国民生活センターが発表した「投資用マンションに関する相談件数」は1,350件(2024年度)と決して少ない数字ではありません。
内20代の若い人が30%を占めており、決して他人事とは言えないことがわかりますね。
では、なぜ国民生活センターに相談するまでのトラブルに発展してしまうのでしょうか?
今回は不動産投資に関するよくあるトラブル事例やその回避策、万が一トラブルに巻き込まれてしまった場合の対処法まで解説します。
不動産投資でのしつこい勧誘やトラブルを回避したい方は是非とも参考にしてください。
目次
1. 不動産投資トラブルでよくある例を紹介
不動産投資でよくあるトラブルとして、向こうから投資話を持ち掛けてくるものや実際に相談したときの「契約前のトラブル」と購入してから発覚する「契約後のトラブル」の2つに分かれます。
ここでは大きく2つに分けてトラブル事例と対処法をいくつか紹介します。
①契約前のトラブル
営業電話や勧誘がしつこい
「投資マンションを買いませんか?」という営業電話がしつこくかかってきて、断り切れず契約してしまった…という相談も増えているようです。
営業電話をかけてまで売りたい物件=収益性のある良い物件とは言えません。
「必要ありません。もうかけてこないでください」という毅然な態度で接し、すぐ切ってしまいましょう。
それでもしつこくかかってくる場合は会社名や担当名を聞き出し、警察や国民生活センターに電話しましょう。
「高利回り物件だから儲かる」と勧めてくる
「高利回りだから儲かりますよ」と言ってくる業者から不動産を購入することはおすすめできません。
たしかに利回りは不動産投資における1つの指標ではありますが
利回りが高ければ高いほど、条件が悪かったり物件のリフォームなどにお金をかけなければならないなど何かしらの理由があります。
対処しきれるリスクなのか、諸々の費用や立地を見込んでもなおしっかりキャッシュフローが得られる物件なのかなど、様々な観点から「収益を見込める物件」かどうか鑑みて購入を決断しましょう。
マンションやアパートを満室のように見せかける
実際に物件を見た際に、「物件が満室だから大丈夫!」と判断するのは早いです。
不動産屋によっては、成約率を高くするためにカーテンなどをつけて物件を満室かのように見せかけることもあるのが実態…。
(カーテンスキームとも呼ばれています)
入居率は今後の運用にも関わること。
外見だけで判断せずに入退去者に関する資料を不動産会社に言って見せてもらいましょう。
手付金を払わせようとする
「これはとても人気な良い物件なので、とりあえず手付金を払って押さえておきませんか?」と手付金を強引に払わせようとするパターン。
売買契約を交わした後も手付金を返還しなかったり、内金(購入代金に含むこと)にもなっていない「手付金詐欺」というものも横行しています。
手付金は、購入をキャンセルすると場合によっては戻ってこない場合もあります。
営業マンの口車に乗せられずに契約内容をよく確認し、良い物件かどうかじっくり判断してから手付金を払いましょう。
甘い話ばかりでデメリットやリスクを話さない
「節税になりますよ!生命保険代わりになりますよ!」
不動産投資のメリットを強調されたので買ったはいいものの、「リスクの沼」にはまって運用がうまく行かなかったという方もいます。
不動産投資にはメリットもたくさんありますが、あくまで投資なのでリスクもあるのです。
メリットばかり語る業者ではなく、デメリットやリスク、その対処法までしっかりと説明してくれる業者を選びましょう。
②契約・契約後のトラブル
他人の物件を売りつけられていた(二重譲渡)
売主(所有者)が買主の他に別の人にも不動産を売却するという詐欺も。
第三者が先に登記をしてしまった場合、買主に不動産の所有権がなくなってしまいます。
決済の前に登記をしっかり確認しておきましょう。また、購入後すぐに登記を行うことも有効です。
瑕疵のある物件だった
瑕疵(かし)とは欠陥のこと。
近隣に暴力団事務所があったり、殺人や自殺があった事故物件だったなどの情報を隠されて物件を購入した後に瑕疵に気づき、トラブルに発展することもあります。
シロアリなど隠れた瑕疵がある場合もあるので、物件に瑕疵がないかは自身でも念入りに確認することが重要です。
クーリングオフできますよと言われていたができなかった
「万が一なにかあったらクーリングオフができるから安心してください」と言われたからクーリングオフしようとしたが、できなかった….というトラブルもあります。
クーリングオフには
- 宅建業者が売主であること
- 事務所以外の場所での契約であること
- 宅地建物の引き渡しを受けていないor代金全額を払っていない
- 「クーリングオフできる旨と方法について告げられた日」から起算して8日以内
といった条件があるので、「クーリングオフできるから」と言う業者と安易に契約を交わすのは避けましょう。
2. 不動産投資のトラブルを回避する3つの方法
では、上記のようなトラブルに遭わないためにはどのような回避策を練ればいいのでしょうか?
