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マンションに大規模修繕が必要な理由とは?|工事までの流れや必要になる費用を解説

マンションは経年を重ねるにつれて老朽化します。

劣化を放置すると居住者が暮らしにくいのはもちろん、入居率や不動産価格など、あらゆる影響が出てくるため、10数年を目安に「大規模修繕工事」を実施する必要があるのです。

そこで今回は、大規模修繕の基礎や費用、注意すべきポイントなどについて詳しく解説します。

マンションを保有していて大規模修繕を行ったことのない人をはじめ、マンションの購入を検討している方は参考にしてください。

目次

マンションの大規模修繕が必要な理由は劣化・事故を防ぐため

マンションは経年劣化によってさまざまな不具合が発生し、最悪の場合は事故にもつながってしまうため、大規模修繕が必要です。

具体的にみていきましょう。

マンションの劣化を招いている正体は紫外線

建物の屋根や壁の色あせは、ひと目で劣化を確認しやすい場所です。

色あせの主な原因は紫外線。

紫外線には色の分子を分解する作用があり、屋根や壁は少しずつ劣化していくのです。

また、紫外線は色あせ以外にも、建物にさまざまな影響を与えます。

例えば、

  • 塗装が剥がれる
  • 屋根が割れる
  • シーリング材がひび割れる
  • 雨樋が割れる
  • 玄関扉が日焼けする

これら紫外線の影響による劣化は、長年放置しておくと最悪場合は建物内部にも影響を及ぼすようになります。

建物の被害は火災保険などで補償を受けられる場合もありますが、紫外線など自然環境に由来するものは対象外なため注意が必要なのです。

マンションの強度・安全性は年々低下する

マンションの強度や安全性は年々低下していきます。

塗装が剥がれたりコンクリートにひびが入ったりなど、最初は軽微な程度でも、次第に雨漏りなど重大なトラブルになる場合もあるので注意が必要です。

また、経年によってさらに劣化が進めば、建物内部の鉄筋が錆びてしまうなど建物全体に影響が及ぼします。

マンションでの事故のリスクが増加

マンションの劣化が進行すると、外壁のコンクリートやタイルが剥がれるようになります。

万が一コンクリート片などが落下した場合、住民や通行人に当たる可能性があり非常に危険です。

最悪の場合、命に関わる大事故につながる可能性も高まります。

また、ベランダの手すりが錆びてしまうこともあり、転落事故の恐れもあるので注意が必要です。

さらに経年劣化の影響が建物全体に及べば、大地震によって住めない状態に陥ってしまうなど、大規模修繕を行っていないマンションでは安全に暮らせなくなります。

居住者の快適な生活を確保するため

前述してきたように、経年劣化は建物に大きな影響をもたらします。

居住者が快適に生活するためには、マンションの大規模修繕が必要不可欠なのです。

不動産投資においていえば、外観や設備に問題があるマンションでは空室が目立つようになり、入居希望者もなかなか集まらずに運営が行き詰まってしまうでしょう。

また、何かしらの事故が起きてしまった場合、必要な修繕を施工していないことが原因と判断されれば、管理組合の責任が問われます。

居住者の安全・快適な生活を確保するため、しいては不動産投資を成功させるために大規模修繕は欠かせないのです。

マンションの大規模修繕の基礎知識を確認

経年劣化による危険性を理解したところで、マンションの大規模修繕の流れや目安などの基礎知識を身につけておきましょう。

大規模修繕をするまでの流れ

まずは大規模修繕を行うまでの流れを確認しておきましょう。

①修繕委員会の設置

大規模修繕を行う際、最初にマンション住民による修繕委員会を設立します。

管理会社やコンサルタントなど、業者との窓口となるわけです。

