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不動産投資における繰り上げ返済の仕組みとは?|判断要素とシュミレーションサイトを紹介

不動産投資では多くの場合、金融機関からの融資を受けて物件を購入します。

当然そこには金利が発生しますが、一部を前倒しして返済する「繰り上げ返済」によって利息を軽減し、総返済額を減らすことができるのです。

ただ、繰り上げ返済についての理解が不足していると、利用すべきか否かを判断することが難しいかもしれません。

そこで今回の記事では、繰り上げ返済の仕組みからメリット・デメリット、実行する判断要素についてご説明しますので参考にしてください。

1. 不動産投資における繰り上げ返済の仕組みとは?

不動産投資における繰り上げ返済の仕組みとは?

繰り上げ返済とは、ローンの一部を手元資金によって前倒しして返済することです。

一度にまとまった金額を返済することにより元本を減らし、支払う金利を少なくする効果があります。

また、繰り上げ返済は毎月のローン返済とは別途行うのが通常です。

繰り上げ返済の種類

繰り上げ返済の種類には2つの方法があるので確認しておきましょう。

期間短縮型

期間短縮型は、毎月のローン額はそのまま変更せず、ローンの返済期間を短くする方法です。

例えば、25年ローンが20年ローンになるなど、完済年月日を早められます。

一般的に期間短縮型では、下記で説明する返済額軽減型より支払い利息総額を大きく圧縮することが可能です。

返済額軽減型

返済額軽減型とは、繰り上げ返済をすることでローン期間は変更せずに月々のローン返済額を少なくする方法です。

例えば、毎月10万円支払っているローン額が8万円になるといった、月々のローン負担を減らす効果があります。

2. 不動産投資で繰り上げ返済をすることによるメリット

不動産投資で繰り上げ返済をすることによるメリット

では、不動産投資において繰り上げ返済を行った場合、どんなメリットがあるのでしょうか。

利息負担を減らせる

繰り上げ返済をする最大のメリットが、利息の額を減らせることです。

金融機関から融資を受ける際の利息はなるべく少なく抑えたいもの。

月々のローン返済額の内訳を確認してみればわかりますが、月々の元金と利息を一定の額とする返済方法「元利均等返済」では、当初は元本より利息額の方が大きくなるため落胆することもあります。

繰り上げ返済によって実質的な利息額を減らせることはもちろん、精神的な負担も減らせるのです。

将来的なキャッシュフローが安定する

期間短縮型の繰り上げ返済で早期にローンを完済すれば、その後は利益が増えて手元資金は潤沢になるでしょう。

また、返済額軽減型の繰り上げ返済によって月々のローン支払額が減少すれば、その分手元に現金が残ります。

繰り上げ返済を行うことによって、将来的なキャッシュフローが安定するのです。

総返済額を減らせる

ローンの総返済額は、「元本+利息」です。

繰り上げ返済によって利息を減らせれば、全体の総返済額を減らすことにつながります。

金利上昇リスクに備えることができる

変動金利を選択している場合、最も恐れることが金利の上昇です。

元本が多く残っているほど金利上昇の影響は大きく、今後の不動産投資の継続が難しくなる可能性も考えられます。

なるべく早めに繰り上げ返済することで、金利上昇のリスクに備えられるのです。

3. 不動産投資で繰り上げ返済をすることによるデメリット

不動産投資で繰り上げ返済をすることによるデメリット

一方で、繰り上げ返済することにデメリットはあるのでしょうか。

金利次第では繰り上げ返済の効果が薄くなる

金利が高いほど支払う利息額が大きくなり、利益を圧迫します。

逆を言えば、金利が低い場合は繰り上げ返済を行っても返済額を減らす効果は期待できないのです。

金利が低いほど繰り上げ返済の効果は薄く、手元資金を無駄に減らすことにもなるため注意が必要でしょう。

新たな物件が購入しにくくなる

繰り上げ返済を行う際には、まとまった自己資金が必要になります。

手元資金はその分減るわけなので、新たな物件を購入する際の資金も減ることになるのです。

本来なら不動産投資に向けるべき資金を繰り上げ返済に回してしまうことにより、優良物件を購入するチャンスを逃してしまうなど、不動産投資事業を大きく発展させる機会を失う可能性もあります。

突発的なリスクに対応出来なくなる

繰り上げ返済で手元資金が減ることにより、突発的なリスクに対応出来なくなるケースも考えられます。

たとえば、空室率が上昇してしまったり建物の修繕費が必要になったりと、突然資金が必要になった時に対応できなくなる可能性があるのです。

違約金が発生する場合がある

金融機関によっては、繰り上げ返済をすると違約金を求められる場合があります。

違約金とは謳わず「繰り上げ返済手数料」と呼ぶ場合もあり、固定金利で借入を行っているケースが多いです。

繰り上げ返済違約金は、「繰り上げ返済によって銀行側が本来受け取るはずの金利が失われてしまった」という意味合いがあり、ある種の損害賠償金と考えてもよいでしょう。

不動産投資ローンの繰り上げ返済の違約金の相場は繰り上げ返済の元本金額の2%前後です。

節税効果が薄れる可能性がある

不動産投資において、元本と利息から成るローン返済額は経費として計上できます。

所得税は利益が大きいほど増えるので、月々のローン返済額を減らすことにより数字上の利益が減ってしまい節税効果が薄れる可能性があるのです。

4. 不動産投資で繰り上げ返済をするかどうかの判断要素

不動産投資で繰り上げ返済をするかどうかの判断要素

前述したように、繰り上げ返済にはメリットもデメリットもあります。では、繰り上げ返済すべきか否かは、どのように判断したらよいのでしょうか?

