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アパート経営の仕組みと投資前に知っておきたい6つのことを解説!|アパート経営の完全マニュアル

アパート経営は区分マンション投資と比べて、空室リスクに強いなど一定の優位性のある投資手法です。

また、しっかりとした知識と情報を持って運営を行えば、継続的かつ安定的に収益を得られます。

今回の記事ではアパート経営の仕組みやメリット、リスクへの対処方法など、さまざまな面から投資を行う前に知っておきたいことを徹底的に解説するので参考にしてください。

目次

アパート経営の仕組みについて

まずは、アパート経営の仕組みについて確認しておきましょう。

アパート経営とマンション経営の違いとは?

アパート経営と比較されるものにマンション経営があります。

アパート経営とマンション経営に違いはあるのでしょうか?

そもそもアパートとマンションは構造が異なり、アパートは2~3階建てで木造もしくは軽量鉄骨造ですが、マンションは階数に制限はなく、鉄筋コンクリート造(RC)です。

経営面でいえば、マンション1棟丸ごと購入するのは大きな資金と豊富な不動産投資経験が必要ですが、アパート経営は比較的に低予算で始められるため、これから不動産投資を始めようと考えている初心者にも運営しやすい投資手法と言えるでしょう。

アパート経営と株投資の違いとは?

アパート経営は空室リスクを抑えて運営が軌道に乗れば、安定的に収益が得られる投資手法です。

一方、株式投資は株価の変動が大きく、投資先に何か問題は発生すれば価値が大幅に下落する場合もあります。

ただ、株式投資は投資先を決めて株を買った後は株価をチェックするだけで済みますが、アパート経営ではメンテナンスや入居者への対応など、運営・管理をしなければなりません。

しかし、実際のアパート経営では不動産管理会社と委託契約を交わし、多くの管理業務を任せられるため、オーナーの負担を減らすことが可能です。

アパート経営の現状

賃貸物件の新設住宅着工戸数は、増加傾向にあります(参考:建設統計調査報告 平成27・28年度)。

その大きな要因のひとつが平成27年の「相続税法」の改定です。

最高税率が引き上げられると共に、基礎控除が4割引き下げられました。

  • 増税前基礎控除:5,000万円+(1,000万円×法定相続人数)
  • 増税後基礎控除:3,000万円+(600万円×法定相続人数)

参考:国税庁

国土庁が発表している「相続税深刻状況」によると、平成28年度の相続税課税対象者は10万6,000人で、改正前の平成26年度の5万6,000人と比べると約2倍にもなっています(参考;国土庁相続税深刻状況)。

なぜ、相続税の負担が大きくなると新設住宅着工数が増えるのでしょうか。

相続税は現金で相続すると額面通りに計算されますが、不動産として相続した場合、土地の評価額は国土庁が定めている路線価で計算されるため取得価格の8割ほどで相続できます。

また、建物は固定資産税評価額で計算されて建築費の6~7割程度の評価になるため、アパートで相続すれば大幅に相続税対策になるのです。

アパート経営のメリットやデメリットとは?

