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コインパーキング経営は儲かるのか|月極駐車場との比較やメリットデメリットを解説

一家に一台以上と言われるほどに車社会の昨今、駐車場ビジネスは市場規模も大きく拡大の一途を辿っています。繁華街に出れば至る所に有料駐車場があり、駐車場不足を感じることはありません。

そんな駐車場事情の背景もあり、空いている土地の活用方法の一つとして今、駐車場経営が注目されています。

初期費用も少なそうだし、土地もしくは土地代さえあればすぐにでも始められそうなイメージがあります。しかも無人で経営できるのでランニングコストが抑えられ、ビジネスとしてはとても魅力的に見えます。

今回はコインパーキング経営と月極駐車場経営の違いに迫り、どちらが儲かるか実際に比較してみたいと思います!

1. 駐車場ビジネス|コインパーキングと月極駐車場

駐車場ビジネスとは、車の駐車スペースとして土地を一時的に提供し収益を得ることです。

駐車場のタイプは、大まかに以下の2種類にわけられます。

  • 平面駐車場
  • 立体駐車場

また収益を得る方法は、以下の2種類があります。

  • 時間貸し(コインパーキングなど)
  • 月極駐車場

このいずれかの組み合わせで、駐車場経営が行われているのが実態です。

それではビジネスモデルの検討にあたって、時間貸しであるコインパーキングと、月極駐車場の2つに注目してみましょう。

コインパーキング経営|自己経営方式・土地賃貸方式

コインパーキングは不特定多数の利用者に駐車場を時間貸しします。車両ロック装置や、自動料金精算機を利用するので、無人営業が可能となり人件費が必要ありません。

コインパーキング業界では、三井のリパーク、タイムズ・パーク24、ユアーズ、コインパークなどが有名で、皆さんも町で見かけたことがあるのではないでしょうか。

月極駐車場経営|管理委託方式・一括借り上げ方式

月極駐車場は特定の利用者と賃貸借契約を結び、毎月決まった料金を払ってもらいます。つまり駐車場の募集や賃貸借契約を結ぶことが必要になってきます。

これらは自分ひとりで行うこともできますが、不動産会社に運営管理を委託することも可能。その場合手数料が必要になる場合があります。

ただし不動産会社を利用するといっても、マンションを借りるときとは少し異なります。

マンションなど不動産物件の仲介には宅建業法の適用になるので、必ず宅建主任者による仲介が必要です。

しかし駐車場に関しては駐車場法という法律が適用されるため、宅建主任者の仲介は原則必要ありません。ここがよく間違われるポイントなので注意して下さい。

2. コインパーキング経営・月極駐車場経営のメリットデメリット

【はじめに】駐車場経営のメリット・デメリット

駐車場ビジネスを行うにあたって、月極駐車場とコインパーキングでメリット・デメリットが違います。駐車場を管理経営するという点においては基本的に同じですが、それぞれの運営スタイルが違うためリスクも異なります。

メリット|狭小地や変形地でも経営可能

駐車場経営のメリットには、以下のようなものがあります。

  • 少額投資で始められる
  • 土地が狭くてもOK
  • 運用開始までの時間が短い
  • やめる時は短期間で撤退が可能

駐車場経営はマンション投資とは異なり、建物を建てる必要がありません。土地を持っていない場合は土地購入をする必要はありますが、準備にかかる資金も期間も小さく済むということ。しかも土地の大きさや形を問わずに運用することができます。

また撤退時は契約解除の予告から1か月程度で退去してもらうことが可能です。

デメリット|税負担と土地利用率

駐車場経営のデメリットは2つあります。

まず1つ目は税金の負担が大きいということ。住宅用地であれば受けられるはずの固定資産税や都市計画税の優遇措置の対象にはならず、確定申告時には減額無しの満額課税となります。

2つ目は、土地の利用率が低いということ。アパートやマンションであれば2階建て、5階建てと、立体的に大きく活用することができます。しかし駐車場経営は基本的に1フロアの平面活用になりますので、土地利用率は大きく劣ることになります。