ここでは不動産投資トラブルを回避する方法を3つ解説します。
①物件選びは自分で行う
営業マンに提案されたからと安易に購入を決定するのは避けましょう。
営業マンの中にはあなたの利益ではなく、自分の利益しか考えていない人もいます。
最終的には「自己責任」になってしまうので、利害関係のない第三者に相談したり、自分で物件の善し悪しを見極めて物件購入を決定しましょう。
利回りは自分で計算してみよう
また、利回りや物件のキャッシュフローの計算を自分でしてみるのも手です。
ネットや資料に掲載されている利回りは、大体が年間収入÷購入価格である「表面利回り」。
なので、年間に想定される支出(ランニングコストを)を引いた
(年間収入-年間支出)÷購入価格で自身でも計算してみましょう。
②不動産会社の情報をチェックしよう|会社規模や実績、セミナーなど
また、不動産会社についての情報もしっかり調べましょう。
大手だからと言って必ずしも良い会社とも限りませんが、入居率や実績、定期的にセミナーを実施しているかなど
様々な会社情報から「良い不動産投資会社であるかどうか」のヒントが隠されています。
インターネット上に記載されていない場合には実際に電話などで質問してみると良いかもしれません。
その際の対応によっても、今後お付き合いしていける業者かどうかの判断ができるでしょう。
③不動産投資について知識を増やす|本やインターネット、セミナーなど
利益が見込めないマンションアパートを買わされてしまうといったというトラブルは多くが「不動産投資について知らなかった」ことが原因です。
ある程度不動産投資の知識があれば大体のトラブルは回避できるのです。
今はたくさんの不動産書籍やサイトの情報、セミナーなどがあります。
お金をかけずとも勉強する手段はたくさんあるので不動産投資の知識をつけておいて損はありません。
3. 不動産投資トラブルに巻き込まれてしまったら弁護士などの専門家に相談しよう
実際に不動産投資のトラブルに巻き込まれてしまった際は、なるべく早く詐欺・不動産の法律に詳しい専門家に相談することが大切です。
どういった専門家に相談すればいいかをご紹介しましょう。
弁護士
法律に関するトラブルなら不動産関係のことでも弁護士に相談することができます。
最初は無料で相談できるところもあるので、活用してみましょう。
国土交通省・都道府県知事
営業を受けた不動産会社の名前や宅建番号が判明している場合は、行政機関に対処してもらいましょう。
宅建業者を管轄しているのは「都道府県知事」か「国土交通省」です。
いずれかに情報提供を行い、行政機関に調査・処分を求めましょう。
参考:国土交通省 地方整備局に関する窓口(http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000018.html)
宅地建物取引業保証協会・不動産保証協会
もし詐欺被害に遭ってしまった場合は、その不動産会社の所轄の保証協会に申し立てをしましょう。
実際に被害が発生している場合は1,000万円を限度として弁済されます。
もし、トラブルに巻き込まれてしまった、詐欺に遭ったと気づいたら早めに行動することが大切です
4. 不動産投資で損することのないようにするには良いパートナー探しから!
不動産投資に関する知識をしっかりつけて、慎重な判断をすれば大体のトラブルは回避できることがお分かりいただけたかと思います。
万が一トラブルに巻き込まれてしまっても早めに相談すればお金が戻ってきて、被害が最小限に食い止められるでしょう。
もし、不動産投資を始めるにあたって不安な点がある場合は
MIRAIMOの無料勉強会や無料オンライン相談窓口(LINE)を活用してみてください。
きっとあなたの役に立つ情報をお伝えすることができます。