ただ、委員が集まらない場合には、マンションの理事会が窓口としても業務を行う場合もあります。

②コンサルティング会社を選ぶ

修繕委員会だけで大規模修繕を進めていくのが不安な場合には、コンサルティング会社に委託するのがおすすめです。

コンサルティング会社は、大規模修繕の計画から業者選定、工事内容のチェックなどをプロの目線で確認や助言をしてくれます。

③施工業者を選ぶ

手抜き工事をすることのない、信頼できる施工業者を選ばなければなりません。

施工業者を選ぶ際には、業界紙などを活用して広く公募しましょう。

説明会の開催

大規模修繕の内容が決定したら、居住者向けの説明会を開催します。

工事期間や工事内容、工事中の注意点を説明するとともに、居住者からの質問に答えなければなりません。

特に、防犯や安全対策、ベランダの使用についてなどを詳しく説明します。

大規模修繕工事時期の決まり方

大規模修繕は12年周期といわれており、管理会社も同様に勧めてくるケースがあります。

国土交通省による「築10年を経過した建物について」の通告によって「12年を推奨している」と理解されているのです。

  • 外装改修工事を10年以上行っていない建物
  • 外壁前面打診調査を10年以上行っていない建物

上記に該当する場合には、3年以内に外壁前面打診調査を行うか、大規模修繕を実施する必要があるとしています。

参考:建築基準法「国土交通省通告第282号」

大規模修繕工事の発注パターン

国土交通省が公表している「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、1回目の大規模修繕工事は「築13~16年前後で実施されている」としています。

  • 1回目:築13~16年前後
  • 2回目:築26~33年前後
  • 3回目:築37~45年前後

これらのパターンは目安であるため、実際にマンションを購入する際には管理組合に長期修繕計画書の開示を求めるとよいでしょう。

参考:国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」

大規模修繕工事の目安

大規模修繕の工事期間の目安は、実際にどのくらいなのでしょうか?

マンションの規模や工事内容によって異なるので一概には言えません。

概ね以下が目安となります。

  • 50戸以下のマンションの場合は2~3カ月
  • 50戸以上のマンションの場合は5~8カ月

また、実際の大規模修繕では修繕委員会の設置から始めて着工までも期間を要するため、一般的に着工まで1~1年半程度かかるとされています。

つまり、工期を含めた大規模修繕全体は2年前後の期間が必要になるわけです。

マンションの大規模修繕で行う工事内容・費用

それでは、マンションの大規模修繕で行なわれる工事内容と費用の目安についてみていきましょう。

マンションの大規模修繕にかかる費用

マンションの大規模修繕ではどのくらいの費用が必要になるのでしょうか?

国土交通省が公表している「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によれば、以下のようになっています。

1戸当たり大規模修繕工事費 全体に対する割合
75~100万円 30.6%
100~125万円 24.7%
50~75万円 13.8%

75~125万で全体の半数以上を占めています。

つまり、50戸程度の小規模マンションでは3,750~6,250万円の大規模修繕工事費が必要になるわけです。

通常、大規模修繕では回数を追うごとに金額が増えていくため、2回目以降はさらに高くなります。

参考:国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」

マンションの大規模修繕で行う工事内容

では、実際の大規模修繕ではどのような工事が行なわれるのでしょうか?

