ペットブームの今、不動産投資用物件にペット可物件の購入を考えている方もいるかと思います。
ペット愛好家の方たちにとっては希少価値が高いペット可物件ですが、不動産投資の物件としてはどうなのでしょうか。
ペット可物件を選択する際には、メリット・デメリットをしっかり把握し、成功に近づく秘訣を知ることが大切です。この記事で詳しく学んでいきましょう。
目次
ペット可の賃貸物件の需要はあるのか?
近年、日本は犬・猫をはじめとするペットブームだとされています。
2024年に一般社団法人ペットフード協会が行った全国犬猫飼育実態調査によると、犬・猫の飼育頭数は1,855万2千頭。
飼育世帯率は犬が12.64%、猫が9.78%となっています。
不動産もこのペットブームの影響を受け、新築の物件を中心に少しずつペット可の物件が増えてきてはいますが、まだまだ十分な数提供されているとはいえないようです。
同調査で今後ペットを飼いたいという人にペット飼育の阻害要因を聞いたところ、「集合住宅に済んでいて禁止されている」という回答が犬を飼いたい人で僅差で第3位(23.5%)、猫を飼いたい人で第1位(29.4%)という結果となりました。
このようにペットを飼いたいと思っていても、「ペット可の物件ではないから飼いたくても飼えない」という人も少なくないのです。
以前はペットといえばファミリー層が飼うイメージでしたが、最近は一人暮らしの人もペットを飼うようになってきています。
今後もさらにペット可物件の需要は増えていくと考えられるため、供給不足の今、不動産投資でペット可の物件を選ぶことで他の物件と差別化できる可能性もあるでしょう。
不動産投資でペット可物件を選ぶメリット
ペット可物件を不動産投資の物件として選ぶと、実際にはどのようなメリットが考えられるのでしょうか。
詳しく見ていくことにしましょう。
入居率が上がる
ペット可物件の最大のメリットともいえるのが、入居率のアップです。
ペットを飼っている(飼いたい)人の数に対し、賃貸住宅でペット可という物件の数はまだまだ少ないのが現状です。
多少不便な面があっても、ペット可にすればペットを飼っている・飼いたい人にとっては新しい入居先の候補に上がりやすくなり、結果として入居率も上がる傾向にあるといえるでしょう。
賃貸料金を上げることができる
ペット可物件は同じ条件の通常物件よりも家賃を高めに設定できるので、収益も上げられることが期待できます。
ただし、高くしすぎると敬遠されてしまう可能性もあるので、特に地方や郊外の賃貸物件では注意しましょう。
敷金を上げることができる
直接収益にはつながりませんが、敷金も通常物件(1~2ヶ月分)に比べて多め(2~3ヶ月分)に設定できるため、家賃の滞納やトラブル時の対応もしやすいといえるでしょう。
中には退去時のクリーニングやリフォームなどの費用として、返金なしの保証金を設定している大家さんもいるようです。
入居期間が長くなりやすい
先ほどお伝えしたように、ペット可の物件は供給不足です。引っ越ししようにも、新たにペット可の引っ越し先を見つけるのはそう簡単なことではありません。
ペットがいない人たちよりも引っ越しのハードルが上がるため、一度入居したら長く住み続ける傾向があるといえるでしょう。
家賃も下落しづらく、賃貸運営も比較的安定すると考えられます。
不動産投資でペット可物件を選ぶデメリット
ペット可物件はメリットだけでなく、当然デメリットもあります。
リスクも十分に把握し前もって対策を講じておくことで、トラブルも最低限におさえられます。
部屋の原状回復の費用が高額になりやすい
ペットを飼っていると、壁や床(畳)、柱に傷がつく、臭いが染みついて取れない、排水管にペットの毛が詰まるといった問題が出てくる場合もあります。
特にオス猫が発情期にするおしっこの臭いはとても強く、「一度のリフォームでは臭いが取り切れず、もう一度リフォームした」というケースもあるようです。
飼い主がきちんと管理してくれればそこまでひどい状態になることはないはずですが、ときには退去後の部屋の原状回復に高額な費用がかかる可能性も高いです。
ペットの鳴き声や臭いによるクレームが出る可能性がある
ペットの鳴き声や臭いは、特に普段動物と生活を共にしない人にとっては気になるものです。
飼い主自身は気にしていなくても、近所の人が迷惑に感じていてトラブルに発展することもあるでしょう。
途中でペット可物件にすると、既存入居者とのトラブルが起きる可能性がある
最初からペット可の物件として売り出した(貸し出した)場合は、ペット可であることを理解した上で入居しているため、ペットに関する問題は起こりにくいといえます。
しかし途中からペット可にした場合、入居者の中には動物が嫌い・アレルギーがある人がいることも考えられ、ペットを飼い始めた人との間でトラブルが起こる可能性も。
この理由から、途中からペット可にするのはリスクが高いといえます。