コインパーキング経営

次にコインパーキング経営のメリット・デメリットを考えてみましょう。

メリット

  • 土地さえあれば投資額が少なくてすむ
  • 他の土地活用への転用がしやすい
  • 人件費が不要
  • すぐに開業できる

まずメリットとしてあげられるのは、投資額がすくなくて済むという点です。ビジネスを行うにあたって初期投資は少ない方がリスクが低いので好ましいです。

また土地を他の不動産活用に転用しやすい点も忘れてはなりません。

さらにコインパーキングでは人件費もいらないので、ランニングコストがほとんど必要ありません。

デメリット

  • 近隣にコインパーキングが多いと価格競争がおこる
  • 駐車場内のトラブルが起こる
  • 場所によっては需要が少ない
  • 節税効果がない

デメリットとしてはコインパーキングの数が増えてしまい、価格競争がおこっている地域がある点です。

特に繁華街でよくあります。「最安値」といった看板を目にしたことはありませんか。他のコインパーキングの価格動向に影響を受けるので、希望する料金設定ができない場合があります。

また節税効果がないのもデメリットです。土地には固定資産税、都市計画税が発生します。

もし土地の上に建物が建っていたら固定資産税分は1/6、都市計画税分は1/3になります。ところが駐車場は更地で建物が建っていないのでこの減税措置がありません。

月極駐車場経営

さらに月極駐車場経営のメリット・デメリットを考えてみます。

メリット

  • 初期投資がほとんどかからない
  • 使用料が前払いでもらえる
  • 継続利用が期待できる
  • 人件費が不要

まずメリットとしてあげられるのが、費用と労力がかからないことです。

既に更地の土地を持っていれば、地面の舗装をすることなくスタートさせることも可能。もちろん、駐車区画を仕切るライン引きが必要ですが安価で簡単にできます。

デメリット

  • 収益が低い
  • 駐車場内のトラブルが起こる
  • 空きが出たら収益が激減する
  • 立地条件によって集客が大きく変わる

大きなデメリットは、空きが出た時のダメージが大きいことです。

時間貸しではなく月単位で貸すので、一旦解約が出ると、月額料金分の赤字になってしまいます。

3. コインパーキングvs月極駐車場|どちらが儲かる?収益シミュレーション

はじめに|賃料相場をチェック

駐車場経営を行うにあたって重要なのは賃料相場。いくら初期投資が低くても、利回りが悪ければビジネスとして成功しません。

駐車場の賃料相場はインターネットで簡単に調べることができます。

ここでは、同じエリア内で月極駐車場にした場合と、コインパーキングにした場合の利回りを計算してみます。

 

全国の月極駐車場の賃料は、以下のサイトを参考にしてみて下さい。

★月極駐車場検索サイト「駐マップ」はこちら

【経営するならコインパーキングvs月極駐車業】実際儲かるのか比較してみた

 

★カーパーキングはこちら

【経営するならコインパーキングvs月極駐車業】実際儲かるのか比較してみた

月極駐車場のシミュレーション

たとえば、大阪市都島区都島本通をモデルにした場合、

  • 駐車可能台数:8台
  • 賃料/月:20,000円
  • 初期投資額:200万円(コンクリート舗装費、ライン引きなど)

表面利回り=(8台×20,000円×12ヵ月)÷2,000,000円×100%=96%となります。

コインパーキングのシミュレーション

月額駐車場と同地域で、

  • 駐車可能台数:8台
  • 時間貸し料金:400円/時(稼働時間6時間とする)
  • 初期投資額:300万円(コンクリート舗装費用、コインパーキング設備費など)

表面利回り=(8台×2,400円×30日×12ヵ月)÷3,000,000円×100%=230.4%

月極もコインパーキングも、一見すると高利回りになりますが、フル稼働想定で修繕費やその他保険料などのランニングコストを抜いているので実質利回りはもっと下がります。

4. 駐車場ビジネスのリスク4つ

①事故の発生

無人駐車場では、事故発生リスクがあります。自動車同士の事故、歩行者との事故、あるいはいたずらなどによって車両を傷つけられるといった事故なども起こる可能性があります。

これは月極駐車場でもコインパーキングでもどちらでも起こりうるリスクなので、経営者は事故対応に追われることがあります。

②賃料の未払い(滞納)

