近年、ワンルームマンションの売買は、不動産市場の中でも盛んに行われているジャンルです。
ワンルームマンションを売却する上で、少しでも高く売却するためには基礎知識や注意すべきポイントを覚えておく必要があります。
ちょっとしたポイントに気を付けるだけで、売却の結果が変わってくるでしょう。
今回はワンルームマンションを高く売却するための基礎知識と、注意すべきポイント11選をご紹介します。
目次
ワンルームマンションを売却したいときに知っておきたい基礎知識

ワンルームマンションだけに限らずですが、何かを売る時には「売り時」というタイミングが大切です。
ここ数年は不動産市場の活性期となり、まさにワンルームマンションの売り時を迎えています。
ワンルームマンションが売り時となっている、その理由を見ていきましょう。
ワンルームマンションの売却相場
ワンルームマンションの売却価格の相場は、2023年の東京オリンピック決定を皮切りに上昇し続けてきています。
現在の売却平均価格は、100万円/㎡を超えており絶好と売り時です。
漠然と「いつか売ろうかな」という感覚では、売り時のタイミングを逃すことになりかねません。
売却価格の相場を見て、不動産市場全体の動きを感じ取りましょう。
参考:一般財団法人 日本不動産研究所
http://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2021/09/b39b656ddb92e5fd427a2f48d05f4777.pdf
ワンルームマンションの人気が出ている
ワンルームマンションが売り時ということは、物件を探す依頼が多く人気があるということ。
さらに、賃貸マンションの需要が高いということにも繋がります。
少しでも高く売却するためには、人気があるうちに売却することが大きなポイントです。
現在は、低金利や不動産投資の活性化により、ワンルームマンションの人気が高まっています。
首都圏のワンルームマンションの価格の推移
首都圏を中心に、ワンルームマンションの価格推移は上昇傾向です。
2014年から、上昇の推移を始めており、新築物件と中古物件ともに年々上昇を続けています。
この推移からもわかるように、2014年以前に物件を購入していた方は、売却による収益がでる可能性が高いでしょう。
マンションの売却価格の決まり方
マンションの売却価格は、周辺エリアや類似条件の物件と比較した相場で決まります。
購入者はさまざまな物件を比較して決めるため、相場から大きく外れた価格で購入されることはほとんどありません。
金利の動向や不動産市場の動きによって相場も変わりますが、売却物件エリアの相場を知っておくことは売却価格を決める上で大切です。
家賃が下がる前に売却する
ワンルームマンションの不動産経営で、大切なポイントなるのが「家賃」。
物件は住宅ローンで購入するケースが多く、毎月の家賃からローン返済を行います。
その家賃が下がってしまうと、ローン返済が難しくなるため、家賃が下がる前に売却する方法がおすすめです。
家賃の変動は不動産市場だけでなく、マンションの築年数や近隣に新築マンションができると家賃を下げざる負えない場合も出てきます。
周辺にあるマンションの状況を把握する
マンションの中でも、特にワンルームは周辺の売り出し物件状況に左右されやすいです。
インターネットの不動産ポータルサイトを見れば、周辺物件の売り出し情報がわかるため、比較がしやすいでしょう。
なるべく周辺エリアで競合物件が売り出してないタイミングや、競合物件の価格が相場相当である時の売却が好ましいです。
ワンルームマンションの売却方法

ワンルームマンションの売却方法は、インターネットサイトで売却情報がある「仲介」による売却方法が多く見られます。
しかし、売却方法は「仲介」だけでなく、「買取」という方法も実はよくあるのです。
「仲介」と「買取」の違いや、メリット・デメリットについて解説します。
「仲介」と「買取」の違い
「仲介」とは、不動産仲介会社が広告宣伝や物件情報を紹介して、買い手を見つけてきてくれる方法です。
そしてもう1つの方法である「買取」とは、不動産会社が物件を買い取る方法。
仲介は主に個人の買い手であり、買取は不動産会社が買い手です。
仲介と買取では、それぞれメリット・デメリットがあるので覚えてきましょう。
仲介のメリット・デメリット
仲介のメリットは、自分の希望価格で売却できる可能性があります。
買取よりも高く売れるため、仲介が一般的な方法です。
デメリットは、買い手を見つけなくていけないので、売却まで時間が掛かってしまうこと。
平均で8か月程度掛かるとされており、売却完了まで時間が掛かってしまいます。
買取のメリット・デメリット
買取のメリットは、すぐに売却ができること。
不動産会社との折り合いがつけば売却完了になるため、急いでいる場合にはおすすめの方法です。
デメリットは、仲介よりも売却価格が低くなること。
不動産会社も転売となるため、リフォームなどが必要になる場合があります。
そのような費用も引かれた買取に価格になると、考えておいた方が良いでしょう。
ワンルームマンションを売却する11の注意ポイント

