不動産の広告で古いアパートなど、築古物件を見かけることがありませんか?
1,000万円を切るどころか、なかには500万円を切るような物件もあります。
現金で購入可能な物件であれば銀行ローンを利用する必要もありません。
このような物件であれば利回りも高いので、利益を得やすいでしょう。
安く購入できて、おまけに利回りも高いとなるとお得な物件だと思うのですが、はたして不動産投資の初心者が手を出しても大丈夫なのでしょうか?
今回は、投資物件として築古の賃貸物件を購入することのメリットやデメリットについて解説します。
また、築古物件を運用した場合の成功例や失敗例により、実践的に築古物件に投資するコツをご紹介しましょう。
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目次
1. そもそも築古物件とは何?

築古(ちくふる)物件とは、中古物件のなかでも、おおよそ築20年を超えた古い物件とされるのが一般的です。
購入時には、物件の耐用年数を確認しなければなりません。耐用年数は木造で22年、RC造で47年になります。
ローンを組むときには耐用年数が何年残っているかがポイントになるので、ローンとの兼ね合いにおいても注意が必要でしょう。
2. 築古物件のメリットやデメリットとは?

築古物件の購入には、安さというメリットがあります。しかし、古いというデメリットもあるので、詳しく確認してみましょう。
築古物件のメリットとは?
投資物件が比較的安い金額で購入できる
価格が安いので、購入資金を抑えることができます。
なかには1,000万円を切る価格の物件もあり、現金で購入できるのであればローン返済の負担もなく家賃収入のほぼ全額を手にすることができるのです。
利回りが良く、利益が出やすい
利回りの概算は、「年間家賃収入÷購入価格」です。したがって、購入価格が安いということは利回りが高くなるので、利益の出やすい物件だといえます。
ローンを組んでいたとしても早期に完済できるのです。
上手くやれば集客できる
駅に近いなど立地が良ければ、集客は可能です。
建物は古くても内装をメンテナンスなどで維持すれば、それほど集客に苦労することはないでしょう。
なぜなら、便利さを求める人が少なくないからです。
築古物件のデメリットとは?
貸し出すまでに時間がかかる
中古物件の場合、貸し出すまでに建物をチェックしなければなりません。
新築のように、すぐに貸し出せるとは限らないからです。
たとえば、内装だけではなく外壁や水回りなど、チェックしなければならないポイントがたくさんあるので時間が必要になります。
修繕費やリフォーム費用がかかる可能性がある
建物が古い場合、あらかじめメンテナンスをしないと、そのままでは貸し出せない状態の物件もあります。
そうなれば、リフォームなどのために費用や時間が必要です。
事前にリフォームにかかる費用や時間を含めた計画を練らなければなりません。
銀行からの融資がおりにくい
築古物件だと耐用年数との兼ね合いで、銀行からの融資が難しくなります。
銀行は購入物件を担保にして、返済が滞れば物件を処分して融資資金を回収しなければなりません。
ところが、耐用年数が少なければ買い手が付かないのです。
売却する際、値引き交渉される可能性が高い
築古物件をしばらく運用した後、出口戦力としての「売却」を考えることになります。
しかし、建物が古いと値引き交渉される可能性が高くなるでしょう。
なぜなら、築古物件を購入しようとするのは、少しでも購入価格を抑えたい人が多いからです。
3. 築古物件の投資での成功例と失敗例
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築古物件の購入には、メリットとデメリットがあります。
したがって、築古物件を購入する時にはメリットを最大限に活かせるかどうかを判断しなければなりません。
そこで、具体的な成功例と失敗例をご紹介しましょう。
築古物件の投資での成功例
修繕費やリフォーム費用を抑えることができる
修繕費やリフォーム費用を抑えることができるかどうかが成功のポイントです。
たとえば、業者選びの際には仲介業者から紹介を受けるのが安く押さえるコツでしょう。
また、室内のリフォーム程度なら自分で施工するという手もあります。
不動産の貸付の知識がある
不動産の貸付知識があれば、成功する可能性は高いでしょう。
たとえば、築古物件であれば比較的安い家賃で募集できるというセールスポイントがあります。
したがって、立地が良ければ内装さえきれいにしておけば空室の心配もそれほどありません。
築古物件の投資での失敗例
何の知識もなく、不動産価格が安いという理由で購入した
不動産投資には、最低限知っていなければならない知識があります。
たとえば、ただ安いという理由だけで購入したのでは失敗する可能性が高いです。
いくら安くても需要のない地域であれば空室になりやすいので家賃収入は望めません。
賃貸需要の確認もせず、ただ利回りが高いという理由で購入した
利回りが高ければ多くの収入が望めるでしょう。
しかし、あくまで賃貸需要があるという前提になります。
なぜなら、利回りの計算である「年間家賃収入÷購入価格」が空室により「0÷購入価格」になるからです。
つまり、収入が0になってしまうということです。
現物を確認せず購入した
価格の安さに飛びついて現物を確認せずに購入するのは失敗につながるでしょう。
物件が安いということは、それなりの理由があるのです。
修理箇所などが多くて、メンテナンスやリフォームをすると他の同等の物件より高くなるケースも少なくありません。
4. 築古投資に向いている人