アパート経営のメリットとデメリットを押さえておきましょう。

アパート経営のメリット

アパート経営は、運営が軌道に乗れば安定的に収益が得られるため、病気や事故に遭ってしまい、仕事に支障をきたした場合でも収入を確保できます。

そのため、老後資金を確保するための年金代わりとしてアパート経営を始める方もいるのです。

また、継続的に黒字経営できれば金融機関からの融資も受けやすくなり、2棟目、3棟目と物件を増やしていくことも可能になります。

さらに、アパート経営は節税対策としても有効で、仮にアパート経営で赤字になっても本業の給与所得と損益通算できるため、課税所得を減らせるのです。

また、アパート経営を個人事業として青色申告すれば、最大で65万円の控除を受けられるメリットもあります。

アパート経営のデメリット

アパート経営では、建物のメンテナンスは欠かせません。

建物は築年数によって老朽化するため、修繕費や設備交換費などに費用がかかります。

外観の老朽化が目立ち設備が古い建物は、入居者の満足度を維持できずに新しい入居者も見つかりにくいでしょう。

また、火災や地震などの建物を消失しかねない災害に見舞われるリスクもあります。

自然災害で被害を受けた際、「災害者生活再建支援法」が適用される場合には支援金を受け取れますが、賃貸物件では適用されません。

火災保険や地震保険などにしっかりと加入しておくなど、自力で災害に備えておく必要があるのです。

アパート経営に向いている人とは?

アパート経営に向いている人とは、どんな人を指すのでしょうか。

アパート経営を始める目的を明確に定めている人です。

例えば、

  • 相続税対策として活用したい
  • 所有している土地を活用したい
  • 本業以外の副収入を得たい
  • 早期リタイヤしたい
  • 年金以外の収入を確保したい

上記のように、アパート経営を始めたい意思や目的を明確にし、具体的な行動をおこせる人がアパート経営に向いていると言えるでしょう。

アパート経営を始める前に準備しておきたいこと6つ

では、アパート経営を始めるにあたり、準備しておきたい6つのポイントを押さえておきましょう。

①不動産投資に必要な知識を身につける

アパート経営では、不動産投資の知識が必要になります。

建築基準法や宅建業法、民法などの知識のほか、不動産の購入・保有・売却時にも不動産取引の知識は欠かせません。

また、税金の仕組みについても知識を身につけておくことも必要です。

②目的や目標を明確に決めておく

「アパート経営に向いている人とは?」の項でもご説明しましたが、アパート経営を始める目的を明確にしておくほか、収益目標も明確にしておきましょう。

収益目標が定まっていないと、アパート経営が順調なのかどうかの判断も曖昧になります。

大きな失敗を避ける意味でも、目的や収益目標を明確にしておくことは重要なのです。

③入居者のニーズに合った物件探しをする

アパート経営を成功させるためには、いかに空室リスクを減らして安定的に家賃収入を得るのかが重要です。

そのためには、物件購入時に入居者のニーズに合った物件探しをしなければなりません。

ファミリー層の多い地域でアパート経営を行うのであれば、間取りや設備などが充実した物件を購入しなければなりませんし、単身者の需要が多いエリアであれば近くに飲食店が多い、駅から近いなど利便性を重視する必要があります。