ワンルームマンションの売却を成功させるには、11個の注意ポイントがあります。
ちょっとした確認やタイミングを考えるだけで、少しでも高く、スムーズに売却できる可能性が高まるでしょう。
①売却するマンションの価値を知っておく
自分が売り出すマンションの価値を知ることは重要です。
周辺エリアの価格相場ではなく、ワンルームマンションの場合は収益や利回り等の価値を見ると良いでしょう。
ワンルームマンションを投資目的で購入する方は、賃料との利回りによる収益もひとつの目安とします。
投資物件ならではの視点で、マンションの価値を判断しましょう。
②投資用として売る場合は賃料が高くなる方法
基本的には近隣物件との賃料相場がありますが、投資用として売却する場合に、賃料が高くなる方法があります。
その方法が「リフォーム」と「フリーレント」。
リフォームはコストが掛かるので、大幅なリフォームは要注意です。
内装劣化のため賃料が下がってしまう場合は、キレイに見せることで賃料が維持できるでしょう。
リフォームはひとつ間違えると難しいため、不動産会社に相談することがおすすめです。
フリーレントとは、最初の1、2か月分の家賃を無料にするサービスで、入居者としては非常にメリットの高さを感じます。
フリーレントも近年よく見られる方法で、引っ越しのタイミングは費用を抑えたいため、賃料が安くなくてもフリーレントに魅力を感じてくれるケースも多いです。
最初に入居者さえ決まれば、ある程度の期間はその家賃収入が見込めます。
投資用の場合は、なるべく賃料を下げずに高く維持することがポイントでしょう。
③低金利の時に売却する
ワンルームマンションには「マンション価格=賃料収入÷表面利回り」という計算式があります。
低金利になると表面利回りが低下していくことになるため、それに比例してマンション価格が高騰。
金利が低くなるタイミングは、マンションが売りやすいタイミングと言えます。
そして買い主の立場でも、低金利であることは住宅ローンを組んで購入することができるため、メリットが大きいタイミングです。
④売却するタイミングを見極める
物件の保有期間によっても売却するタイミングが関わって、その差も大きいです。
マンションを売却すると確定申告が必要となり、売却した収益に合わせて税金が発生します。
物件の保有期間が5年以内の短期譲渡所得の場合は、税率が39.63%。
保有期間が5年を超えると長期譲渡所得となり、税率が20.315%となります。
保有期間が5年以内か5年超えかで、税率が倍近く差が開くため、売却後の支払いまで考えてタイミングを見極めることがベストです。
所有が計算される時期は、1月1日時点となるので注意しましょう。
⑤売却時に周囲に競合物件が無いか確認する
競合物件の売却情報は、売却結果に大きく影響が出てくるケースがあります。
希望価格よりも高い競合物件が売られている場合には、それよりも安く売却が出せるので効果的なタイミングです。
希望価格よりも安い競合物件が出ていると、それより高い物件の売却はベストなタイミングと言えません。
売却物件がなるべく優位で、魅力的な状況に立てるようにすると売却価格や売却期間も良い結果が出しやすいです。
近隣の競合物件の情報は、細目にチェックしましょう。
⑥複数の不動産会社に査定を依頼する
マンション売却の第一歩とも言える査定は、複数の不動産会社に依頼しましょう。
査定は相場感を掴むことができ、不動産会社を選ぶ上での信頼性を見極める判断材料となります。
インターネットの一括査定サイトを利用すると、簡単に複数の会社に査定依頼ができると人気です。
査定価格は売却価格ではないため、高い金額の会社が良い会社ではありません。
売却物件を獲得するために、とりあえず高い金額を提示する会社もあります。
よく注意して判断しましょう。
⑦ローンの残債が売却価格を下回っている状態で売却
マンション売却で注意したいのが、最終的な手数料も引いていくらの売却価格になるかということ。
売却物件の住宅ローンの残債が、売却価格を下回っていると、不足分をその場で負担しなくてはいけません。
この計算ができていないと、最終的に赤字になってしまったという可能性もあります。
売却完了時には、ローンを完済することが絶対条件になるので気を付けましょう。
⑧売却する時にも費用(税金)がかかることを知る
マンション売却には、売却価格が入ってくるだけでなく、費用も掛かります。
仲介手数料や印紙税、登記費用などが発生し、その費用も含めた上で売却価格を考えなくてはいけません。
売却をスタートする前に、不動産会社でしっかりとシミュレーションをしてもらうと安心です。
⑨空室を埋めた状態で売却する
ワンルームの投資向けマンションの場合は、空室を埋めた状態で売却することがおすすめです。
すでに入居者がいるため、次の購入者のリスクも少なく投資しやすいでしょう。
空室の場合には、マンションを購入してから入居者をすぐに探すことなど、時間と労力が掛かります。
リフォームやフリーレントをしてでも、入居者を決めてから売却した方が、良い結果となることも多いでしょう。
⑩ワンルームマンションの売却は自宅用と投資用では違うことを知る
ワンルームマンションはすべてが投資用ではありません。
投資用だけでなく、自宅用とされることもあります。
自宅用の場合は、実際に購入者が住むため、住みやすさや快適性が重視されます。
駅からの立地や周辺環境などが、大きなポイントとなるでしょう。
ワンルームは基本的に単身者となるため、通勤や通学など都心部へのアクセスの良さが重要です。
投資用の場合は収益重視のため、利回りや利益、継続性が判断材料となります。
いかに収益が出せる魅力的な物件であるかが、買い主に見極められるでしょう。
⑪マンションの独自のアピールポイントを考える
購入者は、自宅用でも投資用でも物件の売却理由が気になります。
金銭的トラブルや離婚など個人的なマイナスイメージなどが多いですが、個人の理由は報告義務がないため、特に伝える必要はありません。
住宅欠陥などは報告義務があるので注意しましょう。
他の物件と差をつけるためにも、周辺の美味しいお店やお得な情報、生活のしやすさを伝えるだけでも、購入者の心理は前向きになるものです。
投資用物件の場合は、近くに大学の施設が多くあることや、ビジネスエリアまでの距離なども魅力的な情報になります。
ちょっとしたことでも、アピールポイントを準備しておきましょう。
売却を成功させるための不動産会社の選び方

