みなさんは不動産投資における「キャッシュフロー」について考えていますか?
家賃集金などを管理会社に委託している場合、お金の流れを管理会社任せにしていませんか?
実は、不動産投資におけるキャッシュフローには重要な役割があります。
この記事では、不動産投資においてキャッシュフローに必要な要素やシミュレーション、帳簿上の数字の違いなどを解説しています。
不動産投資を既にされている方や不動産投資を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
不動産投資におけるキャッシュフローとは?
そもそもキャッシュフローとはどういうことでしょうか。
キャッシュフローとは、通常、利益から経費などの支出を引いて残る現金の流れのことをいいます。
不動産投資におけるキャッシュフローは、家賃収入から経費や借入金の返済額を引いて残る現金の流れを指します。
ここでは、不動産投資におけるキャッシュフローについて解説しましょう。
キャッシュフローを出すのに必要な要素とは
それでは、キャッシュフローを出すために必要な要素について解説します。
①家賃収入などの総収入
まずは、家賃収入など総収入を洗い出しましょう。
みなさんは、物件の「レントロール」を見たことがありますか?
レントロールとは、物件の各部屋の家賃が表になっているもの。
レントロールを見ると家賃収入が計算しやすいので手元に用意すると良いでしょう。
購入したい物件が中古の場合、長期で入居している部屋の家賃が現在の相場とかけ離れていることがあります。
その場合は現在の相場にならして計算すると、より現実的なキャッシュフローとなるでしょう。
②経営で掛かった経費
次に、不動産経営で掛かった経費を計算しましょう。
管理費、清掃費、設備(エレベーターなど)のメンテナンス費、修繕費などが考えられます。
これから購入する物件であれば、税金などの実際の金額がわからないので概算で計算します。
経費の総額は、④税金を含めて15~25%程度で計算してみましょう。
不動産といっても物件は様々ですので、木造とRC、ワンルームとファミリー向けなど物件によって多少変化させることをおすすめします。
③ローン返済額
金融機関へ支払うローン返済額を計算しましょう。
借入金額(元金)はもちろん、金利も計算に入ります。
家賃収入などの総収入に占めるローン返済額の割合は、50~60%程度を占めることが多いのです。
そのため、借入金額や金利の数字が変化するだけでローン返済額が大幅に変化してしまいます。
キャッシュフローで大切なことは、月々の家賃収入から無理なく支払えるローン返済額にすること。
この考えを踏まえて、余裕を持った資金計画を立てると良いでしょう。
④税金
固定資産税、都市計画税などの税金がこの項目に入ります。
固定資産税や都市計画税は、都心部・地方、RC・木造などの違いによって金額が異なります。
購入を検討している物件の場合は、おおよその金額を計算に入れましょう。
基本的なキャッシュフローの計算式
基本的なキャッシュフローの計算式は下記の通りです。
キャッシュフロー=①家賃収入などの総収入-(②経営などで掛かった経費+③ローン返済額+④税金)
それでは、具体的に下記の数字を例として計算しましょう。
①480万円
②+④96万円
③240万円
480万円-(96万円+240万円)=144万円
この例でいくと、手元に残るお金は、年間144万円ということになります。
キャッシュフローの目安はどれくらい?
みなさんが掲げる不動産投資の目標は何ですか?
