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古家付土地は売却する?活用する?|早く処分した方がいい4つの理由と注意点を解説

古家付土地を所有していて

「古家付きの土地を所有しているけれど、どうしたら良いのか分からずそのまま・・」

「毎年田舎に帰って掃除するのが面倒くさい・・」

「売るとしてもどんな方法があるのかが分からない・・」

そんな悩みを抱えていませんか?

 

「古家付きの土地をどうするか」ということは、決して簡単な問題ではありません。

なにも知らないままにうかつに動いてしまうと、変に手間がかかったり損をしてしまったりするリスクがあります。

ここでは、意外と知られていないことが多い「古家付きの土地」について、売却するのであればどのタイミングでどんなメリットがあるのか、活用するのであればどんな活用方法があるのかを詳しく説明していきます。

Index

1. 古家付きの土地は売却する?活用する?

古家付きの土地には「売却」するか「活用」するかの2つの対応方法があります。

まずは「売却」に焦点を当てて見ていきましょう。

2. 古家付きの土地を早く売った方がいい理由4つ

古家付きの土地は、何よりも「放っておくこと」が一番良くありません。

それはなぜでしょうか?理由を4つご紹介します。

①放っておくほど売れなくなる

当然ですが、古家は放っておくと売れなくなります。

例えばあなたが中古物件の購入を考え物件情報を見ていたとき、同じ条件で築8年と築12年の家があったらどちらを選びますか?答えは明確ですよね。

築年数が10年を超えると、その家の価値はガクッと下がり、売れ残り物件となる可能性が高まってしまいます。

②固定資産税がかかる

家に思い入れがあると、なかなか売却に踏み切れない気持ちもわかりますが、売りに出さないことで、「固定資産税」を払いつづける必要があります。

売れなくなった空き家の固定資産税は、子供や孫へと引き継がれていく上、恐ろしいことに、支払いが滞ると他の資産を差し押さえられてしまうリスクもあるのです。

③「特定空き家」に指定される可能性がある

2015年5月26日に施行された「空家等対策特別措置法」において、「特定空き家」は下記の通りに定義されています。

『特定空家等とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう』

参考:http://www.mlit.go.jp/common/001080534.pdf

この「特定空き家」に指定されると、固定資産税がなんと「6倍」にも跳ね上がります。

古家を放置して上記のような状態になると、「売れない上に税金も多くかかる」泥沼状態にハマってしまうのです。

④管理費・維持費が掛かる

古家を売らないままでいることのデメリットは、もう1つあります。

人が住まないということは、掃除やお手入れをする人がいないため、所有者は周辺の住民に迷惑がかからないよう、こまめに管理をしなくてはなりません。

例えば自宅から遠く離れた田舎町の古家であれば、毎回その土地に行くために交通費もかかってしまいますよね。

一刻も早く売ることで、こういったお金を大幅に節約することができますよ。

3. 古家付きの土地の売却方法は3種類

「古家付きの土地は早く売った方がいい」ということはご理解いただけましたか?

続いては具体的な売却方法を3種類ご紹介します。

①古家付きのままで売る

まず、古家付きのままで売る方法です。

メリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

手間や時間は掛からない

古家付きのままで売る場合、解体や測量などの手間、諸費用はすべて「買主負担」となります。

手間や時間が掛からないので、日々の仕事や家事が忙しく、あまり時間がとれない人には大きなメリットですよね。

瑕疵担保責任がある

「瑕疵担保責任」とは、売却した際に気づかなかった物件の不具合に関して、売主が買主に対して負う責任のことをいいます。

古家付きのままで売るとこの瑕疵担保責任を果たすデメリットがありますが、こちらは売主と買主との協議によって「免除」することも可能です。

売却価格は安めになる

上述した通り、買主は解体や測量などの諸費用を負担するので、それらを考慮した「比較的安めの売却価格」を望みます。

古家付きのままで土地を売る場合、売却価格が安くなることは避けられません。

②リフォーム・リノベーションして売る

続いて、古家を解体せずにリフォーム・リノベーションして売る方法です。

更地を買い新築を建てたい買主は対象からはずれ、中古物件目的の買主が対象に入ります。

解体費用が掛からない

①と同様に、解体費用がかからないというメリットがあります。

費用に見合った価格で売れるとは限らない

リフォームすることで物件がよりキレイになるのはご想像の通りですが、作業にかかった高額のお金を売却価格に上乗せすると、むしろ売れづらくなってしまうリスクがあります。