どうしてもペット可にしたい場合は、既存入居者に丁寧に説明して理解を求める、家賃を下げるといった対応が必要になります。
アレルギーがある人にとっては死活問題にもなり得るため、「ペット可になるのなら引っ越す」という人も出てくるでしょう。
その際に引っ越し費用などを負担しなければならなくなるといったことも想定しておきましょう。
初期費用が多くかかる可能性がある
コンセントの位置を高くする、ペット用の出入り口を設ける、クロスや柱などに傷防止対策を施すなど、ペットがいても住みやすい物件にするとなると、通常物件よりも初期費用がかさむことが考えられます。
退去後の原状回復費用が予想外に高額になることもあるので、その保険として捉えておくとよいかもしれません。
入居者が限られてしまう
家賃や敷金が高めに設定されるペット可物件は、ペットを飼っている・いずれ飼いたい人以外の人からは物件探しの対象外になります。
ペット可物件が少ない現状においてはデメリットにはなりにくいかもしれませんが、入居者が限られるということは頭に入れておきましょう。
ペット可物件での不動産投資で成功する秘訣
ペット可物件のメリット・デメリットはここまでで一通り把握できたかと思います。
意外とデメリットも多く、「投資用物件としてはどうなのかなぁ」と考えてしまった方もいるかもしれませんが、実際にペット可物件で成功している方ももちろんいます。
ペット可物件の不動産投資で成功するにはどういった点に注意したらよいのかをお伝えします。
ペット可にする上でのルール作りが重要になる
ペット可といっても、ある程度のルールを決めておかないと、予想外のペットを飼い始めて他の入居者の迷惑になる、というようなことも考えられます。
入居者募集の際には、あらかじめ飼育を許可するペットの種類・大きさ・数などを決めておくようにしましょう。
写真も一緒に提出してもらう、数が増える場合には追加で申請してもらうなども検討するとよいかもしれません。
また、ペットが共有スペースで排泄してしまった場合、臭いが染みついて取れないといった問題も考えられます。
アパート・マンション内ではペットを抱き上げて排泄させないようにするなど、共有スペース内でのルールもあらかじめ決めておくようにしましょう。
ペットを飼う上での厳密な「原状回復条件」を取り決めしておく
契約の際は、入居者退去時に原状回復を負担する箇所を決めておく、ハウスクリーニングなどの費用を負担してもらうなど、きちんと取り決めて契約書に特約として明記しておきましょう。
明記しておくだけでなく、契約前にきちんと説明して了承してもらうと安心です。
ペットを飼いやすい環境づくりをする
名目上「ペット可」としても、ペットを飼う入居者にとって本当に住みやすいかどうかは疑問です。
最近ではペット用の通用口や足洗い場、ドッグランなどを設けているペット可物件もあります。
とはいえ、予算が限られている中でそこまでするのは難しいですよね。
いくつか例をご紹介しますので、できる範囲で実行してみてはどうでしょうか。
床材は傷がつきにくいものに変更する
フローリングだとどうしても傷がつきやすいもの。
フロアタイルなら傷がつきにくく、汚れてしまった場合も掃除が簡単です。
爪がひっかかりにくい、滑りにくいといったペット対応の床材も出ているので、余裕があればそうした床材の導入を検討してもよいでしょう。
クロスの下部にシートやアクリル板、柱にはウレタン系のカバーを
クロスや柱も、猫が爪をといでしまうなど傷つきやすい箇所です。
あらかじめクロスの下には防護シートを敷いておく、柱にはカバーをしておけば原状回復にもそこまで時間・費用がかからなくなるでしょう。
床材同様汚れや傷に強いペット対応のクロスもあるので、見てみるといいかもしれません。
入居前に立会チェックシート等で現況の状態をしっかりと確認しておく
特に入居が長期間になると、入居時の状態を思い出すのが難しくなります。
入居前には立会チェックシートを使って部屋の状態をしっかり確認し、書面に残しておきましょう。
猫を飼っている人には爪とぎ等をプレゼントする
猫にとって爪とぎはなくてはならないもの。そうしたものがないと、家具や柱などで爪をといでしまう可能性が高くなります。
猫を飼う入居者には爪とぎやキャットタワーをプレゼントするのも、防衛策としてはよいかもしれません。
不動産投資物件で悪条件でも「ペット可」にすることでカバーできる可能性が!
ペット可物件が少ない現在、ペット可物件はペット愛好家の人たちにとっては貴重なもの。
「こんな条件が悪い物件、不動産投資には向かないんじゃ……」という物件も、ペット可にすることでペットを飼っている・飼いたい入居希望者を集められる可能性もあります。
デメリットがメリットを上回ることがないようにしっかりと対策を講じれば、ペット可物件の不動産投資も成功が見えてくるはずですよ。
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