入居者のニーズに合わない物件でアパート経営を始めると、空室が埋まらず経営の継続が困難になる場合もあるので慎重に物件探しをしましょう。

④経営に必要な資金の計画をたてる

空室率や修繕費をしっかりとシミュレーションし、「年間収益はどのくらいか」「初期コストを何年で回収できるか」など、経営に必要な資金計画を立てましょう。

建物を維持するのに必要な修繕費を正確に見積もるほか、空室率の予測も重要です。

いつまで経ってもプラス収益にならない見込みのアパート経営を始めても意味がありません。

甘い考えは持たず、厳しい目を持って具体的な資金計画を立てなければならないのです。

⑤不動産投資を始める上で情報収集は重要

アパート経営を始めるにあたっては、まずしっかりと情報収集を行わなければなりません。

専門用語の意味を調べるほか、不動産投資で失敗してしまった事例なども調べておきましょう。

不動産投資で失敗する理由の多くは、自分で情報収集をせずに業者に言われるがまま始めてしまう方です。

業者の甘い言葉や都合の良い話に騙されることなく、自分自身で的確な判断をしなければなりません。

ネットでの個別相談を利用したり、セミナーに参加したりなど、必要な情報を得るべく行動しましょう。

⑥色々な人とコミュニケーションを取る

アパート経営では、不動産会社探しから物件探し、管理会社選びなどの各段階で多くの人と打ち合わせをする機会があります。

忙しいからと、すべてを丸投げしていてはうまくいかないでしょう。

その分野のプロとのコミュニケーションを綿密に取り、有益な情報を得たり、適切なアドバイスをしてもらったりすることで自分自身の判断力も身につくようになるのです。

アパート経営において必要な費用を知る

アパート経営では、さまざまな費用が必要になります。

必要になる費用の目安を把握しておきましょう。

アパート経営に必要な初期費用

ここで言う必要な初期費用とは、物件購入に関わる頭金やローン金利などは含みません。

具体的には以下のものが必要になります。

  • ローン事務手数料
  • ローン保証料
  • 不動産仲介手数料(中古物件の場合)
  • 火災保険料
  • 印紙代
  • 司法書士に支払う報酬
  • 登録免許税
  • 不動産取得税

一般的に新築アパートを購入する場合で購入価格の7~8%程度、中古アパートで10%ほどの初期費用が必要とされています。

なかでも注意が必要なのが不動産取得税です。

不動産を購入した際に課税される税金ですが、購入後半年から1年半くらいと、請求されるまでタイムラグがあります。

うっかり忘れていて、手元資金に余裕がない場合は支払えなくなるため注意しましょう。

固定資産評価額によって計算されて税率は原則4%ですが、2024年3月31日まで軽減措置として3%に引き下げられています。

アパート経営に必要な頭金の目安

金融機関から借入をしてアパートを購入する際、フルローンを利用できる場合もありますが通常は頭金が必要と考えておいたほうが良いでしょう。

一般的に必要な頭金は、購入価格の1~2割程度とされています。

新築マンションの金利は1.5~2%台が相場とされていますが、新築アパートでは2~4%程度と新築マンションより高めなため、フルローンでは金利の負担が大きいです。

また、頭金の額によっては金利を引き下げたい場合の交渉材料になる場合もありますし、融資を受ける銀行に預金を求められる場合もあるため、なるべく多めに資金を用意しておきましょう。

手元に残しておきたい費用

当初に想定した以上の空室が発生すると、ローンの返済が難しくなるかもしれません。

ローンの返済が滞ってしまうと金融機関の信用を失うばかりか、差し押さえでアパートを失えば不動産投資を継続できません。

また、突発的な修繕費用や設備交換費などが必要になる場合もあります。

必要なメンテナンスに対応できなければ、入居者は満足度を得られずに退去してしまうかもしれません。

さまざまなトラブルに対応できるよう、上記でご説明した頭金や初期費用のほか、少なくとも家賃収入の数ヶ月分を手元に残しておきましょう。

アパートを建築する場合の費用の目安

アパートの建築費用は、地域や建物の規模、工法などさまざまな条件で異なるため一概には言えませんが、目安を確認しておきましょう。

坪単価に面積を掛けて計算しますが、造りによっても異なります。

最も価格が安いのが木造で、次に鉄骨造、鉄筋コンクリート造が一番高いです。

木造アパート(2~3階建て) 1坪あたり40~60万円前後
鉄骨造アパート(2~4階建て) 1坪あたり50~70万円前後
鉄筋コンクリート造 1坪あたり70~100万円前後