コインパーキングは、駐車場システムや車両ロック板があるので料金の未払いの心配はありません。

しかし月極駐車場の場合は、家賃と同様に賃料滞納リスクがありますので注意が必要です。

③災害リスク

台風、大雨、地震などによる自然災害によって駐車場の自動車が被害を受けることがあります。

こうしたことに備えて、駐車場経営者は保険に入るなど、災害が起こった時の対応策を準備しておく必要があります。

④不正駐車

不正駐車はコインパーキングではあまり起こりませんが、月極駐車場ではよく発生します。もし月極駐車場に無断駐車されていたら、契約者からの連絡を受け、24時間いつでも対応しなければなりません。

こうした違法駐車に対応するために、無断駐車禁止の看板を取り付けるなどの工夫が必要になります。

5. 駐車場ビジネスで注意しておきたいポイント3つ

駐車場は利用する人があってこそ成り立つビジネス。安定した収入につなげるためにも、注意するべきポイントはしっかりと押さえておきましょう。

①駐車場ビジネスは立地と形態が重要

駐車場経営における立地や形態選びは、収益に直結するほどに重要です。

住宅街であれば、駐車場の収容台数を把握しておくことも1つのポイント。1台分の収容スペースしかない住宅が多ければ、月極駐車場は2台目の駐車場として活用してもらえる確率がぐっと上がります。またオフィス街が近い場合は、社用車の駐車スペースとしての需要もあるでしょう。

商業施設や娯楽施設の近くであれば、駐車場ニーズが高まります。しかしコインパーキングの乱立や施設自体が撤退してしまうことも十分に考えられますので、安定した運用は月極駐車場よりもコインパーキングのほうが敷居が高いかもしれません。

②周辺の相場チェックは定期的に

駐車場を利用する立場から見れば、誰でも安いほうが嬉しいもの。安定して利用してくれる人がいればいいのですが、近くに安い駐車場ができればそちらに流れてしまう可能性は十分にあります。

安い駐車場へ人が流れるのは当たり前のことですので、近隣の相場チェックを行うことはとても重要だと言えます。

③収益は手堅く|リスクを考慮に入れる

収益予想をする際は、リスクを考慮して手堅い経営をするほうが無難です。

具体的には、満車を見越した数字で経営を考えないことです。マンション投資と同様に、駐車場経営にも空室(空車)リスクはありますので、見込みだけで経営を進めると思うように収益を出せない可能性も出てきます。

たとえば20台収容の駐車場であれば8割である16台契約の数字を見込むなど、リスクを考慮した保守的な収益計算をするようにしましょう。

利回りは実質利回りで

マンション経営やアパート経営にも言えることですが、駐車場経営は投資金額に対してどの割合で収益を上げられるかがカギです。

利回りには表面利回りと実質利回りがあり、以下のように計算することができます。

表面利回り:年間収入÷投資額×100
実質利回り:(年間収入-諸経費)÷投資額×100

駐車場経営には毎月なんらかの経費が発生しますので、表面利回りではなく実質利回りで計算する必要があります。

経費を考えずに表面利回りだけで経営を進めてしまうと、結果的には失敗……なんてことも十分に考えられます。実質利回りで保守的に経営、それが駐車場経営を安定させるコツです。

6. コインパーキング経営はおすすめの土地資産活用法

日本は先進国なのでインフラが整備されており、公共交通機関は大変充実して便利です。

しかし車の人気はいまだ根強いです。若者の車離れなど言われていますが、車の利便性を考えると、今後も人々の生活から離れていくことはないでしょう。

もし空き地を持て余しているのであれば、土地の有効活用方法としては駐車場経営が魅力的でしょう。

最近では駐車場ビジネスも多様化し、コインパーキングと月極駐車場以外にも、これら二つを併用した駐車場を運営するところもあります。

また最近は車を持っていない人が一時的に車を借りるようなシェアリングサービスも登場し、これに駐車場が参画していて注目を浴びています。

さらに高齢化社会を鑑みれば、お年寄りのための車利用など、いろいろなサービスとの融合にも期待が持てるでしょう。

このように駐車場ビジネスはまだまだ伸びしろがありそうです。

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