わかりやすくキレイに、かつ少額でリフォームやリノベーションを行えるようであれば、検討してみてもいいかもしれませんね。

③更地にして土地だけ売る

3つ目は、売主が解体工事をして更地にしてから土地だけ売る方法です。

更地は土地の用途がさまざまですので、より売れやすくなりますよ。

古家付きより高く早く売れる

①で述べた通り、古家付きのままで売る場合には、諸費用を買主が負担しますが、更地の場合はそういった費用が発生しません。

そのため多少高くても人気があり、早く売れる傾向にあります。

解体費用が掛かる

デメリットとして挙げられるのは、建物解体にともなう「費用やリスクはすべて売主が負わなくてはならない」という点です。

庭木やブロック、地中に埋まった浄化槽など、設計図にはない部分にも費用がかかってきますので、見積内容は念入りに確認するのがよいでしょう。

注意点|住宅特例と再建築不可物件

なお、更地にして土地だけを売った場合には買主が新たに物件を建てることになりますが、その際には制限があるので注意が必要です。

家を建てる土地は、基本的に「4m以上の道路に2m以上接している」必要があります。

解体する古家がこの基準を満たさない「再建築不可物件」であった場合、更地にしたあとに新しく家を建てることが困難になるので、売却価格も安くなってしまいます。

ただしその理由によっては再建築不可物件を解消することができる可能性もありますので、一度役所や建築家のプロに相談してみるのがよいでしょう。

4. 要チェック!不動産売却の特例が受けられることも

古家付土地は売却する?活用する?|早く処分した方がいい4つの理由と注意点を解説

 

3つの方法をご紹介しましたが、ご自身に合った売却方法は見つかりましたか?

それでは次に、古家付きの土地を売却する場合にチェックすべき不動産売却の特例をご紹介します。

不動産を売却する時の税金|譲渡所得税・住民税など

不動産を売却すると、その際に出る利益である譲渡所得に「譲渡所得税」が課されます。

譲渡所得とは、単に売却価格から購入価格を差し引くのではなく、下記の計算式で表されます。

(売却金額-売却時の諸費用)-(購入金額+購入時の諸費用-減価償却費用※)

※減価償却費用:建物について時間が経つにつれて建築価値が下がる費用

例えば下記のような場合・・

  • 5,000万円で土地・建物を売却した。
  • 売却時の諸費用は250万円
  • この土地・建物は5年前に4000万円で購入した。
  • 購入時の諸費用は190万円

譲渡所得はこのような計算式で算出されます。

(5,000万円-250万円)-(4,000万円-190万円-減価償却費用)

また、譲渡所得税の税率は、「長期保有」と「短期保有」の2種類の保有形式によって区別されています。

・長期保有(不動産の所有期間が5年を超えている場合 ※売却した年の1月1日時点)

所得税:15%

住民税:5%

 

・短期保有(不動産の所有期間が5年以下の場合 ※売却した年の1月1日時点)

所得税:30%

住民税:9%

3,000万円の特別控除|住まなくなってから3年以内

さて、譲渡所得についてご理解いただけましたか?

通常は先ほどの計算式で算出された譲渡所得に「譲渡所得税」が課されるのですが、

特定の条件を満たせば、なんと「3,000万円の特別控除」を受けることができます。

それでは気になる特別控除の条件を見ていきましょう。

控除を受けられる条件とは?

控除を受けるためには、売却する不動産が「居住用」である必要があります。

言い換えれば「マイホーム」のことで、アパートや賃貸マンションは該当しません。

この控除は原則その居住用不動産に住んでいた場合に適用されますが、万が一すでに引っ越してしまって住んでいない場合でも「住まなくなった日から3年目の12月31日まで」に売却すれば適用されます。

また、不動産を解体してしまっている場合でも「解体した日から1年以内」に売却すれば適用されます。

注意|駐車場などに使用すると控除が受けられない

上記のように、居住用不動産であれば基本的には適用される3,000万円の控除ですが、駐車場など「居住用以外の用途」で使用していた場合には適用されませんので、注意が必要です。

空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例

さらに、2016年4月1日からは「相続空き家」も3,000万円の特別控除の適用対象となっています。

注意|他人に貸すと控除が受けられない

ただし、空き家には特別控除の適用にあたり、「他人に貸すこと」が禁じられています。

仮にあなたが相続で空き家を手に入れたとしたら、まず何を頭に浮かべますか?多くの人は、それを「何かに活用できないか」と考えるものです。

今流行りの古民家カフェにリノベーションしたり、他人に貸して収益を得たりと、夢がふくらみますが、ご説明した3,000万円の控除を受けるにあたっては、そのような行為は認められません。