マンション売却を成功させるには、不動産会社の力が大切になります。
「近いから」「有名だから」「査定が高かったから」というような、安易な理由で決めずに選び方のポイントを覚えておきましょう。
売却力が高い不動産会社を選ぶ
投資物件の売却は、購入者も投資目的なので価格や条件に対する見方が厳しいです。
投資目的は金融機関の審査も厳しく、競合物件も多く存在します。
そこで大事なのが、不動産会社の売却力。
売却力のある不動産会社は、情報量や信頼性、金融機関との提携もあります。
インターネットや折込広告などで、どれくらい力を入れてくれるかも売却力を見る基準となるでしょう。
信頼性がある不動産会社を選ぶ
高額な取引となるため、不動産会社の信頼性はとても重要です。
情報共有や宣伝力など、信頼して任せられる不動産会社を見極める必要があります。
実際には会社だけでなく、担当者との相性も大切。
担当者とコミュニケーションが取りやすいことや、人としての信頼性も不動産会社を選ぶポイントとなります。
一般媒介を選んで複数の不動産会社に依頼する
マンションの売却価格を少しでも高くしたい場合には、一般媒介を選んで複数の不動産会社に依頼することも可能です。
専任媒介でもメリットはありますが、1社に託す形になるため、範囲は狭くなりやすいでしょう。
専任媒介ではなく一般媒介にすることで、複数の不動産会社の売却力を使えるので幅広く買い手を探すことができます。
投資物件に強い会社を選ぶ
不動産会社選びで重要なポイントは、会社によって得意・不得意があること。
投資物件に強い会社や居住向けのファミリータイプが強い会社、都心部の実績が多い会社など会社によって異なる特徴があります。
投資物件に強い不動産会社の場合、投資物件の売却実績が多く、情報力や売却力も高いです。
投資物件に力を入れていると、投資物件を探している顧客を持っています。
通常の不動産会社よりも、早く買い手を見つけられる可能性があるでしょう。
仲介手数料を確認する
仲介手数料は、売却に掛かる大きな費用です。
上限は「売却手数料=(マンション売却価格×3%+6万円)+消費税」とされています。
手数料半額などキャンペーンをしている会社もありますが、仲介手数料の安さよりや売却力や信頼性を重視することがおすすめです。
多少の交渉は良いですが、無理な交渉は禁物。
不動産会社のやる気を損ねてしまう場合もあるので、お互いメリットがある状態で取り引きしましょう。
デメリットやリスクまで教えてくれる会社が良い
マンションの売却は、状況によってはデメリットやリスクがあることもあります。
良いことばかりを都合よく言ってくる会社より、売り主にとって不利な情報も教えてくれる会社を選ぶと良いでしょう。
不動産会社はもちろん、担当者個々の人柄も関わってくるポイントです。
売り主の立場になって親身に相談に乗ってくれる人や、意見をしてくれる担当者を見つけましょう。
ワンルームマンション売却の手順