アパートを経営する上で必要となる費用

アパート経営で必要となる費用には、次のものがあります。

  • 管理会社への委託費用
  • 修繕費用
  • 設備交換費用
  • 共用部分の水道光熱費や管理費
  • 固定資産税・都市計画税
  • 所得税

管理会社への委託費用は業務の範囲によって管理手数料が異なるほか、入居者募集費用や広告費用が必要になる場合があります。

また、数十年に一度程度で大規模な改修費用が必要になることも想定しておきましょう。

アパート経営の管理方法について

アパート経営の管理方法は自分で管理するほか、管理会社に委託する方法、サブリース契約を利用する方法があります。

それぞれ確認しておきましょう。

自分で管理する

すべてのアパートの管理を自分で行います。

管理費用はかかりませんが、入居者の募集から家賃回収、トラブル対応やアパートの清掃などもすべての業務を自分で行なわなければなりません。

相当な時間と労力が必要となるため、特に副業でアパート経営を始めたい方には不向きな方法です。

管理会社に委託する

管理会社に業務のすべてを委託する、または一部を委託する方法です。

入居者の管理や建物の管理まで対応してくれるため、自分で管理できない人に最適な方法と言えるでしょう。

委託手数料は管理会社によって異なりますが、相場は5%前後とされています。

ただ、管理会社への業務委託はアパート経営の成功にも大きく影響するため、管理会社選びは慎重に行なわなければなりません。

サブリース契約による一括借上

アパートを一括して借り上げて、毎月の家賃を保証してくれるのがサブリース契約です。

入居状況にかかわらず毎月一定の家賃が保証されますが、手数料が必要になるため収益は少なくなります。

また、家賃保証額が契約更新時に引き下げられる場合が多いほか、空室を理由に大幅な減額を求められるケースもあるため、契約の際には慎重に内容を確認しなければなりません。

不動産投資をする上でローンは組めるのか?

不動産投資はローンを組んで始めることは可能なのでしょうか?

以下でご説明します。

不動産投資で活用できるローン

一般的な住宅ローンは、マイホームとして居住する住宅でなければ利用できません。

したがって、不動産投資でアパートを購入する場合には「アパートローン」を利用します。

アパートローンは、賃貸用の収益物件を購入するためのローンであり、基本的に投資用不動産のみに融資されるのが特徴です。

住宅ローンでは勤務先や年収など本人の属性が重要視され、物件の価値そのものは審査にあまり影響しませんが、アパートローンの場合は属性に加えて物件の収益性や資産状況も加味されて審査されます。

管理費や税金などの経費を含めた事業計画書を提出しなければならず、収益が出ない計画では融資を受けられません。

ただ、融資の上限額は住宅ローンより高いため、複数の融資を併用すれば会社員でも数億円規模の投資が行えます。

また、物件の評価によっては頭金なしでも融資してもらえるなど、不動産投資で効率的に資産を増やしたい場合にはアパートローンの活用は有効な方法です。

アパートローンの金利の目安

アパートローンの金利は、概ね1.5~5%の範囲で設定されるケースが多いです。

金利は金融機関によって異なるほか、支店や担当者によって変わるケースもあります。

また、頭金の額・物件の評価・金融機関の融資に対するスタンスなど、その時々の状況でも変わるため、あくまで目安として確認しておいていください。

融資を受けやすい金融機関

一般的に金利が低いほど審査は厳しい傾向があり、メガバンクよりは地方銀行や信用金庫のほうが融資を受けやすい反面、金利も高くなりがちです。

メガバンク

メガバンクは金融機関の中では最も審査が厳しく、融資実行まで時間もかかります。

メガバンクの顧客は富裕層が多いこともあり、自己資金額や年収など属性の評価も厳しいため、よほど属性に優位性がなければアパートローンの利用は難しいでしょう。

ただ、金利は低く1%台、また0%台で融資を受けられる場合もあり魅力的です。

地方銀行

地方銀行はメガバンクと比べた場合、比較的融資の審査は緩いです。

金利は2%前後程度が中心で、アパート経営向けの金利でパッケージローンを扱っている場合もあるのでチェックしてみましょう。

ただ、地方銀行は地域の経済活性化に寄与する目的で存在しているため、多くは住民票のあるエリアを管轄としている支店でないと融資の申し込みができないことになっています。

信用金庫・信用組合

信用金庫や信用組合ではアパート経営向けのローンはなく、事業性融資(プロパーローン)としての扱いです。

金利は3%台と高めな場合が多いですが、普段から付き合いがあれば柔軟に対応してくれるケースもあるので、メガバンクや地方銀行で融資を受けられない場合は検討してみましょう。

