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土地の鑑定は行うべき?|不動産鑑定の意義と必要性から鑑定方法まで徹底解説!

不動産投資を行おうと思っている人は多いのではないでしょうか?

不動産投資を行うにあたり、保有しする土地の鑑定をすることはその後の運用において重要な意義を持ちます。

土地にはそれぞれ価値というものがあります。

駅前や繁華街の土地の価値は高い事はわかっていると思いますが、住宅街や今後保有しようとしているところはどうでしょうか。

価値の低い土地に不動産を持っても意味がありません。

 

そこで、今回は土地と建物の価値を決める不動産鑑定とはどのようなものなのかをお話ししていきます。

不動産投資をするからには利益に結びつけたいですよね。

鑑定する際のメリットやデメリット、鑑定方法という部分まで詳しくお話ししていきますので、参考にしてください。

1. 不動産鑑定評価とは?|概要と意義・必要性

不動産売買を検討している人や、不動産を相続するときによく耳にするのが『不動産鑑定評価』という言葉。

その名の通り、不動産の価値を鑑定・評価することを指しますが、不動産の状態・種類からその地域特徴や不動産市場の動向までを国土交通省が定めた基準に則り鑑定・評価します。

そのため、不動産を取得または手放す際に正確かつ妥当な価値を知るために利用するのがこの『不動産鑑定評価』。

ここでは、その具体的な仕組みや『不動産鑑定評価』を行うとどんなメリットがあるのか?などをご説明します。

不動産鑑定評価とは|不動産の経済価値を金銭的に判断する

不動産鑑定評価の概要は先ほど説明した通りですが、不動産の売買などを検討されている方にとって一番の関心事になるのが、その不動産がいくらで売れるのか、売値は妥当であるのか、ということですね。

不動産鑑定評価ではそれを判断してくれる、という訳です。

鑑定できるのは不動産鑑定士のみ

不動産鑑定評価は誰にお願いできるのでしょうか。

実は、鑑定できるのは国家資格を有する「不動産鑑定士」のみ実施することができます。

不動産業者の「価格査定」との違いとは?

不動産鑑定士ではない不動産業者が行う「価格査定」とは何が違うのでしょうか。

一般的には、不動産業者が行う価格査定には以下のような特徴があります。

  • 査定の形式に決まりはない
  • 査定内容に法的な責任はない
  • 無料で実施されるものである

つまり、それぞれの事業者が参考として出すのが不動産業者の価格査定です。

そのため、価格が業者ごとにまちまちになってしまったり、訴訟問題に発展した際の公的な証明にならないケースが多いという点がデメリットです。

不動産鑑定の意義|市場に代わり適正な価格を判定する

一般的にモノの価値は市場の需要と供給から適正価格が決まっていきます。

不動産も同様に需要と供給を参考に価格を決定しますが、加えて不動産鑑定士がルールに則り価値を判断するという仕組みになっているのです。

不動産鑑定の必要性|市場の特性と適正価格の難しさ

不動産鑑定士が価値判断を行う最大の理由には以下のような不動産市場の特殊性が挙げられます。

  • 全く同じ不動産が存在しないこと
  • 立地・状態だけでなく様々な要因が価値に影響すること

つまり、不動産価値について知識がなければその価値を判断することは非常に難しいということです。

不動産鑑定が役立つ場面|売買や賃貸借以外にも

不動産鑑定は不動産の売買以外にも、こんな場面で利用できます。

  • 家賃・契約更新料など賃貸借契約を行う場合
  • 不動産を相続する場合
  • 保有する資産の価値を知りたい場合
  • 資金の借り入れ等で不動産を担保とする場合
  • 不動産を証券化する場合

