不動産投資を考える際、節税効果を狙って不動産を購入したいという人も多いと思います。
たしかに、不動産投資では、やり方次第では節税の効果を得ることができるでしょう。
でも、実際に物件を購入する前に物件の利回りやランニングコスト、具体的な節税効果などをしっかりとシミュレーションしておかないと、思っていた効果が得られないことも….。
今回は、物件の購入前に知っておきたい情報や、節税シミュレーション方法などについて紹介していきます。
不動産投資で節税になる条件や対象になる税金など基本的な知識を得たい方は以下の記事から読んでみてくださいね。
目次
1. 不動産投資するときにシミュレーションをすることが大切な理由
不動産投資をする際は、事前にしっかりとしたシミュレーションをしておくことが大切です。
シミュレーションをするメリットとしては次のようなことがあります。
具体的な収支プランを立てることが出来る
シミュレーションをしておくことによって、事前に具体的な収支プランを立てることができます。
- その投資物件がどれくらいの収入が見込めるのか
- 数年以内に想定される大きな修繕などの出費はどうか
- 月々のローンの支払いと収入のバランスはどうか
などを細かく計算しましょう。
リスク対策を事前にすることが出来る
シミュレーションをすることで、その物件を運用していくにあたって起こりうるリスクを想定することができます。
将来予想される大きな出費や、空室リスクなどを具体的に把握しておくことである程度の備えをすることができるでしょう。
投資物件の本当の価値を把握することが出来る
具体的な収支バランスや、将来的に想定される大きな出費をシミュレーションすることで、本当にその物件が投資に値するのかが見えてきます。
見た目の利回りが高くても、物件が古かったり管理状況が悪いなどで大きな出費が予想される物件などは、実際の投資効果が低い可能性があるのです。
2. 不動産投資の節税シミュレーションをする前に把握しておくべき事項4つ
節税シミュレーションをする際、具体的に把握しておくべきことが4つあります。
インターネットで調べたり、不動産会社に問い合わせるなどして確認しておきましょう。
①物件周辺の相場価格
購入を検討している物件と、周辺の物件の相場との価格の差を確認しましょう。
あまりにも相場とかけ離れた物件は要注意です。
割安だからと飛びつくと、大規模な修繕が必要な物件だったり、問題があり空室率が高い物件という可能性もあります。
また物件の価格だけではなく、設定されている家賃についても確認し、将来的に家賃が下がってしまう可能性についても考えましょう。
②物件の事前調査
家賃や購入価格などの金額面だけではなく、実際に物件を見に行ってしっかりと調査をしましょう。
物件について調べておくべき項目例を挙げておきます。
- 周辺地域の治安
- 商業施設病院などの有無
- 建物の管理状況や劣化具合
- 空室率
- 家賃の下落率
- 入退去の際にかかるコスト
- 1年あたりの入退去件数
以上の項目については把握しておきましょう。
③物件の資産価値
物件の資産価値についても見ておきましょう。
土地の価格や数年後に売却した際の売却金額の想定などをしておきます。
④金融機関の融資可能枠
金融機関がいくら融資してくれるのか、また返済期間や金利も確認しましょう。
これらの情報を基に、毎月のローンの返済額がいくらになるのかを試算する必要があります。
3. 不動産投資でいくら節税できるかを確認してみよう|実例シミュレーション
不動産投資で赤字を出すことによって、他の所得と損益通算をして所得税や住民税を節税することができる場合があります。
所得税や住民税は累進課税制を採っているので、所得に応じて掛けられる税率も変わります。
住民税は自治体によって違いますが、所得税率は次の通りです。
課税される所得金額 税率 控除額 195万円以下 5% 0円 195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円 330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円 695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円 900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円 1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円 4,000万円超 45% 4,796,000円 引用:国税庁 No.2260 所得税の税率 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
住民税についてはお住まいの自治体によって税率などが違うので、ここでは所得税に焦点を当てて、扶養条件など細かい条件は考慮せずに簡単な計算をしていきます。
所得税は、給与所得と他の所得と損益通算し、控除額を差し引いて計算します。
- 年収500万円の人が不動産投資で赤字を200万円出した場合
→所得税は572,500円~202,500円(370,000円の節税) - 年収500万円の人が不動産投資で赤字を100万円出した場合
→所得税は572,500円から372,500円(200,000円の節税) - 年収1,000万円の人が不動産投資で赤字を300万円出した場合
→所得税は1,764,000円から974,000円(790,000円の節税) - 年収1,000万円の人が不動産投資で赤字を500万円出した場合
→所得税は1,764,000円から572,500円(1,191,500円の節税) - 年収1,500万円の人が不動産投資で赤字を500万円出した場合
→所得税は3,414,000円から1,764,000円(1,650,000円の節税) - 年収1,500万円の人が不動産投資で赤字を700万円出した場合
→所得税は3,414,000円から1,204,000円(2,210,000円の節税)
このように、不動産投資では「帳簿上赤字になっている場合」に最大の節税効果が発揮されるのです。
4. 不動産投資をすることでいくら節税できる?|シュミレーションツールを紹介
不動産投資をする際に節税できる金額をシミュレーションする方法がいくつかあります。
様々な方法を使ってより正確にシミュレーションしてみましょう。
インターネットでのシミュレーション
まずはインターネットを使ったシミュレーション方法です。
数字を入力するだけで簡単にシミュレーションができます。
東急リバブル 収益シミュレーション
物件の購入金額やローン返済額、年間の収入や稼働率などを入力すると、表面利回りや実質利回りなどを計算することができます。
https://www.livable.co.jp/fudosan-toushi/simulation-shueki/
楽待 CF(キャッシュフロー)シミュレーション
家賃収入から支払う税金などの費用を差し引いた手取りの収入や、適切な物件の売却時期を計算できます。
https://www.rakumachi.jp/property/investment_simulator
RICHROAD 簡易収支シミューレション
こちらも物件価格などの項目をひとつひとつ入力していくと、簡単な年間収支や想定される利回りを算出することができます。
https://www.richroad.co.jp/simulation/
at home ローンシミューレション
想定される収支を入力することで利回りを簡単に計算することができます。
https://cp2.athome.jp/financial/manage/toushi.html
スマートフォンでのシミュレーションアプリ
スマートフォンのアプリでも、不動産投資に関するシミュレーションをすることができるものがあります。
手軽に試すことができるので、ひとつダウンロードしてみてはいかがでしょうか。
不動産利回り計算機(iPhone)
物件購入の費用や想定される収支、資金計画を入力すると、利回りやローン返済計画などをシミュレーションできます。
不動産投資連合隊(iPhone)
こちらもローン返済計画や収支シミュレーションなどをできるアプリです。
他にも、満室物件や売主情報などの物件情報も豊富です。
5. 不動産投資で節税するには様々なパターンのシミュレーションをすることが大切
不動産投資では大きなお金が動くため、事前にしっかりとしたシミュレーションをしておかないと思っていた成果が出ないこともあります。
せっかく不動産投資に挑戦するのであれば、成功を掴むためにも様々なパターンのシミュレーションを行い、利益や節税効果が出来る限り大きくなるようにしてきたいですね。
この記事では、シミュレーションの方法などについて書いてきましたが、自分でシミュレーションしただけでは不安という方は、MIRAIMOのオンライン無料相談がおすすめです。
MIRAIMO公式アカウント友だち登録
不動産投資のプロによるシミュレーションや提案を基に、投資プランを考えてみてはいかがでしょうか?