ただ、該当エリアに住居がある方に限られます。

ノンバンク

属性に関する審査条件が甘いため、年収が低く自己資金の乏しい方でも融資されやすいのが特徴です。

ただ、審査が緩い反面、金利は4%以上と高めなので注意したほうが良いでしょう。

政府系金融機関

日本政策金融公庫や商工中金など、政府系金融機関でも融資を受けられます。

金利は3%台と、ノンバンクと比べれば低いです。

ただ、融資期間は10~15年程度と短めなので、収益性の高い物件でなければ月々の返済が難しくなる可能性があります。

アパート経営のリスクと対策方法

アパート経営はしっかりとした事業計画と知識を持ってすれば比較的リスクの少ない投資手法ですが、一定のリスクは存在します。

アパート経営で起こりうるリスクと対策方法をみていきましょう。

空室によるリスク・対策

アパート経営で最も起こりうるリスクが空室リスクです。

家賃収入で利益を得るアパート経営では、空室が増えるほど収益が減少してしまいます。

対策としては、物件を購入する際の事前調査を慎重に行うことです。

立地や間取り、防犯対策など近隣の物件と差別化が図られ、優位性のある物件を選択しなければなりません。

また、賃料設定も重要です。

周辺の賃料をしっかりとリサーチし、必要に応じて家賃の値下げを検討すると共に、家賃に見合う外観や設備を維持していくのも対策となります。

家賃滞納によるリスク・対策

空室リスク同様、大きなリスクが家賃滞納リスクです。

家賃が回収できなければ、やはり収益を上げるのは難しくなります。

賃貸管理会社と委託契約を交わしている場合は、入居者の募集要件や家賃滞納が発生した時の対応・対策について事前に確認しておきましょう。

自然災害によるリスク・対策

近年、大きな災害発生のニュースを目にすることもあるでしょう。

大きな災害に見舞われると、最悪の場合は建物ごと消失してしまう可能性もあります。

「耐震補強を行う」「水害が発生する可能性のある立地の物件を購入しない」など、一定の対策はありますが、自然災害リスクをゼロにすることはできません。

最低限、火災保険や地震保険に加入するほか、保険によっては台風や水害に対応している場合もあるので、内容をよく吟味して加入しましょう。

老朽化によるリスク・対策

築年数の経過による建物の老朽化は避けられません。

特に、設備機器などは10年を過ぎると修理では対応できず、交換が必要になる場合もあります。

普段からこまめなメンテナンスを施すと共に、計画的な修繕と資金の確保が重要です。

立地によるリスク・対策

大きな学校や工場などが多く単身者向けのワンルームマンションの需要の高いエリアで、ファミリー層向けの物件で入居者を募集しても、空室はなかなか埋まらないかもしれません。