あくまでサラリーマンの副業として行いたいという人と、将来的に不動産投資で脱サラしたいという人では目標金額が大きく異なります。
手元に残るお金が最終的にいくらになれば良いのかを考えてみましょう。
家賃収入から引かれる項目の中で、割合が1番高いのがローンの返済。
できれば、ローンの返済比率が50%を下回る物件を探すことをおすすめします。
キャッシュフローと帳簿上の数字の違いとは
キャッシュフローと帳簿では、数字の付け方で異なる部分があります。
ここでは、キャッシュフローと帳簿上の数字の違いについて解説しましょう。
キャッシュフローが赤字なのに帳簿は黒字になるワケ
キャッシュフローというお金の流れと帳簿では数字の付け方が異なります。
例えば、会社で商品を販売したときの売上は、購入した会社の売掛金として翌月支払いにしたとしましょう。
帳簿上は「売掛金」として処理されますが、実際にはまだ手元に現金が入っていないという状況になります。
不動産投資における帳簿も同じように、実際に現金のやり取りが発生していなくても、帳簿上は計上されている項目が存在します。
その代表的なものが「減価償却費」。
ここでは、減価償却費について解説します。
減価償却費について理解しよう
減価償却とは、数年に長期で使用する固定資産について、その固定資産の耐用年数に従って費用として計上していくことをいいます。
ですから、減価償却費は帳簿上の数字であって、実際にお金のやり取りが発生しているわけではありません。
不動産投資においては、主に建物が該当するでしょう。
土地は減価償却をしません。
減価償却費は家賃収入などの総収入から費用として差し引けますので、計上すれば課税対象となる利益を抑えることができます。
なお、帳簿上の計算は、総収入額-(運営経費+減価償却費+借入金支払利息+所得税や住民税などの税金)となります。
減価償却費を含めたキャッシュフローの計算式
それでは、減価償却費を含めたキャッシュフローの計算式はどのようになるでしょうか。
先ほどの帳簿上の計算から「帳簿上の利益」の数字を出しましょう。
帳簿上の利益+減価償却費-元金の返済額
減価償却費を含めたキャッシュフローの計算式は以上のようになります。
減価償却費はあくまで帳簿上の数字。
実際のお金の流れを表したものがキャッシュフローですので、帳簿上の利益では費用として差し引いた減価償却費を戻しているのです。
不動産投資キャッシュフローの実例シミュレーション
ここでは、不動産投資キャッシュフローの実例シミュレーションを行います。
不動産投資を検討している方、既に始められている方はぜひ参考にしてみてください。
例)家賃収入400万円、返済額200万円の場合
ここでは仮に、家賃収入400万円、ローンの返済額を200万円として考えてみましょう。
その他必要な項目については下記の通りとします。
・固定資産税・都市計画税 40万円
・所得税・住民税 30万円
・管理費 20万円
・修繕費 30万円
それでは以上の条件で計算してみましょう。
400万円―(200万円+40万円+30万円+20万円+30万円)=80万円
手元に残る現金は80万円という計算になります。
実際にはもっと細かい費用がたくさんありますので、物件や条件によって項目を追加して計算すると良いでしょう。
キャッシュフローを計算できるおすすめソフト・本を紹介
キャッシュフローを計算できるソフトや、計算の仕方を紹介している本があります。
ここでは、その中でも特におすすめのソフトや本についてご紹介します。
楽待|CF(キャッシュフロー)シミュレーション
不動産ポータルサイトの代表的な存在である「楽待」。
楽待のサイトのなかに、CF(キャッシュフロー)シミュレーションのできるページがあります。
https://www.rakumachi.jp/property/investment_simulator
物件価格、表面利回り、物件構造、築年数、建物面積の5項目を入力することで、キャッシュフローのシミュレーションが行えます。
5項目ですので入力が簡単ですし、気軽にシミュレーションできることが特徴。
計算された結果はすべて税引き後の数字のため、「実際に手元に残るお金」がわかりやすくなっています。
『Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて』
また、キャッシュフローの計算の仕方を本にまとめたものがあります。
それが、「Excelでできる不動産投資「収益計算」のすべて」という書籍。
この本を読むことで、不動産投資における収益の構造を理解して、収益計算を自分でできるようになるでしょう。
シミュレーション用のExcelシートがダウンロードできる特典がありますので、気になった方はぜひ活用してみてください。
マイナスになったキャッシュフローをプラスへ戻すコツ
帳簿上は赤字経営となっていなくても、キャッシュフローがマイナスの状況が続けばやがて資金繰りに行き詰ってしまうでしょう。
ここでは、マイナスになったキャッシュフローをプラスへ戻すコツについて解説します。
①支出を減らす|繰り上げ返済をする
まず検討する改善項目は「ローンの返済額」です。
繰り上げ返済を活用することによって元金を減らし、将来的な支払利息を減らすことで、手元に残るお金を増やします。
元金均等返済を行っている方に対しては、特に有効な改善方法でしょう。
②収入を増やす|物件の価値を高める
2つめの改善方法は、物件の価値を高める方法です。
つまり、付加価値をつけて家賃収入を増やすということですね。
設備を新しく追加・交換したり、和室を洋室にリフォームしたりすることなどが考えられるでしょう。
いずれにせよ、キャッシュフローのマイナスをプラスに転じさせるためには、「収入を増やす」もしくは「費用を減らす」ことが必要です。
自分のキャッシュフローの項目を見直して、できるところから改善していきましょう。
キャッシュフローは不動産投資の健全性をはかる重要な指針!
以上の通り、キャッシュフローは不動産投資の健全性をはかる重要な指針となっています。
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