ランニングコストを十分に確保できるか

不動産投資ではさまざまなランニングコストがかかります。

繰り上げ返済で手元資金を投入することによって、ランニングコストを十分に確保できないのは問題です。

ランニングコストには下記のものがあります。

  • 税金(固定資産税・都市計画税など)
  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 募集をかけた際の広告費
  • 共用部分の水道代や電気代など光熱費
  • 浄化槽などの各種点検費用

これらのランニングコストが発生した際に支払える資金は、最低限用意しておかなければなりません。

生活資金に支障が出ないか

繰り上げ返済をしたばかりに、生活資金が足りなくなってしまっては本末転倒と言えるでしょう。

また、十分に生活資金を確保できる予定であっても、思いがけず建物の修繕費が発生したり、空室が増えて家賃収入が減ってしまったりすることも考えられます。

突発な出費も想定した上で十分に生活資金を確保できるのかを、しっかりと精査しておきましょう。

投資規模を拡大するかどうか

「投資規模を拡大したい」と、模索する場合もあるでしょう。

投資規模を拡大することには以下のメリットがあります。

  • 空室リスクへの対応力が向上する
  • 災害リスクへの対応力が向上する

例えば、ワンルームマンション1室とアパート1棟では、予定していた家賃収入が得られない事態に対応できる幅が異なるのです。

1室しか保有していない場合、空室になれば家賃収入がゼロになりますが、数部屋あればゼロは免れるでしょう。

また、災害が起きて最悪建物が倒壊してしまっても分散して色々な場所に不動産を所有していれば収入が0になるということはなくなります。

保有部屋数が多いほど、要するに投資規模が大きいほど、不動産投資で考えられるリスクに対応しやすく有利になるのです。

保有物件を増やして不動産投資事業を拡大していきたいのであれば、まとまった資金が必要になります。

利息を減らしたいばかりに繰り上げ返済で手元資金が減ってしまえば、投資規模を拡大する計画を実現させることは難しくなるでしょう。

金融機関からの借り入れ方法

金融機関から融資を受けた際、どのような条件で借入をしているかによって繰り上げ返済すべきかの判断が可能です。

例えば、変動金利で融資を受けている場合、元本の残債具合で繰り上げ返済すべきか判断できます。

金利が上昇している最中、または今後上がることが予想できるのであれば、金利が収益を圧迫する可能性があるので繰り上げ返済を行うべきでしょう。

一方、金利が下落する場面では繰り上げ返済による効果が薄まり、繰り上げ返済するより手元に資金を残しておくほうがキャッシュフローの観点からも優位性があると判断できます。

5. 繰り上げ返済のシミュレーションケース|具体例を用いて解説

繰り上げ返済のシミュレーションケース|具体例を用いて解説

それでは、繰り上げ返済のシミュレーションの具体例をみていきましょう。

上記でご説明した期間短縮型と返済額軽減型、それぞれのケースで解説します。

【前提条件】

  • 借入額:3,000万円
  • 金利:固定金利2.2%
  • 当初返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済 ※ボーナス併用払いなし
  • 1年後に100万円を繰り上げ返済

返済方法に「元利均等返済」とありますが、ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。

元利均等返済は、月々の返済額を元金と利息を一定額とする返済方法です。

一方、元金均等返済は月々の返済元金を一定にするもので、利息がローン残高によって変動します。

金融機関や条件によって元金均等返済を選択できない場合もあるので、ここでは元利均等返済で計算していきましょう。

期間短縮型で繰り上げ返済した場合

繰り上げ返済しなかった場合 繰り上げ返済した場合
毎月返済額 102,485円 102,485円
総返済額 43,043,700円 41,981,915円
残存返済期間 34年 32年4ヶ月

1年後に100万を繰り上げ返済した結果、返済期間は1年8ヶ月短縮できています。

また、総返済額は1,061,785円減少しました。

返済額軽減型で繰り上げ返済した場合

繰り上げ返済しなかった場合 繰り上げ返済した場合
毎月返済額 102,485円 99,002円
総返済額 43,043,700円 42,622,636円
残存返済期間 34年 34年

1年後に返済額軽減型を選択して100万を繰り上げ返済した場合、月々のローン返済額は3,483円減少しています。

総返済額を、421,064円減らすことができました。

6. 手軽に繰り上げ返済シミュレーションができるサイト

手軽に繰り上げ返済シミュレーションができるサイト

実際にご自身で手軽に繰り上げ返済をシミュレーションできるサイトをご紹介します。

オリックス銀行繰り上げ返済シミュレーション

元利均等分割返済による繰り上げ返済をシミュレーションできるサイトです。

繰り上げ返済後の借入金残高・金利・繰り上げ返済後の借入金期間を入力することで、借入期間と月々返済額の減少具合を確認できます。

オリックス銀行繰り上げ返済シミュレーション

at homeローンシミュレーション

ローンの返済額や借り換え、繰り上げ返済など様々な試算ができるサイトです。

借入期間終了までの払込額と借入残高を時系列で確認できる償還表を作成できるのが特徴。

at homeローンシミュレーション

6. 繰り上げ返済は費用対効果をしっかり計算してから検討しよう

繰り上げ返済は、利息を減らして総返済額を軽減させる効果があります。

しかしながら、不動産投資をスピーディーに拡大させたい場合には手持ち資金が潤沢なほうが有利ですし、金利変動や空室リスクなどに備えておかなければなりません。

したがって、繰り上げ返済を行う際には現在の資産状況や将来的なリスク要因を分析し、費用対効果もしっかりと計算した上で検討することが望ましいのです。

もしご自身だけで不安な場合は、不動産投資のプロに相談することをおすすめします。

MIRAIMOでは無料オンライン相談を実施していますので、繰り上げ返済やローンについてお困りのことがあれば、ぜひご利用ください。

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