1回目と2回目では工事内容が異なるため確認しておきましょう。

1回目の工事内容

1回目の工事では、外壁・仮設工事・防水関係で全体の6割を超えます。

工事内容 工事全体に対する割合
仮設工事 22.9%
外壁塗装 16.9%
屋根防水 11.8%
床防水 14.9%
外壁タイル 11.8%
給水設備 2.1%

このように1回目の工事では、外壁の改修工事を中心として全体的な施工が行なわれます。

2回目の工事内容

2回目では、給水設備の工事費用が増加します。

工事内容 工事全体に対する割合
仮設工事 18.9%
外壁塗装 16.5%
屋根防水 10.1%
床防水 11.0%
外壁タイル 5.4%
給水設備 10.5%

2回目の工事では、外壁関係の工事など1回目と同様の内容に加えて給水周りの設備費用が必要になるため、その分費用がかかるわけです。

参考:国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」

マンションの大規模修繕費用が不足しているときの対処法

マンションの大規模修繕ではまとまった費用が必要なため、不足してしまう場合があります。

特に、2回目・3回目と回を重ねるごとに工事費用が増えていくため、費用が不足した場合の対処法を知っておく必要があるのです。

組合員に費用の支払いを求める

組合員である居住者、オーナーに一時金として一律に負担してもらう方法があります。

毎月の修繕費が値上がりするよりは、10数年に一度程度であれば一時金で済ませたほうがいいと考える居住者も多いのです。

また、まとまった金額の負担が難しい場合には、分割払いも選択できるようにしておくとよいでしょう。

ただ、組合員に追加負担を求める場合には、総会で出席者の過半数の決議が必要なほか、あまり高額な場合は受け入れられません。

マンションの大規模修繕工事の修繕費用を抑える

不足する修繕費用を一時金等で賄えない場合、修繕費費用自体を抑えなければなりません。

大規模修繕の費用をもっとも抑える効果が高いのが、修繕を主な業務としている施工業者に直接発注することです。

大手業者になるほど、中間業者が多く入り込むシステムとなっているため、無駄なコストが増大します。

小規模の業者ほど保証面について心配になりますが、瑕疵保険や完成保証などを活用すれば高い品質を担保しながらコストを削減できるでしょう。

金融機関から借り入れをする

大規模修繕の費用が足りない場合、金融機関からの借入で対応する方法があります。

管理組合が金融機関とローン契約を結んで毎月返済していくわけですが、管理組合向けのローンで多く利用されるのが「独立法人受託金融支援機構(旧住宅金融公庫)です。

ただ、借入条件をクリアしなければ融資を受けられないため、条件を満たせない場合には民間のローン会社・リース会社などを利用することになります。

公共団体の助成金の申請をする

管理組合が大規模修繕を実施する場合、自治体など公共団体から助成金を受け取れる場合があります。

助成金は、公共団体によって制度や規約が異なるため、利用したい場合には各自治体のホームページを確認するか、管理会社に問い合わせてみましょう。

いくつか例を挙げておきます。

  • マンション改良工事助成
  • アスベストの調査・除去工事費用の助成
  • マンション耐震化推進事業による助成
  • 住宅の断熱リフォームに対する補助金
  • 断熱塗料・遮熱塗料を使用した塗装工事に対する補助金

マンションの大規模修繕工事のサポート|ツール・アプリを紹介

マンションの大規模修繕工事の概算費用をシミュレーションできるなど、便利なアプリがあるので活用しましょう。

大規模修繕工事見積シミュレーター

マンション改修・修繕工事を施工やコンサルティングを行っている、「株式会社太陽」がリリースしている無料スマートフォンアプリです。

マンションの総戸数などの情報を入力すれば、簡単に工事費用の試算ができます。

試算結果は保存しておけるので、修繕委員会の打ち合わせで共有するとよいでしょう。

また、「大規模修繕用語集」も便利。

大規模修繕では専門用語が多いため、わからない単語をカテゴリー検索したり、50音順で調べたりと重宝します。

マンションの大規模修繕で起きている誤解

マンションの大規模修繕では、誤解されている事実があります。

どんな誤解があるのか、また本当のところはどうなのかを確認しておきましょう。

大規模修繕は12周期に1回必要

大規模修繕は12年周期が基本とされており、実際に管理会社が12年で勧めてくる場合もあります。

本当に12年に1一度の周期で大規模修繕を実施しなければならないのでしょうか?

現在の技術では16周期に1回でも問題ない物件は多い

前項でもご説明しましたが、国土交通省の「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によれば、1回目の大規模修繕工事は「築13~16年前後で実施されている」という結果となっています。

また、2回目は築26~33年前後で大規模修繕を行う建物の割合が多く、やはり12年周期というわけではありません。

現代では、建築技術や部材等の質が高くなっており、12年周期で大規模修繕を実施しなくても問題ない建物が多くなっています。

しかし、仮に16年周期で大規模修繕を行うにせよ、定期的な点検や日常的なメンテナンスは必要です。

大手の管理会社に任せると安心

「多少高いけど、大手の管理会社に任せておけば安心」と考えている方がいますが、本当でしょうか?

実際に工事をする業者は下請け企業

大手の管理会社の下には多くの下請け、孫請けが連なっており、実際に工事を施工するのは下請け企業です。

大手に工事を発注した場合、下請け企業への中間コストを上乗せして請求されるため、工事費用が高めなのは当然と言えるでしょう。

また、元請けである大手の管理会社が利益を多く得たいばかりに下請けへのコストを抑えてしまえば、品質の低下にもつながります。

「大手だから安心」と高めの工事費用を安心料と考えている方もいますが、実際には「ただ割高なだけ」というケースもあるので注意しなければなりません。

管理会社から工事提案書が出てきてから考えても間に合う

「管理会社から工事提案書をもらってから、実際にどうするのか考えればいいのでは?」と思っている方もいるかもしれません。

工事提案書の提出を受けてから検討するので間に合うのでしょうか?

