火災への不安も建ぺい率も緩和される「防火地域内の耐火建築物」とは?

都市計画が進むと同時に市街地の建物の過密化も進んでいます。

せっかく綺麗に整備した都市で火災が起きて延焼したら大惨事ですよね。

 

建物が密集していたら建ぺい率容積率の数値も厳しくなって広い建物も建てづらいのでは?

火を防ぐには水しかないのかな・・・

いっそのこと海底都市に物件建てなきゃだめかな・・・

 

ご安心ください。そんなことはありません。

 

今回はそんな不安をも拭い去る

「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」(都市計画法第9条20項)としての「防火地域」や「準防火地域」について、

そして防火地域内で建ぺい率が緩和されることについてご説明していきます

1. 防火地域内の耐火建築物は建ぺい率が大きくなる

防火地域内に耐火建築物を建設する場合は、都市計画で定められた建ぺい率に10%を加えることができます。というのはこちらの記事でお伝えしました。

関連記事【緩和についての総まとめ】広い家を建てたい人は知っておくべき容積率と建ぺい率の話

2017.10.22

といっても難しい単語が多いのでまずはそれぞれの用語をご紹介します。

ちなみに防火地域内の土地内の建物すべてが「耐火建造物」でなければなりません。

★耐火建築物とは

主要構造部が耐火構造(鉄筋コンクリート造(RC造)か鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)・レンガ造など)であるもの、
または「耐火性能検証法」という検証によって火災が終わるまで建物が耐えられることが確認されたもの・外壁の開口部で延焼の恐れのある部分に防火扉などを取り付けた建築物のことを言います。

なぜ防火地域の耐火建築物は建ぺい率が緩和されるか?

単純に防火性能が高いことによって、密集していても火災の心配が少なくなります。

もう一つの理由としては「耐火建築物」は普通の木造物件よりもコストがかかります。

その分、建ぺい率を緩和して、広い建物が建てられるというメリットが加わりました。

2. 防火地域・準防火地域の基礎知識

防火地域は都市計画法で「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として防火地域・準防火地域の2種類が規定されています。

2-1. 防火地域とは

市街地・主要駅の前・幹線道路沿い・大規模な商業施設など重要で多くの建物が密集している地域で、火災などが起こると大惨事になりかねない地域で指定されるのが防火地域です。

その地域に指定されている場所に建てる建物は原則として耐火建築物にしなければいけません。

 

防火地域の建築制限

規模 構造
階数が3以上または延べ面積が100㎡を超える建築物 耐火建築物のみ
上記以外の建築物 耐火建築物または準耐火建築物

防火地域内には上の表のような建築制限があります。

延床面積100㎡以下・地階を含む2階建て以下の建物の場合は耐火建築物または

準耐火建築物・・・

を建てることができ、延床面積100㎡以下の建物は3階建て以上・100㎡以上の建物は何階建てでも耐火建築物しか建てることができません。

★準耐火建築物とは

耐火建築物以外の建築物で、主要構造部が準耐火構造(建物内部や外部からの延焼を防止する性能が壁・柱・床・屋根・はり・階段などに備えられている)
またはそれと同等の準耐火性能を有するもので、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火扉などを取り付けた建築物のことをいいます。

耐火建築物と準耐火建築物との差は延焼までの時間と、延焼しても倒壊しないかどうかの差です。
尚、準耐火建築物だと建ぺい率の緩和対象にはなりません。

2-2. 準防火地域とは

防火地域の外側により広範囲に指定されているのが「準防火地域」です。

準防火地域では建ぺい率の緩和措置を取ることができません。

ただし、防火地域と準防火地域に土地が敷地のごく一部でもまたがっている場合は、「建物の全てを耐火建築物」にすることで「耐火地域」とみなされ、10%の建ぺい率緩和対象になります。

 

準防火地域の建築制限

規模 構造
地階を除く階数が4以上または延べ面積が1500㎡を超える建築物 耐火建築物
延べ面積が500㎡を超え1500㎡以下の建築物 耐火建築物または準耐火建築物
地階を除く階数が3である建築物 耐火建築物・準耐火建築物または外壁の開口部の構造および面積・主要構造部に防火措置を施した木造建築物
上記以外の木造の建築物 外壁と軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造にすること

準防火地域の建築制限が上の表の通り。

その規制は防火地域よりは緩く、4階以上ある建物または延床面積が1500㎡を超える建物は耐火建造物でなければなりませんが、500㎡以下なら木造建築物は一部に防火措置を施さなければいけないなどの決まりはありますが3階建てまで建てることができます。

ちなみにその準耐火建築物は火災保険の減額対象となることもあります。

3. 防火地域で条件を満たすと建ぺい率の制限がもっと緩和される!

特定行政庁が指定した角地かつ防火地域内に耐火建築物を建てる時は更に10%建ぺい率が緩和され、計20%の緩和を受けることができます。

そして、

①商業地域や準住居地域など、建ぺい率の上限が80%と設定されている地域

②防火地域に耐火建築物を建てる

以上2点の条件がそろうと理論上は建ぺい率の制限がなくなる=建ぺい率100%までの建物を建てることができます。

4. 防火地域の耐火建築物はみんなにとっての安心材料

今都内でも区のほとんどが防火地域に指定されているエリアも増えています。

防火地域内に耐火建造物を建てることは入居者には火災の心配が減りますし、

オーナー側から見ても建ぺい率が増えることによって、より大きな建物が建てられるので土地が有効活用できるなど両者にとって安心材料になります。

あなたの所有物件が防火地域かどうかは土地の所在する市区町村のホームページに載っていますのでぜひご覧ください。

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