このように築古物件の場合、安いというメリットがある代わりに、さまざまなリスクもあります。
そこで、築古物件の投資に向いている人をご紹介しましょう。
修繕やリフォームについての知識がある人
築古物件の場合、建物の老朽化による影響が出やすいといえます。
当然メンテナンスやリフォームの頻度も増えるでしょう。
その都度対応しなければならないので、基本的な知識は必要になります。
手持ちの資金で不動産投資をしようと考えている人
物件を現金で購入しようと考えている人には向いている投資方法です。
融資を利用できない人には購入価格が安いのは大きなメリットでしょう。
また、銀行ローンを利用しないので返済リスクを負うこともなく家賃収入のほぼ全額が収入になります。
5. 築古物件を探す方法
不動産投資は、利益を得ることが目的です。
したがって、購入前にメリットのある物件かどうかを見極めなければなりません。
購入しても問題ない物件か良く見極める
購入する前に賃貸物件として利用することができるかどうかを判断してください。
特に多額のメンテナンス費用が必要な物件であれば、「購入費用+メンテナンス費用」になるので、運用計画を見直すことにもなりかねません。
購入を考えているエリアに賃貸の需要があるか調べる
不動産投資は立地の良さが生命線です。需要の少ない場所では、入居者の募集が難しくなります。
既に入居済みの物件もあるのですが、その入居者が退去した場合のことも考えておかなければならないのです。
良い物件が無いか、色々なサイトで比較して探す
現在は、インターネットという便利なツールがあります。
不動産会社からポータルサイトまで、さまざまな物件情報が掲載されているので確認してください。
地道に調べることで、良い物件に出会える可能性が高まります。
6. 築古を購入する前に見ておきたいポイント4つ

築古を購入する時に、チェックが必要なところがあります。特に重要な4つのポイントをご紹介しましょう。
①水回りに問題が無いか確認する
水道管のサビや詰まりの有無を確認してください。排水管の詰まりもチェックしなければなりません。
入居者が支障なく使用できる状態にする必要があるので、修理が必要であれば修繕費用を見積もることになります。
②電気系統の設備に問題が無いか確認する
電気設備についてもチェックが必要です。
照明器具の点灯だけでなく電気容量の確認もしてください。
新たな電気設備の設置により電気容量がオーバーしてしまうことがあるからです。
また、風呂場やトイレの換気扇にも注意しましょう。
③内装や外装に問題個所が無いか確認する
内外装に不具合がないかをチェックしてください。
内装の汚れ程度であれば特に問題ないのですが、雨漏りや建物の基礎部分についての不具合は将来的に大きなトラブルにつながる可能性があります。
④構造状態に問題が無いか確認する
1981年6月以降に建築確認の下りた「新耐震基準」の建物であれば耐震については安心でしょう。
なお、建物に傾きがないかなどの確認もしてください。
築古物件の場合、長い歳月により地盤沈下などの不具合が生じているケースがあります。
7. 築古物件投資で成功する秘訣は?
築古物件投資は、上手く運用できれば利回りの良いお得な投資です。
そこで、築古物件で成功するためのコツをご紹介しましょう。
賃貸需要があるか確認の上、人気のある間取りにリフォームする
大切なのは賃貸需要の有無です。
需要があるのであれば、どのような人が必要としているのかを調べてください。
たとえば、単身者の需要が多いところにファミリー向けの間取りでリフォームしても意味がありません。
この場合、ワンルームの需要に特化するのが効果的です。
不動産投資をする上で管理会社選びは重要なポイント
不動産投資をするときに信頼のできるパートナーを選ぶことは欠かせません。
そのため、パートナーとなる管理会社選びが重要になります。
特にポイントとして重要なことは、客付けに強い会社を選ぶことです。
賃貸経営の大敵である空室を避けることを最優先すべきでしょう。
保険には必ず加入しておく
万が一の備えに保険に加入しておいてください。
自然災害の多い日本では、災害が及ぶ可能性は高くなります。
賃貸経営をするのであれば、保険加入は当然のことでしょう。火災保険だけではなく地震保険への加入も必要です。
8. 築古物件の売却について

不動産投資は、出口戦略としての「売却」までをトータルして成功したかどうかを判断します。
したがって、購入する時から売却する時のことを考えなければなりません。
築古物件は売却しにくい
投資物件を購入する時にはローンを組むのが一般的ですが、築古物件になると担保価値が下がるため、購入するのに銀行の融資がおりにくくなります。
したがって、現金で購入できる額でないと売れ難くなるでしょう。
築古物件は売却するタイミングが重要
売却にはタイミングがあります。
一般的に耐用年数が少なくなれば売り難くなるのですが、地価について周辺相場が上がっているような場合はこの限りではありません。
チャンスを逃さないのも出口戦略では重要です。
更地で売却する方が良い場合とは?
老朽化が進むと、売却が難しくなります。
そこで、更地にして売却することで買主の利用する選択肢を増やすことができます。
賃貸住宅のみならず、自宅としても利用できれば、店舗経営もできるでしょう。買主の間口を拡げることになり売却しやすくなります。
9. 築古の不動産投資をする時は、安さ重視ではなく、知識や業者との連携が必要!
築古物件は、安さがメリットです。しかし、安さばかりに注目すると需要という不動産投資の本質を見失います。
不動産投資はバランスが大切なので、実績や情報に長けた不動産会社のアドバイスや協力がなくては成功することは難しいでしょう。
不動産投資のノウハウを知るためには、あらかじめ専門家に相談することをおすすめします。
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