早めの準備をしておかないと余分な費用を支払うことに

大規模修繕の計画が立ち上がれば、管理会社が建物の調査を行った上で工事提案書を提出してきます。

「工事提案書が出てからでも間に合う」と考えていると、余分な費用が必要になる場合もあるので注意しましょう。

管理会社の建物劣化診断等にも調査コストがかかっています。

仮に提出された工事提案書に納得できずに改めて調査を依頼した場合、さらにコストが必要になるため、管理会社の言う通りに計画を進めるしかなくなるのです。

マンションの劣化状態を適切に把握し、無駄なコストがかからないように早めに準備を始めましょう。

大規模修繕工事は足場を組んで工事する必要がある

大きなマンションなどで見られる足場を組んでいる状態。

「高所作業のため、必ず足場を組まなければいけない」というのは本当でしょうか?

物件によっては他の方法で工事できる場合がある

新築工事や大きな建物では足場が組まれている場合が多いですが、小規模マンションの大規模修繕では不要なケースがあります。

外壁の状態を確認して足場を組まなくても修繕できるケースでは、吊り足場(ブランコ)工法などで対応できるのです。

実は、足場を組む費用の総工事費用に対する割合は、一般的なマンションで15~20%程度とされており、小規模マンションではさらに割高になる場合もあります。

足場は工事完了後には撤去されてしまうものであり、大規模修繕の施工結果に直接影響を及ぼすものではありません。

無駄なコストを削減するためには、足場を組まない代替手段があるのかを計画の段階で確認しておきましょう。

大規模修繕工事ではベランダの工事は行わない

「ベランダの工事はプライベート空間だから工事しないのでは?」と言う人もいますが、本当でしょうか?

ベランダは共用部分のため修繕工事の対象になる

多くの方が勘違いしていますが、ベランダは法律で定められている「共用部分」です。

売買契約書を確認すれば、ベランダは専有面積に含まれていないのがわかります。

大規模修繕は共用部分にのみに費用を捻出するものであり、ベランダは共用部分なので工事の対象になるのです。

しかし、管理組合によっては解釈が異なるケースもあるため、念のため売買契約書や管理規約を事前に確認しておきましょう。

マンションの大規模修繕工事を行う時によくあるトラブル

マンションの大規模修繕では、工事施工の際にトラブルが発生することもあります。

実際にどんなトラブルが起こり得るのか確認しておきましょう。

ベランダに設置したタイルの撤去費用

共有部分であるベランダの床にタイルが貼られている場合には、大規模修繕工事を実施する際には撤去しなければなりません。

ベランダのタイルの撤去費用は数万円かかる場合もあり、費用負担を含めて事前に決めておかないとトラブルになります。

べランダ部分に取り付けた網戸の取り外し

一般的にベランダ部に面している窓は共用部分です。

したがって、網戸を別途購入して取り付けるのには管理組合の許可が必要になります。

ベランダの修繕で網戸を取り外す必要がある場合には、トラブルになる可能性も。

また、取り外した網戸の置き場も確保しなければなりません。

居住者のプライバシー

居住者のプライバシー侵害が問題になる場合があります。

大規模修繕では多くの場合で外壁工事を行うために足場を組んでおり、作業員側から室内が丸見えの状態です。

工事説明会では注意点として「カーテンは閉めておいてください」との説明がなされているはずですが、ついつい開けっ放しにしてトラブルに発展してしまうケースがあります。

また、工事内容によっては居室内に立ち入る場合もあり注意が必要です。

不在時に立ち入る許可を得ていても、実際に鍵を開けて入ったら入居者がいることも。

プライバシーに関するトラブルを防止するには、居住者の協力が必要になるほか、施工会社に事前の周知徹底を求めておきましょう。

近隣の物件からのクレーム

近隣の物件に住んでいる方からクレームを受ける場合があります。

例えば、

  • 工事の音がうるさい
  • 振動が気になる
  • 臭いがきつくて窓を開けられない
  • ホコリで洗濯物を外に干せない
  • 設備等に傷をつけられた
  • 工事車両が邪魔
  • 工事のミスで水道が使えなくなった
  • 足場を利用して空き巣に入られた
  • 約束の時間外になっても工事を続けている

