、修繕費は当然に支払いを強制されるものなので、滞納が続けば給与などが差押えられるかもしれません。
購入のときから修繕費や管理費についての支出を前提とした計画を立てる必要があります。
定期的な積立が資産価値や自分自身を守ることになるのです。
もし、マンションの管理や修繕(リフォーム)でお困りのことがあれば、MIRAIMOの無料個別相談をご利用ください。
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