2. 不動産鑑定評価依頼のメリット3つ

ここまで不動産鑑定評価について説明してきましたが、ポイントを整理するとメリットは以下3つです。

①不動産の適切な価格が分かる

不動産価値を適切に判断することができれば売買の際の参考になるだけでなく、今後の資産運用計画にも役立てることができます。

また、相続の場合では資産の適切な価格が分かることでより公平な資産分配ができるなどのメリットがあります。

②鑑定評価書は信頼度が高い

不動産鑑定評価を依頼すると作成されるのが「不動産鑑定評価書」です。

不動産となるとやはり動くお金が大きい分、いざという時の為にその価値を保証する根拠があるというのは非常に大きな価値となります。

鑑定評価書は、公的機関などの第三者にその価値を示す文書として利用することができます。

③客観的なアドバイスが聞ける

また、鑑定を行う鑑定士は取引の当事者ではないので客観的なアドバイスをしてくれるというメリットもあります。

査定する人と買い手が同じだったりすると、そうはいきませんよね。

その不動産を売るべきか、買うべきかなどといった判断に対する客観的なアドバイスも期待できます。

3. 不動産鑑定評価の方式3つ

不動産鑑定士はどのようにして価値を鑑定するのか、説明して行きましょう。

鑑定の方法は①収益還元法、②取引事例比較法、③原価法の3つが挙げられます。

それぞれ特徴を見て行きましょう。

①収益還元法

収益還元法とは、”対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純利益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の資産価値を求める手法”とされています。

『不動産鑑定評価基準』-国土交通用(http://www.mlit.go.jp/common/001043585.pdf)より引用

つまり、将来的に生み出す価値を検証の対象としている為、取引価格の変動が著しく大きい場合などに有効な方法とされています。

その収益価格を求めるには以下二つの方法があります。

直接還元法

一定期間の純利益を還元利回りによって還元する方法を直接還元法といいます。

この計算方法では、『一時期(1年間など)の順収益』を『還元利回り』で割ることにより、不動産の収益価値を算出します。

なお、還元利回りとは不動産の収益性を表す数字ですが、土地の場合は『地価公示』で示されています。

不動産については『収益の総和÷不動産価値』で算出することができます。

DCF法

DCF法とは、Discounted Cash Flow法の頭文字をとったものです。

この方法では、不動産の収益価値は連続する複数の期間で発生する『純収益』と『復帰価格』を現在価値に割引き合計することで算出します。

『復帰価格』とは保有終了時の不動産の想定価格のことを言います。

②取引事例比較法

取引事例比較法は、複数の類似事例を比較しながら以下の要因を分析した上で価格を算出する方法です。

  • 取引の時期
  • 地域要因
  • 個別要因

など

比較事例は多数ある中で、取引情報が正常であるかどうかなど様々な観点から選出されたものを使用します。

③原価法

原価法とはその不動産を再度建設する場合、実際どのくらいの原価がかかるかを計算したうえで、経年した分の価値を減価することにより現在の価値を算出する方法です。

なお、建築方法・工法の変化などで再調達不可能である場合は同等のものと置き換えて算出することも可能です。

【参考資料】不動産鑑定評価基準

ここまで3つの算出方法の概要について説明してきました。

より詳しくその算出方法や、それぞれのメリットデメリットなどを知りたい方は以下の資料を参考にしてみてください。

不動産鑑定評価基準』-国土交通省

4. 不動産価格に影響する要因3つ

ここまで不動産価値の鑑定方法やその意義について説明してきました。

では、実際に不動産の価格に影響する要因は具体的にはどのようなものなのか。

気になるところですよね。

この要因は先ほど紹介した『取引事例比較法』でも適用される比較項目にもなっています。

では詳しく見ていきましょう。

①一般的要因

いわゆる一般的な要因をまとめたのがこの一般的要因です。

主に以下の項目があり、それぞれが不動産の価値に影響を及ぼします。

自然的要因…気象条件や地質、土壌の状況など

社会的要因…生活様式や人口、世帯の状況、公共設備の整備状況など

経済的要因…税負担の状況や財政状況、物価水準など

行政的要因…税制や住宅政策・計画状況など

 

②地域要因

地域要因はその名の通り、地域の特徴に起因する要因のことを指します。

ここではその地域の用途を特定し、それが不動産価値に影響を与えるという考え方がベースとなっています。

用途地域は以下のように分類されます。

住宅地域…住環境として快適であるかどうかが評価対象。例えば区画の面積、都市との交通の利便性など

商業地域…地域の収益性が評価対象。商業施設や業務施設の集積度、交通機関の利便性など

工業地域…経済性・利便性・効率性が評価対象。関連産業との利便性や設備の整備状況など

③個別的要因

個別的要因ではその不動産の個別的要因のことを指しますが、それぞれの用途(住宅、農地など)によって異なります。

宅地の場合は接面道路との関係(角地であれば価値が上がる、など)や、その区画の形などに対し比較項目が設けられます。

5. 不動産鑑定の依頼料金は?|不動産の価格や類型などに左右される

実際に不動産鑑定を不動産鑑定士に依頼するといくらかかるのでしょうか。

不動産鑑定評価には報酬の標準基準表があり、基本的にはこの基準に則り料金が決まってきます。

また、この規準表によると基本的には以下が依頼料金を決定します。

  • 不動産の価格
  • 不動産の類型(不動産の種類)