ワンルームマンションを売却する一般的な流れがあります。
投資マンションの場合には、居住用マンションと一部異なることも注意が必要です。
売却完了までの手順を身に付けて、スムーズな売却をしましょう。
①複数の会社に査定依頼を出す
一括査定サイトを利用して、複数の不動産会社に査定依頼をすると簡単です。
最低でも3社程度に査定を依頼することをおすすめします。
提示された査定額は、売れる金額ではないため、査定額だけで不動産会社を選ぶことは危険です。
②媒介契約を結ぶ
不動産会社との契約は、主に「専任媒介」と「一般媒介」の2種類です。
専任媒介は、その不動産会社だけに任せる方法で、宣伝にも力を入れてくれる可能性があります。
一般媒介は複数の会社に依頼することができ、幅広く買い主を探すことが可能です。
③仲介業者により販売活動
契約が完了すれば、販売活動が開始されます。
反響状況や周辺の売却情報なども、定期的に確認すると良いでしょう。
④内覧をしてもらう
内覧の問い合わせがきたら、なるべく先方の都合に合わせるようにしましょう。
ワンルームの場合は、なるべく広く見せたいためカーテンを開けて明るい時間帯が良いでしょう。
内覧の際は、清潔で綺麗な空間を保ち、ニオイにも注意が必要です。
第一印象をどのように感じてもらえるかが大切になります。
⑤売買契約
購入者が見つかったら売買契約を結びます。
契約書に相違がないか、買い主と売り主でチェックした上で契約書が完成です。
契約の段階で、仲介手数料や印紙代が先に掛かります。
⑥賃料と敷金の精算をする
前払いでもらっている賃料や敷金等の精算をします。
賃料は引き渡し日を基準として、買い主に渡さなくてはいけません。
敷金も入居者が退去する際に必要となるため、敷金を引き継ぐ必要があります。
⑦賃貸人の地位承継通知をする
投資物件の売却は、最後に賃貸人の地位継承通知を行います。
オーナーチェンジと言われ、入居者に通知が必要です。
不動産会社が地位継承通知書を作成し、下記の内容記載がされています。
・売買によって賃貸人の変更
・新しい家賃の振込先
・新しい賃貸人に敷金の返還義務を引き継いだこと
入居者がいる場合だけにある書類のため、忘れないようにしましょう。
ワンルームマンションの売却に強い!おすすめの不動産会社3社

ワンルームマンションの売却に強い、おすすめの不動産会社をご紹介します。
豊富な実績や経験、会社の特徴などを活かした不動産会社です。
厳選した3社をご覧ください。
三井不動産リアルティ株式会社
おすすめポイント
「三井のリハウス」でお馴染みの、老舗不動産会社です。
その実績と信頼性は揺るぎないものがあるでしょう。
全国展開による幅広い規模の企業であり、顧客の幅も広くかつ多くあります。
売り主と買い主ともに、360℃サポートというサービスを実施。
アフターサポートもしっかりしているため、安心感が違います。
住友不動産販売株式会社
おすすめポイント
三井不動産同様、名高い老舗不動産会社のひとつです。
販売実績も数多く、こちらも全国展開の大企業。
投資家の顧客層も厚く、全国のネットワークが充実しています。
ポータルサイトや独自のチラシなど、販売宣伝力が高い会社と言えるでしょう。
株式会社FGH
おすすめポイント
ワンルームマンションを始めとする、収益物件に特化した不動産会社です。
専門性が高く、知識が豊富な営業マンが多いでしょう。
収益物件に関連したセミナーが定期的に開催され、多くの参加者がいます。
収益物件に関わる情報が豊富で、金融機関の条件等も熟知された企業です。
税金や確定申告のサポートが充実し、投資家の中でも高い評価を得ています。
ワンルームマンションを売却するには出口戦略が重要になる
ワンルームマンションの不動産投資は、売却までの出口戦略が重要です。
マンションを少しでも高く、スムーズに売却するためには、売却の基礎知識を身に付けることが第一。
そして売却の際に、注意すべきポイントを押さえておく必要があります。
不動産会社の売却力や信頼性を、見極める判断力が売り主には必要です。
知識を身に付けて、ワンルームマンションの売却を成功させましょう。
ワンルームマンションの売却情報等を、MIRAIMO運営のASIS株式会社でお届けしています。
定期的に開催される最新の不動産投資勉強会や個別相談会へ、ぜひお気軽にお越しください。

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