物件を選ぶ際には、アパート経営を行いたいエリアのターゲット層を明確にするほか、当該エリアに再開発計画があるのかなど、将来性も調査する必要があるでしょう。

入居者によるトラブル・対策

入居者によるトラブルは入居率に影響する場合もあります。

物件を購入する際はトラブルがないかを事前にチェックしておくと共に、トラブルやクレームにしっかりと対応してくれる管理会社と契約することも大切です。

ローンによるリスク・対策

アパート経営の経費で最も多くを占めるのがローンです。

ローンは空室や滞納が発生してしまうと、返済が困難になる場合もあるため注意が必要です。

最悪の場合、物件を差し押さえられてしまえば不動投資の継続が難しくなります。

月々の返済額や借入年数など、無理のない借入をしましょう。

金利上昇によるリスク・対策

ローンには固定金利と変動金利があり、変動金利を選択した場合は金利上昇のリスクがあります。

金利が上昇すると月々のローン返済額も上がるため、なんとか利益を確保していたケースでは赤字に転落する可能性もあるのです。

金利の推移を予測するのは難しいですが、35年といった長期ローンを組む際は金利の変わらない固定金利を選択するのもひとつの対策となります。

アパート経営でよくある失敗事例

アパート経営でよくある失敗事例をみていきましょう。

物件さえ持っていればかならず収入があると思っている

アパート経営は、「物件を購入してしまえば終わり」ではありません。

アパート経営は「不労所得」を生む投資手法であると言われており、経営が軌道に乗れば業務に追われることもなく安定的に収益を得られる投資手法です。

しかし、始めて不動産投資を行うのであれば物件購入後に信頼できる管理会社を探したり、入居者管理・建物の管理などをどのように行っていくのかを検討したりと、やるべきことも多くあります。

物件さえ持っていれば自動的に儲かるものではなく、いかに活用して収益を上げていくのかが重要なのです。

表利回りのみを重視して物件を選ぶ

物件を探していると不動産会社の営業マンから、表面利回りだけで説明される場合もあるかもしれません。

しかし、表面利回りは物件価格と家賃収入のみで計算されるものであり、修繕費などのコストや税金などは含まれていません。

表面利回りでは将来どの程度の利益が得られるのかを正確に把握するのが難しいため、経費を含めて計算する「実質利回り」を使ったシミュレーションをした上で物件を選ぶ必要があるのです。

管理会社を通さず自分で管理する

管理会社を通さずにアパート経営を管理するのは、よほどの経験がない限り難しいでしょう。

アパート経営の業務は入居者募集やトラブル対応、家賃回収などの入居者管理から、清掃や修繕など多岐にわたります。

管理会社に委託した場合、家賃の5~10%の管理手数料が必要ですが、一般的に管理会社に委託したほうが入居率が高くなるなどのメリットがあるとされているので、まずは管理会社に委託して始めるのが良いでしょう。

物件の内容が地域の需要とあっていない

単身者の需要が多い地域でファミリー層向け物件を購入した場合、空室は埋まらない可能性があります。

アパート経営を行いたい地域の状況をしっかりと見極めた上で物件を選択しましょう。

周辺で入居者を募集している物件の特徴など、多くの情報を集めて分析するほか、現地に赴いて地域を自分の目で観察するのも方法のひとつです。

何の知識も身につけないまま投資に手を出す

悪徳な業者に騙されて損害を被る人の多くが、自分では何の知識も身につけず投資に手を出しています。

不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」投資と言われ、比較的にリスクの低い投資手法ですが、知識や情報を駆使しなければ十分な収益は上げられません。

不動産投資関連の書籍を読んだりセミナーに参加したりなど、アパート経営に関する見識を向上させるよう日々ド努力しましょう。

節税目的だけで不動産投資を始める

節税目的だけで不動産投資を始めてもうまくいかないかもしれません。

相続税では不動産で相続することで節税できますが、相続時点では一定の節税にはなるものの、その後不動産投資で赤字が続くようでは意味がないでしょう。

不動産投資を始めるきっかけが節税目的でも結構ですが、相続後も将来にわたり安定的に収益が得られるよう、物件選びから慎重に行うべきなのです。

アパート経営で成功する秘訣は?