大規模修繕工事では、ある程度の音や振動は致し方ありませんが、近隣の住民が皆理解のある方ばかりとは限らないのです。

当該物件の住民であれば耐えられるものでも、関係ない人にとってもストレス以外何ものでもありません。

クレーム対策としては「十分な周知を図ること」「決めたルールを守ること」です。

工事施工会社が近隣の1戸ずつに対して訪問して事前説明するほか、近隣物件の管理者ともコミュニケーションをとりながら進めるようにお願いしましょう。

また、工事終了時刻を厳守するなど、徹底的に決めたルールを守る対応を求めてください。

施工不能箇所の発生

共用部分に勝手に手を加えていたり、物を置いてあったりすると工事施工不能になる場合があります。

特に問題になるのが、共用部分であるベランダ(バルコニー)です。

特に、エアコンの室外機を設置している場合には、移動費などの費用が発生するケースもあります。

工事中に施工不能の場所が発生することのないよう、着工前に状態を確認した上で一時置き場を設置するなどの対処方法を決めておく必要があるのです。

大規模修繕をするうえで注意するべきポイント

では、大規模修繕を実施する際に注意すべきポイントを押さえておきましょう。

価格のみで業者を選ばない

10数年ごとに行う大規模修繕では、普段のメンテナンスとは異なり工事費用が大きくなりがちです。

なるべく費用を下げたいばかりに価格のみで業者を選ばないようにしましょう。

前項で解説したように、工事内容の見直しや事前の準備でコストは減らせます。

安さにつられて発注すると、「手抜き工事で結局余計な費用がかかってしまった」「業者が倒産してしまいサポートが受けられなくなった」などのトラブルが発生するかもしれないのです。

価格のみで判断せずに、信頼できる施工業者を選択するように心がけましょう。

施工中のトラブルについて事前に把握する

前項の「マンションの大規模修繕工事を行う時によくあるトラブル」で解説したように、施工中に起こり得る可能性のあるトラブルについて事前に把握しておきましょう。

また同時に、事前にトラブルを防止する対処方法も確認しておく必要があります。

マンションの居住者はもちろん、近隣の住民や隣のマンション管理組合などへの事前説明をしっかりと行っておきましょう。

施工業者に任せきりにしない

大規模修繕の工事が無事始まったからといって、安心はできません。

工事完了後に契約通りに施工されたかをチェックするのは当然ですが、工事中も進行状況等を確認しておきましょう。

施工業者に任せているだけでは、工期の遅れや後々不具合が見つかるなど、追加費用が発生する事態もあり得るのです。

大規模修繕を滞りなく進めるためには、工事が完了するまで逐一チェックをして、予期せぬトラブルが発生しないように注意しましょう。

悪質コンサルタントもいることを理解する

大規模修繕ではコンサルタント会社と委託契約をして、業者の選定や工事内容についてのアドバイスを受けて進める方法があります。

基本的にコンサルタントは中立的な立場ではありますが、悪質なコンサルタントも存在するので注意しましょう

特定の施工業者と強い結びつきがあり、余分なコストを強いられる可能性があるのです。

また、工事完了後に手抜き工事が発見された際の責任がコンサルタント会社、施工業者のどちらにあるのか明確にできないといった事態も起こるかもしれません。

コンサルタント会社を選ぶ際には、自身や管理会社のネットワークを駆使するなどして、良いコンサルタントと委託契約することが重要です。

大規模修繕工事を成功させるには住民の理解が大切

マンションでは10数年を目安に大規模修繕工事が必要です。

建物の劣化を放置すると、「居住者の退去が相次いで新たな入居者も見つからない」という悪循環に陥ってしまいます。

また、大規模修繕工事を成功させるためには住民の理解が大切です。

今回ご説明した内容を参考にしていただき、居住者や近隣住民とのコミュニケーションを円滑に図りながら大規模修繕を進めてもらえれば幸いです。

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