みなさんは年金の事について詳しく考えた事はありますか?
多くの方は会社が厚生年金を支払っているので、自分で年金を払う必要はありません。
一方で最近年金が本当に支払われるか不安になった人や、年金だけでは老後の生活が不安という人たちが個人で年金を支払うケースが急上昇しています。
それに伴い様々な種類の年金商品が販売されており、自分のライフプランに合った商品を選択することができるようになってきました。
今回はまだあまり知られていない年金保険についてご紹介していきます。
目次
1. 年金保険とは?
まず最初に年金保険についてご紹介していきます。
個人年金保険の定義
個人年金保険とは満期まで毎月一定額の保険料を支払う事で、満期以降年金が受け取れる保険です。
仮に死亡してしまっても死亡給付金として支払われます。
2. 年金保険の種類とは?
年金保険には様々な種類が存在します。この中から自分に合ったものを比較検討することをおすすめします。
①確定年金
確定年金は、個人年金保険や企業年金において、あらかじめ決められた期間中、年金を受け取ることができます。
被保険者が死亡した場合は遺族に支払われます。
退職から厚生年金が支払われるまでの間に活用したり、厚生年金だけでは足りない場合は2つ合わせて生活の足しにしたりなどの活用方法があります。
②終身年金
保険料が比較的少し高い年金ですが、こちらは生存していれば一生受け取ることができます。
長生きする家系の方など、長生きすればするほど多くの年金が受け取れる終身保険はとてもお得になります。
③有期年金
契約時にあらかじめ決めた一定の支払い期間に、被保険者が生きている場合のみ年金を受け取ることができます。
元本割れを起こしてしまう可能性がありますので、年金支給開始から少しの期間は遺族に年金を支払う保証がついてきます。
④変額個人年金
こちらは保険会社の運用結果次第で受け取れる金額が違います。
これまで紹介した保険は生きた年数で受取金額が異なりますが、変額個人年金に対しては保険会社の運用手腕にかかっていると言えます。
そのため、保険料の一部の金額だけを運用に回す保険会社もあります。
この保険を考えている方は保険会社を見極めましょう。
⑤外貨建て年金
こちらはアメリカドル・ユーロなどに変えて蓄えます。
為替の影響により元本割れのリスクはありますが、一般的に外貨でその国の国債などで運用される外貨建て年金は、円よりも利回りが高くなる傾向があります。
特に長期運用であれば、さらに大きな利回りが期待できる年金商品です。
日本の将来を不安に思っている方にはぴったりと言えるでしょう。
しかし、他の保険と比べて手数料が高い事には注意が必要です。
3. 個人年金保険のメリットとは?
次に個人年金に加入するメリットをご紹介します。
確実にお金を貯蓄することができる
個人年金の特徴としては毎月個人で積み立てをしますので、確実にお金を貯めることができます。
みなさんのほとんどが必ず支払っている厚生年金や国民年金の受取先は国であり、その年金を国が高齢者に支払う仕組みです。つまり自分で支払っている年金は将来の自分のために使われるのではなく、現在の高齢者のために使われているということです。
少子高齢化社会で懸念されていることが、現在年金を支払っている労働者が若ければ若いほど将来の年金の受給額が減ってしまう可能性があるということです。
そこで老後の生活に不安を感じた人たちは個人年金に加入しているのです。
個人年金保険料の控除対象を受ける事ができる
年間で8万を超える掛け金であれば税金が控除されます。
したがって毎月約7,000円を掛け金として支払えば税金が控除されることになります。
普通の貯金は金利で数円もらえるか、今後さらにマイナス金利がすすめば数円〜数百円なくなってしいますが、個人年金は控除があるので、控除分プラスと考えれば貯金より合理的でしょう。
4. 個人年金保険のデメリットとは?