アパート経営で成功するには、いくつかの秘訣があります。

それぞれ確認しておきましょう。

信頼できる管理会社を探そう

アパート経営成功の鍵は、管理会社の選択にあるといっても過言ではありません。

アパート経営では住民間のトラブルやクレーム対応のほか、家賃滞納や入居者募集など、あらゆる面で対応力が求められます。

自分自身ですべてのトラブルを解決するのは無理があるため、対応力に優れ、かつ信頼できる管理会社を探しましょう。

メンテナンスの費用を惜しまない

外観が汚く設備の老朽化が目立つアパートでは入居者は集まらないでしょう。

また、少しばかりのメンテナンス費用を惜しんだばかりに、想定外の大きな修繕が後々必要になるケースもあります。

日頃からこまめにメンテナンスを実施して、費用を惜しまずに運営していきましょう。

表利回りだけでなく実質利回りをみる

物件価格と家賃収入のみで計算される表面利回りだけでなく、経費などを差し引いた実質利回りをみて物件を購入しましょう。

高い表面利回りを謳った物件であっても、実際に運営したら多くの経費がかかり、半分以下になってしまうケースもあります。

しっかりと経費を見積もり、どのくらいの利益が見込めるのかを把握した上でアパート経営を始めてください。

家賃が下がることを想定した上で計画をたてる

「築年数の経過によって家賃を下げざるを得ない」「周辺環境の変化によって事前に想定した空室率を上回ってしまった」などの理由によって、家賃の値下げに踏み切らなければならないケースもあります。

事業計画を立てる際には空室率を予め高めに設定するなど、リスクを多めに設定しておきましょう。

アパート経営の出口戦略|アパートをそのまま経営していくか、売却するかの見極めが重要

アパート経営では築年数の経過によって入居率が悪化したり、多額の修繕費が必要になったりと、経営を維持していくのが難しくなるケースも出てきます。

たとえ満室であっても、修繕費の増大によって利益が出ない状態であれば、売却を視野に入れるのも良いでしょう、

満室の状態を維持している物件であれば、高い評価を受けて高値で売却できる可能性もあります。

日頃から周辺の相場を把握しておくほか、地域の将来性なども考慮して売却するタイミングを見極めることが重要なのです。

アパート経営をする上で役に立つ資格

アパート経営では多くの知識を必要とするため、資格も持っていれば役立つ場合もあります。

資格の取得は必須ではありませんが、いくつか挙げておくので参考にしてください。

宅地建物取引士

不動産投資にかかわらず、不動産に関わる業務を行うすべての人におすすめの国家資格です。

資格保有者は、不動産に関するさまざまな法律の知識を持っていることを証明します。

宅地建物取引士試験の合格率は15~17%とされており、副業でアパート経営する場合でも勉強次第で十分に取得可能な資格です。

不動産実務検定

「賃貸経営実務検定」から名称が変更になった資格で、「大家検定」とも呼ばれます。

「一般社団法人 日本不動産コミュニティー」が実施している資格で、国家資格ではありません。

賃貸経営や不動産投資を健全かつ安全に行いたい人向けの資格であり、実践的な知識を身につけられるとして不動産業務に携わる方も取得しています。

合格率は1級で50%弱、2級で6割強です。

ファイナンシャルプランナー(FP)

「FP」と呼ばれ広く知られており、資金管理や運用、税金などについて幅広くお金に関するアドバイスを行います。

不動産に関する分野も含まれており、不動産の取得や売却についての法律などについて学べる資格です。

マンション管理士

マンション経営をする際におすすめの資格です。

アパート経営から始めて軌道に乗れば、マンション経営を行っていく場合もあるため、持っておいて損はないでしょう。

マンション管理士はマンション管理規約の作成や管理費用滞納への対応など、管理組合向けのコンサルタント業務を行います。

さまざまなマンション内の管理やトラブル対応について学べるため、アパート経営に通じる内容が多いのが特徴です。

管理業務主任者

マンション管理についての資格であり、「マンション適正化法」によって設けられました。

マンションの管理組合に重要事項説明や事務報告をするのが主な業務です。

資格取得にあたっては、建物や設備の知識や管理組合の財務知識などを学ぶ必要があるため、アパート経営にも役立ちます。

アパート経営を始める上で、必要な知識を身につけよう!

アパート経営は比較的少ない資金で始められ、経営が軌道に乗れば安定的に収益を上げられる投資手法です。

しかし、すべてを業者に任せっきりにしていては成功できません。

不動産投資を始めるにあたっては、必要な知識をしっかりと身につけてリスクを極力排除すると共に、さまざまな状況でも適切に対処できる対応力を身につけて臨みましょう。

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