具体的な金額は以下の表を参考にしてみてください。

不動産の価格、類型にもよりますが一般的な住宅であれば数十万円が相場ですね。

ただし、マンションなど数億円の不動産となると、百万円以上かかると想定しておきましょう

 

宅地又は建物の所有権 宅地見込地の所有権 農地又は林地の所有権・ 家賃 宅地の借地権 宅地の区分地上権・地代 建物及びその敷地の所有権 建物の区分所有権及び当該権利にかかる敷地所有権
500万円迄 181,000円 241,000円 362,000円 181,000円 241,000円 241,000円 301,000円
1,000万円迄 181,000円 302,000円 422,000円 211,000円 271,000円 271,000円 339,000円
1,500万円迄 196,000円 393,000円 513,000円 256,000円 332,000円 316,000円 415,000円
2,000万円迄 226,000円 453,000円 573,000円 286,000円 392,000円 347,000円 490,000円
2,500万円迄 249,000円 497,000円 618,000円 316,000円 437,000円 377,000円 546,000円
3,000万円迄 264,000円 527,000円 648,000円 346,000円 467,000円 407,000円 584,000円
4,000万円迄 286,000円 573,000円 693,000円 392,000円 512,000円 452,000円 640,000円
5,000万円迄 316,000円 618,000円 738,000円 437,000円 557,000円 497,000円 697,000円
6,000万円迄 346,000円 648,000円 768,000円 467,000円 587,000円 527,000円 735,000円
8,000万円迄 392,000円 693,000円 814,000円 512,000円 633,000円 573,000円 791,000円
1億円迄 439,000円 740,000円 861,000円 559,000円 680,000円 620,000円 844,000円

TSK 株式会社東京システム鑑定 HPより一部抜粋

6. 不動産鑑定の流れ|相談から受け取りまで

大体の予算感を把握したところで、どのような流れで鑑定が行われるのかみて行きましょう。

①不動産鑑定事務所を探し、相談する

まずは依頼する鑑定事務所を探して、相談をしましょう。

事務所探しで重要なポイントは以下3つです。

  • 無料相談を行っているか
  • 料金が妥当であるか
  • 客観的かつ親身になってアドバイスをくれる雰囲気であるかどうか

上記のポイントを確認するために、複数の事務所を比較検討することをおすすめします。

②不動産鑑定を申し込む

信頼できる事務所を決めたら申し込みを行います。

委託契約を結ぶ前に、料金など不安な点は解消しておきましょう。

③不動産鑑定士|対象不動産を調査する

契約を結ぶと対象不動産の調査が始まります。

この調査では不動産そのものだけでなく、役所の情報などの調査も行われます。

調査を行った上でいずれの評価手法が良いか検討を行い、評価額を決定します。

④不動産鑑定士|評価作業を行う

評価手法が決定したら評価に必要な情報収集などの評価作業が行われます。

⑤不動産鑑定評価書を受け取る

評価作業の全行程が完了すると『不動産鑑定評価書』を受け取ることができます。

この書類には評価の根拠となる様々なデータが記され、法的な根拠となる書類です。

この書類を受け取り、不動産鑑定評価が完了します。

7. 不動産鑑定評価はメリットが大きい|必要に応じて依頼しよう

一見難しそうに聞こえる不動産鑑定評価ですが、実施することでその不動産の適切な価値を知ることができ、またその価値を法的な根拠として示すことができるというものです。

鑑定評価には一定の金額がかかりますが、不動産の売買時に不当に安く見積もられてしまったり、逆に高く売られたりするリスクなどを考えるとメリットは大きいのではないでしょうか。

不動産の売買に関わらずご自身の資産の価値を正しく把握するために必要に応じて不動産鑑定評価を行いましょう。
 

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