相続空き家の活用を検討する場合には、それが「特別控除を放棄する行為である」ということは常に念頭に置いてください。

なお3,000万円の特別控除についてより詳細に知りたい方は、こちらの国税庁ホームページをご参照ください。

https://www.nta.go.jp/index.htm

5. 古家付きの土地を活用する場合の方法①|賃貸して活用する

ここまで売却について述べてきましたが、今度は古家付きの土地を「活用」する場合を考えていきましょう。

まずは「賃貸」としての活用方法を見ていきます。

古家付き土地として賃貸する

古家をそのままにして、「古家付き土地」として賃貸する方法があります。

月々に安定した収入が得られる上に入居者がいるので自ら維持管理する必要もなく、建物の劣化防止にもなる、といったさまざまなメリットがあります。

リフォームが必要になることも

ただし、あまりにも手入れがされていない古家の場合はリフォームをしてから賃貸する必要があり、その分初期費用が高額となってしまいますので注意が必要です。

定期借地契約で賃貸する

次に、「定期借地契約」で賃貸するという方法があります。

定期借地契約とは、通常の借地契約と異なり契約の更新がなく、「決められた契約期間が終了した時点で確実に土地が貸主に明け渡される」というものです。

これにより、大切な子孫に土地を残すことができますね。

建物の解体が必要なことも

なお、購入者が新築のマイホームを建てる場合などは、建物を解体する必要があります。

6. 古家付きの土地を活用する場合の方法②|用途を変更して活用する

古家付きの土地は、賃貸にとどまらず、さまざまな形に「用途を変更」して活用することも可能です。

駐車場やコインパーキングとして活用する

土地の活用と聞いて多くの方が思い浮かぶのは「駐車場」ではないでしょうか。

駐車場として活用する場合、一番のメリットは「初期投資を少なく抑えられる」ことです。

節約したいのであれば、必ずしもコンクリートで舗装する必要はなく、除草や整地、線で区切るなどをするだけでも駐車場として使うことができます。

またコインパーキングにする場合には精算機などの専用機械を設置しなくてはいけませんが、それらの設置費用は基本的に請負業者が負担してくれるので、実質初期投資ゼロで始められます。

コインパーキングは月極駐車場よりも高い賃料で貸せる可能性が高く、安定した収入が見込めるのが魅力です。

控除が受けられない可能性もある

魅力的な駐車場としての活用ですが、先に述べた通り譲渡所得税について「3,000万円の特別控除」が受けられないというデメリットがあります。

したがって、両面を見極めた上で検討することをオススメします。

投資用物件を建築する|戸建て・アパート・高齢者住宅など

古家を解体し、戸建て・アパート・高齢者住宅などの投資用物件として活用する方法もあります。

「一戸建て」は初期投資が少なく、狭い土地でも建設が可能です。

賃料相場や地価が高いエリアに土地をお持ちであれば、「アパート」の経営もオススメです。

高額な初期費用や修繕費用はかかりますが、税金が優遇され、節税効果が高く安定収入が見込めることは魅力的ですよね。

 

また、「高齢者住宅」については、少子高齢化の進行に反し、まったく足りていないというのが現状です。

そのためサービス付き高齢者住宅を建築すると、国からの補助金が得られたり、税制上の優遇措置を受けることが可能です。

しかしながらもちろん設備には介護・医療の専門知識が必要なため、検討する際はノウハウと実績のある専門業者に相談しましょう。

立地やニーズの見極めが必要

ご紹介した戸建て・アパート・高齢者住宅ですが、立地やニーズによってはかなり収入に差が出てきます。

こうした投資用物件を建築する際には、必ず立地やニーズをじっくりと見極め検討した上で行動に移しましょう。

7. 売却も活用も早めに取り掛かるのがおすすめ!

いかがでしたか?

古家付きの土地は放っておくと「売れなくなってしまう」「お金がかかる」などと、何ひとつ良いことがありません。

ご紹介した通り、売却する場合にも活用する場合にもさまざまなメリットとデメリットがありますが、それらの検討も含め、とにかく「早めに行動すること」をおすすめします。

上手に土地を活用し、あなたやあなたの大切な子孫がより素敵な人生を送れることを願っています。

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