次にデメリットをご紹介します。
途中で解約すると損する可能性がある
個人年金保険は、一度加入したら最後まで加入していないと損をしてしまう仕組みになっています。
したがって、加入する前には途中で解約しなくても済むようにプランを考えておきましょう。
中には一定期間を過ぎると、元本割れせずに解約ができるという商品もあるようです。
しかし、これは長期運用した場合であり、ほとんどのケースでは個人年金の途中解約によって帰ってくる保険料は、支払った金額を下回ります。
年金の種類によっては運用すること自体にリスクがある場合がある
個人年金には色々種類がありますので、商品によってはリスクの存在するものもあります。
特に外貨建ての年金は、日本円以外の通貨に変えて運用することから為替リスクを伴うため、ある程度世界状況を理解していないとリスクが高くなる可能性があります。
為替リスクは政治面や、経済状況、地政学リスクにより大きく変動しますので注意が必要です。
5. 個人年金保険の返戻率について
次に注意点として返戻率をご紹介します。
個人年金保険の返戻率を上げるには?
返戻率(へんれいりつ)とは支払った保険料に対して戻ってくる金額の割合です。
例を挙げると、100%だと支払った金額と同額が戻り、100%を切ると元本割れし、100%を超えるとお金が増えて戻ってきます。
年金保険商品の多くは、契約年数が長ければ長いほど返戻率が高くなるので若いうちから加入することがポイントになります。
もう1つのポイントとしては、保険会社に払った保険料を長く保有してもらうことが返戻率をあげるポイントになります。
定年退職後にすぐ受け取るのではなく、数年経ってから受け取るとさらに返戻率が高くなることがあります。
最初は退職金や貯金で暮らして、返戻率の上がる時期を見て個人年金の受け取りを始めるという選択はおすすめです。
6. 個人年金保険以外の私的年金にはどんなものがある?
個人年金以外の私的年金についてご紹介します。
積立定期
積立年金とは元本が保証されるもっとも安全な積立方法になります。
積立期間を自分で設定でき、預ける金額と預ける期間により利率が異なってきます。
途中解約することはできますが、その場合金利は大幅に下がり途中解約金利が適用されることが多いです。
積立期間は年金のような数十年ものの期間はありませんので、満期が来たら自分で管理しなければいけません。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
去年あたりから話題となっているiDeCoは個人で年金を積み立てることができる制度です。
こちらは職種などによって設定できる毎月の積立金額が異なります。
公務員でもできるのが特徴的です。
公務員の場合は毎月の最高積立金額が低いですが、株式投資などができない面からするととても良い制度です。
自営業の場合は最高積立金額がとても高く設定できます。
iDeCoは税金の控除も受けることができますので、年金を積み立てながら節税対策もできておすすめです。こちらは低コストで変動の弱い投資信託で運用するので長期的な積立が望ましいです。
国民年金基金制度
こちらは自営業やフリーランスなどの企業に守られていない人たちに向けて、行っているサービスで、年金に金額を上乗せして年金を支払うものです。
特徴としては掛け金の全額が所得税控除できるので、一度検討してみてはいかがでしょうか?
7. 保険料を少しでもお得にするには?
最近保険には様々なサービスがついていますが、そのほかにも少しお得になる方法をご紹介します。
支払い回数を出来る限り少なくする
返済にも支払いにも共通して言えることでが、とにかく支払い回数を減らすことが必要です。
返済回数を減らすことで保険料を低くすることができますので、極力まとめて支払えるようにしましょう。
支払いをクレジットカードにしてポイントをつける
最近保険料をクレジットカードで支払うことができる保険会社も出てきています。
保険や年金は定期的に支払うものなので、クレジットカードを利用することでポイントも定期的に貯めることができます。
8. 住宅ローンがある場合は、年金保険に入るより繰り上げ返済する方が良い
住宅ローンは銀行のプラン通りに支払うと銀行が儲かるように設定されています。
このことから、個人年金に加入するのであれば加入する前に住宅ローンを繰り上げ返済しましょう。
住宅ローンの金利が返済額に占める金額は非常に大きいものであるため、返済期間を短くすることで支払う金利の総額を減らすことの方が先決です。
したがって、住宅ローンを完済してから個人年期保険の加入を検討しましょう。